しつけで猫を叩くのはNG!体罰に効果がない理由は3秒ルールにある

突然ですが、猫を叩いたことはありますか?まだ叩いたことは無くても、躾のために体罰を取り入れたほうが効果的だと思いますか?

今回、記事を書くにあたり、現在猫を飼っている、あるいはかつて飼っていた8人に以下の質問を投げかけました。

  • 猫を叩いたことがありますか
  • 猫を叩くことは躾に効果的だと思いますか

結果は8人中5人が「叩いたことがない。効果的とは思わない」と答えました。

残る3人のうち2人が「叩いたことはあるけれど、効果的とは思わない。叩くのは人間側の腹いせとして軽くぺちんとする程度」と答え、最後の1人が「叩く。しつけだから治るまで」というものでした。

叩く=躾?猫と私たちの間にある認知の差

その昔、昭和がナウかったころ。体罰は普遍的なものでした。小学生は黒板消しの背板や長い定規で涙目になるほど叩かれたものですし、犬猫はたとえ飼われていても、基本屋外でワイルド。家族というより家畜寄り。

その頃を思うと、年齢層が高めになるほど「猫を叩く=躾」ともなるのかと思ったのですが、結果としては、年齢層もバラバラなほぼ全員が「猫は叩いても躾けられない」と答えたあたり、猫と暮らしていれば、これは共通する感覚なのでしょう。

▼叩くのではなく、それ以外の方法でのしつけが考えられてきましたよね
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猫を叩こうと思う飼い主が少ないことに、大変安堵した次第ですが、ではなぜ、猫を叩いても意味がないのか、考えてみたいと思います。

猫は犬のように調教は出来ない動物として一般的に知られています。かといって、犬より知性が劣るわけではないことは、猫飼いの皆様はよくご存じの事でしょう。

猫の見ている世界と猫の判断基準は猫の数だけ存在していて、我々はそれを窺い知ることしかできません。猫に指さして何かを見せようとすると、猫は指さされた対象物ではなく、指し示す指の先をじっと見つめています。

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離れた対象物に対し、猫に「あれを見て欲しい」と示すのは意外と難しいものです。同じように、猫がいたずらをしたとして、猫を叱っても、猫は自分の行いと飼い主の怒りを結び付けて考えることが出来ません。

褒めるときも叱るときも3秒ルール

褒めるときも叱るときも、行いの3秒以内でないとうまく認識できないと言われています。また、猫は自分の行いを常に「正しい」と思っています。

飼い主にとっては理不尽極まりないいたずらや粗相であっても、猫に悪意は全くなく、猫なりの正当性を以って行っているわけです。

▼飼い主さんにかまってほしいからイタズラをすることもあるのです
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そこでいきなり「叩く」などの体罰を加えたとしたらどうでしょう。人間でも、勝手の分からない職場や環境で何気なく行ったことについて、理不尽な叱責を受けるという事は大いにありえる出来事ですが、当然納得いきませんよね。

いきなり叩かれた猫も同じことで、「どうして」の当惑の後に「なんなのこの人」という不信、そして叱責のストレスからミスを繰り返す新入社員のように、改善どころか悪化するリスクの方が高くなります。

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飼い主に叩かれ続けた猫の実例

冒頭の猫飼い8人に聞きましたインタビューで唯一「叩く」と答えた飼い主の事例です。彼は少しでも猫が気にくわないことをすると素手やリモコンで猫の頭を叩いていました。

彼の猫は、おとなしく賢く従順な気質の猫だったためか、そんな躾でもよく懐き、目立った悪さはしませんでしたが、ふとドアを開けたすきに逃げ出して、二度と戻りませんでした。

叩かれ続けることによって飼い主との信頼関係は破綻していたと思わざるを得ないほど、鮮やかな逃げっぷりだったようで、個人的には、逃げてくれてよかったと思います。

飼い主曰く、叩いた直後は目がうつろになり、ふらついてしばらく回復しない時もあったようです。猫の平均体重をおよそ4kgとした時、成人の平均体重は猫の13倍から16倍に相当します。これは人間にとっては牛の体重ほどの倍率になります。

例えば牛が直立して、こん棒で叩いてきたら…?ダメージは推して知るべしですね。とんでもない話です。

しかし、加減の分からない体罰によるペットの負傷は、獣医さんに聞くとごくまれにあるようで、かつては叩くより軽い体罰として鼻ピンを勧めるサイトや飼育書もあったようですが、強くやりすぎて鼻の軟骨が歪む例もあったとか。

