子猫のうちにしておきたいしつけの方法。ダメな事を覚えてもらうには

現在、日本で飼われているペットは、長らく1位だった犬を抜いて猫が1位だそうです。犬は「お手」「待て」「伏せ」を練習するなど「しつけ」をするイメージが強いですが、猫を飼っている人からはあまりそのような話を聞きません。

でも、トイレを覚えてもらったり、いろんなものを引っかいたり噛んだりしないように、しつけをした方がよいのだろうか?と考える方も多いと思います。

今回は、猫にはしつけができるのか、子猫のうちにしておいた方が良いことはあるのか、などについてご紹介いたします。

基本的に、人間の子供や犬と同じように猫にしつけはできない

いきなり結論から言ってしまいましたが、猫は人間の子供や犬と同じようにしつけをすることは難しいです。

ではまずしつけとは何か、ということから考えていきたいと思います。

しつけは、まだ社会生活の経験の乏しい子供に、生活上または社会通念上必要なこと、またはやってはいけないことを伝えることです。

つまりはその後成長していくうえで必要なことを覚えてもらう、正しくできたらほめる、良くないことをしたらしかる、ということになります。

しかし猫には人間の社会に合わせるという意識も必要もありませんので、いわゆる「しつけ」とは違います。また、人間の言葉も通じないので、言葉で説明したところで分かるわけではありません。

猫は「悪いことをしたから怒られた、反省しよう」とは思いません。例えば爪を壁で研いでいるのを「怒鳴る、叩く」などでやめさせたとします。一時的にやめてくれるかもしれないし、何度か繰り返しているうちにやらなくなるかもしれません。

しかし、猫側のとらえ方としては「これはいけないことなんだ」と思うのではなく「嫌な思いをした。嫌だからもうやめよう」となります。しかし、意図的に怖い思いをさせてしまうと人間との信頼関係も崩れてしまうリスクがあります。

さらに猫としては本能的にやったことが理不尽にシャットアウトされ、ストレスになってしまいます。これはしつけと言うよりは力でねじ伏せているという構図に近いです。

母猫に育てられる場合、子猫は生きるのに必要なこと、やってはいけないことは母猫から学びます。猫同士のコミュニケーションでやりとりしています、人間は(今のところ)猫と話ができないので、言葉で叱る、怒鳴る、叩く以外のやり方で伝える必要があります。

しつけはできない、と言うより必要がない

多くの飼い主さんはもうご存知のことと思いますが、猫は賢い動物です。

ご飯を食べる、トイレをする、水を飲むなど、人間がやるのを見せてあげることができないのですが、だいたいの猫は自分で習得してできるようになります。

生きていくのに、または人間と一緒に暮らすうえでこれだけは覚えてもらいたい、とうことは自分で学んでもらうために、次の3つのことはやっておきましょう。

トイレのこと

トイレは、特に人間が教えなくても自分でできるようになります。猫は生まれつきの習性として、土や砂などの掘ったり埋めたりできる素材の上で、ある程度の広さ(自分の体がすっぽり入る程度の大きさ)があるところで排泄します。

子猫の生活する範囲の中でそのような場所を確保してあげると、自然とその場所を覚えて毎回そこでトイレをするようになります。

近くにプランターや観葉植物の植木鉢など土が入ったものがあるとそこをトイレと勘違いしてしまうことがあります。近くには置かないようにしましょう。

爪とぎのこと

猫の大事な習性として爪とぎがあります。爪が引っかかるザラザラした素材のものを探して爪とぎをします。なので壁やソファなどの家具、畳などで爪とぎをしてしまうことがあります。

まずは、市販の猫の爪とぎを購入してそちらを使ってもらうのが得策です。使い始めの時にまたたびを少量巻いておくと喜んですりすりし、結果爪とぎをそこでしてくれることもあります。

あとは、家具などカバーで覆えるものは覆って露出しないように対応するという方法もあります。

おもちゃで遊ぶこと

子猫のうちは、じゃれあいで人間の足や手を噛むことも多いです。歯が生えたばかりで柔らかいうちはついつい許してしまいがちです。しかし小さいころから人間を噛んで遊ぶ習慣をつけてしまうと大人になってからも噛もうとしてしまいます。

できるだけ、人間を噛むという行為はさせないように、おもちゃなどで遊ぶ癖をつけてもらいましょう

やってはいけないことを覚えてもらう唯一の方法

脱走防止のため玄関に行かないようにする、家具などで爪とぎをする、人間にかみつく、人間の食べ物を食べる、など、さまざまな理由でやってほしくないことはたくさんあると思います。

しかし、先述の通り叩いたり怒鳴ったり、ということはあまり意味がないうえにストレスになってしまします。

基本的にはやってほしくないことをしつけで教えるのではなく、させない、またはできないようにする、という考えでやってください。

どうしても「やらない」ことを覚えてほしい時は「これをやった後には嫌なことがある」ということを意識に根付かせる必要があります。

最も簡単でリスクも少ないのが「霧吹きで水をかける」と言う方法です。猫は体が濡れるのを極端に嫌うので、「やってほしくないこと」をやった瞬間にシュッと人付記すると、大体の場合は嫌がって逃げていきます。

ただし、時間を置いた後では効果がないのでその行為をしたその時にやる、というのが鉄則です。

霧吹きも頻繁にやられたのでは効果がないうえにストレスになるので、どうしてもというときの方法として使ってください。

逆に、正しい方法でできた、良いことをしたときは撫でたり優しく声をかけるなど、褒めてあげるようにしてください。「この行為をした後は良いことがあった」と思うとその習慣はやっても良いこととして習慣になります。

猫は、やっぱり賢い動物

猫は、トイレや爪とぎなど、生きていくのに必要なことは自分で自然とやるようになります。

人間と一緒に暮らすうえで「間違った方法で覚えない」ように心がけることさえできれば、こちらが時間をかけてしつけをする必要はありません。

「これをやったら嫌なことが怒る」「これをやったらほめられる」というのも分かるので、最低限やってはいけないことは霧吹きで対応、それ以外の時はなでたり遊んだりとたっぷり関わってあげる、と言うことも必要です。

猫の習性や賢さをよく理解して、子猫の時期を大事に、一緒に過ごしていきましょう。

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