何かペットを飼いたいと思った時、真っ先に思いつくのは犬や猫ですよね。
でも、予備知識がないまま、なんとなく世間一般で言われているようなイメージだけを鵜呑みにしていると、実際飼ってから「思っていたのと違った……」なんてことになりかねません。
一度飼い始めたら途中で止めることはできませんから、事前にしっかりと犬と猫、どちらを飼いたいか検討しておくべきです。
でも、実際に犬と猫でどんな違いがあるのか、具体的にどんな生活が待っているのか、比べてみないとわかりませんよね。そこで猫の飼い主の立場から、猫の基本的なお世話や普段の生活の様子を犬と比較しながらご紹介します。
ライフスタイルが全く違っている犬と猫。でも、実は同じ祖先だった!?
犬と猫はペットとして代表的な存在ですが、そのライフスタイルは、一部においては正反対とさえいえるほど異なっています。しかし、実は意外なことに犬と猫とは祖先が同じなのです。
草原では犬の祖先となるミアキスたちが広い土地を力強く走り回り、集団生活をしていました。
その一方、猫の祖先となる森で暮らすミアキスたちは、生い茂る高い木が邪魔で走り回ることができません。そのため、むしろ木などの障害物の中静かに身を隠しながら隙を伺い、獲物を単独で捕らえるスタイルに変わっていきました。
このような進化の過程が、現代でも犬と猫のライフスタイルに大きく関わっています。祖先が同じために似ているところもあるのですが、だからといって犬と猫を同じようなものとして考えると大変後悔するでしょう。
犬を飼うのと猫を飼うのでは、その後の生活が20年近くに渡って変わります。ご紹介する猫の例から、まずはぜひ、猫のいる生活を想像してみて下さい。
飼ってみるとここが違う!犬と比べてわかった「猫あるある」30個
それでは、実際に猫を飼っている経験からの「猫あるある」を、犬と比較しながらご紹介します。あくまで一般的な犬や猫について扱っていますので、中には品種や個体差で若干の違いがあることもありますが、ぜひ参考にしてみてください。
猫は飼うのになんの登録もいらない
犬の場合は、飼い始めるにあたって狂犬病の予防接種と、自治体への登録が必須です。でも、猫は特になにもする必要がありません。
とはいえ、犬と同じで猫も年の1回の予防接種はした方がよいでしょう。健康な猫なら、年に1回しか動物病院に行かないということもしばしばです。
猫は砂さえあれば、すぐにトイレを覚える
犬の場合、排泄はペットシートの上。さらに、きちんとトイレを覚えるためにトレーニングが必要です。
でも、猫は砂の入った専用のトイレを置いておけば、だいたいすぐにその中でしてくれます。猫は砂の上で排泄をする習性があるので、突然なにもない床でおもらしすることはほとんどありません。
猫は夜行性なので、夜になると大暴れする
犬は昼間に活動しますが、猫は夜行性なので深夜が本番です。深夜に猫を体力満タンのまま放っておくと、突如として一匹だけで大運動会が始まるでしょう。
でも寝る前に遊んであげると、猫は持久力がないのでパタンと寝てしまいます。ちなみに、飼い主さんが夜寝て朝起きる生活をしていると、猫も合わせて起きてくれることが多くなります。
猫は暗いところと明るいところで、瞳孔の開き方が変わる
犬はいつでもくりくりっとした丸い瞳孔が愛らしいですよね。猫も夜はまんまるの瞳孔をらんらんと輝かせます。しかし、明るいところでは丸いままだと光を取り込みすぎてまぶしいので、糸のような縦長の瞳孔に変わります。
猫の首輪は力を入れると取れる
犬は散歩の時、飼い主さんの手を離れないようにしっかりと首輪とリードをつけますよね。猫も首輪をつけますが、実は猫の首輪の大半は力を入れると自動的に取れる「セーフティ首輪」です。