猫を叩くならおしりを優しく

猫を叩いても猫は理解しないし、猫の頭とあなたの心が痛むだけで無意味、というのがこの記事で主張したい最大にして唯一のことです。

大きな家畜を扱う仕事では、時には自身を守るために全力で相対する動物を殴らないといけない場合もあると聞きます。しかし、猫。牛のように足を踏まれたからといって、甲が砕けるわけじゃなし。

目的は「痛めつけること」ではなく「わかってもらうこと」なのですから、褒めて、伸ばして、誘導して、うまく猫と分かり合っていく躾を目指したいものですね。

▼猫の習性と向き合い、猫に動いてもらうようにできるかもしれません
猫にしつけは必要?猫の習性を知って、問題行動に上手に対応しよう。

ちなみに私は飼い猫を叩いたことがあります。こちらがしたてに出ていればしつこく猫パンチを繰り返し、最終的には興奮して噛みつきと蹴り蹴りに至ってご満悦、というタイプの猫でした。

猫パンチの度に、同等程度に力加減した猫パンチ風わたしパンチで応酬していたら、大層お気に召したらしく、その後も二重パンチや一回転パンチ蹴り蹴りなどパワーアップした様々な技を編み出しては嬉々として襲撃してくれました。

その時のいくつかは消えない傷となって愛猫の思い出のよすがとなっておりますが、この例を以って、躾としては本当にまったく無意味だったという事はお伝え出来るかと思います。

どうせ猫を叩くなら、尻尾の付け根を軽く叩くのがお勧めです。猫に腹が立った時「もう!もう!もう!」と思いながら尻尾の付け根をノッキングすると猫はうっとりゴロニャン、飼い主は適度に気がまぎれます。

▼猫の尻尾の付け根は敏感な部位なので取り扱いには気を付けてくださいね
猫の尻尾の付け根は触って大丈夫?痛がるのか喜ぶのかを見極めて

双方幸せになれますが、当然躾にはなりません。ご理解の上でお試しください。

みんなのコメント

  • ドコモ より:

    猫は掃除機を恐れるから猫が悪戯したら猫に掃除機をかければ逃げ惑いますよ。
    しばらく悪さしなくなります。

  • エミ より:

    さっき二十歳の息子が棚に上がった猫を注意しても聞かないからと蹴ったそうです。10キロある猫とはいえ!小さい動物にそのようなことをした息子が怖いです。

  • T より:

    躾のためだからって猫をけったり叩いたりするのってふつー見る側もされる側もいやだから、それやめなよ。ってゆったら逆にこいつが噛むからダメなんよ。っておこられました

  • R より:

    うちの家では父がよくネコを躾と称して叩きます。
    私も母も叩くのはダメだから、先生や専門家の人が言ってるからと言っても、「こいつが暴れまくるのが悪い。」の一点張り。
    私自身も父から殴られたりデコピンされたりすることがあり、その度に「悪いのはわかったけどなんで殴るの?、怖い、嫌だ」と思います。
    人間の言葉が上手く伝わりにくいネコちゃんだともっと怖いと思うし、それこそ反撃だってしちゃうよなと思いました。
    私はまだ学生の身であるため、父に逆らうことができません。それでもなんとか叩いたりするのを止めさせようとこの記事を読んで改めて思いました。

  • ヒマラヤン より:

    今、推定6ヶ月になる保護猫が私のふくらはぎに噛みつきました。
    とっさにその足で猫を蹴飛ばしたところです。やんちゃ盛りで落ち着きなく、先住猫(3歳)にまつわりつき、先住はストレスで声はカレ、吐き気をもようし、元気がありません。今日で3日間会わせておりません。そんな状況下で、餌の準備中、待ちきれず、ふくらはぎを噛んだのだと思います。この蹴飛ばしも躾のつもりでの行為ですが、間違った行動だったのでしょうか?こんな時、どうすれば、猫ちゃんにわかってもらえるのでしょうか?悪さをした時、大きな声を出して叱っていましたが、全く効果ありません。限界です。この性格が原因で飼主に捨てられたのだと思います。言葉よりも体罰の方が効果的と思いますが。先住猫も体罰を持って育て、今はとても素直でいい子です。猫にも遺伝的性格の違いは個々あると思いますが。
    因みに体罰であって、虐待ではありません。蹴飛ばした直ぐ後、足元にすり寄ってきました。普通なら怖がって近寄らないのに。その猫ちゃんの行動も私には理解できません。猫の気持ちがわかりません。
    躾に悩んでいます。

  • みさき より:

    最近私の愛猫が部屋でおしっこをするようになって何度叱っても治らずじまい、ついに叩いてしまいました。私はここに来て叩く以外の躾を学びたいです。叩いてしまった事はとても反省しているし、涙が出るほど自分の愚かさに気づきました。

    • みき。 より:

      まさしく、今朝の私です。去勢が遅かったかせいかマーキングが治らず、10年が経ちました。ここ最近は寝室のベッドや寝ている私にかけてくる様になり、今朝カッと来て50発位叩いたり威嚇したりしました。ゲージで飼う事を決めました。

  • まめ より:

    猫のイタズラが絶えません
    避妊手術をしておとなしくなったのですが、この頃またイタズラをするようにり、外にとても興味があります。出たくて暴れるのでしょうか?

