野良猫を飼いたいあなたへ。体験談から語る猫ちゃんお迎えのコツ

昨今は猫ブームと言われています。

我が家にも保護した猫が5匹、先住犬1匹と共に賑やかな毎日を送っています。

ずっと犬派だった我が家に猫を飼うきっかけをもたらしたのは、初めて飼った兄妹猫の母猫との出会いからでした。

今回は我が家の体験談を中心に、野良猫を飼いたい!という人へのアドバイスをしていこうと思います。

我が家に猫を迎え入れたエピソード~親子猫との出会い~

私の場合は、犬を既に飼っていたので、猫に対する知識が何もないところから始まりました。

お正月を過ぎた頃家の庭を通るようになった野良猫に、冬は食べるものも少ないだろうと餌を与えるようになったのが猫との交流の始まりでした。

その猫が今うちにいる“シナモン”です。

シナモンちゃん 99871

兄妹猫の“もなか”と“プリン”の母猫。

もなかちゃんとプリン 99872

この兄妹を含め4匹を妊娠していたのですが、最初はお腹の膨らみも太ったのかな?程度で気づけませんでした。春には出産してママになりました。

隠れ家として隣家の庭先を選んでいました。我が家で食事をしすぐに子どもたちの元へ……と忙しく動き回っていました。

垣根越しに育った子猫たちの戯れ合う姿が見られるようになり微笑ましく思うと同時に、このまま彼らを放置して良いのだろうかと思うようにもなりました。

野良猫ちゃんが無闇に増えることは、それだけ保健所の収容や殺処分が増えるということにもなります。

そこで、親子5匹を保護することに決めました。

しかし、当時何も知らなかった私にとって不妊手術はおろか、どうやって捕獲をすれば良いかもわかりません。

相談するアテもなかったので区役所に電話をし、生活衛生課から愛護団体を紹介してもらいました。

3日がかりで親子5匹を何とか保護することが出来ました。

今丸まっている“もなか”はおっとりした性格からか一番最初に、すばしっこく利口な“プリン”はよく逃げ回って一番最後に捕獲されました。

もなかちゃん99873

何だかその頃から個性があった気がします(笑)

保護当時の写真 99874

これが保護した当時の写真です。上の写真と比べるととてつもなく小さいですね……!

子猫たちはまだ不妊手術を出来る月齢ではなかったので、母猫の“シナモン”だけ愛護団体と提携している病院で不妊手術をお願いしました。

本来ならば相場は3万円前後なのですが、愛護団体との提携ということで手術代は1万円でした。

ここで、そのまま“シナモン”も保護をしよう、と思っていたのですが、愛護団体の方に相談したところ「母猫は既に外生活が長いので、飼い猫として慣れるのは難しいかも……」と言われました。

当時まだ猫を飼ったことがない私たちは悩んだ末、耳に桜型の切り込みを入れ外に離すことになりました。(結局後で迎え入れることになるのですが)

子猫達は4匹居ましたから、全て飼える自信もなく、愛護団体の里親サイトで飼い主さんを募集したり、周りに声を掛けたりして引き取り手を探しました。

保護当時の写真 99875

引き取り手を探していた当時の写真。やはり物凄く幼気です。

が、最終的に我が家に2匹、友人のところに2匹、と落ち着き、現在では2匹ずつ離れた場所にいますが、それぞれの家族の一員として元気に過ごしています。

その後、“シナモン”も一度離したものの毎日のようにお世話が出来ていたので、程なくして親子共々家に迎えることになります。

そして、次から次へと我が家の庭に訪問してくれる猫ちゃんを保護していった結果、今では5匹の大家族です。

保護猫ちゃん 99876

“もなか”と“プリン”も大きくなりました。

想像もしなかった猫まみれの日々、あの時子猫4匹をまとめて家に引き取っても良かったのでは、と今となっては思います(笑)

猫ちゃんに一体いくら掛かるのか、何が必要なのか

さて、ここまでは私達家族が猫を迎え入れたエピソードについてでしたが、今度は具体的に猫ちゃんを飼うとしたら、何が必要でどのくらい掛かるの?ということを見ていきましょう。

