猫は、人間のように笑ったり泣いたりしません。犬と比べても、その表情筋の数は少なく、無表情に見えるかもしれません。
でもその代わり、猫はしっぽに表情がありますよね。ピンと立てたり、だらんと下げたり、パタパタ振ったり。これには、全部意味があるのです。
つんとすましているように見えても、本音がしっぽに現れるなんて、かわいいですよね。猫がどんな気持ちのときにどんな風にしっぽを動かすかを知っていれば、猫ともっと仲良くなりますよ。
しっぽパタパタは、こんな気持ちの表れ
しっぽの動かし具合で、猫の気持ちを読み取ることができます。
抱っこされてパタパタ
抱っこされているときに、しっぽを速くパタパタと動かすときは、抱っこを嫌がっています。解放したほうが良さそう。しっぽをゆっくり動かすときは、のんびりした気持ちでうれしい気持ちの表れです。
おなかを上にして抱いたときに、しっぽをおなかにぴったりくっつけていたら、怖がっている証拠です。リラックスしている場合は、しっぽは垂れ下がります。
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速く大きくパタパタ
しっぽを左右に速く大きくパタパタ振るときは、イライラしていたり、怒ったりしています。人間の貧乏ゆすりみたいなものです。ご機嫌ななめなので、構わずにそっとしておきましょう。
しっぽの真ん中あたりから先のほうだけゆっくり動かすときは、機嫌悪くはないけど、あまり構われたくないということです。
たてにゆっくりパタパタ
座った状態でしっぽを縦にゆっくり振るときは、これから何をしようかと次の行動を考えているということです。
寝ているときに小さく動かす
猫が寝ているときに名前を呼ぶと、しっぽの先だけ小さく動かすことがあります。これは「はあい」という返事代わりですが、「聞こえているけど動きたくない」ということです。
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大きくゆっくり振る
立った状態で、しっぽを左右に大きくゆっくり振るのは、見慣れないものを見つけたときによくみられるしぐさです。興味津々で、やや興奮状態。
小刻みに動かす
しっぽの先に力が入って小刻みに動くのは、何か興味をひかれたものに集中していたり、狙ったりしているときです。
子猫をあやす
母猫は、しっぽをパタパタ振って子猫をあやします。振り方を見ていると、猫じゃらしをつかって猫を遊ばせるときの参考になります。血がつながってなくても、面倒見のいい先住猫が、新参者の子猫をあやすこともあります。
ゴロゴロいいながらパタパタ
猫をなでると、喉をゴロゴロ鳴らしながらしっぽを振ることがあります。これは、母猫になめてもらった経験を思い出してリラックスしている状態です。
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パタパタ以外のさまざまなしっぽの動き
しっぽは、パタパタ振る以外にも、いろんな表情を見せてくれます。
しっぽをピンと立てる
相手に対して好意を示しています。もともとは、子猫が親猫に近づくときに見られる行動です。仲の良い猫どうしでは、しっぽを立てた猫が近づいてくると、それを受けてしっぽを立てて返事をします。
これは、しっぽを立てておしりのにおいを嗅ぎやすくすることで相手に敵意がないことを示すものです。また、母親におしりをきれいにしてもらう子猫時代の名残りでもあります。
▼ピンと立ったしっぽがビクビクッとする場合には…
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しっぽを立てたまま軽い足取りで近づいてきてすりすりするときは、うれしいとき、おねだりしたいとき、甘えたいときのサイン。ごはんがほしい、なでてほしい、遊んでほしいなどと言っています。
しっぽの毛を逆立てて太くする
威嚇している状態で、「たぬきしっぽ」とも言います。しっぽを膨らませて自分を大きく見せようとしています。このような猫に出会ったら、強気になっているので、近づいたら危険です。
しっぽを山形にする
しっぽを持ち上げるように山形にするのは、ギクッと驚いたり、攻撃態勢になったりしたときです。
しっぽを脚の間に巻き込む
しっぽを脚の間に挟んだり、体にぴったり巻き付けたりしているときは、恐怖を感じて萎縮しています。自分より強いオスと対面したときにこの状態になると、降参を意味します。
雷などの大きな音に驚いているときも、このようになります。つまり、弱気になっている状態で、しっぽを山形にするときと反対です。
しっぽを前脚に巻き付ける
安心しています。座った状態でしっぽを巻き付けるとすぐには動けないことから、しばらくゆっくりしようという意思があることがわかります。
しっぽをだらんと下げている
叱られてしょんぼりしているときの他、体の具合が悪いときにもしっぽが下がります。元気がない場合には、気をつけましょう。
▼猫が元気がない場合に考えられる疾患については、こちらをご覧ください
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感情を表すだけじゃない。しっぽの秘密
よく動く猫のしっぽ。その構造と役割について説明します。
しっぽの構造
猫のしっぽは、尾椎という骨が連なり、その周りを筋肉が覆っています。尾椎の数は20~24個ぐらいで、しっぽの長さは20~30cmぐらいが標準ですが、猫によって異なります。
筋肉は、しっぽを前後左右に動かすためのものが4種類、細かい動きをするときのためのものが8種類あります。
しっぽの役割
猫にとってのしっぽの役割とは、
- 微妙な動きでバランスをとる
- 丸くなったときに体を温める
- こすりつけてマーキングに使う
- さまざまな動きで感情表現する
などがあります。
▼猫のしっぽの種類や機能については、こちらをご覧ください
【雑学】猫のしっぽのヒミツ。しっぽの短い猫は化け猫対策!?
気持ちが動くとしっぽも動いてしまう
顔の表情からはわからなくても、ついしっぽに感情が出てしまう猫は、やっぱり憎めない存在ですよね。しっぽを観察して、今は甘えモードなのか放っておいたほうがいいのか判断して、猫とのつきあいを楽しみましょう。
みんなのコメント
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キーボードの猫にはだいぶ私も困り果ててます
キーボードカバーもつけてますが決まって乗せ忘れの時に登場です 何回もデーターが破壊されたことが有ります
重要書類作成などは猫を完全にブロックしないと仕事になりません
キーボードカバーの上に乗って画面が見えない時は外部モニターを使う方法を同僚はしてるそうですが面倒ですねーー