  • さつき より:

    ねこが

  • 匿名 より:

    猫たちは

  • ホッキョクグマ より:

    猫が台所のテーブルの上に乗ったら猫の真似してシャーと威嚇したら猫はテーブルの上から降りた。
    これを何回も繰り返したら猫はテーブルの上に乗らなくなった。

  • 鬼軍曹 より:

    体罰で躾ける事が良いか悪いかはおいといて体罰で躾ける事はできま
    す。痛みを感じる全ての生き物はなるべく痛い思いをしたくないので
    悪さをしたなら直ぐに体罰を実行する事を継続すれば自然に悪さはしなくなります。ただし悪さをしたなら必ず体罰を与えるのがコツです。
    飼い主の気分でばらつきがあるようでは駄目です。また、飼い主は
    餌やり、トイレの処理、遊んであげるなと猫に対し無くては成らない
    唯一無二の存在であること愛情がある事が条件です。家の猫の場合
    飼い主の存在が全てである事を理解させれば極めて従順で反抗など
    しません。

  • 茶助パパ より:

    動物愛護家は体罰を否定しますが、躾けは人間は勿論ですが生き物全般は意に沿わない事したら痛い思いをする、意に沿う行為をしたら褒美が貰える躾けを確実に効果があります。それは愛情がある事が大前提であり虐待ではありません。
    愛の鞭で人間だって親に愛情があればどんなに殴られても親を怨むことはありません、基本的に生き物は全て同じです。
    因みに我が家の猫は子猫の頃から体罰を
    常に与えて躾ましたが総てが従順に自由に健やかに過ごしています。まるで人間の言葉が理解できるのかと思える位にコミュニケーションが可能です。一才手がかかりません。

  • 匿名 より:

    過保護は虐待です。人間も甘やかされて育った人間は、わがままで自分勝手な人間になってしまいます。
    猫もそれは同じです。悪さをしたら、叱ってあげる事はお互いの為に必要なのです。しかし猫は犬と違って、叩いたり、大声を出したりの躾はあまり効果的ではありません。なので多くの人が躾を放棄してしまう事が多いのです。しかしここで諦めてはいけません。根気よく猫がイタズラをしたら、叩いてこれは悪い事なのだよと教えてあげましょう。

  • みりん より:

    個人的な意見なんですが、私は叩く.蹴る等の体罰はよくないと思います。(この文の)二度と戻らなくなったという猫ちゃん...逃げて良かったと思います。もし、この時逃げなかったら死ぬまで叩かれる運命になってしまい(かも)本来より短い人生になってしまう可能性があります。本当に猫ちゃんを愛しているのなら普通叩かないと思います。
    もし、私の文章を読んでくださって同感と思ってくだされば光栄です。そして猫ちゃんへの虐待が少しでも減ってくれれば...と思います。

  • ハイサ より:

    私の知り合いで子供は叩くが猫は叩かないと言う人がいました。
    よくわかりません。
    悪いことをしたら痛いことをされる。
    当たり前のことで猫も人間も関係ないと思います。
    うちの猫も悪いことしたら叩きます。

    猫中心の生活でなく、
    人間中心の生活に合わせてもらっています。

    ただ愛玩して可愛がって
    いつでも抱っこして構ってあげて
    それが正しいというのが蔓延していると思います。

  • 黒猫 より:

    飼い主も神様ではありませんから、虫の居所が悪いときもあります。そんなときにイタズラ・悪さをされると我慢できずに猫を叩いてしまうのは無理からぬことだと思います。
    私も何回怒っても猫がイタズラをやめないときは割り切っています。
    猫も繰り返し叩かれるとイタズラをしなくなります。

  • 匿名 より:

    俺は叩く

  • 匿名 より:

    叩く以外の方法を考えるべき

  • ねむねこ より:

    体罰はどうだという声がやはり多いですね…。ごもっともですが。軽く頭などを掴む?ですかね?その程度にするようにとよく見かけますがそれでも治らない子はどうすれば良いんでしょうか。多少でも恐怖心を与える事でしなくなるならするのも良い手なのでは無いかと私は思います。
    まぁ、臆病になる方とは反対の攻撃的になってしまえば元も子もないですが…

