猫を飼っている人の多くは、うっかり食べてはいけないものを食べてしまった、飲み込んでしまった、などでヒヤリとした経験がおありかと思います。
人間が生活するのに必要なもの、各ご家庭に当たり前にあるものでも、うっかり口にしてしまうと危険なものも多く含まれています。
洗濯洗剤、食器用洗剤などさまざまな洗剤もその中の一つでしょう。
今回は、猫が洗剤をなめてしまう状況、どのようなことが考えられるのか、万が一なめてしまった時の対処法、普段から気を付けておくべきことなどについて考えていきましょう。
猫の身体にとって危険なのは界面活性剤
洗剤に含まれる物質の中で最も危険なのは「界面活性剤」という物質です。一定量摂取すると消化管粘膜を破壊することが多く、中毒症状を起こします。
具体的な症状としては嘔吐・下痢などが現れます。
それ以外にも洗剤には香料などさまざまな化学物質が含まれていることが多いですよね。これらは本来口に入れるべきものではないので少量でも注意は必要です。
グルーミングで意図せず体内に取り込んでしまう
猫は、自分が食べるものは安全なものか、においや味で直感的に判断します。なので洗剤を積極的に、たくさん飲んだり食べたり、ということはそれほど多くないはずです。
意外と多いのは、洗剤がこぼれたり付着しているところを歩いた後、グルーミングで自分の足の裏や毛などをなめた結果、洗剤も口に入れてしまうという状況です。
猫が洗剤をなめてしまった時の対処方法
まずは冷静になって、猫の様子を見てみましょう。動物病院が開いている時間であれば電話で相談するのがベストです。
ごく少量であれば様子を見る
なめてしまったのがほんのひとなめである場合、まずは様子を見てみてください。水を飲ませて洗剤の成分を薄めるのも有効です。
中毒症状が現れるとしたら1時間から数時間後ぐらいだと言われていますのでその間は注意して様子を見ましょう。
急を要する場合は、最終手段として吐かせる処置を
一定量以上をなめてしまったことが明らかで動物病院につれていくのも難しい場合は、自宅で吐かせるという処置をとるという方法もあります。有効なのは摂取してから1時間以内となりますので、それ以上の時間が経っている場合は避けてください。
ティースプーン1杯ぐらいの食塩をそのまま、または少量の水で溶いて飲ませる、というのがもっともご家庭でやりやすい方法だと思われます。
塩分は体が受け付けないため、吐き気をもよおすことがあります。
また、オキシドールを3~4mlスポイトで飲ませるという方法があります。胃の中で酸素の泡が発生し膨満し気持ち悪くなって吐くことがあります。
これらの方法を試して、15分ほど待っても吐かない場合はもう一度同じ方法を繰り返します。
ただ、この方法をしたからといって必ず吐くという保証もありません。また、猫の体に負担もかかりますしリスクもあります。
あくまでも他の方法が無い時の最後の手段として捉えてください。
洗剤をなめさせないために気をつけておくこと
もちろん、なめたら危険なものは放置しないのが基本です。洗剤は扉のついた棚にしまいましょう。開閉が小さな力で簡単にできてしまう扉だと、賢い猫は開けてしまいます。
まさかは思いますが、前足で小刻みに押してその反動でできた隙間に前足を入れ、開ける、という方法でいつの間にか扉を開けてしまうことがあります。
対策としては、地震などで扉が開いてしまうのを防止するストッパーを取り付けるという方法がありますので試してみてください。
洗剤類を高いところに置くという手もありますが、それだけで安心してはいけません。猫は高いところはお得意。家具や家電、いろいろなものを足場にして結構高いところまで上れてしまいます。
やはり扉のついた棚や蓋のついた箱に入れるなど、簡単に取り出せないところに収納するのが無難です。
また、お風呂掃除中はドアは閉めておいて、猫が侵入しないように注意しましょう。万が一猫が入ってきて洗剤が体についてしまった時は洗い流しましょう。
粉の洗濯洗剤は洗濯機に入れる際にうっかりこぼれてしまうことがあります。この上を猫が歩いて、足の裏をなめて・・・という流れて摂取してしまうこともありますので、こぼれてしまったらかならず掃除しておきましょう。
戸棚に粉の洗剤を収納するのはかさばるので、液体洗剤の方が使い勝手が良いかもしれません。しかし液体洗剤によくある濃縮タイプの洗剤は、文字通り濃縮されているため少量なめても危険となるので十分注意してください。
念のため、という気持ちが大事。予防と対処方法を知っておこう
いかがでしたか?洗剤以外にも、摂取すると危険なものはたくさんあります。食べ物ではないからこそ、そして日常的に使うものだからこそ油断しがちです。
危険なものは猫がなめたり食べたりしないところに片づけることを、普段から片づけておき、誤飲、誤嚥を予防しましょう。
また、いざと言う時に指示を仰げるよう、かかりつけの動物病院があると何かと安心です。
予防方法、対処方法を知って常に冷静な判断ができるようにしておきましょう。