猫のうんちスタイルは後足の緊張感や真剣な表情、排泄に伴って蠕動する下半身の毛並みなど、実に見ごたえがあってつい見入ってしまいますよね。
同じ思いを抱く人は多いようで、動画サイトには猫のトイレタイム動画がたくさん上げられていますが、従来の座ってするスタイルの他に、立ったままうんちする猫もちらほら見かけられます。
昨今の衛生意識の変化により、人間の男性でも小用の際に座り派と立ち派に分かれるようですが、猫たちの間にも「なるべくトイレからお尻を離したい」と衛生意識の変革が訪れているのでしょうか。それとも立ってする方が踏ん張りやすいのでしょうか。
人間の目線で解釈するとそんな風に思ってしまいがち。しかし、猫が立ったままうんちをするとき、そこには猫からの切実なメッセージが含まれているかもしれません。今回は猫が立ったままうんちをする理由を考えていきましょう。
猫が立ったままうんちをするのはトイレに不満がある
立ったままおしっこをするのは去勢していない雄猫のマーキング行為として知られていますが、それでも通常のおしっこやうんちは基本的には座って行います。うんちはおしっこの時よりもつま先立ちになり、腰を浮かせてふんばるスタイルですね。
ところが、中にはトイレのふちに前足をかけて立ち上がったり、前足の間に後足も載せておしりだけを突き出したり、更には何にも頼らずすっくと立ちあがったままだったりと、普通の座り方ではないスタイルでうんちをする猫がいます。
人間でも洋式より和式の方がふんばりやすいという人は多いもの。猫も一番ふんばりやすいスタイルを模索した結果なのかなとも思えますし、そう結論付けている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかし、猫が立ったままうんちをするのはトイレに不満があるときです。猫がトイレに対して不満に思うポイントは以下の通り。
- 猫砂の感触が嫌
- 広さが足りない
- 汚くて臭いが嫌
- 安心できるトイレ環境でない
たとえば固くて粒が大きな猫砂、おしっこならまだ我慢できるけれどふんばると肉球に食い込んで痛い。あまり掃除されていなかったり、猫砂の入れ替えがされていなかったりして臭いがするのであまり近づきたくない。そもそも大きさが足りなくてしゃがみこむとしっぽが引っかかっちゃうから嫌。
こんな時、猫は仕方なく立ったままうんちをします。特にトイレの真ん中に直立するのは多頭飼育の仲間猫が友好関係でないなど、周囲に対して警戒心をゆるめられない場合に見られ、トイレ自体というよりも環境に不満を抱いていると考えられます。
人間でも衛生的でない公衆トイレや、イベント時の人ごみの中の仮設トイレではちょっと腰を浮かせたくなりますしね。
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実際にトイレを変えて検証してみました
とはいえ立ったままするうんちはふんばり甲斐があるようにも見受けられますし、もしかしたら好んでそのスタイルを選んでいるのではという可能性は否定できません。
宅の猫も立ったままうんちをしていましたので、本当にトイレに不満があるのか、それとも立ったままふんばるのが好きなのか、二種類の猫砂とトイレで検証してみました。
用意したのは
- 四角い食器洗い桶(以下トイレ小)
- オーバル型の猫トイレ(以下トイレ大)
- 小粒なひのきの猫砂
- 大粒な紙製の猫砂
です。当初立ったままうんちしていた時はトイレ小にひのきの猫砂でした。
おしっこは座ってしていたのですが、うんちはご覧の通り。高さがあるのでボトッとしたサウンドが実に生々しく響きます。
次にトイレ大に同じひのき砂を入れて、同条件のトイレ小と並べてみました。するとトイレ大では普通に座ってうんちしたのです。
一週間ほどこのままトイレ2個を並べて過ごしたところ、おしっこはたまにトイレ小を使う事もありましたが、次第におしっこも含めトイレ大のみを使うようになりました。
大きさだけが不満材料だったのでしょうか。そこでトイレ小に紙砂を入れたもののみを出しておき、トイレ大を撤去しました。この紙砂は柔らかく大粒なので肉球にも優しく、きっとふんばっても痛くない、そう思ったのですが…。
半日を過ぎても、おしっこもうんちもまるでしませんでした。紙砂に足跡がついているので立ち入ってはいたようですが、用を足した痕跡はありません。トイレ大のあった場所に立っては切なげにアオアオと鳴きます。
だっこしてトイレ小に入れてみたところ、ざくざくと砂をいじった後、なんとおもむろに食べ始めてしまいました…。
慌ててトイレ大にひのき砂を用意したところ、早速そこで用を足し始めました。我慢させてかわいそうな事をしてしまったと反省しきりです。
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しかしこれで猫は「トイレ大とひのき砂が良い、トイレ小は使いにくい、紙砂はおやつ」と思っていることがわかりましたので、最後に念のため「トイレ大に紙砂」「トイレ小にひのき砂」をセットして一晩置いてみました。
翌朝、踏んで遊んだと思われる表面が乱れただけのトイレ大(用便としては未使用)の横でトイレ小におしっことうんちがしてありました。トイレを固定する添え木が外れてトイレが横転していたので、立ったままのうんちを試みたようです。
宅の猫は「トイレ大を使いたいけど紙砂の上ではしたくない、だからひのき砂の入ったトイレ小を我慢して使った」結果、立ったままうんちをすることになった次第で、やはり原因はトイレのサイズにあったと言えそうです。
猫に必要な大きさのトイレは体長の1.5倍と言われています。このトイレ小はもともと洗い替えのスペアだったため、常用するには小さすぎたのでしょう。
今後は落ち着いてうんちしてもらうためにもトイレ大とひのき砂で行こうと思います。
トイレの共有がイヤで立ったままうんちすることも
知人宅の猫も最近立ったままうんちをするというので詳しくお話を伺ってみました。
そのお宅では2頭の猫がいます。先住猫と後輩猫の関係性は悪いとまではいかずとも良好ではありません。3ヶ月ほど前から突然、後輩猫だけが立ったままうんちをするようになりました。トイレも猫砂も継続して同じものを使用しており、生活環境にも大きな変化はありません。
2頭それぞれに専用ケージがあり、ごはんと水、トイレをそれぞれのケージの中で済ませていたそうですが、後輩猫が砂をいじって水やえさ皿の中を砂まみれにしてしまうため、後輩猫のトイレをケージから出しました。すると先住猫がたまに後輩猫のトイレも使うことがあったようです。
後輩猫がうんちの時に立つようになったのと先輩猫が後輩猫のトイレを失敬する時期は一致します。これはやはり、他の猫の臭いがついてしまったのが不満で立ったままうんちをするようになったのではないでしょうか。
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猫が我慢しなくていいトイレ環境を
立ったままうんちする猫…一生懸命な姿がユーモラスでかわいいですよね。それでもトイレの不満を我慢して仕方なく立ってしていると思うとほのぼのと眺めてもいられません。
トイレが快適であることは人間にも猫にもQOLを維持する上でとても大切な部分です。清潔第一は勿論のこと、猫にとっては広さや猫砂も重要なポイントとなってきます。例えば猫砂の粒は大きすぎませんか。人間の好み重視で不自然な香りづけがされていませんか。
猫が立ったままうんちをしている、あるいは突然立ってするようになった時はトイレの大きさや猫砂の種類、その他の環境をちょっと見直してあげて下さいね。
みんなのコメント
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ネコを飼っていますが、うちのネコも下痢便や、大便を、します。😆
汚い話で、すみません。😔