猫に必要な6つのトリミング。自宅でできる被毛や爪の簡単お手入れ

みなさんは猫のトリミングについて、どんなことをご存知ですか?

トリミングといえばワンちゃんのイメージですが、最近は猫専用のトリミングサロンも多く出店しているようです。

そもそも猫のトリミングは必要なのでしょうか。また、トリミングサロンに連れて行くことで、猫ちゃんに負担はかからないのでしょうか。

今回は猫のトリミングとその注意点などについてまとめました。

そもそもトリミングとは?愛猫を清潔に保つために

トリミングといえば、まず思い浮かぶのがワンちゃんの毛のカットですよね。

では猫のトリミングとはどのようなお手入れを指すものなのでしょか。

猫のトリミングはお手入れ全般!

猫のトリミングとは、主に

  • ブラッシング
  • シャンプー
  • 被毛のカット
  • 爪切り
  • 耳そうじ
  • 歯磨き

など、猫ちゃんのお手入れ全般を指します。

一つひとつを見れば、プロでなくてもできるかも?と思いますが、これを定期的にすべて行うとなると大変です。

また、ペットショップや専用サロン、動物病院などでトリミングしてくれる人をトリマーとよびます。

トリミングには大きくわけて

  • 身体を清潔に保つ
  • 猫と人間の怪我を防ぐ
  • 見た目を良くする

という3つの役割があります。

外に出ることがある猫ちゃんは特に身体を清潔にする必要がありますよね。

さらに飼い主さんがトリミングをしてあげることで、愛猫とのスキンシップや、病気の早期発見など、メリットもたくさんあります。

トリミングをしないとどうなるの?

先ほどトリミングには主に3つの役割があるとご紹介しましたが、

  • 身体を清潔に保つ
  • 猫と人間の怪我を防ぐ

この2つは、愛猫に健康で長生きしてもらうため必要不可欠なものです。

トリミングを怠ることで、さまざまな二次被害が発生する恐れがあります。

例えば、トリミングのひとつである歯磨きをしないと、口のなかの環境が悪化し、雑菌が繁殖します。

そのまま炎症が広がり歯肉炎や歯周病になると、口のなかで発生した雑菌がご飯をたべるたび全身に運ばれ、

  • 腎臓病
  • 心内膜炎
  • 糖尿病

など、命にかかわる病気へと発展してしまうことも。

何より愛猫に痛くてつらい思いをさせないためにも、トリミングは欠かさないようにしましょう。

愛猫をトリミングサロンに連れて行くべき?

トリミングをしてくれるサロンは、民間のものと動物病院に併設されているものの2種類にわけられます。

値段の相場は4000~8000円ほどで、毛の長さやオプションなどによっても変わります。

では、猫ちゃんをトリミングのためにサロンへ連れていくことは必要なのでしょうか。

自分では限界!プロに任せることも視野にいれて

猫ちゃんが自分の身体をペロペロなめてグルーミングしている様子を見たことがあると思います。

猫はとてもきれい好きな性格なので、自分で全身を清潔に保つようお手入れしているのです。

また、猫の舌には殺菌効果があるともいわれています。私たち人間でいう、石けんで身体を洗っている状態なのかもしれませんね。

しかし長毛種の猫ちゃんは、排せつ物が毛についてしまったり、肥満の猫ちゃんは届かない場所が多くなって毛が汚れたままになってしまうこともあります。

トリミングをしようとしても、子猫のころからトリミングを習慣としていない猫ちゃんや、野良猫から家で飼うようになった猫ちゃんは嫌がって激しく暴れてしまうことも。

ブラッシングやシャンプー、爪切りなどは、家でもできそうと思われる方もいるかもしれませんが、あまりにも暴れる猫ちゃんだと、飼い主さんが怪我をしてしまう場合もあります。

絶対に身体を触らせてくれない猫ちゃんには、プロであるトリミングサロンや動物病院に任せたほうが時間をかけずに素早くトリミングを終わらせてくれるので、飼い主さんの負担だけでなく猫ちゃんの負担も少なくなるかもしれません。

