猫の食欲がすごい理由&食欲をコントロールする5つの方法

足元で飼い主さんを見上げ、可愛らしい表情でごはんをねだる猫の姿。ごはんをあげた瞬間にがつがつと食べ始めてくれると、飼い主さんも嬉しいですよね。猫の食欲は健康のバロメーターでもあり、健康な猫はごはんが大好きです。

しかし、適切な量をあげていてもおかわりを要求されたり、普段ごはんをあげている時間以外でもごはんをねだって鳴き止まなかったり、しまいには暴れ出したりと、猫の食欲がすごすぎて「これって大丈夫なの?」と心配になる時もあります。

そこで猫の食欲がすごいのは何故なのか、病気の可能性はないのか、またどうしたら食欲をコントロールできるのかをご説明していきます。

猫がすごい食欲を見せるのはこんな時!考えられる原因5つ

猫の食欲がすごいと、つい「これって病気?」と思ってしまうかもしれません。確かに病気が原因の場合もありますが、実はそれ以外にも意外な理由で猫がすごい食欲を見せることがあります。

1.冬になると猫は食欲が増すことがある

脂肪を蓄え、体温を上げるためにエネルギーがより必要な冬の季節は、本能的に栄養をとろうとするので食欲が増します。

例えばクマなど冬眠する動物は、冬眠の前に栄養を蓄えますよね。猫は冬眠はしませんが、獲物の少ない冬に備えて栄養をとろうとするのは同じです。

この場合は春になって暖かくなってくれば勝手に食欲は落ち着きますが、冬の間の癖が抜けずにそのまま過食気味になる猫もいるので食事量の推移をよく観察してみてください。

2.野良猫出身、多頭飼いで食事環境がシビア

野良猫時代に飢えた経験のある猫、あるいは多頭飼いしていて常にごはんの奪い合いという環境にある猫は、食事環境のシビアさから「食べられる時に食べられるだけ食べておこう」とばかりものすごい食欲で出されたごはんを食べることが多いです。

この癖は毎日安定してごはんにありつける環境になってもなかなか直るものではありません。出されたら出されただけ食べてしまうので、催促されたからといってごはんをあげ続けた場合、無理してでも食べてしまいます。

飼い主さんが食事量を厳しく管理しなければなりません。

3.フードを変えたことで食いつきがよくなっている

キャットフードのメーカーを変えるなどして、今までより「美味しい」と感じると、猫がすごい食欲を発揮することがあります。

キャットフードを肉主体のものから魚主体のものに変えた、あるいはその逆など、猫の好みにぴったり合致した時猫の食欲は驚くほど変わります。また、高カロリーのものほど美味しく感じられます。

さらに、値段の安いキャットフードは材料の質が良くない傾向であるものの嗜好性は高いことが多く、高品質の高級フードより食いつきがよくなります。

4.去勢・避妊手術をしたから

去勢・避妊手術をして猫のホルモンバランスが崩れた結果、ものすごい食欲を見せることがあります。このパターンは比較的多く、数日~数ヶ月程度の時間を経てだんだん安定してきます。

しかし、去勢・避妊手術後は繁殖に関わる機能を失った分必要カロリーが減少し、今までのごはんをそのままあげているとあっと言う間に太ってしまいます。

手術後はカロリーが抑えられた「去勢・避妊後の猫用」と書いてあるキャットフードを与えるようにしましょう。

子猫のうちから室内飼いしている場合、去勢・避妊手術はだいたい生後半年~1年以内の子猫のうちに行うことが多いです。しかし、この時期に食べる子猫用フードはもともと高カロリーで美味しくできています。

ただでさえ食欲がすごいのに美味しく高カロリーのフードを与えていると余計に食欲が落ちません。「去勢・避妊手術後用」のキャットフードに変えることで低脂肪になり、同じ量を食べても太りにくなります。

また今までと違うごはんに警戒して食欲が落ち着くという効果も期待できます。

5.病気で食欲が増えている可能性もある!

人間が風邪を引くと食欲が落ちるように、猫も病気になった時は食欲が落ちると思われがちです。しかし、食欲が増えても実は病気の可能性があります。

有名なところでは「糖尿病」「甲状腺機能亢進症」などです。すごい食欲でごはんを食べているにも関わらず痩せていくような場合は病気の疑いが濃厚ですので、動物病院ですぐに検査してもらいましょう。

食欲が増したら要注意。猫における肥満のリスク

猫のすごい食欲が仮に病気によるものではなかったとしても、油断は禁物です。今病気でなかったとしても、食べ過ぎの末の肥満が原因でこれから病気になってしまう可能性があります。

