飼い主さんが家を空ける時、やむなく猫ちゃんにお留守番をしてもらわなくてはいけないこともあるでしょう。
その場合、猫ちゃんのお留守番の許容日数はどれくらいでしょうか。
また、飼い主さんは何を準備してあげればよいのでしょうか。
また、お留守番のストレスを軽減するために飼い主さんができることや長期のお出かけの際の預け先など、猫ちゃんのお留守番に関するあれこれをご紹介します。
猫ちゃんはお留守番が得意?
飼い主さんの中には「猫ちゃん1匹だけでお留守番なんて、1日だってかわいそう」と思われる方もいるかもしれませんね。
でも、安心してくださいね。ほとんどの猫ちゃんは、1日程度の外出であれば特に「寂しい」とは感じないようです。
元々、野生の猫は単独で行動し生活していたので、十分な量のフードとお水、清潔なトイレがあれば1匹でもちゃんとお留守番ができます。
1泊2日程度の外出までなら、子猫や持病のある子以外ほとんど問題はありません。
飼い主さんの外出につきあって知らない場所に連れて行かれるよりも、むしろ住み慣れた家にいる方がずっとストレスを感じずに済む場合が多いといえます。
しかし、2泊3日となると、猫ちゃんの性格によってはいろいろと厳しい面もあるようです。
猫ちゃんの性格によるお留守番許容日数の違い
日頃から外出が多い飼い主さんと同居している子や、わりと独立心があって飼い主さんとの距離を保つタイプの猫ちゃんなら、環境さえ整えば2泊3日ほどのお留守番は大丈夫かもしれません。
でも、毎日のほとんどの時間を飼い主さんと過ごしていて、「いつもべったり甘えていたい」タイプの猫ちゃんだとしたら、お留守番を負担に感じてしまうこともあります。
猫ちゃんの性格でこんなに違う!お留守番後のお迎え行動
以前同居していたおデブにゃんこ、ウミの場合、1匹だけでお留守番をしてもらったこと(1泊~2泊)が3,4回はありました。
帰宅すると、フツーにノソッとやってきて、無言で飼い主にスリスリ。(いつもより少しだけ回数多め…笑)。
「あ、帰ったの?おかえりぃ~」くらいの薄~いリアクションです。
それと真逆なのが、現在同居中のコタロウ(マンチカン・5才)です。
コタロウの場合は、いっしょに旅行に連れていったことが1回、お留守番(1泊2日)は1回だけしてもらいました。
帰宅時には、すでにドアの向こうからコタロウの「ミャーミャー」という大きな鳴き声が聞こえている状態。
ドアを開けると、さっそく待ちかねたように飼い主の肩にジャンプ!…と思いきや、なんと、思い切り体当たりして逃げていきました!
やれやれ…(苦笑)
このように同じ1泊2日の外出でも、猫ちゃんによってお迎えの時の反応は大きく異なります。
お留守番で感じるストレスの度合いには、かなりの個体差があるのがわかりますね。
お留守番?きらいだよ~!
ストレスを感じやすい猫ちゃんに、いきなり長期のお留守番をさせるのは避けた方がよいでしょう。
でも、緊急時など、どうしても留守番をしてもらわなくてはいけない場面も考えられますね。
そんな状況に備えて、日頃から分離不安を軽減するための「お留守番トレーニング」をしておくことをおすすめします。
分離不安の猫ちゃんへ、ストレス軽減・お留守番トレーニング
このトレーニングは「猫ちゃんに何かをしてもらう」ものではなく、飼い主さんが実践するものです。
日々の外出の際に、皆さんはどのような行動をとりますか?
上着をはおって片手にバックを持ち、猫ちゃんを抱きあげながら、「行ってくるね!いい子にしてね!」などと話しかける…そんな行動をとっている飼い主さんは多いかもしれません。
そこで、まずはこのような飼い主さんの外出前の行動パターンを乱していきます。
ちょっとしたお出かけの時でも、猫ちゃんが見ている前での外出準備(身じたく等)は避け、声かけやスキンシップもやめて、毎回「なにげなくいなくなる」ようにします。(帰宅時も同様に「なにげなく戻る」ようにします。)
それを繰り返すことで、猫ちゃんは「飼い主さんはいつの間にかいなくなる時もあるけど、ちゃんと帰ってくるからあわてることはないんだ」ということを認識していきます。
我が家のコタロウも分離不安気味なので、最近は外出前後の声掛けや過度のスキンシップは避けるようにしています。
ちゃんと帰ってくるよね?ね?