知らない場所はストレス!なかには危険なサロンも

猫は犬とちがい、人見知りが激しく、社交性の少ない生き物です。

サロンなど、はじめての場所で知らない人たちに囲まれることは猫にとって大きなストレスになることもあります。

特に、生まれてから同じ場所で同じ家族とだけで暮らしている猫ちゃんや、定期的な病院でさえ怖がってしまう猫ちゃんには、サロンでのトリミングはおすすめできません。

環境の変化がストレスになる猫にとって、慣れない場所で身体のあちらこちらをさわられるサロンは、負担がとても大きいのです。

もちろん、猫をサロンに連れて行くべきではないというわけではありませんが、そういったデメリットがあるということも頭に入れておきましょう。

さらに猫は音にとても敏感な生き物で、大きな音や知らない人の声をきらいます。犬など、ほかの動物も利用するトリミングサロンでは、その鳴き声におどろいてかたまってしまうことも。

できるだけ猫専用のサロンを選んでください。

また、トリミング中に飼い主さんが付き添うことができるサロンを探しましょう。

施術中に優しく声をかけてあげたり、飼い主さんがそばにいるだけで、猫ちゃんの不安も軽減します。

立ち合いをさせてくれるサロンは、猫が知らない人を警戒する特徴やもしも事故が起こってしまった場合を理解しているサロンです。逆にいえば、トリミング中に立ち合いをさせてくれないサロンはできるだけ選ばないようにしてください。

サロン選びにここまで神経質になる必要はないように思えるかもしれませんが、実は過去にサロンでトリミング後の猫が死んでしまった事故が何件かあるのです。

また、トリミング中に暴れる猫を逃げ出さないよう押さえつけたり、トリミングをしやすくするために麻酔を使うサロンも存在します。

もちろん、すべてのサロンが危険というわけではありませんが、大切な家族を一時でも任せる場所です。

念には念を入れて、麻酔の有無や猫専用かどうか、立ち合いの可否など、まずは問い合わせと事前のリサーチをしてから連れて行きましょう。

トリミングのためにサロンへ連れて行く場合は、知識と経験が豊富な信頼できるサロンを利用してください。

また、値段は高くなってしまいますが、自宅でトリミングを行ってくれる出張サービスもあります。チェックしてみてください。

愛猫にストレスをかけないためにも自宅でできることはやってみよう

猫ちゃんが安心してお手入れできるサロンが見つかれば良いですが、そもそも猫ははじめての場所や人が苦手です。

よっぽど暴れたり、手に負えない状況でなければ、自宅でトリミングをしましょう。

猫のトリミングは主に

  • ブラッシング
  • シャンプー
  • 被毛のカット
  • 爪切り
  • 耳そうじ
  • 歯磨き

の6つです。

自宅でのトリミング方法についてご説明します。

こまめなブラッシングで皮膚を健康に保つ

毎日グルーミングで身体をきれいにしている猫ですが、ブラッシングは必要です。

特に長毛の猫ちゃんはこまめなブラッシングが必要不可欠。

換毛期など、大量に毛が抜ける時期はグルーミングで毛玉を飲み込んでしまい、飲み込んだ毛玉が腸にたまってつまってしまうことも。

なめとってしまう前に、ブラッシングで抜け毛を除いてあげてください。

ブラッシングは毛を整えるだけではなく、皮膚を刺激することによって血行が促進され、毛に栄養がいきわたりやすくなるというメリットもあります。

抜け毛やフケを予防することもできるので、定期的に行いましょう。

ブラッシングを嫌がる猫ちゃんもいますが、子猫のころから身体をさわられることに慣れさせていると、成猫になってもスムーズに行うことができます。

ガシガシ激しく動かしたり、短毛なのに長毛種用のスリッカーブラシを使うなど、痛い思いをするとブラッシングが苦手になってしまいます。臆病な猫ちゃんはブラシを見ただけで逃げてしまうことも。

必ずその猫ちゃんにぴったりのブラシを使い、優しく丁寧にブラッシングしてあげてください。

あまり長い時間かけるとイライラさせてしまうので、手短に終わらせることが大切です。

どうしても嫌がる猫ちゃんには、一度で終わらせようと気負わず、数回にわけてすこしずつブラッシングしてあげましょう。

また、シニアの猫は毛づくろいをあまり行わなくなることがあります。飼い主さんが気づいてあげて、定期的にブラッシングしてあげましょう。

ブラッシングは飼い主さんと猫ちゃんのスキンシップの時間にもなります。優しく声をかけてコミュニケーションをとりながら、丁寧にブラッシングしてあげてください。

猫のシャンプーは本当に必要?

