猫は日頃からよだれを垂らしていることはほとんどありませんよね。犬の場合はいつもよだれを垂らしているイメージがありますが、猫はそんなこともないんじゃないでしょうか。
でも、ふと気付いたときに、愛猫がよだれを垂らしていることがあるかもしれません。「いつもはよだれなんて出さないのに、どうしたんだろう?」と飼い主さんとしては不思議に感じることでしょう。
猫がよだれを垂らしている理由はたくさんあります。中には深刻な病気のサインであることもあるので、飼い主がどんな対策をしてあげられるか知っておきましょう。
飼い主へのよだれは、猫の信頼の証の場合でもある
うちの愛猫のニセ蔵もヨシヨシしていたら、膝の上でよだれを垂らすんです。基本的に飼い主の膝の上でしかよだれを垂らすことはないんですが、やっぱりめちゃくちゃかわいいですよ。
ニセ蔵の場合は〝よだれを垂らす〟といっても実際にタラ~ッと垂れるわけではなくて、服がちょっと濡れる程度です。これも猫によって、程度は違うと思いますけどね。
この場合のよだれを垂らす行為は、飼い主への〝甘え〟や〝親愛〟の気持ちを意味しています。「とっても気持ちいいよ~」という猫からの喜びのサインなんです。
猫のよだれが病気のサインになっているかもしれない
でも、猫のよだれはもちろんそれだけではないんです。身体に異変がある場合にも、よだれが出ることがあるので要注意です。
熱中症になってしまっている
暑い季節に気温の高い場所にずっといると、猫はよだれを垂らしてぐったりしていることがあるかもしれません。
猫は自分で体温調節をすることが苦手なこともあり、脱水にもなりやすいのです。この際には猫の呼吸もハァハァと荒くなってしまっていると考えられます。
熱中症は命を落としてしまう危険性もあるので、このような状態の猫を発見したら、すぐに病院に行きましょう。
脳の神経に異常をきたしている
これはめったにないことではありますが、猫が脳に障害を受けたときに、脳からの指令がうまくコントロールできずにまっすぐに歩けなかったり、よだれを垂らすことがあるようです。
この場合は猫の表情や態度などにも変化が現れていることがあるので、しっかり観察して異変を見逃さないようにすることが大切です。
極度の緊張によるもの
猫は極度に緊張してしまうとよだれを垂らすことがあります。
うちの愛猫の先生の場合は、ストレスがかかりすぎると脱糞をしてしまいます(子どもが追い回してしまったりした時など)。
/やニャのよ…\
猫によってストレスの表現も色々あるのでしょうが、それほどにきついストレスがかかってしまっている、ということなんでしょう。
さらに猫も人間と同じように、乗り物に酔ってしまうことがあるんです。乗り物に酔うこともそうですし、車に乗ることで緊張してしまい、よだれが出ることもあります。
腎臓や肝臓に障害が出ている場合
特に高齢の猫になってくると、腎臓や肝臓に障害が現れやすくなります。
腎不全や肝不全になると身体の中にある老廃物を外に出すことが難しくなるので、それによってよだれを垂らしたりすることがあるんです。
食道炎になってしまっている
猫は嘔吐をするのが多い生き物ではあります。もともと毛玉を体内から排出しなければいけませんし、1日に3回などあまりにも頻繁に嘔吐をしている場合は要注意。
度重なる嘔吐によって食道が傷付いてしまい、食道炎を引き起こしている場合があります。
食道炎になると、粘膜が刺激されるのでそれによってよだれが出るようになるからです。
よだれの原因が口の中の異常である場合の症状や特徴
猫は自分で歯磨きができない分、どうしてもご飯などが歯の間にはさまってしまいがちになります。
その為、口内環境が悪くなり異常が起きやすくなるんです。このように口内に異常がある場合にはよだれが出たりすることがあります。
猫の歯の間にご飯のカスが溜まると、それが歯石へと変わってしまいます。そしてそれが原因で口内が炎症を起こしてしまったり、粘膜が赤くただような感じになることとあります。
この口内炎になると、よだれと同時に口の臭いもきつくなるので飼い主が気付きやすいかもしれません。
