猫が頻繁におしりをなめる理由。考えられる4つの病気

猫は綺麗好きで体中を毎日グルーミングします。もちろんおしりをなめるのも忘れませんが、おしりをなめる頻度がやけに多いと感じているなら注意が必要です。おしりをあまりにも熱心になめるのは、病気のサインかもしれません。

今回は猫がおしりをなめる理由とおしりを頻繁になめる時に考えられる病気をご紹介します。おしりをなめるのと同時に下痢を伴っている時の対処法にも触れますので、愛猫のおしりをなめる行為に違和感を覚えている方はぜひ参考にして下さい。


猫がおしりをなめる理由

猫はおしりに限らず、自分の舌が届く範囲は自分でなめるグルーミングをすることで綺麗に保つとっても綺麗好きな動物です。そのため日常的なグルーミングの流れとしておしりをなめるのは、一般的にみられる行動なので心配はありません。

問題なのはおしりを頻繁に気にして、おしりのみを執拗になめる場合です。この場合は肛門付近に何らかの異常がある可能性が考えられます。

猫のおしりは飼い主から見えにくく、気づきにくい箇所であるのと同時に普段からしっかり愛猫をみていないとおしりをなめる回数や時間が普段より多いのか、わかりにくい場所でもあります。

愛猫がおしりをなめる回数がいつもより多いような気がするが自信がないという場合は、まずは目視でおしりを確認するのと同時に猫の便に異常がないか確かめましょう。

猫がおしりをなめる時に考えられる病気

猫がおしりを頻繁になめる時にはどのような病気が考えられるのでしょうか?おしりをなめるのと同時に見られるそれぞれの病気の症状もご紹介しますので、おしりを頻繁になめる愛猫の姿に違和感を覚えたら一度確かめましょう。

肛門嚢炎

肛門嚢炎とは、肛門の脇にある肛門嚢というマーキングをする時に使うニオイの強い分泌物を作る袋が炎症する病気です。

肛門嚢炎になる原因は下痢や汚れでニオイのつよい分泌物を出す穴が塞がってしまったり、穴から細菌が入り込み炎症を引き起こすことが考えられます。

肛門嚢炎の症状はおしりを気にして頻繁になめるようになるほか、炎症によってひどい痛みを感じるため、おしり付近を触られることを極端に嫌がったり、肛門周辺が腫れたりします。

あまりにも長期間放置すると、肛門嚢が破裂し最悪の事態になりかねませんので注意が必要です。

直腸脱

大腸の最後にある直腸が肛門からはみ出してしまう病気で、下痢や便秘などによって頻繁にいきむことが原因で発症します。

直腸脱になった場合、直腸が肛門からはみ出してしまいますので気になって肛門を頻繁になめるようになります。

直腸が肛門から飛び出すため、通常ならすぐに異変に気付けるはずですが、長期間家を空けるタイミングや忙しくて愛猫の様子をあまり見られなくて症状に気付かなかった場合、直腸が壊死して死に至る可能性もあります。

仮に直腸が壊死をしなかったとしても、直腸が肛門からはみ出し外気に長時間触れることで乾燥してしまい損傷する可能性が非常に高いのです。

直腸脱は目で見ればすぐに異変に気付ける病気なので、愛猫がおしりを頻繁になめる場合は肛門付近を確認するようにしましょう。

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条虫症

条虫症とは猫に寄生する条虫という寄生虫に感染することで発症する病気です。条虫に寄生された猫は、下痢や体調不良、食欲不振、体重減少といった症状が見られます。

そんな条虫ですが、小腸に寄生する特性があるため肛門から出てくる場合があります。この肛門から出た条虫の白い紐のような物体が気になっておしりをなめるのです。

こちらも肛門から白い紐のような体が見えるので、肛門を見たらすぐに気付けますがそこで無暗に引っ張ってはいけません。

条虫をむやみに引っ張るのは危険です。条虫を引っ張ると体が途中で切れてしまう可能性があるだけではなく、その白い紐状のものは条虫ではなく誤飲した紐かもしれません。

もし紐だった場合、無理に引っ張ってしまうと腸や肛門付近を傷つけてしまうかもしれません。愛猫の安全を考えるのであれば無理に引っ張らずに獣医による正しい処置をうけるようにしましょう。

