キャットフードの選び方のポイント!猫に必要な5つの栄養素に注目

数十年前までは人間の残り物を与えていた猫ちゃんの食事も、現在では様々なスタイルに合わせた物が登場し、どの食事を与えればいいのか、迷う事も多いと思います。

ペットの健康を管理していくことは、飼い主の務めでもあります。

では、どのように食事を選べばいいのか、具体的に記していきます。

猫は栄養分を見てタンパク質が多めに

「お魚くわえた猫」のイメージが強く、猫は魚が一番好物と思われております。実際にマグロやカツオなど、魚をベースにした食事が沢山売られています。

しかし「猫」ではなく「猫科」の動物、と考えるとライオンや虎などの動物は、あまり魚を食べているというイメージがありません。

実は、猫はもともとは肉食であり、海外では肉を使ったキャットフードも数多く販売されております。

日本において猫の好物が魚とされているのは、日本が海に囲まれた国であり、かつては日本人が肉よりも魚をメインに食していた為です。

だから、おのずと猫も魚を食べる様になり、猫は魚好きのイメージが定着したと言われています。

では、実際に栄養素としてみた場合は、どうでしょうか?

もともとは肉食であることを考えると、肉の方がよさそうに思えます。ですが、肉と言っても様々な形に加工されているため、魚がいい肉がいいというよりも、栄養分を見て選ぶのが良いでしょう。

猫に必要な栄養素は、人間と同じく

  • 炭水化物
  • 脂質
  • タンパク質
  • ビタミン
  • ミネラル

の五大栄養素です。

肉食である猫は、特にタンパク質を多くとる必要があります。

猫に必要な栄養素1.炭水化物

パンやごはんなど、人間にとっては欠かせない栄養素ですが、猫にはそれほど必要なものではありません。

数十年も前までは「ねこまんま」のように、人間の残り物のごはんに、味噌汁や鰹節などをかけて与えていました。

本来肉食である猫の体は、パンやごはんなどの穀物類を消化することが苦手であり、人間のように主食として取る必要はありません。

炭水化物とは糖質と食物繊維からなる栄養素なので、キャットフードに記載されている栄養素の中では、粗繊維という栄養素が、炭水化物の1つとなります。

これは食物繊維の1つであり、水に溶けにくく、毛玉対策やダイエットフードに多く使われるのが粗繊維です。

便秘がちの猫ちゃんであれば、この粗繊維の数値が高いキャットフードは効果的です。そうでなければ、特に意識して炭水化物の数値が高いものを取る必要はありません。

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猫に必要な栄養素2.脂質

脂質というと、何となく食べ過ぎると太るようなイメージがあるかと思います。

脂肪と脂質、名前は似ていますが違うものです。

脂肪が食べ物に含まれる栄養素の1つであるのに対して、脂質は中性脂肪やコレステロールなど、生物の体をつくる成分の1つになります。

キャットフードであれば、魚よりも肉製品の食事の方が、脂質が多く含まれている傾向があります。

ダイエットの敵にされがちな脂質ですが、生物の体を動かすには最低限はとらなければならないものです。もちろん猫にとっても、体温の調節やエネルギー源として必要なものになります。

ただし肥満気味の猫ちゃんであれば、ここは少な目にしたいところです。

猫に必要な栄養素3.タンパク質

猫にとって最も大事な栄養がタンパク質になります。

猫は人間よりも5、6倍のタンパク質が必要です。摂取したタンパク質は臓器や毛、ホルモンや抗体をつくっていきます。

たいていの場合、キャットフードにはタンパク質が一番多く含まれています。タンパク質には次の2種類があります。

  • 肉やチーズなどの乳製品からなる動物性のもの
  • 大豆やコーンなどからつくる植物性のもの

猫は本来肉食ですから、動物性のタンパク質を使っているキャットフードがおすすめです。原材料を確認し、動物性の食品が使われているか、確認するようにしましょう。

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猫に必要な栄養素4.ビタミン

ビタミンといっても、ビタミンAやビタミンCなど、色々な種類がある事は良く知られているところでしょう。

気を付けなければいけないのは、

  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ビタミンK

の4つで、脂肪に蓄積する性質がある為、過剰摂取は控えたい所です。

逆にビタミンBやCは取りすぎても尿と一緒に排出されるため、過剰摂取しても体に負担はかからないのですが、毎日の食事で意識して取らなければいけないものになります。

猫は体内でビタミンCをつくる事が出来ますが、個体差もありますので、どのビタミンもまんべんなくとっていきたいところです。

一般食では、ビタミンが一部しか含まれていないものが多いので、総合栄養食でビタミンをしっかり取る様にしましょう。

猫に必要な栄養素5.ミネラル

ミネラルとは鉄分やカルシウム、マグネシウムなど、たくさんとる必要はないものの、体を維持すには欠かせない物質を指します。

また、過剰に摂取すると、逆に臓器に負担がかかり、腎不全などの原因にもなってくるので、摂取量には注意したいところです。

粗灰分と表示されているものが、ミネラルの含有量ということになります。

しかし、このキャットフードにはカルシウムが何グラム入っている、というような細かい量までは測定できない為、パッケージにはミネラルの総量が記載されている事が多いです。