先ほどご説明した通り、猫はとてもきれい好きです。毎日のグルーミングで身体中を清潔に保っています。

汗もかかないので、基本的にお風呂に入る必要はありません。

しかし、外に出ることがある猫ちゃんは、ほかの猫や草むらからノミやダニを連れて帰ってくることも。

ノミやダニなどの寄生虫は非常に生命力が強く、毛や皮膚に潜伏して猫や人間を苦しめます。

刺されたあとの強いかゆみはストレスになるだけでなく、傷跡から菌が入って皮膚炎になってしまうと大変です。

外を出歩く猫ちゃんには、定期的なシャンプーを心がけてください。

なかには水がかかっても平気な猫ちゃんもいますが、大体の猫ちゃんは水をかけられるのが嫌いなもの。

無理にシャワーで洗おうとすると、暴れて怪我をするだけでなく、飼い主さんとの信頼関係を損ねてしまう恐れもあります。

そんな水嫌いの猫ちゃんにおすすめのアイテムが、水のいらないシャンプーです。

使い方は簡単!

  1. 身体全体に泡(パウダー)をもみこむ
  2. タオルでしっかりとふく
  3. ブラッシングで毛を整える

これなら水だけでなく、ドライヤーで乾かす必要もないので、猫ちゃんのストレスも少なくてすみます。

シニアの猫や、病気で水にふれることができない猫ちゃんにもおすすめです。

水のいらないシャンプーは、

  • 安全性の高いもの
  • 香料が強くないもの
  • 無添加・低刺激なもの

など、猫が万が一なめてしまっても大丈夫なものを選んでください。

泡タイプやパウダータイプなど、種類も豊富です。愛猫にぴったりのものを探してみましょう。

また、シャワーでシャンプーするとき、シャンプーは猫専用のものを使ってください。人間用のシャンプーは香料がきついので、鼻の良い猫にはいやがられます。

私たちが使うシャンプーは刺激が強すぎて皮膚が荒れてしまうこともあるので、必ず猫専用のものを選んでください。

シャンプーの前後にブラッシングすることで、被毛がさらにきれいになります。

耳に水が入らないように注意し、35度以下のぬるめのお湯で全身をあらってあげてください。

短毛で、家のなかだけでしか生活していない猫ちゃんは、基本的にシャンプーをする必要はありませんが、排せつ物で毛が汚れてしまったり、皮脂分泌の多い体質のときは定期的に行ってください。

シャンプーのあと濡れたまま放置してしまうと、寒い日には体調を崩してしまうことも。

ドライヤーの音を怖がる猫ちゃんも多いので、無理にドライヤーを使わず、しっかりタオルドライしてあげてください。夏場ならタオルで拭いてあげるだけでもすぐに乾きます。

人間のようにお風呂上りでも汗をかかないので、夏はタオルだけですますか、冬は暖房のきいた温かい部屋で身体を乾かしてあげましょう。

タオルドライのあとにキッチンペーパーを使えば、タオルでふき取れない水分も吸収してくれます。

猫専用のドライヤーも発売されているので、チェックしてみてください。

長毛の猫ちゃんは被毛のカットもお手入れのひとつ

被毛のカットといえばワンちゃんのイメージが強いのですが、猫でも長毛の場合、カットが必要になることがあります。短毛の猫ちゃんには特に必要ありません。

長毛の猫ちゃんは、お尻に排せつ物がついてしまったり、足の裏の毛が伸びてすべってしまうことがあるので、被毛を適度にカットしてあげることで過ごしやすくなるそうです。

また、寒い土地出身で長毛の場合、熱中症を予防するためにサマーカットが必要な猫ちゃんもいます。

サマーカットをすることで通気性が良くなり、涼しくなるだけでなく、皮膚が弱い猫ちゃんは毛を短くすることで皮膚炎などの変化を見つけやすいというメリットも。

自宅でのカット方法がわからない飼い主さんは、サロンでトリマーさんにカットしてもらうこともできますが、猫ちゃんのストレスや負担を考えると、自宅でのトリミングが良いかもしれません。

あまりむずかしく考えずに、必要性にあわせてお尻のまわりだけ短くするなど、工夫してあげてください。

YouTubeなどにも長毛猫のカット方法がアップされているので、ぜひ参考にしてみてください。

猫はとても動きが素早いので、はさみを使用するときは十分な注意が必要です。できれば2人以上で行いましょう。

自宅でトリミングできる専用のはさみやバリカンが販売されているので、チェックしてみてください。

また、寒い時期にカットしてしまうと、温度調節ができなくなり、体調を崩してしまう猫ちゃんもいます。

身体の弱い猫ちゃんや子猫のカットは避け、体調の良いときに少しずつカットしてあげてください。

おしゃれ感覚で被毛をカットするのではなく、必要に応じて行いましょう。

爪切りを習慣にしてトラブルを防ごう

トリミングのひとつである爪切り。苦手な猫ちゃんも多いですが、必要不可欠なお手入れです。

野良猫や外にでる猫は、かたい地面を歩くときに古い爪が自然にけずれるので、気づいたときに切ってあげれば十分です。木を登ったり、ほかの猫とけんかするときなど、爪があった方が良い場合もあります。

