そのキャットフード安全?よく使われている合成調味料の危険性と表示

私たち人間の食事と同様に、今日ではキャットフードにも様々な添加物が使われています。

キャットフードを購入する時にメーカーや味、値段は見ていても原材料や使われている添加物が、どんなものかまで気にすることはあまりないかもしれません。

今回は添加物の中でも合成調味料にスポットを当てて、それがどんなものなのか、危険性はあるのか紹介したいと思います。

うま味を出すための調味料と、栄養分を添加する為の調味料がある

調味料というと、人間の食品で言えばしょうゆや砂糖、ソースやケチャップといったものを連想すると思います。

合成調味料とはその中でも化学的に合成して作り出されたものであり、主にうま味を出すために使用されることが多いです。また、足りない栄養素を補うために使用されることもあります。

日常よく使われる食品で多く目にするものでは、アミノ酸がその代表といえます。

猫は人間ほど多くの味覚を備えておらず、苦みには敏感で甘味は感じないと言われています。

人間と違って基本的に肉食動物ですから、甘い味を感じ取る必要性がなかったと考えられています。

犬ほどでないにしても、猫の嗅覚は人間よりも優れており、通常食べ物は匂いで判断をしています。その上で、合成調味料は猫の食欲を増進させるために使われていることが多いです。

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では、よく使われている合成調味料はどんなものがあるのか、危険性はあるのか具体的に見ていきます。

長期の摂取は危険!グルタミン酸ナトリウム(アミノ酸)

現在ではほとんどの加工食品に使われているアミノ酸は、冒頭でふれたようにうま味を出すために使われています。

その主成分はグルタミン酸ナトリウムと呼ばれるものです。

これは日本人により開発された調味料であり、海草や大豆などのうま味の成分となるグルタミン酸に、ナトリウムを加えて結晶化させたものとなります。

代表的な商品としては「味の素」があげられます。

また、表記が「アミノ酸等」となっている場合は、このグルタミン酸ナトリウムに別の素材を加えた物を指します。

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良く使われるものでは煮干や鰹節に含まれるイノシン酸、干しシイタケに含まれるグアニル酸などがあります。

これらのものグルタミン酸ナトリウムに加えるのは、よりうま味が増しておいしいと感じるからです。加工食品を美味しくできる魔法の粉として、キャットフードにもふんだんに使われている人工の添加物です。

体への蓄積が危険視されるため、ほどほどの摂取が無難

人間の場合においても、長期の摂取で脳神経への悪影響や手足のしびれなどを起こす可能性があるという研究データもあります。

2006年にはアメリカの研究機関より、取りすぎると片頭痛の危険性があるという発表もされました。

また、麻薬にも劣らないほどの依存性も指摘されており、グルタミン酸ナトリウム系統のアミノ酸が含まれている食品ばかりを食べ過ぎると、そればかりを食べずにはいられなくなる危険性もあります。

人間でもカップラーメンやコンビニ弁当等の加工食品ばかりを食べる人は、このアミノ酸の依存症になっている可能性があるともいわれています。

成分表を確認し、グルタミン酸ナトリウム系統のアミノ酸が入っているものばかりを選ばない様にすると良いでしょう。

タウリンは意識して取りたい栄養素

ドリンク剤でおなじみのタウリンは、医薬品として使用される場合と、添加物として使われる場合があります。

アミノ酸の一種で、1827年にドイツの学者により牛の胆汁から発見されました。ラテン語で牛をタウラスというため、それにちなみタウリンと呼ぶようになりました。

これも主にうま味を出すために使われており、現在では特に魚介類に多く含まれていることがわかっています。

タウリンはむしろ猫には必要な栄養素なので、たいていのキャットフードには含まれていることが多いです。

人間と違い、猫はタウリンを体の中で作る事が出来ません。タウリンが不足すると、網膜に異常が出たり、心臓機能の低下にもつながります。

魚介類が主体のキャットフードであれば、素材そのものにタウリンも含まれていることが多いです。穀物主体の安価なキャットフードや、おやつ類にはタウリンが入っていない、もしくは少ない場合もあります。

