猫が布を食べる、噛む!危険なウールサッキングをやめさせる方法

我が家の「きなお」は布が好きで、遊び道具のひとつにしています。噛んで引っ張りまわすのがおもしろいみたいです。しつこく噛んで、ポロポロと布くずが床に落ちていることも。

猫の中には、布をふみふみしながら噛む子もいます。その姿は甘えていてかわいらしいものですが、布に穴が開くほど噛んで、その布を食べてしまうこともあるのです。

もし、大きな布を飲み込んでしまったら…心配ですよね。どうしてそんな奇妙な行動をするのでしょうか。

猫が布を食べる、噛むウールサッキングという病気

子猫が布を噛むのは、単に遊びのつもりだったり、親猫や飼い主さんから離れて寂しいという気持ちを紛らすためだったりします。成猫の場合は、子猫のときからの噛み癖が治っていないことが考えられます。

わが家の愛猫、きなおの場合も噛み癖が治っていないようで、布に限らず、紙や洗濯ばさみ、パーカーの紐など、なんでもとりあえず噛んでしまいますが、飲み込んではいません。

ところが、「ウールサッキング」と呼ばれる、噛むだけではなく布を食べてしまう病気もあるのです。
 
ウールサッキングは

  • 異食症
  • ウール吸い
  • ウール噛み(wool chewing)

とも呼ばれます。

ウールサッキングで食べてしまうものはウールだけに限らず、

  • 綿
  • 段ボール
  • ゴム製品
  • テープ

など、さらには飼い主さんの服や靴から、タオルやカーペット、カーテンまで食べてしまうこともあるのです。

ウールサッキングが危険な理由

猫の体内では、布製品は分解されません。

猫の腸は細く、大人の男性の小指の先ぐらいの太さです。そこを通る太さのものであれば便としてでてきます。怖いのが、腸の中で絡まったり引っかかったりしてそのまま留まってしまうことです。

ひどくなると腸閉塞の原因となります。また、のどにつっかえてしまうと窒息の危険性もあります。

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猫が飲み込んだ時に危険なのが、ひも状のものだと言われます。猫の舌はざらざらしているので長いものでもどんどん飲み込めてしまうのと、途中でやめて吐き出すということはあまりしません。

ひも状のものが胃や腸で絡まると危険です。

便で出てこないものを飲み込んでしまった場合は、レントゲンなどで状態を調べた後に内視鏡で取り除いたり、腸まで達してしまっている場合は開腹手術で取り除くしかありません。

手術に至ると猫にも負担がかかりますし、費用も12万~20万程(あくまで目安です)と高額になってきます。

飲み込んだものが柔らかいものであってもこのような危険があるので、油断はできないのです。

こんな行動に注意。ウールサッキングの症状

猫が甘えるように布をふみふみしながら吸ったり噛んだりしていたら、気をつけてください。それが次第にエスカレートすると、穴が開くほど噛んで食べてしまうようになる恐れがあります。

症状が現れるのは、0歳から1歳の幼齢の猫が多く、そのうちの大半が2歳までには完治するといわれています。

しかし、中には4歳ぐらいになってやり始める子もいたり、大人になってもやめず、一生ウ-ルサッキングを続けてしまう子もいます。

なぜ布を食べるの?ウールサッキングの原因

ウールサッキングの原因は、いまだよく分かっていません。しかし、まだ乳離れしていないぐらい幼い頃に何らかの理由で母猫から離された猫に多いと言われています。

母親に甘えたい時期に甘えられなかったストレス、愛情不足により布を噛む行動をしてしまう、または母猫に狩りを教わる時間が十分になかったので狩りの本能が満たされていないゆえの行動、などなどの原因があると言われています。