人間と同様、猫も肥満は体にとって大きな負担になります。肥満の一番のリスクはあらゆる病気にかかりやすくなること。例えば、

糖尿病
血糖値が上がることで様々な症状や合併症を引き起こす。肥満により発症率が大幅に増加。
変形性関節症
体重の増加により関節に負担がかかりすぎて発症。歩行が困難になり痛みを伴う。
膀胱炎
肥満により動くのがおっくうになり水を飲みに行く回数が減ると、泌尿器系の病気になりやすくなる。

など、必要以上に体重が増えるだけで猫にとって致命的なつらい病気の数々が待ち受けています。

これらの病気は、動物病院でもらった薬を飲ませていれば治るというような簡単なものではありません。治療は長期に渡り、一生治らないこともあります。

毎日飼い主さんが自宅で丁寧なケアを続け、ようやく症状を緩和できるといった類の病気になります。その上、治療費も月に万単位と莫大です。

猫には比較的よくある膀胱炎など泌尿器系の病気であっても、症状が悪化すれば猫の生命に関わります。また再発しやすいために、完治後も食事療法を続けなければなりません。

肥満が原因で発症率が高まる病気はひとつやふたつではありません。逆に言えば、肥満に気をつけることで様々な病気のリスクを一度に減らすことができます。大切な愛猫を守るためにも、食事量には充分気をつけ、猫の肥満を防ぎましょう。

もしも肥満になってしまった場合、いったん肥満になった猫の体重を減らすのは至難の業です。運動させようと思っても、体が重いと猫は猫じゃらしを追いかけることすらおっくうになって動こうとしなくなります。

食欲のすごさゆえに肥満になり、肥満になるがゆえに運動しなくなり肥満に輪がかかるという悪循環。そうなってくるとやはり重要なのは食事量のコントロールです。

猫に断固として同じ量のごはんをあげ続ければ、体重が必要以上に増えることもなくなり、また仮に肥満になってしまったとしても少しずつ余分な体重を落として適正体重まで持っていくことができます。

食欲がすごい猫の食事をコントロールするアイデア

食欲がすごい猫は飼い主さんになんとかしてごはんをもらおうと必死になります。飼い主さんが根負けしてごはんをあげすぎてしまうこともしばしばでしょう。

中には思わず猫を叱ってしまう飼い主さんもいるかもしれませんが、猫がごはんを要求し続けてもどうか叱らないであげてください。食欲は本能で、猫も本能が満たされず苦しい思いをしています。

猫の要求を飲み続けないきっぱりとした態度を取り続けると同時に、以下のように飼い主さんが愛猫へのごはんのあげ方を工夫し、猫に「ひとまず満足」してもらうようにしましょう。

基本は、ごはんの量をきっちり計ろう

まず大前提として、猫に与えるごはんの量はグラム単位できっちりと計りましょう。といっても、毎回計る必要はありません。大きめの計量スプーンを用意して、最初にいつものごはんをどのくらい与えれば適正量になるのか重さを計って調べましょう。

適正量の目安はキャットフードの外袋に必ず記載してあります。適正量がわかったら、次からは同じスプーンでキャットフードをすくって同じ分量で与えればいいだけです。

目分量でざらざらとお皿の上に流すのではなく、必ずスプーンを使うだけで猫の食べ過ぎを大幅に抑えることができます。

また、目分量で与える習慣がついていると飼い主さんも「猫がねだるからあとちょっとくらいあげてもいいだろう」とアバウトになりがちです。

毎回食事量を管理していれば、「今日はもういつもよりスプーン半分多くあげたのにまだねだってくる!これ以上はあげられない……」と危機感を覚えやすくなります。

食べ過ぎ防止用の食器を使う

あえて猫が食べにくいような形状にして、猫の早食いや食べ過ぎを防止する食器が販売されていますので使ってみるのがおすすめです。

また、ジェックス株式会社から出ている「ホジホジフィーダー」など、筒の中に入ったドライフードを1粒1粒前足でほじって出さないと食べられないようになっている知育玩具のような食器も効果的です。

お財布に余裕がなければ、空のティッシュ箱の中にドライフードを入れて与えることで似たような効果を得ることができます。(食欲のあまりティッシュ箱ごとかじらないように注意!)