しかし、つるつるしたフローリングに住む室内猫は爪が削れず伸びっぱなしなので、定期的な爪切りが必要です。

爪とぎをしているので爪を切らなくても良いのでは?と思う飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、それは間違いです。

猫の爪は二重構造になっていて、内側に新しい爪ができると、古くなった外側の層をはがさなければなりません。爪をといでも先端がよりするどくなって危なさが増すだけなのです。

爪切りの苦手な猫ちゃんは、暴れたり噛みついたり、なかにはハサミを見ただけで逃げてしまう猫ちゃんもいます。

しかし、使う機会のない伸びっぱなしの爪は非常に危険です。

カーテンやカーペットに爪が引っかかり、とれなくなって暴れた結果、爪が根元から抜けてしまうと爪が死んだ状態になり、病院での処置が必要です。

また、猫にも人間と同じように巻き爪の危険性があり、伸ばしっぱなしの爪が毛細血管の集まっている肉球に刺さり、痛みで歩けなくなってしまうことも。

さらに伸びすぎた爪で強く皮膚をかいて傷つけてしまい、細菌感染してしまうこともあるので注意が必要です。

多頭飼いの場合、じゃれあってお互いに傷つけあうだけでなく、目に当たって眼球を傷つけてしまうこともあります。

爪切りは、爪の先端のとがった部分を切り落とすことで危険性をなくすだけでなく、猫ちゃんを生活しやすくしてくれる役割を担っているのです。

私たち飼い主側の問題としては、家族がひっかかれて怪我をする危険性もあります。

このように、爪切りは猫にとって必須のお手入れですが、一度痛い思いをしたり、怖がりの猫ちゃんは、暴れて切らせてくれないこと。

あまりにも嫌がるときは中断して、動物病院やサロンで切ってもらいましょう。

「必ず切らなくちゃ」と気負いすぎないようにしてください。爪切りだ!と気合を入れて挑んでも、いつもとはちがう気配を感じて猫も緊張してしまいます。

「2本くらい切れれば大成功」といった軽い気持ちで取り組み、寝起きや睡眠時を狙ってみてください。

切り方のコツはさまざまですが、基本的には

  • 爪切りに時間をかけない
  • 爪切りを意識させない

この2つがポイントです。

人間用の爪切りは大きすぎる場合があるので、猫専用のものを使いましょう。

猫によって爪の伸びる速さは異なりますが、子猫や運動量の多い猫は伸びるのがはやいので、10日に1度を目安にチェックしてあげてください。

一方シニアの猫は2~3週間に1度チェックすれば十分です。少なくとも1ヶ月に1度は切ってあげてください。

トリミング全般にいえることですが、爪切りも子猫のころから習慣づけることによって、スムーズに行うことができます。

かゆそうにしていたら要チェック!耳掃除は慎重に

猫にも耳掃除が必要なことをしっていましたか?

猫は自分で耳のなかをきれいにすることができませんが、人間と同じように耳のなかにごみや垢はたまっていきます。

月に2~3回程度で十分ですが、スコティッシュフォールドやマンチカンのような垂れ耳や反り耳の猫ちゃんは耳垢がたまりやすいので、定期的にトリミングしてあげてください。

太っている猫ちゃんやもともと脂分が多い体質の猫ちゃんは特に気をつけて見てあげましょう。

猫の耳はL字型になっていて、入り口のいわゆる猫耳の部分を耳介といいます。そこから鼓膜への長い道が耳道です。

耳道には皮脂腺と耳垢線とよばれる線があり、そこから分泌される物が外部から耳のなかへ入ろうとする細菌やほこりを奥まではいってしまわないようキャッチしています。この分泌物が固まったものが耳垢です。

