きゅうりをポリポリ食べる猫。本当に食べても大丈夫?

一年中食べられる野菜としてもおなじみのきゅうり。サラダやお漬物など、献立にも大活躍ですよね。

そんな私たちの生活にもなじみがあるきゅうりを、猫ちゃんがポリポリ食べる動画が話題になりました。

猫は本来、肉食の生き物です。野菜を与えても健康に問題はないのでしょうか。

今回は猫にきゅうりをあげても大丈夫かどうかについてまとめました。

きゅうりを猫に与えても大丈夫?基本的には問題ない

きゅうりの主な栄養素は

  • βカロテン(ビタミンA)
  • ビタミンC
  • ビタミンK
  • カリウム

この4つで、あとは主に水分でできています。

なんときゅうりは世界一栄養がない果実としてギネスブックにものっているほど、少量の栄養素しかふくまれていないのです。

私たちの健康には効果があるとされているきゅうりですが、はたして猫が食べても大丈夫な食品なのでしょうか。

基本的に、猫へきゅうりを与えても問題ない

きゅうりはそのほとんどが水分のような野菜なので、猫が食べても問題ありません。

猫ちゃんがなかなか水を飲んでくれないときなど、水分補給としても使えます。

私たち人間にも当てはまりますが、きゅうりを食べると身体は冷えるとされています。暑い夏にはちょうど良い野菜です。

しかし逆にいえば、そのほとんどが水分なので、食べ過ぎると下痢を引き起こすことも。

食べても害はありませんが、食べたがってもいないのに積極的に与える必要はありません。

また、漬物にしたきゅうりやドレッシング・オイルをかけたきゅうりは与えないでください。調理されたものは猫にとって塩分が多すぎます。

必要な栄養素は毎日のキャットフードで摂取するようにしましょう。

どうして猫はきゅうりを食べるの?

