どんな動物でも子孫を残すために、自分のパートナーとなる相手を探しますよね。そんなパートナーを探すのは猫も同じです。自分が気に入った異性を探すために繁殖期となるとあちらこちらで野良猫の発情した声が聞こえてきます。
そこで思うのは、猫は恋愛感情を抱くのか?ということですよね。人間のように異性に恋愛感情を抱き、恋に落ち恋愛を楽しむのでしょうか?そして、パートナーと決めた相手と添い遂げることはあるのでしょうか?
今回は人間とは少し違う猫の恋愛感情を見ていきましょう。
猫にも恋愛感情はある
まずは結論から申し上げると、猫にも恋愛感情はあります。そのため、毎年訪れる猫の恋愛の季節である春と秋になると、理想的な異性に出会うためにあちこちで「恋愛をしよう!」という声、つまり発情期を迎えた猫の声が聞こえるのです。
ただ、猫の恋愛感情は人間の感覚とは少々違います。いったい猫の恋愛とはどんなものなのでしょうか?順を追って見てみましょう。
春になると恋愛アピール合戦!
猫の恋愛は春の暖かい季節に始まります。この時期は繁殖期となり、子孫を残そうという本能が大きくなる時期のため、メスもオスも恋愛をするために、さまざまなアピール合戦が始まります。
この時期になるとまずはメス猫がいろいろな場所に体をこすりつけて、妖艶な鳴き声をあげてオスを誘惑します。このこすりつける行動は、自分のフェロモンをさまざな場所につけることでオスの発情を促しているのだそうです。
実際に、オス猫はメス猫のフェロモンのニオイをかいで発情すると言われていますし、繁殖に関してもメスのほうが積極的にオスを誘う傾向にあります。メス猫によって発情したオス猫はさまざまな方法で、メス猫に自分をアピールします。
あるものは自分のたくましさを主張したり、あるものはメス猫に自分のニオイを嗅がせて遺伝子の優秀さを主張したり、他のオス猫と喧嘩をして自分の強さをアピールしたりと、メス猫に恋愛感情を抱いてもらうために、必死にアピールをします。
しかし、どれだけ一生懸命アピールしても、どれだけ自分の強さを示したとしても、メス猫が必ず恋愛感情を抱いてくれるとは限りません。
たとえ、とても誠実なイケメン猫が現れたとしても、メス猫によっては好みじゃないと冷たくあしらうこともめずらしくはないのです。
さらにメス猫はとっても気まぐれな恋愛観を持っているため、「いいとは思うけど今は気分じゃないの」という断り方をする子もいるのだとか。まさに小悪魔的な存在ですね。
恋愛感情を抱いても基本的にはワンナイトラブで終わる
猫の恋愛が人間と違うのは、恋愛感情を抱いて結ばれた相手だとしても基本的にはワンナイトラブで終わるところです。オス猫は必死にアピールして落としたメス猫だとしても、交尾が済めばさっさと次の恋愛に行ってしまいます。
これはより多くの子孫を残すための行動であり、本能でもあるので仕方がないことではありますが人間の男性に置き換えると少々ひどいと思ってしまいますよね。
しかし、メス猫にとってはそれが普通のことですから、恋愛感情を抱いた相手だとしても、他のメス猫のところへ行ってしまうことに何の感情もわかないようです。
猫の恋愛感情はさっぱりしているみたいですね。
猫は妊娠していても恋愛感情を抱く
これだけ聞けばなんてふしだらな!と思ってしまうかもしれませんが、動物の世界はいかに優秀な子孫を、より多く残せるかというのが重要になってきます。
そのため恋愛を終えて、無事に交尾を済ませた直後に恋愛感情を抱くような素敵な相手がいれば交尾をします。
人間に置き換えたら「この浮気者!」と言いたくなりますが、オスもメスも恋愛は一期一会ですから恋愛感情を違う異性に抱いてもそれはそれ、これはこれという考えなのです。
ちなみにメス猫は多排卵動物で一度に複数の卵子を排卵します。そのため一回の妊娠で、父親が異なる種違いの子猫を宿すせます。5つ子の猫ちゃんだけど、父親はバラバラなんてこともめずらしくはないというのですから驚きですね。
また妊娠途中であるにもかかわらず、さらに新しい子猫を妊娠する「重複妊娠」という現象が起きることもあります。同じ哺乳類なのに人間とは妊娠事情も全く違うのです。
オス猫は子育てをしない
恋愛感情を抱きめでたく結ばれたカップルだとしても、オス猫は交尾が終わるとすぐに次の恋愛を求めてメス猫の元から去ります。
そのため、オス猫は自分の子供を妊娠したメス猫を気遣うこともありませんし、メス猫が出産するのを見守ることもありませんし、自分の子供の面倒を見ることもありません。
恋愛感情を抱いたということは、相手を好きだということでしょう?なのに何故?と不思議に思うかもしれませんが、その考えが人間と猫では恋愛感情の認識が違う証拠なのです。
また、オス猫が子育てに参加をしない理由はもう一つ、オス猫の恐ろしい「子殺し」本能が関係をしています。子殺し本能とはオス猫がメス猫と交尾をするためにある本能です。子供を出産し子育てをしているメス猫は、基本的に発情することはなく自分の子猫のお世話に専念します。
