高齢猫が必ず経験する!?皮下点滴の自宅でのやり方と3つのコツ

猫に皮下点滴の処置をすることがあります。皮下点滴は腎臓が悪くなったときに使用されます。そして、猫が高齢になると腎臓が悪くなることが非常に多いです。

ですので、猫が高齢になると、ほとんどの猫が皮下点滴を経験するといっても過言ではないでしょう。猫の症状によりますが、皮下点滴は毎日行うと効果的です。

獣医師の指示のもと、飼い主さんが自宅で行うこともできます。ただ、慣れない処置でなかなかうまくいかない飼い主さんも多いようです。皮下点滴の効果ややり方、自宅で行うときの注意点、コツなどをご紹介します。

皮下点滴の仕組みと意味を知ろう。脱水を防ぐために重要な処置

皮下点滴をすることでどんな効果があるのでしょうか。

猫の高齢化と腎臓の病気に関わってきますので、皮下点滴のやり方を説明する前に、その仕組みを理解してみましょう。

皮下点滴の効果

皮下点滴とは、その名の通り、皮膚の下の皮下組織に点滴をすることです。生理食塩水やリンゲル液などを皮下に入れることによって、徐々に体全体に水分が流れていき、体液の循環を促します。

点滴をと聞くと、静脈に針を通して行うイメージがあるかもしれませんが、皮下ですので、比較的簡単に行うことができます。

高齢猫は、体内の水分量が減ってしまいます。また、猫に特徴的な腎臓病になる可能性が高くなります。腎臓は血液の老廃物をろ過する働きをします。腎臓が悪くなり、その機能が失われてしまうと、体内に老廃物がたまり、水分だけが外に出てしまいます。

よって脱水になってしまうのです。そのため、猫はたくさんお水を飲みますが、同時に尿もたくさん出ますので、多飲多尿と言われる症状になります。そこで、皮下点滴で水分を補給してあげることで、脱水を防ぐことができるのです。

ただし、腎臓病は治らない病気です。皮下点滴は治す治療ではなく、これ以上悪化させないための処置になります。ここは覚えておきたいポイントです。

皮下点滴に必要なもの

かかりつけの動物病院によって異なりますが、材料は、

  • 輸液パック
  • チューブ

などになります。

私の場合は、輸液パックは乳酸リンゲル液、21Gの針、輸液チューブ、アルコール綿を渡されました。

輸液パックとチューブをつなぎ、針を刺します。針とアルコール綿は使うたびに必ず交換してください。チューブの中に空気の泡ができたときは、指ではじくか液を最後まで出して泡をなくしてから行います。

ちなみに針のサイズの単位はG(ゲージ)といいます。数字が小さくなると針の穴が大きくなります。皮下点滴で使う針は穴が少し大きめのものを使用します。ペットを入れるサークルや冊をゲージという人がいますが、正しくはケージです。ゲージは針のサイズです。

病院でやってもらうか、それとも自宅でやるか

症状によっては毎日やらなければいけませんので、その都度動物病院に行くには、飼い主さんにとっても猫にとっても負担になります。そのため、自宅で飼い主さんが処置してあげることになります。それぞれのメリット・デメリットをあげてみましょう。

<メリット>                          

  • 病院・・・確実に処置ができる            
  • 自宅・・・慣れている環境でできる、治療費が抑えられる 
<デメリット>

  • 病院・・・通院の負担(猫、飼い主)、治療費がかかる
  • 自宅・・・うまくできないことがある

治療費については、動物病院ごとに異なりますが、病院で行うと、再診料・処置料など×日数分かかります。自宅で行うと、材料費のみです。輸液パックは500mlのタイプが主流ですが、1回に100ml入れるとしても通院5回分になります。

飼い主さんの生活パターン、猫の症状や性格などを考えて、どちらがいいか考えてみましょう。基本的には自宅で行い、連れて行けそうなときは病院でやってもらう、などのやり方もあるでしょう。

よくある3つのお悩みとその対策法

動物病院でやり方を教えてもらい、いざ自宅でやってみても上手くいかない!このようなケースが多いようです。次の3つがよく聞かれる問題点です。

  • 針が刺せない
  • 液がもれてしまう
  • 猫が動いてしまう

それぞれの対策を考えていきましょう。

針が刺せない

愛猫にぶすっと針を刺すのは怖いものです。でも、これも猫のためです!躊躇していると猫も飽きてしまいます。思い切って刺してしまった方が痛みも一瞬で済みます。

何度も軽く皮膚に触れていると、そのたびに軽く痛みを感じてしまいますし、針の切れ味も悪くなってしまいます。また、皮膚をピンと張るような感覚で持ち上げると、刺しやすくなります。皮膚が柔らかいと、針も刺さっていきません。

「鶏肉を竹串で刺すような感触」と表現する人もいるようです。思い切りと少しの勇気が必要です。精神論のようになってしまいましたが、うまくいくと刺したときの感触が気にならなくなりますので、頑張ってみましょう。

液が体の中に入らないで漏れてしまう

皮膚を持ち上げて、上から下に斜め45度の角度で針の穴を上向きにして針を刺します。高齢猫の皮膚は薄くて、いわゆる骨と皮だけの猫も多いので、針が皮膚を貫通してしまいます。

針の穴は先端に小さく開いていますので、皮膚にはその先端だけ数ミリ入ればいいのです。点滴が終わってから、漏れてしまう場合は、針を外した後もしばらく皮膚を持ち上げていれば、しだいに液が皮膚に浸透していくので、漏れないでしょう。

