仔猫と子猫の文字の違いはどちらが正しい?少し賢くなれる猫の知識

本を読んでいたり、ネットの記事を読んでいたりするとふと目に入ってくる「子猫」の文字。

あれ、でもこっちの媒体では「仔猫」って書いてある……。

一体どっちが正しいの?なんて思ってしまいますよね。

「学校」と「學校」のように昔の漢字の流れなのか、それともそれぞれの文字に違いがあるのか、気になるところ。

というわけで、今回は「仔猫」と「子猫」の漢字にまつわる話について見ていこうと思います。

仔猫と子猫、どっちが正しいの?

まず、大手検索サイト「Google」で「仔猫」、「子猫」をそれぞれ調べてみると、

  • 仔猫が約3,000,000件

仔猫イラスト

  • 子猫が約22,100,000件

子猫イラスト

と、なんと子猫のほうが一桁ほど多いという結果になりました。

この結果を見て、となると、多数の方の子猫の方が正しいんだ!と考えてしまうかも知れませんが、そうではないんです。

実を言うと、「子猫」も「仔猫」も、どっちも正しいのです。

そもそも、よくよく考えてみると人間のこどもに対して、「子供」と使いはしますが、「仔供」と言うことはありませんよね。

何故「子」だけが人間に使われて、猫は両方使われているのか……これにはなんと、紀元前にまで遡るふかーい訳があるんです。

紀元前の中国、春秋戦国時代の思想家の名前を思い浮かべてみると、孔子・荘子・荀子など……軒並み「子」が付いている人が多いですよね。

どの人も、周りの人からたいへん尊敬された人物でした。

つまりそういった、尊敬に値する人に対しての尊称として「子」を使っていたんですね。

尊敬の意をこめて使われていた子

「子曰わく」、と聞いたことのあるフレーズの通り、「先生」と言う意味合いが一文字の中に込められていたそうです。

その意味合いではもう使われてはいませんが、そんな現代でも、他人のお子さんへの尊称として「ご子息」なんて言い方、しますよね。

対して「仔」はこどもという意味の他に、「仔細」というように細かいこと、という意味もあります。

にんべんが付いている通り人間の動作である「真面目に取り組む」、「我慢する」、「持ち堪える」という意味が元々ある字でした。

それにも関わらず、人間のこどもではなく、動物のこどもという意味が付いたのは、上記の通り、「子」が尊称にも使われる漢字だったからです。

また、紀元前の中国のえらい人達だけではなく、明治から戦前戦中くらいまで存在していた「華族制度」の中の第4位に「子爵」という爵位があったのも、日本で「仔」が使われるようになったことと関係しているとも言われています。

子爵イラスト

そうしたえらい人達に使われているにも関わらず、人間ではない動物のこどもに対して「子」という漢字を使うのは失礼だと使用を憚ったため、同じ読みである「仔」をあてがった、ということなんですね。

その内、仔が動物のこどもに使うものだという認識が広まっていき、人間の動作に対して使われていたと知る人は殆ど居なくなり、現在のように人間は「子」のみ、動物は「仔」ないし「子」という使い分けに至るわけです。

かくいう筆者も、成り立ちは漠然と知ってはいたものの、今回こうしてきちんとリサーチするまで「仔」が「仔細」や「仔ども」以外の意味があるだなんて知りませんでしたからね!(笑)

ただ、「仔」というのは常用漢字ではないので、先程の検索結果の件数のように基本的に現在では「子猫」と使われることが多いんです。

ということで、子猫と仔猫という字の意味は全く同じですが、歴史を紐解いてみると少しニュアンスが違うということが分かりました。

學校と学校、のように旧字体という訳ではなく、「子」という漢字が持つ意味合いの多さの関係で、代替として選ばれたのが「仔」という漢字だったというわけです。

もし子猫と仔猫、どちらを使うか迷う場合は、明確に猫という動物のこども、という意味を示したいならば「仔猫」と使うほうがシーンに合っているのではないでしょうか。

漢字の本場中国では子猫ってなんていうの?

さて、仔猫と子猫の字の違いについて漢字の歴史を含めて見てきたところで、ふと疑問が。

先程の話でも出てきた漢字の本場、中国。

その中国では、子猫のことを現在では一体何と呼んでいるのでしょう?

その答えは……

小猫(Xiao Mao)です。

小猫イラスト

シャオマオ、と読みます。マオ、というのが中国語で猫、というのは知っている方も多いのでは?

な、なんと……子や仔ですらなく、「小」でした!

日本で小猫と言うと、子どもという意味以前に「小さい猫」という印象を受けてしまいますよね。

紀元前の中国で生まれた「子」と「仔」の使い分けですが、現代の中国は私達日本人のように使い分けに悩まずに済むのですね……ちょっとうらやましいかも?(笑)

また、子猫を表す別の言い方もあります。

それは、猫崽(Mao Zai)。

猫崽イラスト

マオザイ、と読みます。

因みにこの文字、常用漢字どころか日本で使わない漢字のためフォントがなく、上の絵では筆者の手書き文字で表しています……山に思う、と馴染みの深い漢字の組み合わせではあるのですが!(小猫の方も併せてご推察の通り筆者の手書きです)

このようにイラストで表現するにも一手間掛かるほど日本では全然見かけない後ろの字ですが、この一文字で「仔」と同じく動物のこどもを意味する漢字であると同時に、人間の男の子、という意味もあるそうです。

例えば、「羊崽」で「子羊」という意味ですが、「两个崽」で「二人の息子」という意味にもなるとか。

これはこれで日本語とは違った意味でちょっとややこしいかもしれませんね!

因みに、英語では人間の子どものように「child」(チャイルド)という言葉は子猫には使わず、「kitten」(キトゥン)という風に呼んでいます。

キトゥンイラスト

漢字文化圏ではない分、ハッキリしていて分かりやすいですね。

英語圏の動物の子供の呼び方

他にも、図の通り犬だったら「puppy」(パピー)、子豚は「piglet」(ピグレット)など。明快ですよね。

筆者的には一番羨ましい言語かもしれません…(笑)

このように、動物の子どもを外国語でどう表すか、調べてみるのも面白いかも知れませんね!

使い分けは自由にしていきましょう

というわけで、今回は「子猫」と「仔猫」の違いについて触れていきました。

余談ですが、筆者はこれまでの表記でお気付きかと思いますが、「子」派です(笑)

理由は特にありませんが、やはりアナログでも書きやすいですし、デジタルでも変換慣れをしているというと「子」になってしまいます。

とは言え、どちらが正しい!間違っている!というものではないので、これからも貴方の好きな方の言葉で可愛い子猫ちゃんを表現してあげてくださいね。

子猫の写真

最後に子猫のキュートな写真で、かっちり勉強モードの脳に癒しの風を…。

以上、少し知っていると何処かで話題のタネになるかもしれない、猫豆知識でした。

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