猫は犬と違ってリードをつけて散歩をしないので、むしろ首輪が引っかかって首を吊ってしまうような事故の方が怖いのです。
猫は芸を仕込めない
犬はしつけが大事ですよね。お手、待て、おすわりなど、犬にとってはしつけの基本です。でも、猫はお手も待てもおすわりも、飼い主さんが意識して仕込むことはできません。
やってくれる猫もいるかもしれませんが、それはテレビに出られるレベルの猫です。猫は基本的に飼い主さんの言うことは聞きません。
猫は2泊3日くらいまでなら、一匹でものんびりお留守番できる
犬の場合、トイレの問題もあり、あまり長時間のお留守番には向きません。一方で、猫のお留守番の現実的な限界は2泊3日程度。飼い主さんがいないならいないで、一匹だけでものんびりとお留守番してくれます。
ただし、留守番中の事故のリスクはもちろんあるので、飼い主さんはできるだけ日帰りしてあげてくださいね。
猫はお出かけがだいっきらい
猫は家につく生き物なので、旅行に連れ出したり、どこかに預けたり、突然リードをつけてお散歩なんて事態にものすごいストレスを感じます。もちろん、一番嫌いなのは動物病院です。
一方で、犬は猫とは違って飼い主さんにつきます。飼い主さんの行くところ、どこでも喜んでついていくでしょう。
猫は高いところが大好き
犬は広い庭があったら大喜びです。でも、猫は広い庭を駆け回る平面的な運動より、木を昇り降りするような立体的な運動を好みます。猫はケージなどの底面積の狭いところに入っても、高さがあればそれほど窮屈には感じません。
また、家具の上など、登れるところにはすかさず登ります。エアコンの上でくつろいでいることもあります。
猫は2mの壁でも簡単に乗り越える
猫はなんといってもジャンプ運動が得意。犬はサークルがあれば、サークルを跳び越えることはあまりありません。
でも、猫は高さ2mの垂直な壁でも平気で乗り越えます。壁に爪をひっかけるわずかな突起あるいはくぼみでもあれば、それを使って一瞬で壁を登るでしょう。まさに忍者の身のこなしです。
猫は高いところから落ちても着地する
高いところが大好きな猫は、高いところから仰向けに落ちても、見事に体を捻って4本の足で華麗に着地します。
体が非常に柔軟で、三半規管が発達しているため、水平な状態を正しく察知し対応するのです。地面についた時の衝撃は、肉球が和らげます。
ちなみに犬の場合は、もちろん大変危険です。絶対に真似しないでください。
猫は砂漠出身で、あまり水を飲まない
猫は砂漠の生き物です。そのため、少ない水でも暮らしていけるような体の作りをしています。猫の飲水量は3kgの猫なら、1日にせいぜい120ccくらいです。そのおかげで、泌尿器系の病気にかかりやすいという難点も抱えています。
一方、犬は猫とは違ってがぶがぶと水をよく飲みます。犬の飲水量は猫の約2倍以上。そのため、犬を飼ったことがある飼い主さんが猫を飼うと、猫があまりにも水を飲まないのでびっくりすることもしばしばです。
猫は犬より綺麗に水を飲む
犬が水を飲むとき、器の周りに水が飛び散ったり、顎などが濡れてしまうことがよくあります。でも猫は決してそんなことはありません。
猫は犬より非常に綺麗に水を飲みます。実は、犬と猫とでは舌の使い方が全く異なります。猫はまるで晩餐会のスープを味わうように音も立てずに静かに水を飲み、何事もなかったのように毛繕いを始めます。
猫はケーキが食べられない
犬は雑食性なので、特別な日には飼い主さんが専用のケーキを与えて楽しむこともできます。でも、猫は肉食性なので、ケーキなんて食べられません。もちろん、ペットショップでも猫用のケーキは売っていません。
猫のごはんの基本はごく一般的なドライフードやウェットフード。おやつの定番はかつおぶしやササミです。誕生日でも、正直ごはんの内容はあまり変わりません。
猫は洋服を長時間着られない
