飼っている猫とどのようにコミュニケーションをとっていますか?飼い主からのアプローチとしては、話しかける、一緒に遊ぶ、などのコミュニケーション、撫でるなどのスキンシップなどがあると思います。
では、猫からのアプローチはきちんとキャッチできていますか?
猫同士でのコミュニケーションと人間同士のそれとでは、それぞれのしぐさとその受け取り方が違ってきます。
例えば、視線についてです。人間同士で目を合わせる時は、その人とコミュニケーションをとろうとしている、その人の話を聞こうとしている、という意味があります。
しかし猫にとってじっと目を合わせるということは、「威嚇している」「警戒している」サインなのです。
そして、猫と目があった時にゆっくりとまばたきをする、何度もする、このしぐさにはまた意外な理由があります。
今回は、猫の視線、まばたきにはどのような意味や理由が含まれているのかをご紹介していきます。
猫のまばたき=信頼のしるし
猫は相手に好きな気持ちを伝えるために、実は様々な方法をもっています。今回のテーマである「まばたき」に関してもその一つです。
猫がゆっくりとまばたきをするのは、飼い主のことが好きで、信頼しているという気持ちの現れです。
相手に対して敵意をもっている時、または信頼できない相手が目のまえにいる時は相手をよく見ていなければならないため、まばたきをすることはありません。
次の項目で述べますが、猫同士で相対したときに、相手を警戒している時はお互いにじっと見つめあいます。そのまま喧嘩に発展することもあります。緊張状態なので、目をそらしたりまばたきをしている場合ではありません。
逆に考えると「ゆっくりまばたきをする」という行為は「あなたは敵だと思っていませんよ」という意思の現れなのです。
猫同士の意思疎通、コミュニケーションの方法
猫同士でコミュニケーションをとる場合は、「にゃあ」となくことはあまりありません。あるとしたら相手を威嚇するときなどです。
その代わり、しっぽや視線でコミュニケーションをとります。
しっぽの動きでも気持ちが分かる
しっぽを左右に大きく、ぶんぶんと振っている時はイライラしている、居心地が悪い、という時です。
ゆっくりと動かしている時はリラックスしている、嬉しい、という時です。
しっぽを立ててピーンと立てている時は相手に甘えている、構ってほしい時です。
このように、しっぽ一つとっても表情豊かに猫の気持ちを語ってくれるのです。
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視線について
お互いをじーっと見つめ合うときは、互いに緊張している、相手に対して警戒心を抱いている時です。
猫がまばたきをするときは先に述べたように、相手のことが好き、信頼しているということを示す「愛情表現」といえます。
ただし、両目ではなく片目をつぶるしぐさを何度もする場合、そちらの目の方に違和感や不調があるのかもしれません。何度も繰り返す場合は病院に相談するようにしてください。
▼繰り返すまばたきには注意しましょう
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猫がまばたきをしていたら、人間も返す
猫と目が合った時にまばたきをしていたら、こちらもゆっくりとまばたきを返しましょう。
また、ふとした時に猫と目があった時も、こちらからまばたきをすることで、一歩踏み込んで猫とコミュニケーションをとることができます。
「信頼しているよ、好きだよ」という気持ちをこちらから示していくことで、猫の方も警戒心を解いてくれるようになります。
その他、猫が「好き」「信頼してる」を伝える方法
視線やしっぽに関しては先に述べましたが、猫にとっても「好き」を伝える方法があります。その中からいくつかご紹介していきます。
前足でフミフミ
人間のお膝の上に乗ったときなど、前足を交互に踏みしめながら「フミフミ」することがあります。これは子猫が母猫の母乳を飲む際にやるしぐさが残ったものです。乳離れした後もこの感覚だけが残っていて大人の猫でもよく見られるしぐさです。
人間の膝の上だけでなく、クッションや布団の上でもフミフミをするので、やわらかい感触のものを踏んだ時に、本能的に思い出すのでしょう。
このしぐさをする時は、安心している、リラックスしている、甘えたい、などの気持ちの時です。
▼猫のフミフミについて詳しくはこちらをご覧ください
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顔を擦り付けてくる、なめてくる
これも「大好き」のしるしです。猫が顔やおでこをどこかに擦り付けるときは、自分のにおいを付けています。相手に自分のにおいを付けることで「あなたは私のもの♪」と言いたいぐらい、その人のことが好きなのです。
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お腹を見せて横になる
これもよく聞く話なので、ご存知の方も多いかもしれません。お腹側には、消化器官や心臓など大事な臓器が集中しています。敵に見せてしまうと命の危険となることから、少しでも警戒心がある時は行わない行為です。
逆にお腹が見える形で目の前でゴロゴロするときは、完全にリラックスしている、相手を信頼しているということなります。
もちろん、ここに挙げたのはほんの一部です。さらに猫の行動がすべて解明されているわけではなく、まだまだ研究途中の部分も多いです。そんなミステリアスなところが猫の魅力の一つではありますね。
もしかしたら、普段自分の家の猫がさりげなくしているしぐさが、意外な猫の気持ちの表れであることもあるかもしれません。
信頼しているほど、猫の反応は薄くなる
猫は、飼い主への信頼が深くなるほど反応は薄くなります。鳴き声を出したりあからさまに甘えたりしなくても「この人は自分のことを分かってくれている」という信頼があるので、あえてアクションを起こす必要がないからです。
そういうわけなので、反応が薄くても無視しているとかこちらへの愛情が薄くなったということではないのです。
一見反応がないと思っても、鳴き声を出さないだけでしっぽやこちらへの視線で密かに愛情表現をしているかもしれません。
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ちょっとしたしぐさに現れる、猫の気持ち
いかがでしたか。油断していると見落としそうになるようなちょっとした、一瞬のしぐさの中にも、猫の気持ちを雄弁に語っているものがあります。
猫の視線もその一つです。
猫が密かに伝えてくれている「好き」の気持ち。見逃さずに、またこちらの愛情も伝えることができれば相思相愛ですね。
猫とのラブラブな日々を過ごすための参考になれば幸いです。