寒い時期の猫と言えばこたつを連想する人は多いでしょう。
そもそもなぜ猫がこたつを好むのか、そしてこたつに危険性はあるのか、考えられる危険性とそれぞれの対策方法を記載していきます。
また、最後に我が家で実際に使っているペット用のこたつについて紹介いたします。
猫は寒さに弱いというよりも、温かく快適な場所を探す名手
猫は寒さに弱いというのが、一般的なイメージだと思います。猫の先祖をさかのぼれば、アフリカ北部の砂漠に暮らしているリビアヤマネコに行きつきます。
その生息地は砂漠だったり熱帯雨林だったりと様々な場所に適応していますが、比較的暑い地域であることが多いようです。
猫の平均体温は38度前後であり、人間よりも高めの体温をしています。
さらに猫自身も、毛皮と脂肪で包まれむしろ外見だけなら人間よりも暖かそうで、そんなに寒くないのではと感じるところもあります。
これも個体差があり、若い猫なら雪の中でも遊んだりしますし、体型によってもまた変わってくるでしょう。
鼻で温度を感知し、過ごしやすい場所を探し当てることができる
人間は暑ければ汗を流して体温調整し、冬は衣服を着て寒さを防ぐことができます。しかし猫は人間のように体温調整する事は出来ません。
猫の鼻には気温を感知するセンサーがあり、呼吸して吸った空気の温度を鼻で感じ取る事が出来ます。このセンサーを使い、家の中で暖かい場所を探すのです。
我が家の猫も、ペット用のこたつを購入するまでは、よくヒーターの前に座ったりしていました。
そんな姿を見ていれば、誰しも猫は寒がりだと思う事でしょう。猫は寒がりというよりは、自分が快適に過ごせる温度の場所を探すのが得意、とも言えるでしょう。
だから寒い時期には必ずしもこたつでなければならないということはないのですが、日本において猫とこたつはセットのように定着しています。
他の暖房器具よりも、なぜ猫はそんなにもこたつを好むのでしょうか?
こたつは猫にとってパーフェクトな空間だった
それはこたつという暖房器具の特徴にあります。
冬場に飼い主さんと一緒に布団の中に入って寝たがる猫もいますが、これもこたつと同じ条件が揃っていると言えます。また、信頼のおける飼い主さんとくっついて寝るという安心感もあるでしょう。
安全なように見えるこたつも、猫にとっては危険が生じる可能性もある
こたつに過ごす時にも注意が必要な場合もあります。ここからはこたつの危険性を考えていきます。
猫は熱さに鈍感。低温やけどに注意する
猫にとってパーフェクトとも言えるこたつですが、気を付けなければならない事もあります。意外にも猫は暑さに鈍感な生き物です。
それと同じで、猫は被毛がある分温度には鈍感になってしまい、ストーブに近づきすぎて毛が焦げるまで気づかないということもあります。
こたつの中で低温やけどをしてしまうおそれがありますので、猫がいる時は熱さを弱めにした方が良いでしょう。
木炭や石炭を使うこたつは、一酸化炭素中毒に要注意!
現在では電気こたつが主流ですが、電気代がかかる事がネックとなっています。
電気代を節約する為のこたつとして、木炭をより扱いやすくした豆炭という燃料を使った豆炭こたつというものもあります。
人間にも同じ注意が必要になりますが、密閉された空間で炭素を燃やすことにより一酸化炭素中毒になる可能性があります。
これは、不完全燃焼により一酸化炭素が発生し、気づかない間に血液中の酸素が一酸化炭素に奪われて体に必要な酸素がいきわたらなくなり、最悪死に至る中毒症状です。
こたつだけに限った話ではないですが、燃料を入れて温める暖房器具ではこの事故が発生しやすくなるため、必ず換気をしなければなりません。
苦しければ自分から出てくるだろう、と安易に考えるのは危険です。電気こたつであればここまでの心配はいりませんが、石炭燃料系のこたつは人間でさえも中毒死することがあるため、その危険性を確認する事が必要です。
子猫や噛み癖のある猫はコードの感電に注意
安全性の高い電気こたつでも、注意が必要な場合があります。
特に子猫に多いですが、コードを噛んでしまうことがあります。それによって感電したり、口の中をやけどしてしまうことも考えられます。
そのような危険性がある場合には、コードカバーをつけたり、猫の嫌いな香りを付けるスプレーをコードにかけるなどして対策を行う様にしましょう。
密閉されたこたつの中では脱水・熱中症になりやすくなることも
暖かく乾燥したこたつの中にずっといると、しばしば脱水状態に陥ります。
こたつの中では熱がこもるので、熱中症になってしまう可能性もあります。
対策としては、こたつのふとんを少しあけて空気の通り道をつくってあげることや、こたつのそばに飲み水を置いて、水分補給できるようにしてあげるのが良いです。
また、猫がこたつの中にいる時は、あまり温度を上げ過ぎず、こたつの温度も弱めにしておくとよいでしょう。
ただし腎臓が悪い猫や、老猫は特に注意が必要になります。こたつの中にいる時はそのままにせず時々様子を見て、ぐったりしてないか、息を荒くしていないかなど気にかけてあげるようにしてください。
猫の体に合わせたペット専用のこたつも販売されている
本来こたつは人間が使うものなので、これまで述べてきたように猫にとって危険が生じる場合もあります。
人間が体を温めるためのものであり、温度も広さも人間用に作られています。
そのため、近年ではペットでも安心して使えるペット用のこたつが登場しています。我が家ではペット用のこたつを購入し、いつでも温まれる様にしています。
ドギーマンの「ペットの夢こたつ」を使用しています。
こたつの上側も暖かくなりますが、低温やけど防止のため、クッションを置いています。
赤外線でこたつの中が暖かくなります。手を入れると人間のこたつのようなむわっとした熱さはなく、控えめな温度を保っていますが、ねこにとっては十分な暖かさでしょう。
猫によってはこたつのふとんをめくることが出来ない為、猫自身からこたつに入りにくい場合もあるようです。
別メーカーのマルカンではワイヤーで入口を作るタイプのこたつを扱っています。
また、こたつにトンネルを置いて外とこたつの中をつなぎ、トンネルをくぐって猫がこたつに入れる様に工夫する事も出来ます。
様々な危険性があることを確認しつつ、愛猫と共に暖かく冬を過ごしたいものです。