猫は意外とグルメな生き物です。また食べ物をにおいで判断するともいわれるくらい、嗅覚が発達しています。

ほとんど味もなく、青臭いにおいのするきゅうりを猫が自分から好んで食べることは少ないのですが、なぜきゅうりを食べる猫がいるのでしょうか。

推測ではありますが、あのシャリシャリとした食感を好んで食べているのかもしれません。

いくら猫がきゅうりを気に入っていたとしても、主食として与えることはやめてください。

きゅうり自体にほとんど栄養がないので、そればかり与えていると栄養失調になってしまうことも。

きゅうりの水分以外にふくまれているカリウムやビタミンも、主食としているキャットフードに必要な量だけふくまれています。

おやつに一切れ程度なら問題ありませんが、栄養面を考えたときにきゅうりを与えるメリットはありません。

良質なタンパク質をたっぷり含んだフードこそ、猫ちゃんが健康に暮らす秘訣です。

猫へのきゅうりの与え方。とげとげに注意して

きゅうりはそのほとんどが水分ですが、お腹を壊してしまうこともあるので与えすぎには注意してください。

また、きゅうりのとげの部分に雑菌がついていることがあります。

必ず水洗いをして、ピューラーなどでとげを取り除いてから与えましょう。

万が一きゅうりのとげが口に刺さってしまった場合、麻酔でとらなくてはいけなくなるかもしれません。

口のなかを怪我することでごはんが食べられなくなるだけでなく、何かを食べるということ自体にトラウマが残り、怪我が治ってもごはんを食べなくなってしまうケースも。

一本まるごと与えるのではなく、必ず食べやすい大きさにカットしてからあげてください。

注意!腎臓に疾患のある猫ちゃんはきゅうりを食べないで

きゅうりは水分以外に

  • βカロテン(ビタミンA)
  • ビタミンC
  • ビタミンK
  • カリウム

などの栄養素がふくまれています。先ほどご説明したように、猫ちゃんに害のある成分はふくまれていないのですが、腎臓病の猫ちゃんには注意が必要です。

腎臓の働きは大きくわけて

  • 老廃物の除去
  • 尿の生成
  • ホルモンの分泌

この3つです。

腎臓病とは腎臓がうまく働かくなくなった結果、身体の中の老廃物をろ過しきれず 血中に毒素が残ってしまうことを指します。

腎臓病になると、

  • 食欲不振
  • 多飲多尿
  • 貧血

などの症状が見られ、猫ちゃんにとっても飼い主さんにとってもつらい病気です。

このきゅうりにふくまれているカリウムという成分は、ナトリウム(塩分)を排泄してくれる役割があります。

塩分を身体から出してくれるので、むくみの改善に役立ちますが、猫はむくむことがないので特に必要ありません。

このカリウムは腎臓で排出される仕組みになっているのですが、腎臓病の猫ちゃんは腎機能が低下しているので、うまくカリウムを排出することができず体内に残ってしまうのです。

きゅうりを大量にたべることで多量に摂取したカリウムが腎臓で処理しきれず、体外に排出できなくなった結果、血液の中にカリウムがいつまでも残ります。

血液中にカリウムが多量に残ってしまうと、高カリウム血症という疾患を引き起こすことも。

高カリウム血症は不整脈をおこし、心臓の機能が低下して死んでしまうこともある恐ろしい病気です。

腎臓病の猫ちゃんにきゅうりを与えないように注意しましょう。

健康な猫ちゃんでも、あまりにも大量に食べさせると高カリウム血症を引き起こす可能性があります。一切れ程度にとどめましょう。

絶対にやめて!きゅうりを使って猫をおどろかせる遊び

少し前ですが、こっそりと猫のうしろにきゅうりを置き、気づいて飛び上がる猫ちゃんを撮影する動画が一部で流行っていたようです。

なぜこんなに猫ちゃんがおどろくかはわかりませんが、一説によればきゅうりがへびに見えているのかもしれないといわれています。

野生のころ樹の上に隠れて狩りをする猫にとって、細い樹にも登ってきてしまうへびは天敵でした。

真相はわかりませんが、猫は安全な場所でしか食事をとらない習性があります。

食べているときの無防備な精神状態で、安全な場所でごはんを食べているはずが、振り向くと突然知らないものがあらわれたことにびっくりしているのかもしれません。

猫は興奮したりおどろくことで心拍数があがり、そのまま心臓が止まって死んでしまうこともあります。

窓の外を知らない猫が通っただけでも体調を壊してしまうほど繊細な猫ちゃんは、ストレスにも非常に弱く、ましてや安全であるはずの我が家に得体の知れないものがいることに対するストレスは計り知れません。

なぜこのような悪趣味な動画が流行ってしまったのかはわかりませんが、ストレスはさまざまな疾患を引き起こします。

このようないたずらは猫ちゃんから飼い主さんへの信頼もなくしてしまうので、いくら反応がかわいかったとしても生き物で遊ばないようにしましょう。

基本的に、猫ちゃんには猫ちゃんの食べ物を

猫には

  • ネギ
  • 玉ねぎ
  • チョコレート
  • 牛乳

など、私たちが食べても平気でも、猫には与えると危険な食べ物があります。

また、人間用に加工されているものは塩分や添加物が多く、小さな猫の身体では過剰摂取になってしまいます。

人間の食べ物を与えることは基本的にNGだと覚えてください。

健康な猫ちゃんにきゅうりを食べさせても害があるわけではありませんが、一切れ程度にして大量に与えないようにしましょう。

「野菜を摂ることが健康にも良いのでは」と考える飼い主さんもいるかもしれませんが、総合栄養食であるキャットフードを適量食べていれば、健康に問題は起こりません。

もちろん、キャットフードにもさまざまな種類のものがあるので、質の良いタンパク質をふくんだ添加物の少ないプレミアムフードを与えてください。

長く健康に暮らしてもらうためにも、愛猫の毎日の食生活に気をつけましょう。

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