お散歩している犬を見ると、可愛いお洋服を着せてもらっていることも多いですよね。でも、猫は着られません。たまに飼い主さんのわがままで一時的にお洋服を着ることもなくはありませんが、猫にとってはストレスです。
ちなみに、動物病院で手術の後に術後服を着せてもらっても、猫はその柔らかい体を使って、その日のうちに「脱皮」してしまうことがしばしばです。
猫はその聴覚で、アリの這う音も聞き分ける
犬といえば嗅覚ですよね。警察犬として犯人の痕跡を追う犬の姿はかっこいいものです。でも、猫だって負けてはいません。犬が嗅覚なら、猫は聴覚。なんと、地面を這うアリの音すら聴き分けます。
生粋のハンターである猫は、おそるべき聴覚によって獲物を決して逃がさないのです。
猫の毛をカットしてもらうと、ライオンになる
犬はおしゃれを楽しめる生き物です。素敵なお洋服を着せてもらい、腕利きのトリマーさんに毛をカットしてもらい、様々なアレンジを楽しむことができます。
一方、猫も毛をカットすることはあります。でも、猫のカットは基本的に一種類。頭と尻尾の先だけを残したライオンカットは、猫の飼い主さんの間で賛否両論です。
猫は家族の頂点に君臨する「お猫様」である
犬の場合は、飼い主さんが主人です。
でも、猫は飼い主さんのことは主人ではなく、自分と対等だと思っています。思っているはずなのですが、実際のところ、飼い主さんが自ら嬉々として、下僕のようにお猫様にかしずくことも少なくありません。
家のものを爪でボロボロにされても、突然パソコンの上に乗られて邪魔をされても、猫を叱らず、飼い主さんが諦めます。だってお猫様ですから。
猫は前足を器用に使う
犬の武器は、その鋭い歯です。犬に噛まれたら、例え遊びでじゃれていたとしても、飼い主さんの力では振り切れません。
一方で、猫の武器は牙と爪。噛みつくだけでなく、鋭い爪でのひっかき攻撃、前足による猫パンチ、後ろ足による猫キック、おまけにしっぽでバシッとビンタします。
さらに、前足は足というより手のように器用に動き、人間のおかずの焼き魚を前足でさっと取っていきます。
猫は典型的なツンデレである
犬は飼い主さんが構ってくれるならいつでも大歓迎です。猫は、猫の構ってほしい時に飼い主さんが構ってくれるなら大歓迎です。
猫の飼い主さんは、猫に構ってもらえるならいつでも大歓迎です。
もし、猫の構ってほしくない時に飼い主さんが手を出すと、猫は飼い主さんの手をガブッとひと噛みし、あっさり逃げていくでしょう。
そしてもし、構ってほしい時に構ってもらえた場合、猫はころんとお腹を出して、甘えた声で鳴いてゴロゴロ喉を鳴らすでしょう。
猫は水に濡れるのが死ぬほど嫌い
犬はプールや川で遊ぶのが大好きです。でも猫は、水に濡れることそのものが大嫌いです。猫をお風呂に入れる時は、飼い主さんと猫との間で戦争が起きます。
猫は普段、お風呂に入れる必要は全くないのですが、汚れた時や猫の種類によってなど、1カ月~数ヶ月に1回くらいは飼い主さんとの戦争の日がやってきます。
猫はとても綺麗好きで、お日様の匂いがする
犬は丁寧にお世話しないと、独特の獣臭さが出てきてしまいます。一方で、猫はとても綺麗好き。暇さえあれば自分の毛を舐め、自分の匂いを消しています。
また、猫はひなたぼっこが大好きで、このひなたぼっこにも消臭効果があります。健康な猫の匂いを嗅ぐと、干したての布団のような、お日様の匂いがするでしょう。
実は、猫のうんちやおしっこのニオイは犬より臭い
綺麗好きな猫ですが、実は用を足した時のニオイは犬を超えます。猫は水分摂取量が少なく、非常に濃い尿を出すので、においもものすごく濃縮されているのです。
猫がトイレを使った後は、すぐに掃除してあげましょう。もし猫が臭いと感じることがあったら、だいたいトイレが原因です。
