「大人の野良猫を時々近所で見かけるのだけど、保護するにはどうしたら……?」そんな風にお思いの方がいらっしゃるかもしれません。
そんな方のために、今回は成猫の野良猫をどのように保護するのか、その方法を体験談を交えながらお教えします。
これを読むことで、無事に猫ちゃんを保護できることのお手伝いになれたら幸いです。
猫にとって信頼できる人になろう~餌付けとコミュニケーション~
猫ちゃんを保護するにあたって一番大事なことは、『保護する人を信頼してもらう』ということです。
その為にするべきことは二つあります。
- 餌付け
- コミュニケーション
この二つです。
それぞれを軸に、信頼関係の構築方法を見ていきましょう。
猫ちゃんへの餌付けの方法
最初に出会った段階では、当然ですが猫はもの凄く警戒をしています。
こちらは警戒心が強かった“シナモン”。
対してそこまででもなかった“ちゃみ”と“ルーク”。
猫の性格が出ますね。
ですので、私の場合は、まず猫ちゃんが来たら、『これはあなたのご飯だよ!』ということを認識させるようにしました。
猫は人が来ると大抵はその場から直ぐ逃げてしまうのですが、それでも何処かでその人の行動を見ているものです。
- そこで敢えて画像のような匂いの強いウェットタイプのフードを使い、それをお皿に入れ、隠れている猫ちゃんに見せます。
- そして人から見えないような、猫ちゃんが直ぐに逃げられる場所に皿を置き、匂いを嗅がせ認識させるようにします。
- その後は、『私はあなたに気付いていませんよー、食べてねー』とすぐ家に入り、距離を取って見守ります。
後ほどお皿を見てみると大抵はぺろりと完食しています。
これで、ファーストコンタクトは成功です。
暫くはこのように、人間が側に居ないようにして食べさせてあげる方法を取りました。
朝と夕方2回、同じ場所にフードを置くようにします。この場合のフードはウェットでもドライでも大丈夫です。
期間は、猫の気質にもよりますが、私の場合は一ヶ月~二ヶ月くらいは根気良くその形を取りました。
そうしてだんだん慣れてくると、「この人はごはんをくれる人だ!」と認識し、その人の姿が側にあっても、安心して食べてくれるようになります。
ここまで来ると、猫ちゃんが何時来るか分かるようになってきますし、自然と、次に触れるコミュニケーションも取れるようになってきます。
猫ちゃんとのコミュニケーションの取り方
「ごはんの人だ!」と無事、猫ちゃんに認識してもらうことができました。
次に大事なのは猫ちゃんの様子をご飯以外にコミュニケーションを通して見ていくことです。
猫のそばによっても逃げないようになったら、次はあなたから優しく声掛けをしていきましょう。あなたの声を猫ちゃんが覚えてくれるようになります。
そして、猫ちゃんとの距離がどんどん近くなっていきます。
距離が縮まり近くで猫ちゃんを見られるようになったところで、遠目からでは気付かなかった箇所の目ヤニや鼻水、怪我などがあるかどうかをきちんと観察しておきます。
保護した後の獣医さんへの説明がスムーズになるためです。
でも、まだふれるには至りません。そこでの秘策が、何時もあげているフードとは別にオヤツを用意することです。
嗜好性の高いゼリータイプのおやつや、手からあげられるようなカリカリタイプなど、色々試してみましょう。
オヤツを与えることができるようになると、もっと信頼度が上がり、何時しかあちらから「ニャッ!(ここだよ!)」と挨拶してもらえるようになります。
ただし、前から触れようとすると「襲われる!」と勘違いして逃げてしまうおそれがあるので、飽くまでそーっと、後ろから頭や背中を優しく撫でましょう。
撫でることを嫌がらなかったら、『いい子だね~』などと声掛けをしながら、お腹や手や尻尾などといった嫌がる部位以外を優しく触ってみてください。
更に毎日コミュニケーションを取れるようになると、保護に向けてのビジョンが見えてきます。
猫ちゃんのタイムテーブルもそこはかとなく分かってきますし、いつもの時間よりもご飯が遅れると待っていてくれるようになりますよ。
なお、当たり前ですが、野良の猫ちゃんを触ったらその後は必ず手を洗うようにしましょう。
キャリーケースを用意し、保護に向けて準備しよう
さて、餌付けとコミュニケーションを取りながら、並行して様々な下準備をしなければなりません。
病院を調べておこう
既に猫ちゃんを飼っている方はかかりつけ医で大丈夫だと思いますが、そうでない方は事前に近くの病院を調べておきましょう。