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膀胱炎

猫がおしりを頻繁になめていると思っていたが、実はおしりをなめるのではなく陰部を気にしているのかもしれません。

猫の陰部はおしりと近い位置にあるので、猫が陰部を頻繁になめている姿をおしりを頻繁になめているのだと勘違いている愛猫家様は多く実際に診察を受けたら肛門ではなく陰部の病気だったというケースが多発しています。

その中でもっとも多い病気が膀胱炎です。膀胱炎はオス猫に多く痛みが伴うため必要以上におしり付近の陰部をなめるのです。

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さらに猫は尿道がすごく細く詰まりやすい体の構造になっているため、膀胱炎によって作られた膿や血餅により尿道が塞がれ排尿ができなくなったことで急性腎不全に陥ってしまう場合もあります。

急性腎不全はとても致死率が高く、仮に助かったとしても慢性腎不全となり一生治療をしなければならない体になります。

そのような恐ろしい病気にならないためにも、愛猫がおしり付近を頻繁になめるようならば、膀胱炎を疑いましょう。膀胱炎は陰部を頻繁になめるだけではなく、多尿、排尿時に痛みで鳴く、血尿といった症状が見られます。

▼猫の急性腎不全については、こちらをご覧ください
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愛猫がおしり付近を頻繁になめる場合は、これらの症状がみられないか注意深く観察をするようにしましょう。

下痢をしている猫がおしりをなめる時の対処法

猫がおしりをなめる理由は病気以外でも、汚れたおしりを綺麗にするためになめる姿が見られます。

そのため下痢によっておしりが汚れている場合、おしりについた便を綺麗にするために頻繁におしりをなめるようになります。

この習性を利用して多頭飼いでトイレが共有の我が家では、誰が下痢をしたのかわからない場合おしりを頻繁になめる猫を動物病院に連れて行くようにしています。

多頭飼いで下痢をしている猫を連れて行きたいけど、どの愛猫が下痢をしたのかわからない場合はおしりを頻繁になめる猫がいないか注意してみましょう。

話を戻しまして、下痢をしている猫がおしりをなめる姿をみて「排泄物をなめることで体に悪影響はでないのか?」と不安になる愛猫家さんもいらっしゃいますよね?

しかしご安心下さい。猫の胃は酸性度が高く、有害な細菌を死滅させる能力が人間よりも高いのです。

そのため下痢をしている猫が、おしりをなめる場合も健康に害が及ぶことはありません。

ただ感覚的に、下痢で汚れたおしりをなめる行為に嫌だと感じますよね。猫からしても下痢をしているおしりをなめる事で体にいいことは一つもありません。

猫がおしりをなめる時に考えられる病気を始め、猫は様々な体調不良時に下痢が症状として現れます。

愛猫が下痢をしているならば、その症状を軽くみることなく獣医師の診断を仰ぐようにするのと同時に、下痢で汚れたおしりは気付いた時に柔らかいタオルやペット用のウェットティッシュなどで拭いてあげましょう。

▼猫が下痢をしていたら、しばらく様子を見て大丈夫なのか危険なのかの判断をしてください
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猫がおしりをなめる時は体調に気をつけて

猫がおしりを頻繁になめるのは肛門付近の病気のほかにも、下痢によるおしりの汚れを綺麗にするためでもあります。

どの理由だとしても、猫がおしりをなめるのは何かの病気が関係している可能性がとても高いので少しでも愛猫の様子に違和感を覚えたら念のために獣医師に相談するようにしましょう。

愛猫の健康を守れるのは飼い主だけです。一分一秒でも長く、愛猫と幸せに暮らすために日ごろから体調の変化や病気のサインを見逃さないようにしてください。

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