猫バンバンで猫を救う!正しい方法とプラスでみたいチェック項目

「猫バンバン」という言葉を聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。「え?猫をバンバン叩くの?」そんなイメージを浮かべた人もいるかもしれません。もちろん、それは論外です。動物虐待になりますからね。

猫バンバンとは、乗車前にボンネットをバンバン叩き、猫が中に入ってしまっていないか確認する行為をいいます。

その意味や正しい方法、他にもチェックすると良いポイントを詳しく説明していきましょう。


猫バンバンは猫ではなく車をバンバンすることです

猫バンバンとは、日産自動車株式会社が2015年11月から始めたプロジェクトで「自動車の隙間に入ってしまった猫に、こちらの存在を気付かせるために、乗車前にボンネットをバンバン叩き、車体を揺らすアクションです。」(2016年1月26日日産自動車HPより)

猫バンバン画像

日産自動車株式会社が2014年冬、SNSで「エンジンルーム内等に動物がいるかもしれないので車を叩いて」と呼びかけたのが始まりです。たちまちSNS内でとても注目され、2015年秋に「猫バンバン」と言う名称が定着し、正式なプロジェクトとしてスタートしました。

今では日産自動車以外の会社でも認知され、JAFも猫バンバンについて見解を述べています。

エンジンルームに猫が入ったままエンジンをかけてしまうと…

猫が車の中に入ったまま気付かず、エンジンをかけて車を運転してしまったら…どうなるでしょう。考えただけでも恐ろしいことです。エンジンルームの中にはさまざまな装置があり、猫が入り込むと機器を動かすベルトに挟まったり巻き込まれてしまうことが多いのです。

何事もなく車を走らせ、しばらく経った後にエンジンが停止していまい、おかしいと思って修理に出すとエンジンの故障だと言われてしまったケースの場合、実は猫が挟まれていたのが原因だった、ということもあります。

残念ながら、猫は最悪の結果となり、修理のエンジニアさんも事が事だけに詳しい原因は伏せておくことが多かったそうです。ドライバーの方も、車の修理代や場合によっては廃車にせざるを得ない事態になるかもしれません。

お互い不幸にならないためにも、簡単な猫バンバンで防ぐことができるのです。

どうやって入り込んでしまうの?猫の車への侵入方法

車の構造は車種によって異なりますが、車の下からエンジンルームに入り込める構造になっているタイプが主流です。エンジンルームには穴が開いていて、タイヤの隙間を伝ってエンジンルームに入って来ることができます。

車の下の隙間はエンジンの熱を逃がしたり、排水をするために重要で機能的に意味があるものなので、これを完全にふさぐことは難しいのです。

そして、わずかな隙間から出入りしている猫の9割は体が小さい仔猫だと言われています。体の大きさの問題もありますが、経験が浅い仔猫は車が危ないという認識がまだ無いということも考えられます。

春夏秋冬 注意!猫がエンジンルームに入りやすいシチュエーション

寒くなる時期、寒く冷たい風をしのぎ、外敵からも身を守れる車の中を好み、夜の内に入り込んでしまう猫が増えます。朝の出勤時などには特に猫バンバンが必要でしょう。

また、寒い冬の時期に車に乗ると車内も冷えていますよね。同じようにエンジンルームや車の周辺も冷えていますので、少しエンジンが暖まっているときの方が猫が寄ってくる可能性が高いと思われます。

ですので、例えばコンビニなどで買い物をしている短い時間など。冬場のちょっとした車での外出時は特に注意が必要です。

また、車の下は日陰になります。夏の暑い日は、逆に涼しいところを求めて猫が集まってくるのです。

車の下は日陰で涼しいので猫が寝ている可能性があります。知らずに発進してしまったら、これも悲しい事故に繋がってしまいますね。

さらに、春は猫の恋の季節ですが、まだまだ寒い日が続きます。そんな春に生まれた子猫が入り込むこともあります。子猫は体が小さいので思いもよらないところに入り込んでしまう可能性が高いです。

自分が快適な場所を見つけ出すことに猫は本当に長けています。猫の習性ですから、どうしようもありません。猫の習性は季節に関係ありませんので、年中通して猫バンバンは必要といえます。

人間側が注意して気付いてあげないといけなくなります。ボンネットをバンバンと叩いたりして、車の中やタイヤの上に猫がいないか確認するのです。

ボンネットを叩くだけじゃない。猫バンバンの正しい方法

ただむやみにボンネットを叩けばいいというものではありません。野良猫はとても警戒心が強いので、突然大きな音がすると怯えてどんどん奥深くに潜り込んでしまう可能性があります。

基本的な方法は次の通りです。

  • 手の平でボンネットをぽんぽんと叩く
  • ボンネットに耳をつけ中の音を聞く
  • ボンネットを開けて目視で確認する

タイヤにしがみついている場合もあるので、一度車の周りを歩いて目視確認しましょう。また、ボンネットを叩けばほとんどの猫が出てくると思いますが、びっくりして動けなくなっている場合もあります。ボンネットを開けて声をかけましょう。

猫バンバン+やってみて!確実に危険を防ぐ方法

これまで説明してきたように、とても簡単な方法ですが本当に猫を危険から防ぐことはできるのでしょうか。

  1. ボンネットをバンバン叩いたら、驚いてさらに奥に入り込まない?
  2. 一度エンジンルームの場所を気に入ると、寝床になってしまわない?

