晩酌のおつまみにちくわを食べていると、ちょうだいと手を出したり、鳴きながらじっと見つめるなど、おねだりをがんばる猫ちゃん。
なんとか人間の食べ物をもらおうとアタックしてくれる猫ちゃんもかわいらしいですが、 猫にちくわを食べさせても大丈夫なのでしょうか。
今回はちくわを猫に食べさせることについてまとめました。
魚の加工品ちくわ。猫に与えても大丈夫なの？
猫がちくわを食べる様子を思い浮かべたとき、やわらかいので食べやすそうだなぁという感想をもちます。
また、ちくわは魚肉の加工品なので、猫は魚好きというイメージがある日本人は、積極的にあげてもよいと思いがちです。
しかし、実はちくわは猫にとって大きなデメリットを与える恐れのある食品なのです。
いったいどういうことでしょうか。
猫に人間の食べ物を与えるのは基本的にNG
ちくわに限らず、人間が食べるものを猫が食べると、健康を損なうことがあります。
病院やシャワーなど、何かのご褒美におやつをあげることがあると思います。
そのおやつをちくわにしているとき、つまりたまにではなく日常的にちくわなどの魚肉加工品を猫に与えていると、猫にとってさまざまなデメリットがふりかかるのです。
私たちが食べるものは、人間の味覚にあわせて加工されています。加工品は塩分も高く、小さな猫の身体では塩分の摂りすぎになってしまいます。
また、味のついていない食べものでも
- ネギ
- 玉ねぎ
- チョコレート
- 牛乳
など、私たちにとっては日常的に食べるものでも猫にとって毒になるものもあります。
もし間違って食べてしまうと、
- 嘔吐
- 痙攣
- 下痢
などを引き起こすこともあるので、人間の食べるものを猫にはできるだけ与えないように心がけてください。
間違って食べてしまった場合は、まず誤飲してしまった量を確認し、様子を見てお医者さんに連れて行きましょう。
玉ねぎやチョコレートなど、冷蔵庫の外に置いてしまいがちな食品は、必ず猫ちゃんの手の届かない場所に保管してください。
もし人間の食べるものを与えるのであれば、猫にとって危険ではないかきちんと調べ、少量をやわらかく調理して与えましょう。
日常的にちくわを猫に与えることで起こるデメリットとは
ちくわは魚を加工してつくったものなので、猫にはぴったりと思う方もいるかもしれませんが、そもそも猫は肉食の生き物です。
また、ちくわは魚のすり身が原材料として使われていますが、それ以外のものはすべて添加物などの化学物質でつくられています。
添加物という言葉を聞くと、身体に良くないという点ばかりが目立ちがちですが、本来は、
- 見た目を良くする
- 保存性を上げる
- 香りづけをする
- 栄養分を強化する
などの目的で使われるもので、加工・保存の工程で必要不可欠です。
添加物を食べてすぐ何かの影響が出るわけではありませんし、私たちが口にする添加物は有害なものがふくまれていないかどうか厳しい検査を通って売り場に並んでいます。
しかし、これは人間が食べるものとしてつくられたものです。
私たちにとっては害のない添加物が、同じように猫にとっても害がないかどうかはわかりません。
商品によって異なりますが、ちくわには
- 調味料
- 着色料
- 植物油脂
- 保存料
- でん粉
などの添加物がふくまれています。
人間より何倍も小さい猫の身体は、添加物を体内から排出・中和する能力が弱いので、添加物の影響もダイレクトに受けてしまうのです。
また、ちくわは塩分も高いので、猫ちゃんの身体には少量でも多すぎます。
ちくわをそのまますべて与える飼い主さんはいないと思いますが、ちくわは1本で約0.8～1.2グラムもの塩分がふくまれています。
良質なキャットフード一食分にふくまれる塩分量と比べると、ちくわは一本で何倍もの塩分を過剰摂取してしまうことになります。
ご褒美におやつをあげることも愛猫とのコミュニケーションとして大切ですが、人間の食べるものではなく猫専用のものをあげてください。
塩分・添加物の過剰摂取が猫に与える影響とは
飼い主が食事やおやつを食べているとき、すこしちょうだいとおねだりする猫がいます。
味つけが濃く、においも強い人間の食べ物は、猫にとってとても魅力的です。
しかし私たちの食べ物は、小さな猫の身体に与えるとなると、塩分や添加物が多くふくまれすぎています。
過剰な塩分の摂取は内臓に負担がかかるだけでなく、糖分過多で肥満の原因になってしまうことも。
私たち人間もちくわを大量に食べると、むくみや高血圧症を引き起こす原因になりかねません。
身体の小さな猫にとって、ちくわを与えられることはそれと同じくらいは危険な行為です。ほんの少しだからと思って与えたちくわが、高血圧や心臓病の原因になる可能性もあるのです。
また、猫は人間のように汗をかくことがないので、塩分を上手に排出できません。
もちろん、塩分は生きていくために必要なものですが、摂取しすぎると血圧が上昇し、塩分の排出を行うための腎臓にも負担がかかってしまいます。
慢性腎不全など、一生つきあっていかなくてはならない病気を引き起こすこともあります。
塩分の過剰摂取になってしまわないように、ちくわを与えることは控えましょう。
お魚が大好きなイメージのある猫ですが、猫はもともと肉食です。魚介類は積極的に与えないように注意してください。
消化しづらい加工品であるちくわは、猫の消化器官にも確実にダメージを与えます。
また、すべてが身体に害を与え、悪影響を及ぼすものとは限りませんが、猫の成長を阻害するような添加物はたしかに存在します。
少量ずつでも、毎日摂取するうちに毒性が発見される添加物もあるので、すべての添加物が悪いというわけではありませんが、不要な添加物は摂らないよう気をつけてあげてください。
愛猫の健康を第一に考えるならちくわは控えて
先ほどご説明したように、ちくわには猫にとって多すぎるほどの塩分や添加物がふくまれています。「おやつにちょっとだけ」であげる量ではありません。
飼い主さんが食べているものをちょうだい！と手をのばしたり、鳴いて訴える猫ちゃんもいるかともいますが、身体の健康を第一に考え、心を鬼にして与えないようにしてください。
もちろん、おいしいものを食べさせてあげたい気持ちはどの飼い主さんにもあります。
基本的に猫に必要な栄養素はキャットフードで十分ですが、何かご褒美や記念日には特別なごはんを用意してあげましょう。
猫用のおやつをあげたり、いつものフードをグレードアップするなど、人間は人間用の、そして猫は猫用の食事を楽しめるよう工夫してあげてください。
