猫の最期の呼吸はどうなる?お別れのときを覚悟する手がかり6つ

猫と暮らしていれば、いつか必ず別れの時がやってきます。しかたのないこととはいえ、想像するだけでもつらく、悲しいものです。

できるなら、もし本当にその時がきたらすぐにわかるように、あるいはできるだけ愛猫がつらくないようにしてあげたいですよね。

猫の最期が近づいてくると、呼吸や心拍数など、様々なことに変化が現れます。愛猫に安らかに旅立ってもらえるように、猫の最期の様子について知っておくとよいでしょう。

猫の最期の時に見られるサイン、あるいは最期にしてあげたいお世話などについてまとめました。

猫の最期を悟るための手がかり

愛猫を看取るにあたって、飼い主さんが気になるのは「その時」がいつ来るのかということではないでしょうか。できるなら近くにいて看取ってあげたいはずです。そのためにも、猫の最期が近づいてきたというサインを見逃さないようにしましょう。

以下のような状態になったら、持って数日~数時間と思った方がよいでしょう。

水を摂取できなくなる

猫の中には、いよいよ最期が近づいてくると、水を受け付けなくなる場合があります。皮下点滴が吸収されず皮の下に残ってしまったり、あるいは水をまったく飲まなくなったりします。

このような状態になったら、いつ亡くなってもおかしくないと覚悟しておきましょう。

意識がなくなる

意識がないのも、いつ亡くなってもおかしくない状態です。呼吸や鼓動はあるのに、そっと指で触っても反応しないという場合は覚悟した方がよいでしょう。

呼吸がゆっくりになる、あるいは浅く早くなる

最期が近づいてきた猫は、ゆっくりとした呼吸か、浅い呼吸をすることが多いといわれています。呼吸にも気を配っておくと、猫の最期の時が把握しやすいでしょう。

正常な呼吸数は、起きている時で1分間に20~40回、寝ている時で15~25回と言われています。

しかし、呼吸器系の病気にかかっている場合など、素人にはよくわからないケースもあるので、あくまで目安程度に考えておくのがおすすめです。

口呼吸になる

猫は本来鼻呼吸が中心で、口呼吸は緊急時にしかしません。口呼吸になるのはよほど苦しい時といえます。もし、猫が横たわって口呼吸しているような状態であれば、猫の最期がすぐそこに迫っています。傍を離れないようにしておきましょう。

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心拍数がゆるやかに、小さくなる

猫は最期が近づくにつれて、心拍数がだんだん小さく、細くなっていきます。猫のお腹に耳を当てて、鼓動を感じ取りましょう。

元気な頃から心拍数や呼吸をよく確認しているとわかりやすいのですが、猫が体調を崩してからだと正常な状態がわからないこともあります。

猫が体調を崩したら、1分間に何回か、など自分なりにカウントして毎日記録しておくことで参考になるでしょう。ちなみに、正常な心拍数は1分間に120~180回とされています。

瞳孔が開く

猫によっては、亡くなる数時間前から、猫の瞳孔が昼間でも大きく開くようになることがあります。猫の瞳孔が開いていたら、できるだけ猫の近くに付き添える体勢を整えましょう。

猫の最期が近いと感じたら。猫に安心してもらうためのお世話

室内飼いが浸透してきたこともあり、病気や怪我とは無縁で過ごしてきたという猫も多くなりました。

今までに猫を看取ったことがない場合、飼い主さんは弱った猫に対し、どのようにお世話をしたらよいのかわからなくなりがちではないでしょうか。

そこで、我が家の実体験を元に、猫の最期が近いと感じた時、特に注意してあげたい点をご紹介します。

柔らかい寝場所を用意してあげよう

特に病気で亡くなる場合、猫は最期が近づくにつれてどんどん痩せていきます。体から肉が落ちて骨張ってしまうため、普段の寝場所でも床に骨が当たるようになります。

柔らかい毛布を厚めに敷いてあげるなどして、猫の寝心地をよくしてあげましょう。

また、枕のように、頭を少し高くしてあげると呼吸が楽になるケースもあります。タオルを畳んで枕代わりにおいてあげたり、ふちのあるベッドを用意してあげたりすると、猫が楽に過ごせるでしょう。

ペットシーツを敷いてあげよう

猫は体が衰えてくると、トイレに間に合わずおもらししてしまったり、あるいは寝たきりで失禁してしまったりすることもあります。猫がどこで用を足してもよいよう、猫の行動範囲にペットシーツを敷きつめておきましょう。

ベッドの上にペットシーツを何枚か重ねて敷き、その上に猫を寝かせることで、寝心地と利便性両方を得ることができます。

また、悲しいことですが、本当に亡くなるその時になると、猫は筋肉が弛緩するため失禁してしまうことが多いのです。床をびしょびしょにして、毛皮が尿にまみれた状態で最期を迎えるということになりかねません。

