猫というのは、好きな人にとっては本当に心癒されるかわいい存在です。猫好きなら自分の家で家族として共に暮らしている猫だけでなく、野良猫も同じようにかわいく感じる方が多いでしょう。
しかし、これまで野良猫に関することで逮捕者が出るような事件はいくつも起こっているんです。日本だけでなく世界にもスポットを当てて、野良猫の事件をご紹介していきます。
心痛む内容もありますが、「こんなことも起こっていたんだ…」と知っておいていただきたい。すべては、人間の身勝手によって生まれてしまった野良猫の事件なのです。
野良猫が虐待される事件
やはり、野良猫事件の中でどうしても避けては通れないのは、野良猫が心ない人間によって虐待されたりして命を奪われてしまう悲しい事件でしょう。
日本においても、2016年3月~2017年4月にかけて13匹の野良猫に虐待を加えた52歳の元税理士が逮捕されたのは記憶に新しい事件ではないでしょうか。
とても残虐な動画をネット上で投稿したことから、犯人逮捕につながったとされていますが…もはや人間の所業とは言えないです。本当に心が締め付けられる悲惨な事件でした。
結果的に裁判では有罪になりましたが、執行猶予が4年ついたことでとても罪に見合うものではない…との嘆きの声も出ているんです。
この元税理士はこれが原因でのちに税理士を廃業していますし、世間に実名も知れ渡っています。裁判では罪をあまり受けなかったかもしれませんが、社会的には制裁を受けていると言えるのかもしれません。
野良猫の虐待をした場合に受けるべき罰則
野良猫の虐待事件は世界でもあり、国によってその法律も異なります。海外で言うとドイツやオーストラリアでは野良猫(飼い猫すらも)の虐待や殺害が後をたたないと言われているのです。
しかし、日本のようには市民が虐待行為に対して反応していないことも現状です。実際に野良猫の虐待に関する罰則がもうけられた法律も少ないことも関係しているのかもしれません。
また、愛護動物を遺棄したり放置したりして虐待(ネグレクト)した場合には100万円以下の罰金が課せられることになっています。
飼い猫が被害に遭ってしまった場合には、「人間の所有物が害された」ことになりさらなる罰則が課せられることになるんですね。
飼い猫が外に出ることによって被害に遭うことも実際にあるのです。虐待に加えて、毒の入った餌によって野良猫が死亡してしまう事件も世界中で多発しています。
日頃から飼い主さんが完全室内飼いを徹底し、外に出ることがないようにしっかりと猫の行動を管理をするべきであることは言うまでもないでしょう。
そしてもちろん、野良猫の命が軽んじられていいはずもありません。このようなかわいそうな野良猫を今後出さないためにも、しっかりと愛護法を制定してほしいと願います。
野良猫に餌をあげることを注意されて、暴行したことによる逮捕事件
ひと昔前なら野良猫に街の人が餌をあげているのは、よくある普通の光景でした。
しかし現代では野良猫は大きな社会問題になっており、野良猫に餌をあげてはいけないことは多くの人が周知していることですよね。
たまにニュースなどで鳩の餌やりなどで近隣住民を悩ませる人がいる…などの報道を目にすることがあります。
それと同じように、野良猫に餌をあげ続けてしまう人は現代においてもやはり居るんですよね。しかも、それらの人はその行為自体が誰かの迷惑になってしまうとは思っていないようでして…
近隣住民や大家さんに野良猫への餌やり行為を注意されたことで逆上してしまい、その相手を暴行したり最悪の場合は殺害してしまうこともあるんです。
実際に2007年に大阪市で、猫による被害を訴えてきたアパート隣人に対して暴行した70歳の男性が逮捕される事件が起きています。
この他にも同様に野良猫の餌やりなどが原因で、6件も似たような事件が引き起こされていることも驚かされますよね。
さらに、2017年2月には野良猫に餌をあげるために空き家の敷地内に無断で入ったことによって男女3人が逮捕されています。
このような人達は動物愛護を履き違えているということで、「動物愛誤者」だとされているんですね。
- 動物を守りたいがゆえに人間を傷つけてしまう
- その動物がかわいいかどうかが自分の中の判断基準になっている、つまりそれ以外の動物には全く興味がない
- 純粋な動物性愛護ではなく、実のところ政治など自分が益を得られるかどうかに影響する
これらが動物愛誤者の特徴となっているんです。こういった人達は、自分の中での正義感や使命感に基づいて野良猫の餌やりをしていることがほとんどだと言えるでしょう。