耳をかゆそうに激しくかきむしっている猫ちゃんは、耳垢がたまっているだけでなく炎症を起こしている可能性もあります。さらに進行すると、中耳炎になってしまうことも。

耳のなかがくさかったり、大量の耳垢がでているときは、何らかの疾患にかかっている可能性があるので、かかりつけのお医者さんに診てもらってください。

このように、ほうっておくと大変なことになってしまう耳垢をきれいにするためにも、耳掃除は必要不可欠なお手入れです。

次に自宅で簡単にできる耳掃除の方法についてご説明します。

まずは猫ちゃんの耳をめくって汚れをチェックしてください。

汚れがあれば脱脂綿やガーゼをぬるま湯で湿らせ、自分の指先にまきつけて耳のなかをふきとりましょう。このとき脱脂綿やガーゼはかたくしぼってくっださい。

綿棒を使う方法もありますが、耳の奥が傷ついてしまうと大変です。初心者の飼い主さんは脱脂綿やガーゼの方がやりやすいと思います。

ポイントはゴシゴシこすらず、決して奥まで指を入れないことです。短時間でおわらせてあげましょう。

耳掃除がきらいな猫ちゃんには、無理やりするのではなく、眠っているときや寝起きのぼ~っとしているときにさっと行いましょう。

耳をさわられても痛くないということをまずは理解してもらい、耳掃除への抵抗感をなくしてあげてください。

定期的な歯磨きで清潔な口内に

耳掃除と同じように、猫は歯磨きも自分ですることができません。

歯石や歯垢をほうっておくと、歯周病の原因になります。

成猫になってからいくら歯磨きをがんばっても、すでについてしまっている歯石を取り除くことはできません。子猫のころからのケアが大切です。

口のなかで発生した菌はごはんを食べるたびに全身へと運ばれ、腎臓病や糖尿病などの慢性腎不全や、命へかかわる病気へと発展してしまう場合も。

しかし、歯磨きが苦手な猫ちゃんが多いのも事実です。猫は口のまわりを触られることに抵抗があるので、暴れて逃げてしまいます。

  • 無理やり押さえこまない
  • おやつを与えながら歯に触る
  • 少しずつ触って慣らす

など、口を触られることを嫌がらないよう、だんだん習慣にしていきましょう。

そのためには、成猫になってから歯磨きをはじめるのではなく、子猫のころから歯磨きを習慣づけることが大切です。

先ほどもご説明した通り、一度ついてしまった歯石は歯磨きでも取り除くことができません。

歯磨きを子猫のころからの習慣にして歯石がつかないよう気をつけるか、お医者さんで歯石をすべて除去してもらってから歯磨きに挑戦しましょう。

もちろん、これ以上歯垢・歯石がついてしまうことを予防するという点では、歯磨きが有効です。

歯磨きに取り掛かる前に、まずガーゼなどで口のなかに触ることからはじめて、慣れたら歯ブラシを使って一本ずつ丁寧にみがいていきます。

歯ブラシは猫用の小さなものを使いましょう。猫の歯の表面はとても薄いので、私たちが使っている歯ブラシでは傷がついてしまいます。

歯垢は歯肉と歯の境目につきやすいので、磨きづらい部分は綿棒を使ってください。

どうしても暴れたり、嫌がってにげてしまう猫ちゃんには、毎日口のなかに吹きかけるだけで歯垢・歯石をケアすることができるスプレータイプのデンタルグッズもあります。ぜひ試してみてください。

歯周病や歯肉炎に気を付けなければならないのは子猫とシニアの猫です。また毎日のフードがいわゆるカリカリのドライフードではなくウェットフードの猫ちゃんも歯磨きが欠かせません。

ウェットフードは猫の嗜好性が高くよろこばれますが、歯や舌の表面に細菌がつきやすく、歯垢や歯石が溜まりやすいというデメリットがあります。

水分量が多いので、噛む必要がなく唾液が分泌されないので、健康な成猫であればドライフードを主食にしてみてください。

習慣としての歯磨きと、食生活を見直すことで、健康な口内を守りましょう。

トリミングのあとはたっぷりご褒美を

トリミングは猫ちゃんが生きていくうえで必要なものです。

もちろん、どうしても暴れたり、逃げてしまうときは、トリミングサロンでプロに任せてください。

身体に触られることが苦手な猫ちゃんにとって、トリミング自体がストレスになることもあります。

しっかりお手入れしたあとは、いつもより美味しいごはんやおやつをあげたり、たくさんほめてあげることで、トリミングってうれしいことなんだと理解してもらいましょう。

歯磨きや耳掃除など、トリミングは猫ちゃんが自分でできない身の回りのことを飼い主さんがかわりにやってあげるイメージです。

衛生を保つためだけでなく、トリミングが飼い主さんと猫ちゃんのリラックスタイムになるよう、だんだん習慣づけていきましょう。

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