猫は自分の排泄物は徹底的に埋める
犬の場合はおしっこをかけてマーキングをします。でも、猫は自分のおしっこやうんちは徹底的に砂に埋めて隠します。
トイレの後、猫が砂かけをしている様子はかなり必死です。でも必死に砂をかき混ぜすぎて、たまにちょっとだけ見えている時があります。だいたい気がつかずにそのままトイレから出てきます。
猫は涼しいところ、暖かいところを見つけるのが大得意
犬は寒さに強く暑さに弱い生き物ですが、猫は真逆です。寒い冬の季節になると、猫は必要な時以外はこたつの中から出てきません。電源を入れたばかりのホットカーペットでも、目ざとく見つけて乗ってきます。
また、真夏の時期は絶妙な日陰を見つけ出して、やはりそこから動きません。猫にとって居心地の良い場所は、猫は人間より素早く見つけ出します。
猫は散歩はしない。でも、パトロールはする
犬は散歩が必要ですが、猫に散歩はいりません。でも、猫は縄張り意識の強い生き物です。もし猫に家の外を自由に歩かせている場合、猫は自分の縄張りに異常がないかどうか確認するために、自主的に毎日パトロールを繰り返します。
完全室内飼いであっても、猫は一度自分の入った部屋は、縄張りとして毎日確認しないと気が済みません。
猫は狭いところを見つけると入らずにはいられない
犬も意外と狭いところを好むようですが、猫ほどではないでしょう。猫は狭いところを見つけると自動的に入ります。
届いたばかりのダンボール、デパートの紙袋、スーパーのビニール袋、あるいはお菓子の箱の中まで、見たら即入って自分のものだと主張します。つまり、猫を捕まえたい時は、ダンボールを置くだけで大丈夫です。
猫は飼い主さんが帰宅すると、ごはんが帰ってきたことを喜ぶ
飼い主さんが帰宅すると、犬はしっぽを振って大喜びで出迎えてくれます。意外なことに、猫も健気にドアの前で待機してくれます。
飼い主さんを見るやいなや、足にすり寄り、甘えた声で鳴いてくれるでしょう。そして飼い主さんから無事ごはんをもらえたら、何事もなかったかのように去っていくでしょう。
猫の1日のほとんどは睡眠時間
猫は「寝子」と呼ばれるだけあり、非常によく眠ります。うつらうつらと浅い睡眠を続け、寝たり起きたりを繰り返しながら1日に12~18時間くらいは平気で寝ています。
たまに起きてごはんを食べ、毛繕いをし、寝て、起きておもちゃで遊び、いたずらをし、そしてまた寝ます。犬が散歩をし、飼い主さんとボール遊びをしている間も、猫は延々寝ています。
猫は瞬発力の生き物である
犬は遊ぶのが大好きです。犬によっては、飼い主さんと外で数時間も遊んでいることだってあります。一方で、猫も遊ぶのが大好きです。
でも猫は一瞬で獲物を仕留める、瞬発力の生き物です。猫は5分か10分も本気で駆けずり回って遊んだら、すっかりバテて動かなくなってしまいます。
その代わり、1日に何度も小分けにして遊びたがるので、短くてもちょこちょこマメに遊んであげると猫はとても喜びます。
犬と猫とはぜんぜん違う生き物!よく考えて選択しよう
「猫あるある」をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
このとおり、犬と猫とは性格はもちろん、お世話のしかたや日々の過ごし方も全く異なります。「猫っていいかも!」と思ったでしょうか、それとも「どうも合わなさそう……」と思ったでしょうか。
犬も猫も、長生きすれば寿命は20年ほどになります。犬や猫を飼うということは命の責任を負うことです。飼ってから後悔したのでは遅すぎますから、事前によく下調べをし、自分に合った最適なペットを選びましょう!
みんなのコメント
-
少し違う所もありますが、あるあるですね〜
うちの猫はお散歩をしたがりますよ(* ‘ᵕ’ )