猫の真菌の治し方。黒いカビのような症状は感染するので注意!

ある日ふと愛猫の顔を見て「うちの子、こんなところまで黒かったっけ?」と思っていたら、次の日その黒いカビのようなシミが大きく広がっていた……という経験はありませんか?

あるいは突然猫の毛がごっそり抜けて、円形ハゲになってしまったかと思ったら数日でかさぶたのように荒れてきてしまったといったことはないでしょうか?

もし愛猫にこのような症状が見られたら、それは真菌(皮膚糸状菌症)という皮膚病かもしれません。

真菌は猫には比較的メジャーな皮膚病のひとつで治療方法も確立されていますが、感染力が強く長引きやすいので飼い主さんの根気強いお世話が必要です。そこで真菌の原因や治療方法、治療中に気をつけることを中心にご紹介します。

皮膚の毛が抜け落ちガサガサに……真菌の症状

真菌は人間でいうところの「水虫」に近いもので、猫にとってはかなりしつこく面倒な皮膚病です。通常であれば生命に関わるようなことにはなりませんが、自然治癒は難しいので必ず早期に動物病院を受診しなければなりません。

真菌に感染すると、顔や耳、手足といった猫が毛繕いでよく舐めとる場所を中心に症状が広がっていきます。

最初は顔などに起こりやすく、一部分だけカビが生えたように黒ずみ、どんどん広がっていきます。

猫の真菌の症状イラスト

あるいは、円形脱毛症のようにごっそりと毛が抜け、抜けたところの皮膚がかさぶたのようにカサカサになります。

かゆみはあまり感じない場合が多いようですが、炎症を起こしたりなどしてかゆがると患部をかき壊してしまうこともあるのでエリザベスカラーをつけるなどして対処します。

猫が患部を舐めた口で他の部分を舐めてしまうと菌が移り、そこにも症状が現れるようになるため、長期間の治療の間にどんどん患部が増えていく、あるいは移っていくことが多いです。

耳が治ったと思ったら尻尾、尻尾が治ったと思ったら前足……というようにキリがなく、症状が全身に及ぶことも覚悟しなければなりません。

抵抗力が落ちた時は要注意!真菌の原因

真菌症(皮膚糸状菌症)となる原因は家の中に存在するカビへの過剰反応や、他の真菌を発症している(もしくは保有しているキャリアの)猫や人との接触感染です。

例えば風邪を引いた子猫が同時に真菌も発症してしまうケースが少なくありません。これは風邪で抵抗力が衰えているところに皮膚糸状菌と接触し、健康であれば問題なかったはずの菌に体が負けてしまうことによります。

子猫の他、老猫や病気で免疫力の下がっている猫なども発症しやすいので気をつけなければなりません。

またこの原因となる皮膚糸状菌は非常にしぶとく、猫の真菌が治療完了した後きちんと掃除しないと数年経っても生きており猫の真菌症を再発させることがあります。

早期治療と根気強いお世話が鍵。真菌の治療法

動物病院で真菌症だと断定するためには、培養検査が必要です。この培養に時間がかかるため、獣医さんによっては症状を見て「おそらく真菌だろう」とあたりをつけ、培養検査の結果が出ないうちに早期治療に踏み切ってくれる場合もあります。

この早期治療が真菌症を長引かせない鍵となります。

症状の軽いうちは外用薬や患部のシャンプーなどで菌を取り除き治すこともできるのですが、症状が重くなった場合、あるいは全身に及ぶ危険性のある場合は全身の菌を一度にまとめて取り除くために内服薬を使用します。

この内服薬は猫にとってかなりの効果がありますが、非常に強い薬でもあります。

子猫には使用しない方針の獣医さんもいる一方、一週間投薬後一週間お休みしまた一週間投薬、というようにインターバルを挟んで少しでも負担を減らすように調節して使う獣医さんもいます。

初期症状のうちに菌を撲滅することができれば投薬までいかないこともあるので、早期の受診が鍵となるのです。

真菌は完治までに数ヶ月単位かかる皮膚病

真菌症の治療期間は非常に長く、短くても1ヶ月、長いと半年以上に及ぶこともあります。真菌は感染力が強く、治ったと思って投薬をやめたら実はまだ菌が残っていて再発……ということも少なくありません。

