猫の一時預かりの場所はどう選ぶ?猫のための大事な4つのポイント

やむを得ず、猫を預けることになった場合、どこに預けるのか、注意するべき点は何か、預かり以外の方法はあるのかを考察していきます。

動物病院、ペットホテルなど、初めての場所にはなかなか慣れない猫のために何が出来るでしょうか。猫も飼い主さんも安心して預かっていただける環境を見つけてあげましょう。

猫を預かってくれる所を決める前にチェックしたいポイント

「猫は家につく」と言いますが、どうしても留守にしなければいけなくなった場合、猫だけを家に残して行くわけにはいきませんよね。

野良猫のように自分で食べ物や寝床を見つけて生活している猫ならまだしも、家の中でぬくぬく育ってきた室内飼いの猫にいきなりそのような生活は出来ません。やむを得ず、どこかに預けるしかなくなります。

では、猫を預かってくれる所はどこでしょうか。動物病院、ペットホテル、知人宅などが考えられます。ペットホテルなどではサービスも充実してきているでしょう。ただ、このような施設を考える前に、次にあげる条件に当てはまるか、まずは考えてみましょう。

行ったことがある場所か

第一優先となるのは、預ける猫がその場所に行ったことがあるのか、ということです。猫はとにかく普段の生活環境に変化が生じることを嫌います。ですので、どこかに預けられることはとんでもないことなのです。

少しでも行ったことがあり、慣れている所がいいでしょう。また、動物病院、ペットサロンなどは一度利用した方のみ対象で預かりを行っている所もあるので、確認が必要です。

家から近い場所か

犬ほどではありませんが、猫の嗅覚は人間の数万~数十万倍あると言われています。なるべく家の臭いが感じ取られる場所の方が良いでしょう。

私は、猫を車に乗せて動物病院に行くことがありますが、家に近づくと猫は犬のように鼻をくんくんさせて臭いを嗅ごうとしています。

また、万が一、預かってもらった場所から逃亡した時、戻る場所は家になりますから、近い場所の方が見つけやすくなります。

静かな環境か

猫が一番発達している感覚は聴覚です。人間の3倍以上あると言われています。

猫はHearとListenを使い分けることが出来ます。つまり、意識して聞くかどうかということです。初めての場所ではListenを使って意識して聞くことになるでしょう。そうなるとずっと気を張っている状態が続いて落ち着きません。

また、最近注目されている「猫聴覚厳正反射発作(トムとジェリー症候群)」という病気があります。突然の高い音に反応して、てんかん発作を起こす病気です。高齢猫に多いようですが、預ける場所の環境をチェックする必要があります。

身を隠す場所があるか

数年前に「猫鍋」が話題になりましたが、猫は自分の体がすっぽり収まる場所に入ることが大好きです。ちゃんとしたベッドでなくても、ダンボールの箱など隠れる場所があると安心するでしょう。自分の体がすっぽり隠れていなくても、お尻だけ足だけでも入っていたり隠れていたりすれば、本人は満足するようです。

以上のようなポイントを踏まえつつ、事前にその場所に行って環境をチェックしてみましょう。

預かりに最低限必要な物2つ

預かる猫本人だけを連れて行くのではなく、必要な物があります。預かってくれる所の規定にも寄りますが、最低限次の2つは持って行きましょう。

食餌

もちろん普段食べ慣れている食餌です。普段の食餌でも慣れない環境のために食べないこともありますが、何か好みの物を持っていくか、預かってくれる所のスタッフさんに好みの食べ物を伝えておきましょう。また、治療中で飲んでいる薬などがある場合も必ず持って行きましょう。

タオルなど自分の臭いがついた物

先に述べたことに繋がることですが、自分の臭いがついた物があると安心します。また、隠れる場所の役割も果たしてくれるので持っていくと良いでしょう。預ける日数が長いと、糞尿などで汚れてしまうこともありますので、数枚あるとさらに良いでしょう。

キャットシッターという選択もあります

どうしても家以外の場所に預けるのは心配だ、病気の治療中などの為に家にいさせてあげたい、といった場合は、キャットシッターにお願いするというのも選択の1つです。

ほとんどのシッターはサービス地域の範囲が決まっていますので、ご自宅の場所が範囲内にあるかで、ほぼ決まってしまいます。あとは、第一種動物取扱業の登録をしているか、契約手続きなど実務レベルで、事前に想定されることについて、取り決めがきちんと明文化されているかなどが決め手のポイントになるでしょう。

ただ、一番心配に思うのが、信頼できるシッターなのかということだと思います。大切な猫だけでなく、留守中の自宅に来てもらうのですから、防犯上の問題も含めて不安になるのは当然のことです。

そこで、預かる前に時間がある場合は、同じように猫を飼っている近所の方、動物病院のスタッフ、友人知人の情報網を頼りに、信頼できるキャットシッターさんを知っているかと口コミで聞いてみるのはいかがでしょうか。突然預けなければならなくなった場合は、十分な時間が無いかもしれませんが、いつかこのような状況になった場合に備えて、情報を得ておくことも必要かとおもます。

ちなみに、第一種動物取扱業とは動物に関わる「販売」「保管」「貸出し」「訓練」「展示」「競りあっせん」「譲受飼養」の仕事のことを言います。そしてこれらの事業を行う場合は、事業所の所在地を直轄する知事の登録を受けなければいけません。

さらに、事業所ごとに常勤の職員の中から、専属の「動物取扱責任者」を選任し、年1回研修を受けなければなりません。ペットシッターは「保管」(保管目的で顧客の動物を預かる業)に該当します。

猫の性格を見極めて選択を。私の場合はこんな対応をうけました

信頼のおける場所で安心して預けられたら問題ないのですが、施設が完璧でも猫が満足しなければ意味がありません。猫も個性がありますので、初めての環境でもすぐ慣れる猫、全く慣れずに拒否感をあらわにする猫、さまざまあるでしょう。

私は以前2匹の猫を飼っていましたが、性格が正反対でした。性格に合わせて預ける場所も変えられたらいいのですが、実際はそうもいきません。結局、かかりつけの動物病院に預けました。預かり期間は3日間でしたが、良心的なスタッフが画像を送ってくれたので紹介いたします。

1日目
預け先の猫写真1
左:社交的な猫
普段からよくなくコでしたが、不安なのか声をあげています。

右:内向的な猫
完全におびえて隠れています。(青いボックスは病院が用意したトイレで、中に新聞紙が敷いてあります。)

2日目
預け先の猫写真2
左:あまり変化はありませんが、少し慣れてきたようです。
右:ボックス(トイレですけど・・・)にすっぽり体を隠すことで落ち着かせているようです。

3日目
預け先の猫写真3
左:スタッフに完全に甘えています。
右:持ってきた食餌はドライフードですが食べていないようです。スタッフから他の食餌を手で与えてもらっています。

このように、同居している猫でも環境が違うとこのような差が見られます。右の猫は慣れるのに時間がかかりそうなので、なるべく家以外の場所に預けるのは避けたいところです。

ただ、猫も食餌があり自分に危害を加えられる所ではないと分かってくると慣れてきます。皮肉なことに、慣れてきた頃にはお迎えの日になるというパターンが多いようです。

また、こちらの病院では預かりの時の日々の記録を取っています。当時の資料は無くなってしまいましたが、お迎えに来た家族に預かっていた様子を分かりやすくお伝えすることが出来ます。
病院から受け取る記録用紙写真
あくまでも私の猫は参考ですが、出来るだけ猫の性格に合わせた方法を選んであげましょう。

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