愛情不足

幼いころに母猫と離ればなれになった猫は、自立心が成長せず、成猫になってからも満たされず、問題行動を起こすことがあります。

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遺伝

ウールサッキングはシャム猫や日本猫など東洋系の猫種に多く見られるため、遺伝という説もあります。

ラノリンに反応

羊毛に含まれる「ラノリン」という成分に反応しているとも言われています。人間の腋の汗のにおいがこのラノリンと似ているため、人間のシャツを噛む猫もいます。

エサの量が足りない

エサの量が足りていないと食欲を満たそうとしてほかの食べてはいけないものを食べようとする、食物繊維を補おうとしている、という説もあります。

先ほど述べたようにはっきりこれといった原因が分からないので、遺伝によるものなのか後天的なものなのかは一概には言える状態にありません。

ウールサッキングから愛猫を守る方法

ウールサッキングの症状がある猫を病院に連れて行っても、今のところ特別な治療はありません。

一番手っ取り早いのは、猫の前から布を排除することですが、徹底するのが難しい場合もあるでしょう。その他にも試してみる価値のある対策がいくつかあります。

狩りの本能を満たす遊びをする

子猫が親猫からきちんと狩りの仕方を教わっていないことが原因の一つと言われているため、狩猟本能を刺激するような遊び方をしてもらうという対策が考えられます。

音の出るボール状のおもちゃは、転がしては追いかけて、とまるで小動物を狩るような感じで遊んでくれます。

また、ボール状のプラスチックの中にカリカリを入れて、うまく転がすとエサが出てくるというおもちゃがあります。

これも動物を上手に狩れたらご飯にありつける、という狩りの疑似体験をすることができます。

もちろん、猫じゃらしや紐の先に虫や動物に見えるものがついたおもちゃも、狩猟本能を刺激してくれるおもちゃです。

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ケージに入れる

猫のいる部屋に布を置かないといけない場合、一時的に猫をケージに入れるという方法もあります。

▼飼い主さんが見てあげられない夜の寝ている時間だけ、など時間を決めてケージに入ってもらうこともできますね
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愛情不足を補う

積極的に遊んでやりましょう。1回にかける時間は短くて構いませんが、頻繁に構うようにしてください。気を紛らせるために、転がすとエサが出てくるおもちゃを与えるのも良いですね。

噛んだら嫌なことが起こるようにする

まずは、猫が布を噛もうとしているところを目撃したら、短く「だめ」と叱って布をさっと取り上げてください。叩くのはNGです。

それで効き目がなければ、猫が嫌がる味やにおいのするものを布につけます。かんきつ系のにおいのものなど、猫のしつけ用スプレーが市販されていますが、猫の口に入っても安全なものを選んでください。

アロマオイルは濃度が高くて危険です。コードなど、液体では流れてしまうものには、ジェルタイプのものが良いでしょう。

また、単なる水スプレーでも、使い方によっては役に立ちます。猫が布を噛もうとしたときに猫に向かって霧吹きでスプレーすると、「布を噛もうとしたら嫌なことが起こる」と学習します。

ただし、やりすぎないようにしてくださいね。それから、飼い主さんがスプレーしたのだとばれないようにすることも必要です。

食事を替える

量を決めずに、好きなだけ猫にエサを与えるということも1つの手段です。肥満になりがちなので、ダイエットタイプのフードにすると良いでしょう。

また、高繊維タイプのフードに替えることも、症状をおさえる可能性があります。食物繊維が豊富なエサを食べてもらうことで、ウールサッキングが改善された、という例があるのです。ウールサッキングと食物繊維の摂取量に関連があるのかははっきりしませんが、気軽に試すことができる方法ではあります。

また、食物繊維が多いエサは飲み込んだ毛玉を便と一緒に排出する効果もあるため、別の良い点もあります。

▼オオバコ由来の食物繊維であるサイリウムが配合されたフードもオススメです
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猫が行動する範囲に布を置かない

どうしてもやめてくれない場合は、猫がいる場所に布を置かない、という対策をするしかありません。

もちろん、絨毯や寝具などはなくしてしまうことができないので完璧にはできませんが、対策を取れるとしたら、家の中の一部屋だけは猫が入らない部屋にしておく、などです。

布の製品はその部屋のみにして、他は猫がかじりたがるようなものは置かない、というルールを作るのです。

その他、ちょっと置いておいた時にいつの間にかかじっていた、といううっかり忘れにも注意しましょう。

洗濯後の衣服などはすぐにクローゼットやタンスにしまうのは習慣にしましょう。一時的に置いておくもの、例えば風呂場に着替えを置く、などは蓋つきのかごなどを使用すると便利です。

布が使えないときの寒さ対策

幸い、きなおは布をふみふみして甘えている感じではなく、ウールサッキングの兆候は見られません。

しかし、猫ベッドだけでは寒いだろうと、ベッドの中にフリースの布を入れていたのですが、噛んで引っ張り出してしまいます。

そこで、布を入れるのはあきらめて、寒さ対策として段ボールを使うことにしました。猫ベッドはケージの一番上の段に設置しているので、上の方の三方を覆っています。

ウールサッキングをするから同じく布が使えないという方も、試してみてはいかがでしょうか。

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猫が落ち着くのを気長に待ちましょう

ウールサッキングに完全な治療法はありませんが、年齢とともに落ち着いてくると言われています。愛情を持って、猫がウールサッキングの行動を忘れてしまうような生活を送りましょう。

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