だから、直接それを注意すると最悪命までも危険にさらされることになるのです。近隣の人などの野良猫の餌やりに困った場合には直接言うのではなく他の第三者に連絡・相談するようにしてください。
- アパート住まいなら管理会社や大家、理事会
- 警察
- 法律相談の窓口
自分で直接言うのではなく、これらの団体に相談してみましょう。ただし、大家が入居者に注意することで事件に巻き込まれてしまうこともあるので、そのあたりはしっかり注意してほしいと伝えておくといいかもしれません。
警察に通報する場合でも匿名でお願いしたい旨を伝えれば対応してもらうことができます。金銭的な被害までも出ているならば、法律相談をしてみることができるかもしれません。
そして最終手段で保健所に連絡することもできますが、結果は見えているので…あまりオススメはしないです。
野良猫に噛まれた女性が死亡するという驚きの事件
次の野良猫による事件をご紹介します。これもかなり記憶に新しいのではないかと思われますが、2017年の8月に野良猫に50代の女性が噛まれることで死亡してしまう…というショッキングな事件が起こりました。
その野良猫はSFTS「重症熱性血小板減少症候群」を発症していたことから、女性を噛んだことで感染してしまったと考えられているのです。
日本でSFTSに感染する例が初めて起きたのは2011年のことでした。そこから2017年の6月の終わりまでに発症例は266人もいて、そのうち死亡に至ったのは57人でした。
これらの感染経路としてはやはりマダニが主でした。今回初めて哺乳類からの感染によって死亡例が出たということになるのです。
50代ということで、症状(全身のだるさや吐き気などが出る)がさらに重症化してしまったことも大いに考えられるでしょう。
その女性が野良猫を発見したときにはかなり弱っていたということで、野良猫を助けようとしたところだったのかもしれません。
現在ではSFTSに有効に働くワクチンなどはまだ完成していないということで、解熱剤を投与したり水分補給をする治療をすることになります。これから先、早く開発が進むことを祈るばかりですね。
▼SFTSを含む、野良猫の病気についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
野良猫に多い病気まとめ。ヒトや飼い猫が感染に気をつけたい7つ
アニマルホーダーになってしまう人が居る現実
最初は1匹の野良猫をかわいそうに思って家に入れてあげることから始まってしまう、アニマルホーダー。
もともとは物やゴミを収集してしまう(捨てられない)人のことをホーダーと呼びます。野良猫を過剰に飼ってしまう人にもこれが当てはめられて、アニマルホーダーと呼ばれるようになりました。
きちんと管理をするならば問題はないのですが、管理をできるかを考えることもなく次々に飼うことで多頭飼育状態になってしまい、結果的に多頭飼育崩壊が起きてしまうのです。
そしてもちろん、去勢や避妊をしていないことも大きな原因になるでしょう。
次から次へと野良猫を連れてくることでキャパオーバーになってしまい、衛生管理が全くできていなかったり、それによって猫の命すらもおびやかされてしまうことももちろんあります。
アニマルホーダーの特徴はこちらです。
- とにかく野良猫がかわいそうだからと、際限なく引き取ってしまう
- 自分が普通の感覚ではないということに気づかない
- 動物をたくさん囲って自分の支配下におくことが何よりも幸せだと感じてしまう
- 動物の収集とともにごみの収集癖がある人が多い
- 動物を世話することが生活の最重要項目になり、自分の収入や時間のほぼすべてをそこに費やす
- 去勢や避妊手術をすることはかわいそうだと考える
アニマルホーダーになっている人の心理特徴はこのようになっているのです。最初の段階ではきちんと野良猫への愛情があったかもしれません。
しかし、だんだん飼育数が増えてきて50匹、100匹となるごとに「動物の命を預かっている、自分が引き受けている」という意識が驚くほど低くなってしまうわけです。
実際にドイツでは2011年に120匹以上の犬猫を飼育崩壊したことで逮捕された女性がいます。
日本ではなかなか逮捕者は出ませんが、最近で言うと2018年6月に名古屋で市営住宅で42匹の猫を飼育崩壊させてしまった女性が強制的に退去させられるという事態が起こってしまいました。
この住宅では猫を飼うこと自体が禁止されていましたが、この女性が猫を飼い始めたのは崩壊する6年ほど前からだったといいます。
やはり最初は少ない数でも、去勢や避妊をしなかったためにどこまで増えていってしまった…というのが原因だと考えられるでしょう。