「飼いたい!」という気持ちだけが先行してもだめです。家族が増えるのですから、お金がかかることを認識してください。

一生をともにする覚悟がないと、猫ちゃんには辛い思いをさせることになります。

また、一度自分の家に迎え入れた猫ちゃんですから、安易な理由で手放すのは以ての外です。

家族の一員になる前にきちんと学んでおきましょう。

飼い始めに必要なものについて

まずは一番最初に用意するものです。

絶対に必要なものとしては下記のものが該当します。

  • ケージ
  • トイレ+トイレ砂(出来れば2個)
  • ベッド(夏用と冬用)
  • キャリーケース(ケージと併用可)
  • 爪とぎ
  • 爪切りバサミ
  • 毛梳きブラシ
  • 水入れ
  • 食器
値段はどれもピンキリですが、ケージは中にトイレとベッドが入る大きさが望ましいです。ですので、1万円前後くらいのものが良いでしょう。

あるとより良いものとしては次の物が挙げられます。

  • キャットタワー
  • おもちゃ
  • ウェットティッシュ
  • 消毒スプレー
キャットタワーは安いもので5000~6000円ほどですが、天井までのしっかりしたものになると1万~2万円くらいが相場でしょうか。

猫ちゃんの健康のためにも、キャットタワーがあると非常に運動効果があると言われています。

また、保護後直ぐに診ていただく獣医さんでの検査、ワクチン、不妊手術、マイクロチップ等の料金もあります。

マイクロチップというのは、災害や万が一の家出の時に役立つ、猫とその飼主のデータが入っている小さな情報媒体のことです。

首元に埋め込むのですが、大体金額としては5000~6000円です。

今年保護した“ルーク”に関しては不妊手術などを含めて25000円ほど支払いました。

これらのものを合計すると、約5万円ほどが初期費用で掛かることになります。

消耗品など月々や年間で掛かるものについて

消耗品であるフードやペットシーツといったもので月に約7000~8000円かかります。

それに月々必要なものではありませんが、定期検診やワクチン代、年間を通してのノミ・ダニ駆除薬といったものを加えると年間にして約2万円の出費があることを覚悟しなければいけません。

そのほか、万が一猫ちゃんが病気になった場合には、臨時の出費もかかります。

私の家の例では、猫が原因不明の嘔吐で緊急手術をして手術代だけで15万円、その他の雑費を含め20万円ほど掛かりました。

現在新しく家に迎え入れた子が当初から掛かっていた歯肉炎と下痢の療養のため、月1万円は薬代と診療代にかかっています。

そのような急な病気に対応するためにも、ペット保険の加入もオススメします。加入すると大体の病気では補償がされます。しかし、保険代も月々のお金に上乗せされていきます。

金額に関しては年間で1万~2万円くらいが相場のようです。

今まで出てきた額を全て合わせると、急な病院代を含めずに大体12万円くらいになりますね。

以上が年間に猫ちゃんに掛かる必要金額だと、常に念頭に置くようにしてください。

最後まで責任を持ちましょう~猫を飼う心得~

金額についても見たところで、最後に野良猫を保護して飼いたい!と思っている方に向けての心得をお伝えします。

出会ってしまったからにはこれも何かの縁と保護したは良いものの、思っていた以上に大変そうだし、愛護団体の方に相談して他の人に譲渡してもらおうかな……という考え方はまず通用しません。

愛護団体の方は、飼えないからといって保護した猫を引き取ってくれるわけではないのです。

保護した猫は、保護した人自身が世話をするか、里親を見つけなくてはならないのだと思ってください。

私の場合も、知識がなかった当初は『愛護団体の方が色々やってくださるのかな?』なんて甘い考えでいましたが、《猫を保護しようと思った時点》でその人自身に責任がついてくるものなのです。

ですから、今まで保護した猫達はみんな自分の家で養うか、友人に引き渡した後も定期的に様子の報告を受けるようにしています。

どのペットにも言えることですが、みんな命を持った大切な生き物です。

「可愛いから」「可哀想だから」という理由だけではなく、最後まできちんと面倒を見切ると決めて保護してあげてください。

猫ちゃんにはあなたしかいないのです。

ここまで色々と費用なども書いてきましたが、私は犬猫6匹に癒やされる毎日を過ごしています。全員かけがいのない存在になっています。

したがって、猫を飼うということ自体の後悔は絶対にない!と断言できます。

ただし、何時だって自分の猫を守るのは自分たち家族だけなのです。だからこそ、責任と愛情を持って、猫ちゃんを可愛がってあげて欲しいと思います。

ペットショップの子でも、野良の子でも、どんな出会いがあるかわかりませんから……是非、あなたの日常に新たな一員を迎え入れる機会がありましたら、大切にしてあげてください。

ところで現在、庭に新たに来訪してくる野良猫ちゃんがいます。

新入りの野良猫ちゃん 99877

もしかしたらこの子が6匹目になるのかもしれません……(笑)

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