  • 猫の飼い主 より:

    ペットとして飼いたいなら体罰も必要だよ。
    体罰を否定するのは猫の下僕になりたい人達の間だけにしてください。

    • 匿名 より:

      人の不利益になることをペットにさせないよう対策を打つのが飼い主の務めだし、人間のペットとして生まれてきた以上その動物は人間に不利益を与えてはいけない。そういう運命。
      猫の下僕であることを楽しげに語り、猫に振り回されていることを容認している猫好きは心底気持ちが悪い。

  • 野江 より:

    うちの祖母は椅子の上におしっこしたネコを叩けば良いと思い込んでいます。それはダメだと注意するも「躾だ」「これが良いって教えられた」と聞く耳もたず……。どうすれば良いんでしょうね?祖母にイライラしっぱなしです。

  • 匿名 より:

    猫に体罰は無意味でしょう
    猫の知能では、悪い事をしたから殴られた、という因果関係を認識出来ません
    猫に学習を期待することが間違っています

  • 匿名 より:

    噛んできたり引っ掻いてきたりしたら普通に躾として叩く。言葉が通じないから叩くしかない。それか餌をやらないとか。

  • より:

    みなさんこれを見てください
    ・愛護動物をみだりに殺したり傷つけた者
    →5年以下の懲役または500万円以下の罰金
    ・愛護動物に対し、みだりに身体に外傷を生ずるおそれのある暴行を加える、またはそのおそれのある行為をさせる、えさや水を与えずに酷使する等により衰弱させるなど虐待を行った者
    →1年以下の懲役または100万円以下の罰金
    ・愛護動物を遺棄した者
    →1年以下の懲役または100万円以下の罰金
    わかった?体罰賛成方。

    • かみ より:

      この人バカ

      みだりにって書いてるでしょ?
      理由いかんに問わずじゃないの。わかった?

  • とも より:

    家の猫はテーブルの上に乗ったり、お皿を洗うシンクの中をべろべろ舐め回したりします。それを見て、うちの親は猫の頭を叩くんです。(酷い時にはグーで)うちの親は教育というか、子供の躾でも叩いたりする人なんで、親が見ている時に猫が悪い事をして、私が軽く注意するだけだと、私も怒られます。親が居ない時は声で注意するので終わらせてます・・・
    止めた方が良いのでは?と思うんですが、言っても聞きません、、、どうしたらいいでしょうか(>_<)

  • 犬派 より:

    猫が嫌いです。
    同棲の際に彼女の連れ猫が一緒にやって来たのですが、袋を噛んでゲロしたりキッチンの引き出しや靴箱を開けたり腹立たしいです。
    正直、蹴り飛ばしたいです。

    • より:

      彼女さんは猫と一緒にいたいから同棲先に連れてきたと思うのでそれが受け入れられないのだったらお互いの為に別れた方がいいと思います。

  • つらみちゃん より:

    元々わたしと暮らしていた保護猫ちゃんが、彼氏にだけやたら甘えるのに、最近悲しく腹立たしい気持ちになります。

    確かに、部屋に掃除機をかけるのもわたし、お風呂に入れるのもわたし、爪を切るのも、ブラッシングをするのも、病院に連れていくのもわたしです。
    猫ちゃんにきらわれてるのですかね。

    わたしと猫ちゃんの2人の時は、鳴いたり、わがまましたりしないのに。

    彼氏の前だけってなると、猫ちゃんも人を選んでいるのですよね。

    そのせいで彼氏のことも猫ちゃんのことも手放しで好きといえなくなりました。
    ほんとに辛いです。

  • 匿名 より:

    猫を叩くなという人間が嫌いです
    畜生は叩いて解らせるべき

  • 匿名 より:

    力の差があるから痛いって感じる程度で叩くならいいと思う
    親猫だって躾のために噛むし
    やりすぎはもちろんダメ
    猫のためにもある程度の主従関係は教え込まないといけない

  • 匿名 より:

    我が家の猫は
    ・部屋からの脱走
    ・飼い主に対する噛みつき、猫パンチ等の攻撃
    ・脚へ飛びついてくる
    ・無駄鳴き
    は即エアダスターの音を聞かせビビらせてしつけています。

  • 匿名 より:

    猫の下僕だとかいう状況をありがたがってるから猫好きは本当に嫌い

  • 匿名 より:

    人間様に不快感を与える行動をしたら百均で売っているようなクッションで頭を押さえて身動きを封じ、耳元で金属音を聞かせる。
    「この行動をしたら嫌な思いをする」を植え付け、とにかく立場をわきまえさせることで我が家の猫は大人しくなりました。

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