特に高齢の猫は吸収率が低くなりますので、意識的にとりたい所です。

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メチオニンは尿路結石の改善のために摂取する

これもアミノ酸の一種で、味をよくするために使われます。主に乳製品や肉、魚に多く含まれています。

尿をアルカリ性から酸性へ戻す働きがあり、結石の発生率を抑える役割がある為、特に尿路結石予防のキャットフードに多く含まれています。

しかし逆に、尿が酸性になると腎不全や骨のミネラル不足などのリスクが高まる為、過剰摂取は控えたい所です。

基本的に魚や肉を主体としたキャットフードには多く含まれていますので、総合栄養食として与える事でメチオニンも一緒に摂取できます。

おやつばかりを食べさせるという極端な偏りがなければ、問題はないでしょう。

泌尿器系の疾患がないのに、尿路結石用の食事を与えるといったことは過剰摂取につながり、体調を崩す恐れもあります。

キャットフードは用途に応じた栄養素が添加されていますので、どんな状態の猫に対して作られたキャットフードなのか、確認して購入するようにしましょう。

トリプトファンは尿路結石の改善に使用される

同じくアミノ酸の一種で、精神を安定させる効果があります。人間用ではうつ病や頭痛改善の治療薬として使われています。魚や肉などタンパク質の多い食品に含まれている栄養素です。

犬の場合は、攻撃的な性格を落ち着かせる効果があるといわれています。

通常のキャットフードに使われることはなく、尿結石のリスクを高めるコルチゾールという物質を抑える効果がある為、尿路結石用の食事に多く含まれています。

取りすぎると拒食や体重減少を引き起こすという報告があります。これもメチオニン同様通常の食事を、規定量の中で与える分には特に問題はないでしょう。

なお、タウリン・メチオニン・トリプトファンはアミノ酸等ではなく「アミノ酸類」と異なったカテゴリーで表記されています。これは必要な栄養分として添加されていることが多いので、うま味を出す以外の役割もあるものとなっています。

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これらは猫のライフスタイルや体調に応じて、必要な分を取る様に心がけましょう。

便秘解消効果が期待できるオリゴ糖

便秘解消によいとされるオリゴ糖はその名の通り糖の一種で、グルコースなどそれ以上分解されない糖が3つ以上(はっきりとした定義がない為、2つ以上とする場合もあり)結合したもの総称です。

人間用の食材では砂糖に代わる低カロリー甘味料として使われることも多く、身近な食品でもあります。

猫の場合でも、善玉菌を増やし腸内をきれいにし、便秘解消の効果があります。またリンゴやバナナ、サツマイモやカボチャなどにも多く、これらを使用したキャットフードにもオリゴ糖が多く含まれています。

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腸内改善向けのものや、便通が悪くなる高齢猫用のキャットフードに含まれていることが多いです。

取りすぎることにより下痢になる可能性もありますが、それ以外の危険性は今のところ報告されていません。

ただし便秘解消だからといって、人間用のオリゴ糖を与えることは危険です。便通が食事で改善しない場合は、病院へ連れて行った方が良いでしょう。

人間用食材には使われないビートパルプには要注意

砂糖大根から砂糖を搾り取り、その絞りカスを固めて固形状にしたものです。

元々は馬や牛など、草食系の家畜のエサとして使われてきたもので、腸内を整え便通を良くしてくれる効果があると言われています。

このビートパルプについては賛否両論があり、さらに便を堅くして便秘になりやすくするという意見もあります。

また砂糖を取り出す工程で硫酸系の薬剤を使い、砂糖を抽出している場合もあるという報告もあります。

その絞りかすは薬剤の洗浄をちゃんとされていない為、薬剤が残ったものをペットに与える事にもなりかねないという可能性もあります。

ビートパルプが使われるのは、ペットフードのかさを増す為とも言われています。

便通を良くする為なら、野菜や果物が使われているキャットフードでも効果は期待できますので、ビートパルプを使用するものをわざわざ選ぶ必要はないでしょう。

危険性が賛否両論あるビートパルプですが、これまであげてきた合成調味料とは異なり、人間用の食材としては使われないものです。

心配であれば、ビートパルプ不使用のものを選ぶのが無難と言えます。

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成分表を確認し、使われている合成調味料を確認するようにする

そのほかにも色々な合成調味料が使われる事はありますが、良く見かける代表的な物を紹介しました。

キャットフードの中には調味料、としか書いていないものもあり、調味料の中身が具体的にわからない場合もあります。その場合はどんな調味料を使っているのか、名称が記載されているものを選ぶようにしましょう。

人間用の食材に使われるものも多いですが、その人間にすら悪影響があるのではないかと言われるものもあります。

ましてや人間より体の小さな猫なので、その影響はさらに大きい可能性もあります。

愛猫の健康のためにも、添加物には特に気を付けていきたいところです。

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