恐らく何時保護できるかということもわからないため、予約はできませんし、猫ちゃんを連れて行った際にはどのような対処をしてくれるかということをあらかじめ聞いておきましょう。
キャリーケースを用意しよう
次に、病院に連れて行くためのキャリーケースを用意しましょう。
このように、上部とサイドが開く物を用意するのがおすすめです。
上から下ろして入れた方が、猫ちゃんにとっても、保護する人間にとっても、安全性が高いといえます。
そのため、このような形のキャリーケースが最善なのです。
トイレなど室内で使うものを用意しよう
保護した後に飼う飼わないに関わらず、数日は猫ちゃんは滞在するはずです。
既に先住猫ちゃんがいる場合は、そのトイレとは別のトイレを用意してください。
いざ捕獲!保護したらまずは病院で検査を受けましょう
いよいよ保護も大詰め、捕獲です。コミュニケーションが取れて、触れることが出来るようになったら決行の決心をしてください。
当日、キャリーケースの上部を開けて猫ちゃんに違和感を与えないよう目のつかないところに置きます。
いつものようにご飯をあげ、撫でるなどコミュニケーションを取り、猫が安心したところで抱き上げましょう。
抱っこができたら、キャリーケース内に上からそっと入れます。
そして、速やかに蓋をしましょう。
<一連の流れの写真です。(写真協力はもなか君)>
猫ちゃんは初めてのことで驚いていますし、恐怖を感じて大声で鳴いたり、暴れたりするかもしれません。
なお、もし猫ちゃんが暴れた際に爪で引っかかれないように、軍手や革手袋などを装着しておくのもいいと思います。
また、どうしても触れることが出来ない猫ちゃんもいると思います。私の家の“シナモン”もそうでした。
その場合は、近くの愛護団体の方などに捕獲してもらう方法もあります。
ご近所の役所の生活衛生課に電話をして相談してみましょう。
愛護団体や病院など、色々と教えてもらえます。
無事、保護ができたら、決めていた病院へ保護出来た旨を必ず連絡して、直行してあげてください。
病院では、以下のことをしてもらいましょう。
- 触診、血液検査、便検査で病気や寄生虫の有無を調べること。
- ワクチン注射。3種、5種、白血病などありますが、獣医さんと相談されると良いでしょう。
- 経験からですが、耳の中、口の中も診てもらいましょう。
- 爪切りもお願いしてください。
- 身体も、簡単に拭いてもらいましょう。
- 保護した段階でまだ不妊手術を行っていない猫ちゃんは獣医さんと相談の上、当日もしくは後日にしてあげてください。
メスの猫ちゃんの場合は不妊手術にはお泊りが挟まりますから、スケジュールをきちんと確認しましょう。
それでは、無事に猫ちゃんが保護出来ることをうちの保護猫たちとともに祈っております!
みんなのコメント
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とても参考になりました!去年の夏ごろから2匹の野良猫ちゃんが毎日ごはんを食べに来ます。でも触らせてはくれません。今年の夏に今のアパートが取り壊されるので二匹を一緒に連れて行きたいと思っています。一度部屋に二匹を入れたのですが一匹はずっと外に出ようと窓に飛びかかって、一匹は今まで鳴いた事がないのにとても悲しそうに鳴くので1日で外に出しました。やっぱり連れて行くのは可哀想かな。と思いながらも今も毎日ごはんを食べに来てくれる子達を置いて行くのもやっぱり気がかりです。もう少し時間があるので気長に仲良くなれるよう頑張ってみます。ありがとうございました。
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私も同じ感じでした。
部屋の中にゴハン食べに来て、窓閉めると鳴きまくり窓に飛びかかり。2年かかりましたがやっと保護出来ました。
頑張ってください!!
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今日ギジトラちゃん保護成功出来ました。
今ゲージの中で不安そうにニャーニャー泣いてます。外に出したがいいのか、いや慣れるまで我慢だと。
ご飯はウェットは食べてくれました。
トイレがまだなので心配ですが
明日病院連れていき検査してきます。まずは1匹保護できたので
なれたらあと1匹保護したい猫ちゃんいるので頑張りたいです。皆さんの色んなコメント呼んで保護する決心がつきました。
ありがとうございます。
家猫として仲良くやっていきたいです。
今まで犬しか一緒に生活してなかったので猫ちゃんは初めてで心配ですが。
わんちゃんが虹の橋渡って3年すぎたので。
猫ちゃんとの生活楽しみです。