これらの「時間をかけて食べさせる」タイプの食器は食欲がすごいあまり暴れ出してしまうような猫におすすめです。目の前に一応食べられそうなごはんがあるので、猫はなんとか食べようと必死になります。

しかしそうそう簡単に食べられないので結果的に長い時間拘束されることになり、猫が暴れることが少なくなります。

ウェットフードでカロリーオフする

ウェットフードは量の割にカロリーが少なく、総合栄養食の表示があっても1日の必要カロリーを満たすには3~5袋あげなくてはならないような製品もしばしばです。

そのカロリーの低さを利用し、とにかく量を食べたい猫にはウェットフードを多めにあげて小腹を満たしてもらうという方法もあります。嗜好性が高いので猫も満足してくれるはず。

さらに、ちょっとかわいそうではありますが、嗜好性の高いウェットフードを食べた後にドライフードを食べると美味しく感じられないのか食欲が落ちるという効果も考えられます。

ウェットフードは長期的にあげ続けると歯垢がつきやすく、歯周病をはじめとする歯の病気のリスクを高めます。与える際は奥歯に歯磨きジェルを垂らすなど、歯のケアも忘れずに行ってあげるとよいでしょう。

またドライフードより単価が高いのも難点。去勢・避妊手術ですごい食欲を見せているなど一時的な場合に様子を見て使うとよいでしょう。

回数を増やす

1日のごはんの量を小分けにして、回数を増やすことで空腹の時間を減らすという方法もあります。胃が休まらないため猫によっては相性がよくなく、便通に影響する可能性もあるので様子を見つつ回数を増やしましょう。

その他、朝晩のごはんは普通にあげつつ、合間にドライフードを数粒ずつおやつとして与えるのも有効です。それでも足りずに鳴き止まない猫には方法を変えるか、断固としてこれ以上は与えないという態度を貫きましょう。

フードを変える

嗜好性の高いフードを与えている場合、別のフードに変えることですごかった食欲がすとんと落ち着くことがあります。

激安フードを与えている場合はちょっとお財布に痛いかもしれませんが、ヒルズやロイヤルカナンといった獣医師推奨の有名メーカーに変えてみましょう。高品質のフードは体にいい分、激安フードに比べれば食いつきがよくありません。

食欲を抑えることができて健康にも良く一石二鳥です(猫は不満に思うかもしれませんが……)。

また肥満猫用の低カロリーフードもおすすめです。低カロリーである分、食べる量を減らさずカロリーだけ減らすことができます。

多頭飼いの場合に食事量をコントロールする方法

猫の食欲をコントロールしたい時、一番困るのが多頭飼いの場合です。猫を多頭飼いしていると最初はそれぞれのごはんを食べていても、途中から交換し合ったり、先に食べ終わった猫が他の猫のごはんを奪ったりすることもしばしばです。

また、ごはんを奪われた猫が諦めて去っていってしまうこともあります。こうなると食事量をコントロールするどころではありません。

そこで多頭飼いの猫の食事をコントロールしたい場合は、「ごはんの奪い合いが起きない環境を作る」のが重要です。例えば以下のような方法があります。

それぞれ別室で食べてもらう
少し面倒ですが、確実に適切な量のごはんを食べてもらうことができます。
匹数分のケージを用意しその中で食べてもらう
やや場所をとりますが、匹数が多い場合はおすすめです。
食事の間だけ、他の猫のごはんを奪わないように見張る
飼い主さん自身が見張る方法は手軽ではありますが、飼い主さんの隙をついてごはんを奪われることもあるので確実性に欠けるのが難点。

猫の食事環境を分けるのは一見手間がかかるように思えますが、毎食ごとに猫を見張り、猫に抵抗されながら他の猫のところへ行かないよう妨害するよりは簡単です。一度思い切って猫の食事環境を整えてしまいましょう。

多頭飼いの場合置き餌はやめよう

多頭飼いの場合もうひとつ注意しておきたいのが置き餌です。置き餌はだらだら食いの習慣がつきやすく、猫がごはんを残す原因になります。

他の猫が「またあとで食べるからいいや」とごはんを残すと食欲がすごい猫が奪って食べてしまい、肥満になりやすくなります。食事のペースを揃えるためにも、食後30分程度で食器を下げてしまいましょう。

食べ終わっても食べ終わらなくても食器を決まった時間で下げるようにすれば、猫は「今食べないとごはんがなくなる」と気づいて一定時間できちんと食べ終わるようになります。

また、別室でごはんをあげる時も「いつまで経っても食べ終わらず部屋から出せない……」というようなことがなくなります。

毅然とした態度で猫のすごい食欲をコントロールしよう

いくら猫の食欲がすごくても、ねだられるままに与えていては必ず肥満になってしまいます。愛猫の健康を考えるなら、断固として猫に負けず、適切な量以外は与えないという飼い主さんの姿勢が重要です。

それでも猫が暴れて手がつけられない場合は、食事のあげ方を工夫して猫がストレスを溜めないようにしましょう。

また、運動をよくさせるようにしましょう。食事のコントロールにしろ運動にしろ、肥満になってからでは飼い主さんの苦労が段違いです。日頃から食事の量を計る習慣をつけ、愛猫にとって適切なカロリーを維持しましょう。

あなたの一言もどうぞ

ページトップへ