安全で快適なお留守番のために、しっかり準備をしよう
それではいよいよお留守番準備。猫ちゃんが快適で無事にお留守番できるように環境を整えておきましょう。
- ごはん
- ウェットフードは出かける直前に与えるようにして、お留守番中は傷みにくいドライフード(いつも食べているもの)を用意します。自動給餌器を使えば、1回分ずつ出てくるので便利ですね。(留守中でも決まった時間に適切な量を与えることができます)
- 飲料水
- 固定されているトレイや自動給水器を使うなどして、こぼさないで飲めるようにしておきます。トレイの場合は2~3ヶ所に分けて用意しましょう。
- トイレ
- トイレは清潔にしておきましょう。(汚れたトイレでは排泄を我慢してしまい、膀胱炎になってしまうことも!)汚れてしまった時のために予備のトイレを用意しておくことをおすすめします。
- 危険物、いたずら防止の確認
- 事故などのリスクがないよう、電気コード、ビニール袋、ガラスなど危険なものはできるだけおかないようにします。いたずらされては困るものもしっかり片づけておきましょう。
- おもちゃを出しておく
- 退屈した時に遊べるように、お気に入りのおもちゃを出しておきます。また、部屋の中の出窓やキャットタワーなど、お留守番中も安心してくつろげる場所を整えておきましょう。
- 寒さ、暑さ対応
- 冬は猫用ベッドなどや毛布など暖かい場所を用意してあげれば、暖房はほとんど必要ありません。(こたつ、ヒーターなどはやけどや火事の危険があるので避けましょう。)反面、猫ちゃんは夏の暑さには弱いので、熱中症対策はお忘れなく!エアコンを微弱や除湿などにして室内が高温にならないようにします。
外出先から帰ったら、まず、猫ちゃんの様子に変わりがないか、よく観察します。その後、ちゃんとお留守番できたことを褒めて、いっぱい遊んであげてくださいね。
長期間(3日以上)留守にする場合はどうしたらいいの?
長期間お家を開ける場合には、それなりにお世話をしてくれる人を見つけることが鉄則です。
知人やペットシッターさんに依頼する
この場合、猫ちゃんは家にいることができるのでストレスは比較的少なくて済みます。依頼する際は、お世話の仕方を詳しく伝えておきましょう。
- 食事時間とごはんの量
- 猫ちゃんが喜ぶコミュニケーション方法
- トイレ掃除の仕方
- 飼い主さんの連絡先
- かかりつけの動物病院の連絡先
お世話の内容をメモなどで伝えるとよいですね。
ペットホテルや動物病院にあずける
狭いケージにいれられてしまうような環境は、猫ちゃんにとってはストレスフルな状況ですが、どんな時にも人目があるので安心な部分もあります。
特に、子猫や持病のある子、高齢の猫ちゃんには安心できる方法かもしれません。
実際に施設を見学、比較しながら、上手に利用しましょう。
猫ちゃんのストレスを少しでも減らすために、いつものフードやベッド、おもちゃなどを用意してあげてくださいね。
家でのお留守番同様、連れて帰ったら、ごほうびのおやつをあげたりスキンシップをしたり、お泊りが出来たことをいっぱい褒めてあげましょう。
お留守番は猫ちゃんの負担を考えて
お留守番をさせる上で一番大切なのは食事やお水、トイレなどの生活の基本の部分ですが、それ以外にも、猫ちゃんの健康状態や精神面への配慮も必要です。
猫ちゃんも人間と同じように、放っておかれる寂しさを感じています。その気持に向き合って、きちんとフォローしてあげましょう。
さらに、もしもの時に備えて、猫ちゃんの面倒をみてくれる人や預け先を考えておくことも猫ちゃんを飼う上では大切なことですね。