そんな子育てを一生懸命しているメス猫が、オス猫にとって大変魅力的な異性であった場合、オス猫はメス猫から恋愛感情を抱いてもらうために子猫をかみ殺してしまうのです。
オス猫からすれば、育てている子猫は自分の子孫でもなんでもないのですから死んでしまっても関係がないのです。さらに悲しいことですが、子猫を目の前でかみ殺されたメス猫はそのショックで発情してしまうという本能を持っています。
そんなメス猫の本能を知っているからこそ、オス猫は子育てをしているメス猫の子供を狙うのだそうです。
ただメス猫も負けてはいません。大切な我が子を殺されないために、メス猫はこの期間は大変デリケートになり警戒心も大変強くなります。そのため、不用意に近づいてしまうとオス猫とはいえ反撃にあって怪我をしてしまう可能性もあります。
そのような事情もあって、子育て中はたとえ父親であってもメス猫が近づくことを許さないというのもオス猫が子育てに参加をしない理由となっています。
猫でも一途な恋愛感情を抱くことがある
次々に恋愛を楽しむプレイボーイ、プレイガールがほとんどである猫の世界でも、一途に自分の思いを貫きとおす誠実なオス猫は存在しています。
例えばこちらの猫ちゃんは、約2年にも及ぶ片思いの果てに、見事恋を成就させたとして世界中で話題となっています。
こちらの茶白柄のスコッティ―君は、ある日近所に引越しをしてきた魅力的なメス猫、ソフィーちゃんに一目ぼれをしてしまいました。それ以来、ソフィーが散歩を始めると、どこからともなく現れるようになったのだとか。
初めはソフィーちゃんもスコッティー君にまるで興味がなかったようで、遠くでジッと見つめる視線に気づいたとしても無視をしていたそう。しかし、スコッティー君はたとえ無視をされても、知らない顔をされてもめげませんでした。
毎日ソフィーちゃんの元に通い、遠くから熱い視線を送り、少しずつその距離を縮めていきました。そうして月日は流れ、初めて一目惚れをしてから2年後!ついに、スコッティー君はソフィーちゃんの横に座ることに成功しました。
そのころにはソフィーちゃんもスコッティー君の誠実さに好感を抱いていたのか、横に座ったスコッティー君とピッタリと寄り添ってくれたようです。こうしてめでたく結ばれた二人は、今でもとっても仲良し!
今ではソフィーちゃんがお散歩に行くときはこうして迎えにきてくれるようになったのだとか。猫の世界にも純愛ってあるんですね。
ちなみに、野良猫の世界でも粘り強いオス猫はいるようで、気に入ったメス猫に恋愛感情を抱いてもらうために何日も何日も同じメス猫にアピールを続ける子もいるのだとか。一歩間違えればストーカーですが、これも愛があるからできることですよね。
猫は他の動物にも恋愛感情を抱くの?
よくSNSで「猫と犬の仲良しカップル!」「猫と小鳥の異種カップル」「飼い主に恋をする猫ちゃん」など、猫が猫以外の動物に恋愛感情を抱いているような投稿を目にすることありますよね。
しかし、猫は基本的に猫以外の動物に恋愛感情を抱くことはないと言われています。
猫の恋愛感情はいわゆる子孫を残すためにパートナーを探すために抱く感情です。そのため、恋愛感情を抱いても子孫を残せない相手にはそのような感情を抱かないとされています。
しかし、猫によってはまるで恋人のように異種動物を愛情深く接してあげていたり、どこへ行くにも後ろをついていくストーカーのような猫、さらには飼い主様が好きすぎてまるで恋人のように接してくる子もいますよね?
それらの行動がすべて恋愛感情がないのかといわれると、猫に直接聞いたわけではないため絶対に違うとは言い切れません。
しかし、猫が他の動物に愛情深く接するのは人間が猫を見て「かわいい」「愛しい」と思う感情に似ていると言われています。
確かに、愛猫をとてもかわいい、愛しいと思ったとしても、「恋人として愛している」と、本気で思う方はあまりいませんよね。それと同じで猫も、恋愛感情とはまた違う愛情を向けているのでしょうね。
ちなみに、猫は異種動物に恋愛感情を抱かないのと同じ理由で同性に恋愛感情を抱くこともないようです。これも猫の恋愛感情が子孫を残すことからきているため、同性愛という概念はほぼないと考えられているからなのだとか。
猫の恋愛感情はとってもドライ
猫は愛情深い動物とは言われていますが、恋愛感情については意外にもドライなようです。とはいえ、猫も人間と同じように恋愛感情を異性に抱くのは事実です。一生のうちに何度も恋愛を楽しむ、恋多き動物という言い方もできますよね。
そんな恋愛観も、猫の本質である気まぐれで自由奔放なところからきているのかもしれませんね。
みんなのコメント
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牡も雌も避妊済みなのに、ラブラブです。
他、数匹の雌も、同じく避妊済みなのに、雄の事が大好きです。