ドライヤーが嫌いな猫のために。お互い気持ちいい乾かし方

猫は基本的に掃除機やドライヤーなど、大きな音が出るものを嫌います。

飼い主さんが髪を乾かそうとドライヤーを手に取る姿を見ただけで逃げ出してしまう猫ちゃんもいますよね。

この寒い季節、お風呂上りの身体をきちんと乾かさないと、風邪をひいてしまうかもしれません。

今回はドライヤーをかけるときのちょっとしたコツや、便利なアイテムを使ってラクに乾かす方法など、猫とドライヤーのあれこれについてご紹介します。

猫がドライヤーを嫌がる原因とは

お風呂あがりや外へ出て雨に濡れてしまったときなど、猫も私たちと同じように身体を乾かすためのドライヤーが必要です。

特に長毛の猫は、きちんと乾かさないとひどい風邪をひいてしまうことも。

しかし、ほとんどの猫ちゃんがドライヤーを嫌い、手に取った瞬間に逃げ出してしまう猫ちゃんもいます。

猫はなぜこれほどまでにドライヤーが苦手なのでしょうか。

大きな音が怖い!猫の耳はとても敏感

猫は嗅覚と同じように、聴覚もとても敏感な生き物です。五感のなかで聴覚がもっともすぐれている猫は、私たち人間の何倍も音がよく聞こえているといわれています。

そんな猫にとって、人間でもうるさいと感じることのあるドライヤーは恐ろしい騒音を発する物体です。

猫がドライヤーを嫌う大きな理由の一つが、この音なのです。怖がりで神経質な猫は、得体のしれない物から発される風の音に怖がっています。

特に猫は低くて大きな音に不快・恐怖・怒りなどのマイナス感情を抱くといわれているので、掃除機やドライヤーを見るとすぐ逃げだしてしまうのもこの音を恐れているからです。

私たち人間も、自分と同じくらいの何かが、大きな音を出しながら近づいてくる様子は、かなり恐ろしいものがありますね。怖がる猫に面白半分でドライヤーをあてることは絶対にやめましょう。

ドライヤーのあてすぎや火傷に注意して

これまではドライヤーをかけさせてくれていたのに、突然嫌がるようになった場合、何かドライヤーでいやな思いをしたことが原因かもしれません。

早く乾かそうと高温の熱風が出ているドライヤーを近づけると、皮膚を火傷してしまうことがあります。

また、温風を最初にあてているときは大丈夫でも、長い間同じ部分にあて続けると、高温になってしまうことも。

毛の色が濃い猫ちゃんならなおさら熱くなりやすいので、注意してあげてください。

ドライヤーは猫のために必須!自然乾燥を避けたい理由

嫌がって暴れる猫ちゃんにドライヤーをかけるのは本当に大変な作業です。

こんなに嫌がるのなら、もう自然乾燥でいいのでは?と思うこともありますよね。

しかし、猫も人間のように濡れたままの身体で歩いていると、体温が低下し、風邪をひいてしまうことがあります。

特に子猫やシニアの猫は免疫力が低く、軽い風邪が命に関わるような疾患につながることもあるので、きちんと乾かしましょう。冬場はさらに注意してください。

また、生乾きは毛玉の原因になります。清潔な皮膚環境を保つためにも、ドライヤーは必要なものなのです。

猫をドライヤーで乾かす手順とコツ。これで気持ちイイにゃ!

ドライヤーで猫を乾かす手順とちょっとしたコツについてご紹介します。

まずはタオルで十分に水気をふきとります。

猫の毛は油分が少ないので、水分をはじかず毛の根元に水がたまってしまうことも。吸水性の高いタオルでしっかりふきとりましょう。

ドライヤーはできれば二人で行ってください。

猫にとって長時間のドライヤーはストレスの元。一人が優しく抑え、もう一人が素早く乾かすと早く終わらせることができます。

また、最近のドライヤー機能のひとつにヘアケアのモードがあります。猫を乾かすときは必ずこのヘアケアモードを使いましょう。

通常の温風よりも音が小さいのでストレスなく風をあてることができます。低温で優しく乾かしてあげてください。

風をあてるときは、猫の身体の横側やお尻の方からあてます。このとき、猫の顔の正面からあてたり、肛門に直接あたらないように気をつけてください。

体毛で覆われていても、猫の皮膚はとてもデリケートです。

一か所ずつ集中的に乾かすのではなく、身体全体をまんべんなく乾かしましょう。近づけすぎないように注意して、最低でも20~30センチは離してください。

毛の根元に風邪をおくるように、均等にドライヤーをふりながら乾かすと、毛も傷みにくくなります。

さらにブラッシングしながら乾かすことで毛もさらさらに。ブラッシングをすると体毛のなかに空気も入るので、乾かす時間も短くなります。

長毛種は特に、完全に乾くまで時間がかかるので、水気を残さないように丁寧に乾かしてあげてください。

顔まわりを乾かすときは、目にドライヤーの風があたらないように手でバリアしましょう。 耳も敏感なので、あまり近づけすぎないでください。また、弱点であるお腹にはできるだけ遠くから風をあてましょう。

