猫がおしっこしない。原因は泌尿器の病気や生活環境に隠れているかも

飼い猫がおしっこをしないので、病院へ連れて行ったという話をよく耳にします。猫は泌尿器系の病気にかかりやすく、オスはメスよりも、さらに重症化するリスクが高いといわれています。

あなたの飼っている猫は、お家の決められた場所で、適量のおしっこがちゃんと出ているでしょうか?

もし、トイレの前でうろうろしていたり、変な鳴き声をあげていたりした時には、排泄行為を注意して見ておきましょう。無論、多少の個体差もありますが、一日に一回から三回程度排尿するのが正常のようです。

異常な尿排泄について考えられる事や、泌尿器関係の病気について紹介していきたいと思います。

猫がおしっこしない時、疑われる主な病気

猫がまったく排尿していない、または極端に少ない量しかしていない場合、いくつかの病気が疑われます。ご自身の猫にあてはまる症状はないか、チェックしてみましょう。

下部尿路疾患

下部尿路疾患とは、尿路の下部にあたる膀胱から尿道にかけて起こる病気の総称のことを指します。尿路疾患に罹った猫は、次のような症状やしぐさが見受けられます。

  • トイレに行っても尿が出ていない、もしくは出ていてもほんのわずかな量である
  • 排尿時に痛みを伴っている為、鳴き声をあげる
  • 決められたトイレ場所以外で排尿のポーズをする、又は本当に排泄をする
  • 尿に血が混じっている
  • 尿の中にキラキラ光る結晶がある

下部尿路疾患の猫の症状のイラスト

この下部尿路疾患は細菌の感染や尿石、尿道栓子などの原因で引きおこされます。

どうやって細菌に感染したのか、またはなぜ尿石や尿道栓子が出来たのかが分からない場合も多く、ストレスや他の病気が関係している事もあるようです。

そして、下部尿路疾患の約2割が尿結石に由来するものだそうです。その尿結石というのは、食事や体内の代謝異常で生成された余分なミネラルが濃縮され結晶化し、ある程度の大きさの塊になった物の事をいいます。

結晶が小さいうちはおしっこと一緒に体外へ排出されますが、増大し尿道に詰まると、腎不全や尿毒症など命に関わる疾病を招くおそれがあります。特にオス猫は尿道が細く長いので、結石が道を塞ぎやすいですから注意してあげて下さい。

いかなる場合でも、排尿する様子がおかしいと思ったら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

治療方法は症状によって色々な種類の処置がありますが、尿道閉塞をおこしている場合は、カテーテルを使用し、膀胱内を洗浄します。それから、細菌感染が原因になっている時は抗生物質などを投与していきます。

また、これと並行して療法食を用いた治療もなされます。この疾患は一度かかると再発しやすいので、食事療法を続ける事になるケースが多いようです。

摂食コントロールが長期になると段階的に症状が変化してきます。それにより、適している食事内容も変える必要が出てきますので、そのつど定期的に担当医師に相談しましょう。

膀胱炎

膀胱炎はその名のとおり、おしっこを溜める膀胱という部位に炎症が起きる病気です。尿道から膀胱に入った何らかの細菌が増殖して炎症が起こります。それと、泌尿器に出来た尿結石が周りを傷つけて発病する事もあります。

上記以外にも、原因がよく判らない膀胱炎(特発性膀胱炎)もあります。これらは、尿道が短いメスのほうがかかりやすい傾向にあるようです。この病気になると次のような症状が出てきます。

  • なかなか排尿できず、長い時間トイレに入っている
  • トイレの回数が増える
  • おしっこの時に辛そうにしている
  • 血尿が出る
  • お腹周りを触ると、とても嫌がる
  • 尿が白く濁っている

膀胱炎の猫の症状イラスト

ウイルスや細菌が原因ならば、抗生物質を中心にした薬物療法になりますが、尿結石が原因の場合には、外科手術で結石を取り除いたり、食事療法で尿石を作らない様にしたりします。