通院を繰り返すので治療費もかさみがちですが、再発してしまうともちろんその分治療期間が伸びてしまいます。

安易に「もう治ったみたいだから通院(投薬)はいいや」と切り上げたりせず週に1回程度マメに通院して獣医さんに経過を見てもらうようにしましょう。

真菌は飼い主にも移る!発症しないために清潔を保とう

真菌はいわゆる「人獣共通感染症」という病気にあたり、人から猫へ、猫から人へ、猫から猫へ、人から人へ……と次々感染していきます。そのためお世話をする飼い主さんはもちろん、一緒に暮らしている家族も注意が必要です。

猫の真菌の感染経路のイラスト

特に小さなお子さんやお年寄りのいる家庭は気をつけましょう。抵抗力が弱い人ほど感染しやすくなってしまいます。

人間が真菌にかかると手足などにリング状の赤い発疹ができかゆみを伴います。特徴的な外見をしているので素人目にもこれは真菌だなとわかることが多いです。

人間が発症した場合、猫が真菌であることを告げた上で皮膚科へ行くとよいでしょう。その他市販の薬を使う場合は抗真菌作用のあるものを選んで購入します。

発症を防止するためにも、真菌の治療中は猫を特定の部屋に隔離しておくなどして家の中をあまり歩き回らせないようにするのが無難です。

特に普段飼い主さんの寝室で一緒に寝ている猫の場合飼い主さんにも移りやすくなります。また、脱衣所などは湿気が多く菌が繁殖しやすい上、お風呂上がりに菌が付着しやすいので、できる限り猫が立ち入らないように気をつけましょう。

その他、

  • 猫が出歩く場所は毎日きちんと掃除して菌が落ちないようにする
  • 猫に触った後は必ず手を洗う
  • お風呂には毎日必ず入る
  • 抱っこした後の服でベッドに寝ない
  • 体調管理し免疫が落ちないようにする

といったことを徹底し、常に清潔を保つことで感染を予防することができます。

真菌撲滅のポイントはとにかく消毒!真菌治療中の注意点

真菌は猫にはありふれた病気のひとつですが、完治させるまでには飼い主さんにかなりの努力が必要です。その理由がその感染力の強さ。

「薬を飲ませているから大丈夫だろう」「獣医さんの指示どおりに患部を消毒しているから大丈夫だろう」「エリザベスカラーがあるからこれ以上悪化しないだろう」と思って油断すると容赦なくどんどん広がり、治療が長期化していきます。

飼い主さんは猫の患部を消毒したり、投薬したりといったことに気を取られがちですが、猫についている菌の他にも猫から落ちた菌という伏兵が家中に潜んでいます。

愛猫が真菌になってしまったら、飼い主さんは猫だけでなく、家の中まで綺麗に掃除・消毒する必要があります。

掃除を怠ると治りかけてはまたぶり返すことを繰り返したり、数年後になってから完治したはずの真菌が再発したりと後で飼い主さんも猫も非常に辛い思いをします。猫の患部を丁寧に消毒したら、家の中も徹底的に消毒しましょう。

家の中で例えば冬場結露した窓のサッシやパッキン、出入りの激しい玄関付近など、カビの温床になりそうな場所は徹底的に消毒します。

猫の真菌の消毒すべき場所のイラスト

ちなみにじめじめしたところが大好きなカビなのだから、日光消毒したらどうなのかと気になるところですが、残念ながら真菌には効果がないそう。

また、猫の使用した食器は煮沸消毒し、おもちゃ、爪とぎなどもできる限り洗濯したり取り替えたりして清潔を保ちます。

ベッドはタオルを敷いておいて頻繁に取り替えてあげるようにすれば楽ちんです。ケージの中にはペットシーツを敷き毎日取り替えます。

少しやっかいなのが首輪です。真菌は顔の周りにできやすいので首輪にも菌が付着しやすく、かといって取るわけにもいかず、素材によっては洗濯できずという困りものです。

しかし真菌の治療中にはエリザベスカラーをつけることも多いので、筆者の場合は真菌の治療中は思い切って首輪を外してしまい直接エリザベスカラーに連絡先を記入し首輪の代わりにしました。

その他、家の中のカーテンは週に1回丸洗いし、床は毎日後述のAP水を使って消毒し、数日に1回は隅までぞうきん掛けします。家具も猫が触れるものは表面を拭きとります。

このように、とにかく猫の接触する可能性のあるもの全てを念入りに洗ったり消毒したりして常に清潔にしておくことこそが、真菌を1回の治療で完治させるためには重要です。

正直猫のお世話だけでなく、家の中まで毎日念入りに掃除となると大変に骨が折れます。しかし、真菌は適当にしておくと本当にしつこく、治療が長期化すればするほど猫も飼い主さんも疲弊します。