猫が動いてしまう

いくら自宅とは言え、いつも自由に動いている場所で押さえられると、猫も嫌がるものです。また、うまく皮下に液が入らず違和感を感じて動いてしまう場合もあります。

針を刺した角度が浅く、皮下組織まで達しておらず、その上の真皮に液が入ると下まで浸透しなくなり、猫は違和感を感じるようです。きちんと液が入っている場合は、皮下組織がこぶのように膨らんできますので、確認しながら入れてあげましょう。

刺す場所は問題ないけど、猫がどうしても動いてしまう場合は、洗濯ネットに入れる、タオルで包む、ダンボールのような箱に入れるなどの工夫をしてみましょう。

試したいプラスアルファの工夫

それ以外の工夫案として、3つを紹介します。

  • 2人体制で行う
  • ごほうびを使ってみる
  • 輸液パックを温める

2人体制で行う

1人でやるのではなく、2人体制で行うことをお勧めします。1人が皮膚を持って針を刺して押さえる。もう1人がパックを高く持って、早く流れるようにパックを絞る。という方法です。もし漏れたり、猫が動いたりして上手くいかない場合は、声をかけ合って落ち着いてやってみましょう。

1人でやらなければならないときは、パックを高い所に吊り下げておきます。壁にフックをつけたり、室内用の洗濯干しを応用してもいいでしょう。私の場合は、譜面台を一番高くして吊り下げていました。ご参考までに画像をご覧下さい。

皮下点滴の写真

ごほうびを使ってみる

終わったらごほうびを与えてみましょう。犬のしつけのときと同様に、良いことをしたらほめるパターンです。中には皮下点滴をやると体調がよくなるので、それを学習しておとなしくさせてくれる猫もいるようですが、好きなものと関連づけて行うことも1つの方法です。

点滴をやりながら、少しずつおやつを与えてもよいでしょう。

輸液パックを温める

体に入る液体が冷たすぎると猫は嫌がります。湯せんや電子レンジで人肌に温めてからやると効果的です。レンジだと、温めすぎたり温度にムラが出たりしますので、少し温めたら温度が均等になるようにもんだり、動かしたりしてみましょう。

猫にストレスを与えずに、飼い主さんもリラックスして行いましょう

やる側が焦って慌ててしまうと、猫にもその焦りが伝わります。どうしてもやらないといけないから!と強引に無理やりやっても猫にストレスを与えるだけです。病にストレスを与えてしまっては逆効果です。

獣医師から言われた量ができなくても、少しの量でもできたらマル、くらいの意識で頑張ってみましょう。

私が以前働いていた会社の同僚が、「猫の点滴があるので残業はできません!」と断言していました。私は何のことなのかよく分からず、飼い猫思いの人だな、と思っていただけでした。

その後、動物看護の勉強をして動物病院で働くことになり、頻繁にこの処置をしていることを知り、ようやく当時の同僚のしていることが理解できました。また、高齢で腎臓が悪くなった猫や犬を飼っている友人が、どうしても自宅で皮下点滴ができないと悩んでいました。

このように皮下点滴は、身近な方法として多くの猫が経験します。適切な処置をして少しでも長生きできるようにしてあげたいものです。

みんなのコメント

  • しんのすけの代理母 より:

    初めまして。皮下点滴のコツを知りたくて辿り着き読ませて頂きました。ウチには猫もおりますが、ワンチャン(チワワ)が急性腎不全で自宅で皮下点滴をすることになり、成功する時もあれば失敗する事もあり、なかなか思うようになりません。やってあげなくてはならないのにできない自分が不甲斐なく…でもこのブログを読ませて頂き、助けられました。明日からも頑張ります!ありがとうございした。猫ちゃんお大事に!

  • にゃーの友 より:

    我が家にゃん🐱
    20歳が10月中旬から慢性腎不全に
    いまの今まで尿検査血液検査は問題なかったので加齢から腎臓が悪くなったと言われましたラプロスを飲み腎臓サポートなどのご飯は食べてくれないので困ってますが、
    高齢のため自宅点滴のがいいだろうと言われました
    他の家族には馴れてないので一人でできるか心配でこちらにたどりつきましたやるしかないので頑張ります
    最後まで穏やかに暮らしてもらいたいです

    • ガーベラ より:

      我が家のネコ(18歳)も10月から慢性腎不全で、最初の3日間は病院で、その後は自宅で皮下点滴をしてますが、もう慣れたつもりでも突然漏れたり、点滴が落ちなかったり…
      これまで何度か点滴スランプに陥りながらも、可愛いネコの為に頑張ってます。

      20歳ですか✨素敵ですね✨
      幸せなネコちゃん🐱

      お互いに頑張りましょうね😊

  • Reyなママ より:

    二日に一回のペースで、愛猫の11歳ぴあのちゃんに点滴しています。
    上手くいったり、前回は射す場所が悪かったのか、血が逆流して来てしまい、今日これから又、するのに勇気か少々低下してます
    でも可愛いぴあのちゃんが元気に頑張って欲しいので、私も、頑張ろうと思います‼️💕

  • クロちゃんのママ より:

    愛猫が腎不全になり、点滴することに、しかし、失敗の連続で、落ち込んでいました。同じ悩みを持つ飼主さんが大勢いることを知り、少しホットしました。頑張ってみます。良いアドバイス有り難うございました。

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