猫も人間と同じように体力が落ちている時に、細菌などに感染することで口内炎ができることもあります。さらに、口の中にできた傷から口内炎になるケースもありますよね。
歯周病に進行してしまっていることもあります
歯石の中にある最近が働いてしまうことで、歯周病へと進行してしまうこともあります。こちらも口内炎と同じく臭いが強くなります。
この歯周病が重度になると、最終的に歯が抜け落ちてしまうこともある恐ろしい症状なんです。
どちらの病気も、若い猫に比べて高齢猫の方がかかる確率が高くなるので、日頃からしっかり注意してあげてくださいね。
よだれの特徴ごとにみる、猫の不調の原因
よだれが泡立っている、血が混ざっている、口が開きっぱなし…という場合にはどのような病気や怪我が原因にあるのかを紹介します。
泡のようなよだれが出ている場合に考えられる原因
猫が泡のようなよだれを出す場合は、原因は1つではありません。
猫が何かを飲み込んでしまい、さらにそれによって中毒などを引き起こしてしまった場合には、泡のようなよだれが出ることがあります。
もしもよだれを出している口がふるえていたりしたら中毒の可能性が高いので、すぐに病院で診てもらってくださいね。
飲んだかもしれない物が分かっていれば、それも一緒に病院に持参するようにしてください。
よだれに血が混ざっている場合
よだれが透明ではなくて、血が混じっているようなネバネバした状態の時もあるかもしれません。
この場合、口内にできた傷がただれてしまっていることもありますし、「扁平上皮がん」という皮膚がんになっている可能性もあります。
さらに、喉の中に魚の骨などが引っ掛かってしまうことで血が混じることもあるので、見つけた時点で動物病院に向かいましょう。
口が開けたままになっている場合
猫が口を閉じられず、開けたままになっていることもあるかもしれません。これは顎の骨が折れていることで起こっているかもしれません。
猫が高い場所から落下してしまったり、交通事故に合ってしまった場合には顎の骨が折れてしまうことがあります。
その場合には痛みが強すぎるため猫は口を閉じることができず、そのままダランと口を開けた状態になっているでしょう。
これはかなり急を要する症状なので、発見したらなるべく動かさずに病院に急いでください。
猫が突然よだれを出さないために、飼い主が日頃からできること
猫がよだれを垂らす原因は様々ありましたが、やはり飼い主が一番にできることは日頃から猫をよく観察しておくことでしょう。
さらによだれには口内環境も大きく関係していることが分かったので、毎日のデンタルケアをしてあげることも重要ですね。
/やさしくお願いニャ\
うちの猫たちはあまりハミガキが好きではないので(好きな猫の方が少ないかもしれませんが……)毎日しっかりはできていないのですが。
これにプラスしてハミガキのオヤツ「グリニーズ」を毎日夜に6粒程度(推奨されているのは1日3回の頻度になっています)と、ハミガキ効果のある液体「マウスクリーナーゼロ」を、清潔なお水に混ぜるようにしています。
この液体は臭いもほぼゼロに近いように作られているので、猫も違和感なく飲んでくれています。
マウスクリーナーゼロの容量は118mlで2000円程度とちょっとお高いですが、毎日ちょびっとしか入れないのでかなり持ちます。これをプラスすることで猫の歯の健康が保てるのはすごく助かりますよね。
さらに、毎日の生活の中で誤飲をしたり中毒になったりすることがないようにしっかり飼い主さんが注意してあげることも大切なことですよね。
日頃から猫のよだれをチェックしてあげましょう
猫は普段はあまりよだれを出すことはないですが、日頃から気にして見ていると何か異変があった時にも迅速に対応してあげることができるでしょう。
もし突然、ダラダラとよだれを出しているようなら上記の病気やトラブルをまず疑うようにしてください。
日頃からトラブルを未然に防ぐことができるように、いつも猫を取り囲んでいる生活環境を再度チェックしてみるのもオススメですよ。