保護された猫たちの中には妊娠している猫もいたようで、本当に胸が痛みます。アニマルホーダーによる飼育崩壊問題は世界中でとても多く、大きな問題となっているんです。
アニマルホーダーが自分の思うままに行動してしまい、野良猫を飼いすぎることで猫たちはもちろんの事(餌が猫に行き渡らない場合、最悪なパターンでは共食いに発展することもあるのです)、近隣にかけている多大な迷惑行為にも気づくことができなくなってしまうんですね。
この症状は、れっきとした心の病だと言えるでしょう。
海外ではアニマルホーダーに陥った人のための治療プログラムが存在していますが、日本においてはそのような治療などは行われてはいません。
結果的に最悪な段階までアニマルホーダーの状況が悪くなってしまい、犯罪などに手を染めてしまったりするまで放置される…というのが日本での現状なのです(近隣住民へ被害を与えることで強制退去されることもあります)。
そして、日本ではアニマルホーダーのイメージがあまり悪いものではない、ということも関係しているのではないでしょうか。
路頭に迷った野良猫を引き取っていることでそう感じるのかもしれません。
しかし、去勢や避妊をせずにそのまま飼い続けることでどこまでも頭数は膨らんでいき、しまいには最低限の生活ができなくなるレベルにまで達してしまうのです。
こうなってしまうと、結果的に野良猫を虐待していることになるんだということをアニマルホーダーの人には自覚してほしいです。
やはり野良猫を引き取る際には必ず去勢・避妊をすることと、終生責任を持って飼うことができるかをきちんとした覚悟を持つことが要だといえますね。
そして、アニマルホーダーの近隣の人たちは野良猫の多頭飼育をしている家を早い段階で把握しておく必要があるとも言えるでしょう。やはり去勢や避妊手術をすることは最低限必要なことで、「かわいそう」なことではないのです。
▼多頭飼育崩壊の現状や改善については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
多頭飼育崩壊はどこに相談するべき?食い止めるため私たちにできる事
野良猫が巻き込まれる事件は世界中で頻発している
野良猫が悲しい事件に巻き込まれてしまうことは、日本だけでなく海外においてもたくさん起きています。
野良猫は最初から人間界で暮らしていたわけではありません。
もとは人間の都合によって猫が連れてこられて飼われはじめ、そして人間が飼うことを放棄したことによって野良猫が生まれてしまったのではないでしょうか。
そのようにして外での過酷な生活を強いられている野良猫たちが、無惨とも言える事件の被害者になってしまうことはとてもとても悲しいことです。
日本ではまだ野良猫を守る法律があまりしっかりしていないので、これからもっと改善していくことで辛い思いをする野良猫を今よりも減っていきますように。
みんなのコメント
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動物愛護法ではありません。
動物愛護【管理】法です。
キチンと【管理】してこその動物愛護管理法です。-
野良猫管理組合さん<<<
細か過ぎませんか?普通に初見さんが分かるように
【】を修正したらいいんじゃ無いですか?
別に指摘してる訳ではないです。
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辛い思いをする野良猫を今よりも減っていきますように
↑
いや、野良猫自体が減っていきますようにの間違いでは?
去勢、避妊させて、近い将来、野良猫は完全に日本からいなくなればと思います。
将来的には保護団体も必要なくなるといいですね。
猫は必ず家の中で飼う。 -
辛い思いをする野良猫を今よりも減っていきますように
↑
いや、野良猫自体が減っていきますようにの間違いでは?
去勢、避妊させて、近い将来、野良猫は完全に日本からいなくなればと思います。
将来的には保護団体も必要なくなるといいですね。
猫は必ず家の中で飼う。 -
動物虐待する人間は同じ思いをして苦しめばいいと思う。
自分の親か配偶者、子供が同じ思いしたらどう思うか想像しろ。
この世から虐待する人間は捕まりこの世から消えろ -
みんな色々やってるけど本当に問題なのは人間でしょ。
人間が自然を壊し、人間が野良猫を生んだ。
それって、完全に人間のせいだし、他のもののせいでもなんでもない。
自分たち人間がやったことなんだから、自分たち人間がちゃんと責任を持って対応しなければいけないよね。