この様に、様々な要因が考えられる為、それぞれの原因や症状に合った治療方針が取られます。

急性腎不全

急性腎不全とは、尿をろ過する為の腎臓の働きが急激に低下してしまう病気で、本来、体にとっては不必要なものを、体外へ排泄出来なくなります。これには、以下のような症状が表れます。

  • 尿が出ないか、出ても極端に少量である
  • 元気がない
  • 食欲がなく、エサを要求してこない
  • 日に何度も嘔吐する
  • 体温が急激に低下する
  • 昏睡状態になる
  • 口などからアンモニア臭がする

急性腎不全の猫の症状イラスト

この原因には下部尿路疾患や心不全などの他の内臓疾患、毒性物質による中毒症状など多数あります。しかし、起因するものがなんであれ、治療は点滴や透析を通じて、抗生剤や利尿剤などの投薬の処置がおこなわれます。

それらの目的は、体から尿毒素を排出し、脱水症状を改善させ、電解質のバランスがとれる状態にします。これ以外にも、尿路結石などが素因になっている場合には、物理的な外科手術をする事もあります。

急性腎不全は放置しておくと命の危険がありますので、猫の様子がおかしいと感じたら、急いで動物病院に連れて行きましょう。

猫がおしっこしない時の対処法。生活環境のチェック&改善方法

もともと猫という種族は、下部尿路疾患になりやすい動物です。そして猫がおしっこを我慢すると、膀胱炎や尿路結石にかかるリスクが高くなります。

飼い主さんがどんなに気をつけていても泌尿器関連の病気になってしまう事もあるのが現状です。何か排泄の様子がおかしく、おしっこに異常な症状が表れたら、早めに獣医師へ相談して下さい。

トイレの清潔&温度管理が重要

猫トイレの環境チェック項目のイラスト

トイレできちんと用を足せるように、排泄場所はいつも清潔にしてあげて下さい。

清掃以外にも、季節的な気温差で、トイレの使用を嫌がる場合などもあります。可能な限り、冬場はお手洗いを温かいスペースに設置し、移動が出来ないのであれば、ダンボールの様なもので囲い保温するなど、何か一手間かけてあげて下さい。

水をおいしく飲めるように、新鮮さや温度の工夫を

水のチェック項目のイラスト

猫があまり水を飲まないでいると、体内で尿が濃くなり、結石が出来やすくなってしまいます。カップが空のままで水を与え忘れていたり、古い水がそのままになっていたりしていませんか?

それだけでなく、冷た過ぎても飲まない事もあります。そういう時はぬるま湯に交換するなどの対応をして、出来るだけ飲ませる努力をしてあげて下さい。

寒い時期や加齢などの原因で運動量が減少してくると、それに比例して水分の摂取量も少なくなるようです。

シニア猫と自動給水器のイラスト

猫は習性的に新鮮な水を好む傾向があるので、可能な限り新鮮なものを与えたいものです。どうしても人の手でお水を換えるのが難しい時は、自動給水器などの導入も検討して下さい。

免疫力のアップ、体重のコントロールを

猫の免疫力のアップと体重のコントロールのイラスト

先ほども述べましたが、下部尿路疾患には原因が判らないものもあります。それらの予防の為にも、ストレスを減らし、免疫力を高めてあげましょう。

また飼い猫の体重をコントロールする事も重要な項目になります。それは猫も人間と同じ様に、肥満は万病の元になりえるからです。

ストレス解消や体重維持の為にも、積極的に遊んであげる事も重要です。餌やおやつを適正量にして標準体重を心がけてあげて下さい。

とても大事な猫のおしっこ

動物にとって排尿はとても重要なものです。これは人間でも同じですが、おしっこが出ない事を便秘と同じ様に考えがちです。ですが、おしっこが一日出ていない場合は命にかかわってきます。

排泄行為は全ての健康のバロメーターだといっても過言ではありません。これもペットとの会話だと思って接してあげてほしいものです。

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