タオルの上からドライヤーをあてることで、乾いたタオルに水分がすいこまれ、その水分がドライヤーの熱で蒸発して早く乾きます。

手や足はむずかしいので、面積の広い背中などで試してみてください。

長い時間大きな音のするドライヤーにさらされていると、猫にストレスがかかり、飼い主との信頼関係にも影響しかねません。

火傷しないことや驚かさないことももちろん大切ですが、素早く乾かすことも重要です。

絶対に無理!ドライヤーを怖がる猫ちゃんはどうすればいいの?

どうしてもドライヤーが苦手な猫ちゃんもいますよね。

そんな猫ちゃんのために、ラクに乾かすことができるアイテムやちょっとしたコツをご紹介します。

夏はこれでOK!しっかりタオルドライで乗り切ろう

どうしてもドライヤーが苦手な猫ちゃんは、しっかりタオルドライをしてあげることで風邪を予防しましょう。

夏場なら、タオルで拭いてあげるだけでもすぐに乾きます。人間のようにお風呂上りに汗をかくこともないので、夏はタオルだけですますか、冬も暖房のきいた温かい部屋で身体を乾かしてあげましょう。

ドライヤーをしない分、吸水性の高いタオルでしっかりとふいてあげてください。

また、タオルドライのあとにキッチンペーパーを使えば、タオルでふき取れない水分も吸収してくれます。

水のいらないシャンプーで身体を濡らさない!?

たまにお風呂が大好きな猫ちゃんもいますが、大体の猫ちゃんは水をかけられるのが嫌いなもの。

そんなドライヤーだけでなく水が嫌いな猫ちゃんにもおすすめのアイテムが、水のいらないシャンプーです。

使い方は簡単!

  1. 身体全体に泡(パウダー)をもみこむ
  2. タオルでしっかりとふく
  3. ブラッシングで毛を整える

シャワーやドライヤーを使わないので、猫ちゃんのストレスも少なくてすみます。

また、シニアの猫や病気で水につかることができない猫ちゃんにも、簡単に使うことができます。

泡タイプやパウダータイプなど、さまざまな会社から発売されているので選んでみてください。

  • 猫がなめても大丈夫なもの 
  • 香料が強くないもの
  • 無添加・低刺激なもの

を選びましょう。

ペット専用のドライヤーでストレスなく乾かそう

私たちが使うドライヤーは、動物をびっくりさせてしまうような音がしますが、ペット用のドライヤーは音が静かなので、怖がらせることなく落ち着いて乾かすことができます。

音が小さいだけでなく、犬や猫の聞こえやすい周波数を出にくくしているものもあるので、チェックしてみてください。

床にそのまま置く固定型や、ドライヤーを固定できるスタンドがついているものが多いので、両手が使えてとても便利です。

低温なので人間の使うドライヤーよりも乾きにくいかもしれませんが、これなら猫を驚かせずにすみます。

また、ドライヤーとキャリーバッグが一緒になったペットドライルームという商品も販売されています。キャリーバックのなかに温風を循環させ、身体全体をまんべんなく乾かすことができるアイテムです。

ドライヤーが苦手な猫ちゃんのためにさまざまな商品が販売されています。愛猫のストレスを軽減するためにも、ぜひチェックしてみてください。

猫も飼い主もストレスなくドライヤーで乾かすために

怖がる猫ちゃんにドライヤーをあてて乾かす姿は、とてもかわいそうに見えます。

しかし、皮膚の清潔を保ち、風邪を予防するためには、慣れさせることも必要です。

いきなりドライヤーをあてると怖がって苦手になってしまうので、子猫のうちから慣らすことで怖くないものだと認識させましょう。

ドライヤーをあてるときに、猫の首から上を大きめのタオルで包むと、音が聞こえにくくなって安心することがあります。きつく包むのではなく、息がしやすいようにふんわりと包んでください。

ファンヒーターやこたつのなかで乾かすこともできますが、私たちが使っている暖房器具は低温やけどや脱水など、危険な面もたくさんあります。

ペット用のこたつは、温度設定や保護網など、猫に配慮した機能がついているので、ぜひそちらを使ってみてください。

すこしの工夫や便利なアイテムを使って、愛猫にとって一番ストレスのない方法を探しましょう。

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