最初に踏ん張って徹底的に綺麗にしてしまった方が早く治るので、結果的に猫にも飼い主さんにも優しいのです。真菌はとにかく最初が肝心。家の中に菌がばらまかれる前に除去しましょう。

材料は塩と水だけなのに効果は漂白剤の数百倍!?AP水のすすめ

愛猫が真菌になってしまったという飼い主さんにぜひおすすめしたいのが「AP水」という消毒液です。正確には「次亜塩素酸水」という中性電解水で、水と塩を分解することで作り出されます。

動物病院によってはこのAP水を生成する機械が置いてあり、ペットの消毒用に500mlあたり100~500円程度で販売してくれます。

この「AP水(次亜塩素酸水)」、ハイターのようにあらゆる菌を死滅させることができるのですが、なんとその効果はハイターの数百倍というから驚きです!

しかもこのAP水、菌を死滅させると同時に水と塩に戻るのです。つまり、猫に使っても安全安心!ほんのりと塩素のにおいがしますが、舐めてもまったく問題ありません。

「家の中を消毒したいけど、ハイターなんて使って猫が舐めたらと思うと怖くて使えない!」という時もこのAP水なら安心です。霧吹きに入れてじゃんじゃん撒いて拭き取ることで手軽に強力な消毒ができます。

床も食器も猫のベッドも全部AP水を振りかけるだけでOK。

猫の真菌のAP水で消毒する場所のイラスト

もちろん、猫の患部の消毒にも使えます。脱脂綿にたっぷりと浸し、猫の患部にジュワッと押しつけて消毒することで、頑固な真菌も一発!しかもしみて痛がるようなことはありません。

猫の真菌のAP水を使った患部への消毒イラスト

このAP水があるだけで毎日の猫のお世話がびっくりするほど楽になるので、真菌になってしまったら動物病院でもらうことができないか相談してみるとよいでしょう。また、病院以外でも通販で入手できます。ぜひ使ってみてください。

多頭飼いで真菌ループを生み出さないために気をつけること

真菌が一番恐ろしいのは多頭飼いしている時ではないでしょうか。真菌は猫同士の接触で感染するので、多頭飼いしている時に1匹真菌になると他の健康な猫にまで移り、その後もお互いに移し合います。

治ったと思ったら他の猫から移される「真菌ループ」となる場合も珍しくありません。こうなってしまうとお世話はかなり大変です。家族の協力なしでお世話しきるには相当手慣れていないと、やることが多すぎて非常に時間がかかります。

不毛な真菌ループを生み出さないためにも、もし1匹に真菌が見つかったら速やかに隔離し他の猫に移さないようにすべきです。またすぐさま食器やベッド等を消毒し、健康な猫のいる部屋に菌を持ち込まないようにしましょう。

発症しないうちに全員シャンプーしてしまうというのも手です。抱っこする時も真菌の子だけは服を別にするなど、かなり面倒ですが全てにおいて真菌の子とそうでない子をきっちり分けて管理することでぐっと負担を減らすことができます。

根気よくお世話して真菌再発を防ごう!

真菌の怖いところはその再発のしやすさです。真菌は菌が残りやすい病気です。ただでさえ長い治療が、治りかけに「もう大丈夫だろう」と思って気を緩めた瞬間あっという間にぶり返してもとの木阿弥となるケースも少なくありません。

投薬も猫に負担をかけますし、治療は猫にも飼い主さんにとってもなかなか根気のいるものになります。

1回で綺麗に治して再発させないよう、「ちょっとくらい手を抜いても平気かな」と思わず丁寧かつまめにお世話をして、しつこい真菌を撃退しましょう!

みんなのコメント

  • はにゃはにゃ より:

    しっかり読ませていただきました_(._.)_ 
    保護猫をいただいたのですが猫風邪もひどく抗生剤を飲んでる状態で引き取りました!
    が、同時になのか真菌症にもかかっており生後1ヶ月ちょっとで全身にハゲがあり薬を2日飲み1週間 開けてまた飲む感じみたいですが残念な事に1匹は死んでしまいました!
    ケットもハイターに浸け置きして洗ってますが…
    ほんとに厄介で大変な病気だと思いますが頑張って、お世話して早く完治してもらいたいです:( ;˙꒳˙;):

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