猫が痩せてきたら要注意。痩せる原因と体型のチェックポイント

猫を抱き上げてみて、「あれ、なんだか軽くなった?」と感じたら要注意です。

仮に愛猫がもともと太っていて、痩せることで標準体重に近づいていっているような場合であっても、痩せるような心当たりもないのに、あるいは急激に痩せていくのは異常です。

猫の体重の推移は、健康を確認する上での重要なバロメーター。大きく変動があった時は、飼い主さんは猫の様子に十分注意しなければなりません。

猫が痩せてきた時の注意点や、痩せているかどうかを確認するチェックポイントなどをご紹介します。

猫が痩せてきたら病気の可能性!まずは病院へ

猫が痩せてきたと感じたら、まず一番に飼い主さんがやるべきなのは動物病院に連れて行くことです。

猫の異変というと、咳やくしゃみ、元気や食欲がない、下痢や便秘といったものをついつい気にしがちです。しかし、実は「痩せてくる」というのも、同じように病気の症状のひとつである場合があります。

もちろん、健康であっても痩せてしまう場合もありますが、素人目には病気で痩せているのかそうでないのかといった区別はつきません。

猫が痩せてくるような病気の中には、放っておくと命に関わるような重篤な病気も多数存在します。できるだけ早く病院に行き、検査してもらい、早期に治療してもらった方が長く猫と暮らすことができるはずです。

動物病院であれば正確な体重も計ってもらえますし、過去のカルテがあれば以前の体重と比べてみることもできます。「ちょっと忙しいから、後で行こう」などと思わず、とにかく早く受診することが大切です。

猫の体重が1kg減るのは、人間の体重が10kg減るのと同じ

猫の体は非常に小さく、3kg~5kg程度の体重しかありません。人間の体重を50kgとすると、5kgの猫でさえ人間の10分の1しか体重がないのです。

つまり、猫の体重が1kg減るということは、人間の体重が10kg減るのと同じであるといえます。

人間の場合、1、2kgならば誤差といえるでしょうが、10kgの増減となると大変なことですよね。猫も同じで、猫の体重が1kg減るということは深刻な事態です。

特に、ゆっくりと何カ月もかけて落ちて行くのならばともかく、1、2カ月で猫の体重が1kgも減ってしまうのは完全に異常ですので、十分に気をつけてあげて下さい。

猫はもともとの体重が少ないため、飼い主さんが抱っこしても100g、200gの違いに気がつくことは難しくなります。また、毎日抱っこしていると、徐々に落ちて行く体重変化に気がつきにくくなってしまいます。

そのため、抱っこして飼い主さんが「なんだか軽いな」と気がつく頃には、もうだいぶ体重が落ちてしまっている可能性が高いのです。

猫の体重は100g、200g単位での管理がとても大切です。日頃から抱っこするだけでなく、実際に正確な猫の体重を積極的に計って、変化を記録しておくことで、いざという時慌てずに済むでしょう。

猫が痩せてくる理由と、原因ごとの対処法

愛猫が目に見えて痩せてきてしまった場合、飼い主さんとしては原因が気になりますよね。実は、病気で痩せることもあれば、意外な原因で猫が痩せてきてしまうこともあります。

猫が痩せる原因を、大きく分けると以下の3パターンに分類されます。

病気で痩せてくる場合
病気で食欲が落ち、痩せてきてしまう場合があります。症状のひとつとして食欲不振が現れる病気は非常にたくさんありますので、痩せてくるだけでどの病気だと判断することはできません。まずは病院で検査してもらいましょう。
食べているのに痩せる場合
ごはんをしっかり食べているにも関わらず、痩せてきてしまうという場合も実は病気の疑いが濃厚です。病気により、摂取したはずのカロリーが上手く使われないため、食べていても猫が痩せてきてしまいます。
健康なのに痩せてくる場合
特に病気ではなくとも、痩せてきてしまう場合があります。当然ながら、「摂取カロリー<消費カロリー」になれば単純に痩せてきてしまいます。

何らかの原因で猫が必要量のフードを食べることができなかった場合、猫の体重は徐々に落ちて行ってしまうでしょう。

このように、単純に「痩せてくる」といっても、何故痩せるのかの原因は様々です。

そのため、「痩せてきた気がするけど、ちゃんとごはんを食べてるし、気のせいかな?」とか、「季節の変わり目だし、猫の食欲が落ちているみたい。放っておけばいつか治るかな?」なんて楽観視するのはよくありません。

病院に行くのと併せて、痩せてくる他に何らかの症状があるか、普段と違う行動をしていないかどうかもよく観察しておきましょう。

では、実際に猫が痩せてきてしまう原因には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。主な原因や注意点、対処法をご紹介します。