ミネラルの内訳が記載されているものもありますので、栄養分を確認するのが良いでしょう。

一般食はおかず、総合栄養食は主食

キャットフードのパッケージの裏側には、栄養や成分など記載されており、病気を改善する療養食を除いた普通の食事は、

  • 一般食(メーカーによっては副食と書かれている)
  • 総合栄養食

の2種類があります。

例えるなら、総合栄養食は主食、一般食はおかずといった関係になります。総合栄養食はドライタイプが多く一般食べるはウェットタイプが多くなっています。

記載されている栄養分を見ると、総合栄養食はビタミンやミネラルなど、猫にとって必要な栄養素が多く配合されています。

これに対し、一般食は総合栄養食よりも水分が多めで、栄養価はやや低くなっている傾向があります。総合栄養食に比べ、様々な味やバリエーションが豊富であり、猫にとって食べやすくされているものが多いです。

栄養という面で言えば総合栄養食を与えるのが望ましいですが、猫は基本的に偏食です。体に問題がなくても出された食事を食べなかったり、成長するにつれて以前は食べていた食事を食べなかったり、という事もよくあることです。

一般食と総合栄養食をうまく組み合わせて、与えるのがよいでしょう。

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穀物の含有量や質に注意。原材料は必ず確認

穀物に多く含まれる炭水化物は猫にはそれほど必要ではありませんが、ドライフードの多くは、トウモロコシや小麦など穀物が含まれているものも多いです。

猫がまったく穀物を食べないかというとそうでもなく、猫のみならず、野生のライオンなどでも、猫草と総称される、イネ科の植物を食べる事もあります。

この理由ははっきりとわかっていません。ビタミンを取る為や便秘の予防、毛玉を吐き出すために食べているなど、色々な説があります。

穀物をとってはいけないということではなく、あくまでタンパク質をメインにするのが好ましいということなので、ドライフードは使用されている穀物の質で見分けるのが良いでしょう。

格安のドライフードの中には、安い穀物でかさを増しているだけのものもあり、このようなものばかり食べていると、健康に影響が出る恐れもあります。

購入の際のポイントとしては、原材料名の欄で何を使っているかを確認します。

人間用の食品と同様、原材料は一番多く使っているものから順番に表記していく、という決まりがありますので、一番左に記載されている食品が一番多く含まれているということになります。

穀物を使っていないものが望ましいですが、穀物不使用(グレインフリー)のドライフードは値段もそれなりに高くなります。穀物を使っているから、絶対に食べてはいけないという事ではなく、原材料の質で安全性を確認するとよいでしょう。

注意したい添加物!原材料名の欄で注目すべきものは?

添加物のなるべく少ない物が良質の素材を使っているといえます。

原材料名の欄を見て多く含まれているようなら、そのキャットフードは検討が必要ですよ。

注意すべき添加物1.黄色●号などの着色料

かき氷のシロップでおなじみの、黄色●号といった着色料は、キャットフードを飼い主とって、美味しそうな色に見せるために使われることがあります。これは、長く取り続けると発がん性があるという指摘もあるため、避けた方が無難でしょう。

たいていのドライフードには、酸化防止剤という食品が傷むのを防ぐ添加物が入っている事が多いです。添加物でもローズマリーはハーブ、ミックストコフェロールは緑黄色野菜やナッツに含まれる天然の素材から作られる添加物である為、安全性は高いです。

注意すべき添加物2.ph調整剤

同じく食品の防腐剤や色付けとして使われるph調整剤は、1種類の添加物をさすのではなく、様々な添加物の総称として使われるものです。

人間の食品においても、コンビニエンスストアのお弁当やパンにも使われているもので、これも長期摂取する事により健康被害が懸念されるものです。

まして、人間よりも体の小さな猫なので、安易にph調整剤が入っている食事を与えるのは控えた方が良いと言えます。

現代では、添加物が入っていないものを探す方が難しく、添加物が入っていないものを猫に与えるのであれば、手作りフードにするしかありません。

添加物イコール悪、というわけではなく、過剰に使っているものを避けるのがよいでしょう。

素材にもこだわってあげたい。家禽ミールには要注意!

また、添加物だけでなく、使用されている素材そのものにも注意が必要です。

一般的に、家禽ミールと言われる食材は、家畜を解体した時に出る、生肉を取り除いた内蔵や骨などのクズ肉を粉砕して作ったものを指します。

しかしこれは日本国内の定義であり、アメリカでは骨や内臓、羽など不要な部分を取り除いた生肉を指すこともがあるため、一概にクズ肉を素材に使っているとは言い切れません。

実際に、外国産のペットフードでは、家禽ミールが使われていたりします。心配であれば、避けるのが無難でしょう。

食品の材料がはっきりしており、添加物の少ないもの、を選んでいくのが良いでしょう。

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言葉が話せない猫だからこそ、飼い主さんの管理が重要

猫の寿命が昔よりも伸びた理由の1つに、猫の健康を考え、猫の体に適したキャットフードが増えてきたことが上げられるでしょう。

しかし猫はきまぐれな生物なので、人間が良いと思って与えても、なかなか食べてくれない事もあります。

現在は様々なメーカーから用途に応じたキャットフードがあり、味も豊富に作られていますので、メーカーや素材を変えて与えることも出来ます。

言葉を話せない分、飼い主さんが猫の健康を管理してあげなければなりません。

特に食事は毎日取るものですから、猫の成長に合わせて、適した食事を見つけてあげることが重要です。

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