これらのことを解決するために、ボンネットをバンバンするだけでなく、次のことにも注意しましょう。

五感を働かせる
  • 生き物の臭いがしないか
  • 足跡や毛がついていないか
  • 食べ物が落ちていないか
  • わずかな物音がしないか
別の方法を試してみる
  • クラクションを鳴らす ※
  • 猫よけグッズ(臭いなどで近づけさせない物)を利用する
  • 超音波発生器を利用する

※クラクションは驚いてしまうこともあり、場合によっては仔猫の近くで大きな音を出すと、聴覚に支障がでることもあるので注意が必要です。

超音波発生器は猫が近づくと猫が嫌いな人間には聞こえない超音波を出す機器ですが、数万円するようです。

私は声も出しながら猫バンバンしています。ボンネットを開けたり面倒に感じるかもしれませんが、あなたが少しの時間をかけたことで救われる命があるのです。

車に乗る前、3分でいいのでしっかり車を確認してすぐにエンジンをかけず様子を見て、事故を未然に防ぎましょう。

猫の気配はある…でも出てきてくれない時はプロに頼もう

それでも出てこない時はJAF等のロードサービスに連絡し、プロに助けてもらってください。

無理矢理出そうとすれば猫は怯えて暴れますし、ますます奥に入り込んでしまうかもしれません。猫もあなたも怪我をしてしまうかもしれません。

商用車(バンやトラック等)はエンジンルームが座席の下にあるため、猫バンバンをしても出てこないかもしれません。そんな時は座席を力強く叩いてみましょう。それでも出ない場合は座席を外さないといけません。

声は聞こえるのに出てこない、そんな時は無理をせず、プロを呼んでお任せしましょう。

車を扱う全ての人に知ってほしい。~友人と私の会話~

車を運転する友人との会話です。

私:「猫バンバンって知ってる?」
友:「知らない。猫が甘えてモミモミしてくるやつの進化系ですか?」・・・知名度はまだまだのようです。

私:「ヒントは車。駐車場の近くに野良猫はいないの?」
友:「もしかして猫を追い払うものですか?バンバンって?音で驚かせるんですね」・・・ようやく正解に近づきました。

友:「よく鳥とか入ってたとか聞きますもんね」
私:「なるほど、鳥か~!」

友:「その猫バンバンという呼び名は一般的なんですか?」
私:「某企業がその名称でプロジェクトを立ち上げたんです」

友:「他によい名前がありそうですけど、個人的に呼ぶならかわいいですよね」
私:「ちょっと分かりにくいけど、簡単な言い回しですよね」

友:「かなり分かりにくいから“猫ボンネットから出すぞ大作戦”くらいでいいんじゃないですかね」
私:「ボンネットは上にかぶさってるところですよ。これから車に乗るときは注意してください」

友:「はい!」

名称については何とも言えませんが、鳥への指摘など、貴重な意見をいただきました。

確かに、鳥も車の中に入り、エンジンルームや排気口に巣を作ったりします。私の実家では煙突に鳥が入り込んで来たことがありました。猫以外にも、地域によってはさまざまな動物が入ってくるでしょう。

猫より体の小さい小動物はその可能性は高くなります。野生動物は警戒心が強いので、バンバンするとすぐ逃げて行きそうですが、巣を作られると対応に困ってしまいますね。

私より多く車を運転している友人も知らなかった猫バンバンという知識。私は猫の情報を探しているときに見つけました。車関係からの情報より、猫好きネットワークからの情報の方が広がりやすいのかもしれません。

日産自動車だけでなくJAFもこの活動に力を入れています。実際にトラブルの処理にあたる側ですし、実例も多く目にしていることでしょう。

車に関わる次のような業者でも、啓蒙活動に力を入れていってほしいものです。特に、自動車免許を取得するときに、車に乗る前のチェック項目の1つとして、猫バンバンを入れてくれないものか、と願います。

  • ディーラー/中古車販売店
  • カー用品店/メンテナンス工場/ガソリンスタンド
  • 自動車免許教習所
  • レンタカー/バス・タクシー・トラック業者 など

車で外出していると用事を済ますことに意識が向いていますので、猫バンバンの知識を知っていてもどうしても忘れてしまいます。

そこで、プロジェクトを立ち上げた日産自動車はステッカーやポスターを作成して活動を促進しています。「子供が乗っています」などのステッカーの隣に猫バンバンのステッカーを貼り、他のドライバーへも注意を促し知ってもらう。このようなささやかな活動が個人でもできると思います。

猫バンバンステッカー画像
(猫バンバン ステッカー画像)

現在、日産自動車のサイトでは、抽選でステッカーをプレゼントしています。また、ロゴやポスターのデータはダウンロード出来ます。興味のある方は応募したり、ダウンロードして利用してみてはいかがでしょうか。

また、2018年3月12日には、猫バンバンになぞって、日清が「#キャベバンバン」プロジェクトを始動させています。

キャベバンバンポスターイメージ画像
(#キャベバンバン ポスター画像)

キャベバンバンとは、日清の製品「日清焼そばU.F.O.」のフタ裏についたまま捨てられるキャベツを救え!という働きかけです。Twitter上ではさっそく話題になり、猫バンバンとキャベバンバンのロゴが比較されたりとしています。

日産の猫バンバン、日清のキャベバンバン…。面白い企画で猫バンバンの認知も上がるのはいいことだなぁと感じました。

少しの時間を割くことで守れる命がある

外で力強く生きる野良猫達はいつも少しでも安全な場所を探しています。自分の身を守る為に入り込んだ場所で怪我をしたり、最悪の事故に繋がってしまうのはとても悲しいです。

車に乗る人にも乗らない人にも、猫バンバンを広く知ってもらい、一件でも事故を減らしたい。そのために、あなたの貴重な時間を少しでいいので猫の為に使ってあげてくださいね。

車を運転する前にボンネットをバンバンと叩いて、猫がいないか確認する猫バンバン。猫好きな人だけではなく、ドライバーの常識になるように全ての人に知ってもらいたい活動です。みなさま、お見知りおきを。

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