糖尿病などの病気

見た目にもわかるほどはっきりと痩せてきてしまっている場合、あるいは1カ月で数百グラム以上もの体重変動がある場合はまず病気を疑うべきです。

病気で食欲が落ちて痩せていくこともあれば、体の中で異常が起こり、上手く栄養を取り込むことができずに痩せていく場合もあります。

猫が痩せてくるような症状が見られる病気のうち、代表的なものは糖尿病や甲状腺機能亢進症です。

糖尿病は体の中で糖を栄養として吸収できなくなり、代わりに体の脂肪を分解して栄養にかえていくため、猫が次第に痩せていきます。

甲状腺機能亢進症では、ホルモンバランスが崩れることによって代謝が上がってしまい、食べても痩せてきてしまう症状が現れます。

いずれも放っておけば命に関わる病気です。早期治療であればだいぶお世話が楽になるので、必ず病院へ行きましょう。

癌もまた、猫が痩せてくる病気のひとつです。癌細胞が炭水化物やたんぱく質といった、猫の栄養を奪って増殖していくため、猫の体に充分に栄養が行き渡らず痩せていく原因となります。

癌は早期治療がとにかく重要です。早期治療をすれば治る癌もありますし、丁寧なケアをして癌を抱えつつ何年も生きるケースも多くあります。しかし、放っておけばある日突然倒れ、文字通り致命的な事態になってしまうこともあります。

癌かどうかは素人の目ではわかりません。まずは動物病院で検査を受けましょう。また、癌の場合は癌細胞が好む成分が極力入っていない成分のフードを与えることも、猫が痩せていくのを止めるためには重要です。

口内炎や歯周病

口の中に傷や炎症があり、痛くて食べたくても食べられず、痩せていく場合があります。「下痢や便秘もない、遊ぶ元気もあるのに何故か食べない……」という場合は口の中もしっかりと確認しましょう。

もし、猫が嫌がってしまい、奥の方まで見ることができないという場合は獣医さんに見てもらった方が確実です。

特に歯周病は3歳以上の猫の8割がかかっていると言われるほどありふれた病気で、進行すると大規模な手術が必要になることもあります。普段から歯磨きや、歯磨きの代わりになるものを用意してケアしてあげると、年齢を重ねてからも安心です。

寄生虫

回虫や条虫といった内部寄生虫も猫が痩せてくる原因となります。これらの寄生虫は猫の体内で猫の栄養を奪いながら孵化、成長するのが特徴です。

寄生虫は猫の体の中で増えていくこともあり、寄生数が多くなるととられる栄養も多くなり猫が次第に痩せていきます。便の中に寄生虫が見えないかどうか確認してみましょう。

特に外歩きをする猫なら、動物病院で検便してもらうのもおすすめです。寄生虫の場合、自然治癒は難しく、駆除には専用の駆除薬が必要となります。

市販のものより動物病院で処方される薬の方が効果が高いので、動物病院で駆除薬を処方してもらいましょう。

運動のしすぎ

単純に、消費カロリーに摂取カロリーが追いつかないと、当然ながら痩せてきてしまいます。あまりあることではありませんが、運動のしすぎなどでカロリーが足りないという可能性もあります。

猫は短期決戦の生き物であり、犬のように持久力には長けていません。そのため、摂取カロリーで賄いきれないほどの運動量になることはほとんどありません。

しかし、もしも飼い主さんや他の猫と1日に何時間も遊んでいるというような場合は運動のしすぎにも気をつけてみましょう。

カロリー不足

去勢・避妊手術をした後の猫、あるいは室内飼いの猫向けのフードは、普通のフードに比べてカロリーが抑えられています。そのため、小食な猫に与えるとまれにカロリー不足で痩せてきてしまうことがあります。

突然食欲が落ちたという場合は病気を疑うべきですが、もしも元からあまり食べない方であればカロリー不足かもしれません。

フードによってカロリーはかなりバラつきがありますので、同じ量でもより多くのカロリーがとれるフードを探して与えるのがよいでしょう。

また、多頭飼いで他の猫にフードをとられてしまい、必要量を摂取できていない場合もあります。多頭飼いの場合はきちんと食べられているかよく観察してみて下さい。

老化

高齢になると、若いころよりは食が細くなり、徐々に痩せてきてしまうことが多くなります。しかし、高齢である以上、若いころより病気にかかる確率が高いことを忘れてはいけません。

「痩せてきたけど、もう年だからしかたないよね」と病気の兆候を見逃してしまうことがないように、充分に気をつけて下さい。

病院に行くのが遅れることで、治療が限られてしまうこともよくあります。また、ある日を境に突然悪化することもあります。

愛猫に長生きしてもらうためにも、少しでも痩せてきた気がすると思ったならば健康診断を欠かさないようにし、仮に病気であっても早期治療を受けられるようにしておきましょう。