ペットシーツがあれば、綺麗好きな猫に安心して旅立ってもらうことができます。

猫のいる部屋を念入りに掃除しよう

最期が近くなって寝たきりとなった猫の場合、キャットタワーなどに上がる気力もなく、文字通り床に臥せることもしばしばです。

しかし、人間の足元はどうしても埃などがたまり、自由に動けない猫の呼吸に悪影響を及ぼす可能性もあります。実際、咳やくしゃみは猫の体力を大きく奪うので注意が必要です。

猫が床など低いところで寝ている場合は、埃を吸い込まないよう、部屋を念入りに掃除してあげましょう。掃除機は驚かせてしまうので、雑巾で水拭きするのがおすすめです。空気清浄機なども設置してあげると、なおよいでしょう。

自分の匂いのついたものを使わせてあげよう

最期が近づいてくると、元気だった頃とは全く異なるお世話が必要になってきます。

それに伴い、今まで使っていた猫用ベッドが介護に不向きで使えなくなったり、使い慣れた食器での食事が難しくなったりなどすることもあるかもしれません。そのような場合、使いやすいものに買い換えるなど対策することになるでしょう。

しかし、新しいもの、見知らぬものを突然弱った猫の近くに置くことは、猫の負担になる場合があります。猫が落ち着いて慣れた環境で過ごせるよう、新しく置くものには工夫して、猫自身の匂いをつけてあげるとよいでしょう。

例えば、新しいベッドにお気に入りのブランケットを1枚敷いてあげるなどです。自分の匂いに囲まれることで、猫は安心して体を休めることができるでしょう。

▼反対に、猫は柔軟剤の匂いなどは嫌いなので気を付けておきたいですね
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酸素吸入器を検討してみよう

呼吸器系の病気など、病気で呼吸が苦しいという場合、酸素吸入器を猫に当ててあげることで、猫は呼吸が楽になります。最期まで、少しでも安らかでいてもらうために、家に1つ缶があると便利です。

ただし、猫によっては酸素吸入器の音や刺激などを嫌がることもあるので注意してください。使用する前に獣医さんに相談してみるのもおすすめです。

温度管理に気をつけよう

夏場や冬場、あるいは季節の変わり目など、猫にとっては負担になりやすい時期です。元気な頃は自分で歩き回って居心地のよいところに行けましたが、介護が必要になった猫は自力で動くことができません。

また、自分で歩ける程度の元気が残っていたとしても、やはり最期が近づいてくると体を動かすのがおっくうになり、我慢してしまうこともあります。猫が最期まで快適に過ごせるよう、温度管理に気を配りましょう。

特に、朝晩の寒暖差や、部屋と廊下の温度差、部屋の天井と足元の室温差など注意が必要です。また、冬場に暖房器具で保温している場合、猫が動かずにいると低温火傷の危険性もあります。

▼暖房器具での火傷にはしっかり気を付けてあげてください
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残りわずかな猫の体力を奪わないためにも、寝返りを打たせたり、あるいは猫が自力で動ける近くに暖かく過ごせる場所と涼しく過ごせる場所を用意しておいたりなど工夫するとよいでしょう。

場合によっては事前にかかりつけの獣医さんに相談しておこう

病気で最期を迎える場合、残念ながら最期の瞬間にひどく苦しむ場合があります。不安ならば事前に獣医さんに相談しておくことで、痛み止めなどをもらえる場合があるので覚えておくとよいでしょう。

また、猫の病状によっては、特別にしてあげるとよいお世話があるかもしれません。どんなことをしたら猫が快適に過ごせるのか、かかりつけの獣医さんの意見を聞いておくと安心です。

猫が安らかに旅立てるように、最善を尽くしてあげよう

猫が最期、どのような状態で旅立っていくのかは、猫によって様々です。飼い主さんの近くで亡くなる場合もあれば、飼い主さんの目のないところで、ひっそりと旅立つ場合もあります。

また、苦しむこともあれば、眠るように安らかな顔で亡くなることもあります。だんだんと衰えていくこともあれば、小康状態からいきなり病状が悪化して亡くなることもあります。

いずれにしろ、1つ確かなことは、飼い主さんが最善だと思ったこと、してあげたいことをその時に全てしてあげるべきだということです。

▼愛猫を看取る時に飼い主さんができることについては、こちらも参考にしてください
納得のいく猫の看取りをするには。最期のときのケア、お別れの方法

やり残して後悔することがないように、できるだけ傍にいて、猫がどうしたらより楽になるのか工夫を重ねてあげましょう。飼い主さんが考え抜いたことであれば、きっと愛猫にとっても、それが最善のことなのです。

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