あなたの猫が、嘔吐したはずなのに、床に何も吐いていなかったなどという事はありませんか?もしかしたら、それは喘息の症状で、吐いたのではなく咳をしたのかもしれません。
猫は咳をする事が少ない動物だと言われていますが、喘息となると話が変わってきます。咳こんだ後、これといった異常がなく、普通に過ごしているので、心配ないと思う飼い主さんも多いようです。
しかし、喘息は症状が軽いうちに対応しないと、猫の命に係わる危険性も考えられます。このページでは、猫の喘息について出来るだけ詳しく紹介していきたいと思います。
猫の喘息でみられる症状
猫が喘息にかかると、次のような症状があらわれます。
- ゼイゼイと苦しそうな呼吸をする
- 急に頭を前に突き出し、咳をする
- 咳をする時に「ゲー」や「グー」などの音を出す
- 何度か咳を繰り返すが、終わると元気になる
- チアノーゼがでる
- 呼吸が苦しいため、開口呼吸をする
そして、実際には何も吐いておらず、しばらくすると、何事もなかったかのように普段どおりの様子を見せる事もあります。
この喘息の発作は、2、30分もすれば普通の状態に戻る事が多いのですが、それ以外に気管支炎の場合があり、これは症状が連続して起こり、元気なそぶりはまず見受けられません。
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喘息というのは、原因になる患部の気管や気管支というところでの長期の炎症によって発病します。
進行の初期段階では、ほとんど症状が出ない事もあるのですが、そのまま、見逃すと、発作的な咳を繰り返すようになり、炎症が進み、喘息の症状が重くなっていきます。
病状がひどくなってくると、苦しそうな呼吸となり、体もあまり動かさなくなっていきます。その他の注意点として、猫の呼気は通常、鼻呼吸なのですが、喘息がひどくなると、口を開いて息の出し入れをするようになり、チアノーゼが出てきます。
このチアノーゼとは、一般的に、「全身に酸素が行き渡らなくなり、皮膚や粘膜などが青紫色に変色する事」をいうのですが、人間と違い猫の場合は、口の中の粘膜、舌の色が青紫色に変わる事で見分けます。
▼猫に腹水が溜まってしまった場合も、チアノーゼを起こすことがあります
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喘息の原因にはどのような物がある?
猫の喘息は、まだ分からない事が多いようですが、アレルギーによるものが大半だと言われています。その、アレルギーを発症させる物としては、ほこり、花粉、食べ物、ダニ、たばこの煙、車の排ガスなどが上げられます。
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それから、アレルギー物質以外では冷たい空気や感染症などの病気、不安やストレスなども喘息の原因となりえます。
猫の喘息の治療法について
動物病院では、身体検査、血液検査、X線検査、気管洗浄などの診察や検査が行われ、それにより様々な診断や治療計画が立てられます。
治療方法としては、投薬が中心で、ステロイド剤や気管支拡張剤が使われる事が多いようです。その主な目的は、薬によって喘息の症状を緩和させ、猫の体力を回復させるようにします。
しかし、飼い主さんによっては、ステロイド剤などの副作用を気にしたり、咳自体が止まった事で治ったと思ったりして、治療や通院を途中でやめてしまう事があるようです。
もし、完治せずに治療を中断した場合、たいてい一ヵ月以内に症状をぶり返す事になります。自身で判断せず、症状の状態や投薬の種類など疑問に感じる事があれば、必ず獣医師に相談しましょう。
この喘息治療は、長い闘病期間を必要とします。根治を目指しつつも、発作(喘息)が出ないようにコントロールするのがとても大事になりますので、その事を理解し、飼い主さんは粘り強くつきあってあげてください。
喘息になった猫の為に、飼い主さんからしてあげてほしい事
猫の喘息はアレルギー性のものがほとんどですので、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)から猫を遠ざけることが一番の予防となります。まず、何らかのアレルギー症状が出た場合、完全な室内飼いを検討してみて下さい。
室内でも、アレルギーの元となる物(花粉、ダニの死骸や糞、車の排気ガスなど)がある程度存在していますが、これが屋外ともなれば、その何倍ものそれらの物質にさらされる事が想像出来ます。
たしかに、外に出られないストレスで、猫が可哀想になるのも分かるのですが、家の外で猫が喘息の発作をおこすかもしれない危険性を考えると仕方がない選択になると思います。
エアコンや空気清浄機などをうまく活用し、こまめに部屋を掃除するなど、お部屋全体の清浄に留意してあげて下さい。その場合、花粉症対策の機能がついている空気清浄機にしたほうがより効果的なようです。
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また、猫の前ではタバコを吸わないようにし、芳香剤・アロマ製品や消臭剤もできるだけ使わないようにしましょう。慣れているなら、グルーミング用にブラッシングやシャンプーなどをこまめにし、皮膚を清潔に保ってあげてください。
▼人間にとっては心地がよい香りのアロマですが、猫にとっては有害なのです
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個体差による好みがでますが、トイレなどはこまかい砂が舞わないペットシーツなどに変更する方法もあります。
日頃から観察して記録をとっておく
長期療養をしているのなら、日頃から観察記録をノートなどにまとめておく事もよいのではないでしょうか。
項目としては、
- 体重の増減
- 餌の回数
- 飲水量の推移
- 元気があるかどうかの様子
- 喘息の発作の程度
- 一日の発作の回数
などを見てあげてください。普段から猫の状態に気をつけて、小さな変化も見逃さず、継続的に動物病院へ連れて行ってください。
喘息を安定させる為には、猫にかかるストレスを減らしてあげることが重要です。飼い主さんは猫とのコミュニケーションやスキンシップをとりつつ、気持ちよく過ごせるように努力してあげましょう。
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病に寄り添ってあげる猫との生活
喘息は決して不治の病ではありません。今はいいお薬や治療法もたくさんあります。
飼い主さんが悲観せず、猫と安心して暮らせる工夫をしてあげてください。