猫ちゃんの爪とぎには意味がある!きちんと理解して対応しよう

飼い主さんの悩みの種にもなりかねない爪とぎ。

でも、猫ちゃんが真剣な顔で一生懸命に爪をといでいる姿は、とても愛らしいものですね!そもそも猫ちゃんはどうしてこんなにも真剣に?爪をとぐのでしょうか。

猫ちゃんの爪とぎの意味についてまとめました。

猫ちゃんの爪のしくみと構造

猫ちゃんには前足に5本、後ろ足に4本ずつ爪があります。

前足の爪は自由に出し入れすることができ、爪の鋭さを保つためや足音を消すために普段は引っ込めています。

後ろ足の爪は、前足のように完全に引っ込めることはできません。先端は前足ほど尖らずに丸みを帯びています。

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よい子はちゃんと引っ込めています!

武器として使うこともある前足の爪とは違い、後ろ足の爪はジャンプの着地でふんばったり、走る時に勢いをつけるなどに使います。

ですから、それほどとがらせる必要はありません。

そのため、爪をとぐのは主に前足だけで、後ろ足の爪はグルーミングの時に自分で噛んでお手入れをしています。

猫ちゃんの爪は薄い層が重なるような構造になっており、その内側には神経と血管が通っています。

爪を立ててカリカリととぐことで表面の古い外層がはがれ、新しい爪が出てきます。爪をといだ後などに、たまに古い爪の外側部分(さや)が、そのままの形で落ちていることがあります。

はじめて猫ちゃんを飼う飼い主さんはちょっと驚いてしまうかもしれませんが、後にはちゃんと新しい爪が出てきているので大丈夫ですよ。

猫ちゃんの爪とぎには意味がある!おもなもの4つ

猫ちゃんの爪とぎには、お手入れとしての意味、あるいは心理的な意味などがあり、そのどれもが猫ちゃんにとって重要なものです。

爪のメンテナンス

元々、狩りをする猫ちゃんにとって、前足の爪は獲物をとらえる時や縄張り争い、敵に襲われて身を守る時などに重要な武器になります。

そのため、常にお手入れをして最善の状態に保つ必要があります。

また、爪が伸びすぎてあちこちにひっかかるのを防ぐ、「日常的なメンテナンス」という側面もあるでしょう。

(猫ちゃんの爪の根元部分には神経が通っているので、伸びている爪に何かが強くひっかかるとかなり痛い思いをしてしまいます。)

マーキング

爪をとぐことで、肉球にある臭腺(強いにおいを放つところ)から出るにおい(フェロモン)をこすりつけ、自分の縄張りを主張しています。

また、見えるところに自分の爪跡を残して、存在をアピールする意味というもあります。

これは野生のクマなどにもよく見られる行動で、背伸びをしてできるだけ高い位置に爪跡をつけることで自分の大きさや強さをアピールしています。

飼い主さんに対して爪とぎのような行動をするのも、所有権を主張するマーキングの一種であると考えられるでしょう。

気分転換

猫ちゃんが体を思い切り伸ばして、気持ちよさそうに爪とぎをする姿をよく見かけますね。

寝起きや気分を切り替えたい時に、この「ストレッチを兼ねた爪とぎ」をすることがあります。

また、遊びなどで興奮したり、嫌なことがあってストレスを感じた場合も爪をといで気を紛らわらすような場面が見られます。

爪とぎにはグルーミングなどと同様、ストレスを発散したり興奮をおさえたりなど、精神的な安定をはかるという役わりもあるのですね。

気を引くためのパフォーマンス

猫ちゃんが飼い主さんの関心をひきたい時に、わざと近くで爪とぎをすることがあります。

これは猫ちゃんが構ってほしい時のパフォーマンスです。そんな時はできるだけおもちゃなどで遊んであげましょう。

我が家のコタロウもたまに飼い主のすぐ近くの壁に来て、「爪、といじゃうよ?」アピールをします。

「この場所で爪とぎするのは悪いこと」とよくわかった上で、立ちあがって壁に手をかけ、「ほらほら!いいの?…いいのかな?」という風にこちらをじっと見ている様子は本当に可笑しくて、怒るよりもつい笑ってしまいます。

このようにいろいろな意味合いを持つ爪とぎは、猫ちゃんにとって本能からやっている習慣であり、ごく自然な行動。

人間の都合で止めさせることはできません。

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イライラモードの爪とぎ、実演中

環境を整えて、好きなだけ爪とぎをさせてあげよう

爪とぎが猫ちゃんにとって必要な行動だとしても、家中あたり構わずボロボロにされてしまうのでは、飼い主さんもたまりませんよね。

ただし、「この場所はダメ!」という考えは、あくまで人間側の都合です。

ちょっと凹凸のある壁も、ざらざらした手触りのソファも、猫ちゃんからすれば恰好の爪とぎ場にしか見えません。

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お布団でも爪とぎできるよ♪(←NG例!)

そこで、猫ちゃんには専用の爪とぎ場所を用意して、そこで思い切りといでもらいましょう。

前足を爪とぎ器にのせてとぐまねをさせてあげれば、子猫でも「ここでとげばいいんだな…」と比較的早く覚えます。少量のマタタビの粉をふりかけておくのも良いでしょう。

まずは、爪をといでも良い所とダメな所を明確に分けること。もし、やってはいけない所(壁や家具など)でといでしまったら、すぐにその場で「ダメ!」と大声で叱ります。それから爪とぎ場所に連れて行って、前足でとぐ仕草をさせて覚えさせましょう。

うまくできたらちゃんと(大袈裟に)ほめてあげます。

それでも他の場所でやってしまう場合は、壁にひっかき防止シートを貼る、ソファにカバーをかけるなどの防御策をとりましょう。

猫ちゃんの爪とぎの意味や習性をよく理解しながら、猫ちゃんも人間も快適に過ごせるように工夫していくことが大切ですね。

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