食欲不振

なんらかの原因で食欲が落ちてしまい、1日の必要カロリーに足りていないという可能性もあります。

食欲不振は病気の症状のひとつとして現れることもありますが、急に食べるものが変わったり、あるいはストレスを感じたりなどでも食欲不振の原因となります。心当たりがないか確認してみましょう。

また、普段暮らしている環境に特に変化がないのに、それでも食欲が落ちているようなら病気の可能性があるので、病院へ行くのが最善です。

毎日チェックしよう!猫が痩せてきたと感じた時の確認方法

「なんだか痩せてきたような気もするけど、気のせいかもしれない」という曖昧な状態だと、飼い主さんも不安になりますよね。

猫が痩せてきたと感じたら、まずは動物病院へ行くことが非常に重要です。しかし、もし仕事の都合などで動物病院に行くまでに時間が経ってしまう場合は、飼い主さん側でも以下のような方法で、猫の体重をチェックしておくとよいでしょう。

体重計

一番確実な方法はやはり体重計です。飼い主さんが猫を抱っこした状態で体重を計り、あとから飼い主さんの体重を引いて猫の体重を調べるのが簡単な方法です。

あるいは、ペット用の体重計を購入するのもよいでしょう。そのまま載ってもらうか、もしくはキャリーバッグや洗濯ネットなどに一時的に入ってもらい体重計に載せて計ります。

家で定期的に体重を計っていれば、本当に愛猫が痩せてしまったのかどうかすぐにわかるはずです。

だいたいの飼い主さんは年に1回の予防接種の時、動物病院で体重を計ってもらうかと思います。

しかし、病気の猫の場合、体重が1カ月に数百グラム~1キロという単位で激減してしまうことがあるので、1年に1回の病院での検査だけでは不十分です。1カ月に1回程度でもよいので、定期的に自宅で猫の体重を計っておきましょう。

肋骨付近を触る

健康な、痩せても太ってもいない猫は、上から肋骨付近を触るとわずかに肋骨の感触がわかる程度の肉付きをしています。

もし、触ってみて明らかにごつごつとした肋骨の感触がわかってしまう場合は、痩せすぎの可能性を疑った方がよいでしょう。ちなみに、上から触ってみても肋骨がどこにあるのか全くわからないほど肉が分厚い場合は太りすぎです。

猫を抱き上げる時など、日頃からさりげなく触って確かめておくと、いざという時にすぐにわかります。 また、特に長毛種の猫だと、毛のせいで体型がわかりにくいため、肋骨付近を触ることを習慣にしておくのはとても大切です。

くびれを確認する

もうひとつ、痩せ具合を見ておくポイントはくびれです。4つ足で立っている状態の猫を真上から見下ろして、腰のあたりにどれくらいくびれがあるかをよく確認しましょう。

健康な猫はわずかに腰がへこむ程度です。太っていると全くくびれがわかりません。一方で、痩せているとくびれがはっきりとわかるようになります。その他にも、体全体の薄さが顕著になるでしょう。

こちらも日頃からよく見て、健康な状態を確認しておくことが大切です。

毛艶も見ておこう

不健康な痩せ方をしている場合、いつもよりも毛艶が悪くなっていることも多くなります。

  • 毛がボサボサしている
  • 艶がない
  • いつもと手触りが違う

というようなことがないかもチェックしておきましょう。また、ニオイなどがないかどうかも確認しておくとよいでしょう。

猫は普段、自分の全身を綺麗に舐めて無臭の清潔な状態を保っています。しかし、病気になると手入れの頻度が減り、毛並みが悪くなったり、トイレなどのニオイがとれなくなったりしてしまうのです。

日頃からスキンシップを欠かさず、正常な状態と併せてよく見ておきましょう。

▼肥満のチェックに使われる、身体を触ったり、体型を見ることで分かるボディ・コンディション・スコア(BCS)と呼ばれる方法でも見てみてくださいね。
猫の肥満の目安とは?体重とBCSでチェックしてみよう!

猫が痩せてきたら注意。まずは必ず病院へ行こう!

特に普段の生活を変えていないのに、猫が目に見えて痩せてきたという時は、まずは必ず動物病院を受診しましょう。健康な猫は、急に体重が減るようなことはありません。

目で見てわかるほど、あるいは抱き上げて違和感を感じるほど軽くなっているというのは異常な状態です。

体重が減るような病気には、糖尿病や癌など重篤なものも多くあります。「元気はあるし、ごはんも食べているから大丈夫だろう」なんて軽く見ていると、あとで大変なことになりかねません。

猫の体力があるうちに病院へ行き、早期治療に努めることで、愛猫の健康を守ることができるでしょう。

また、少しでも早く気がつけるよう、日頃から猫の体重を計ったり、積極的に抱っこしたり、肋骨付近を触って確認するくせをつけておきましょう。猫は言葉が話せませんから、飼い主さんがしっかりと体重管理してあげることが大切です。

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