街を歩いていると、自由気ままに歩いている野良猫を見かけることがあるでしょう。
野良猫と言えば外で生活しているわけですが、寒い冬の時期には一体どうやって暮らしているのか、気になったことはありませんか。
暖かい時期には見かけることがあっても、冬になると野良猫をってほとんど見なくなるんですよね。
家でぬくぬくと暮らしている飼い猫の場合は、とにかくいつも暖かい場所を探していますから、猫が暖かい所が好きなのはよく分かります。
「こんなに寒いのに、野良猫は外でいるけど大丈夫なのかな?」と心配になってしまいますが、どこかで頑張って生きているのでしょうか。
猫は本来、寒さに弱い生き物です
猫は本来、暑さよりも冬の寒さの方が弱いんです。特に子猫の場合は寒さに耐える力がないので、野良猫の子猫は冬を越えられずに死んでしまうことがとても多いのが現実です。
そして、成猫でも元気で若い猫なら冬の寒さにも耐えられるようになりますが、年齢を重ねていくにつれて、だんだん体力も落ちてくるので寒さに負けやすくなってしまうんです。
飼い猫の寿命が平均10年以上なのに対して、野良猫は3年から5年くらいしか生きることができません。5年となると、野良猫ならば長生きの部類になるようです。
これは、冬の厳しすぎる寒さにさらされることも大きな要因になっているんです。野良猫を取り巻いている環境によって、これほどに寿命が短くなってしまうほどとは驚きですよね。
家を持たず、野外で生きている野良猫にとっては、過酷すぎる存在である冬の季節。野良猫はそんな中で、どのように厳しい冬を乗り越えていっているんでしょうか。
特に、野良猫を無事に保護して飼っている人は、現在もまだたくさん居るであろう野良猫がどんな風に寒い冬を頑張っているのか……ということがどうしても気になってしまうでしょう。
野良猫が冬に暖かさを求めていく場所があります
野良猫はその全てを自分で決定しながら生きています。だから寒い冬でも、なるべく暖かい場所を自分で探しているんです。とにかく生き抜いていかないといけませんからね。
少しでも暖かい場所を探しているわけです(もちろんどこも屋外ですからどこでも寒いことには変わらないのですが、猫にとっては……という意味です)。
野良猫が冬に集まっている場所は大体決まっています。
- スーパーなどの駐車場
- 車の下やエンジンの中
- 外に置いてある室外機の側
- 空き家や倉庫、ビニールハウスの中
- 使われていない犬小屋など
- 飲食店がある路地裏、換気口の側
- 外にある布などの上
基本的に猫は、普段はあまり仲良しではななくてもこの寒い冬の時期には身を寄せあって暖を取っていることが多いです。生きるか死ぬかの状況ですから、そんな事言ってられないのでしょう。
猫の毛皮で天然のカバー・暖かい空気の層を作るわけですね。このように猫同士がくっついて丸くなっている様子は、「猫だんご」と呼ばれています。
見た目に比例してなんともかわいすぎる、ほんわかとしたネーミングですが。これは野良猫が寒い冬の時期に、お互いに身体を暖めるためにしていた行動だったんですね。
そしてやはり猫は普段からどこが暖かい場所なのかをよく知っているので、そのような場所に集まっていることがほとんどです。
冬は多くの動物が冬眠をしますから、虫などの獲物が捕まえられなくなってしまいます。だから野良猫にとっては冬の寒さと、ご飯の確保が普段よりも難しくなるというわけなんです。
だから、ご飯も確保しやすくなる飲食店などがある路地裏にいることがあるんですね。特に飲食店からの換気口は暖かいですし、いい匂いもするので野良猫は両方に引き寄せられるんでしょう。
私たちが日頃から野良猫のために気を付けておきたいこと
上の項目で「車の下やエンジンの中」というのがありますよね。車の下なら別に問題ないのですが、エンジンの中に入ることはとても大きな危険を伴ってしまうんです。
車のエンジンルームの中には、車の下から猫がギリギリ入れるスペースがあり、内側にも猫が横たわれるスペースがあるんだとか。
エンジンルームは外気も入ってきませんし、周りの人からも身を守ることができるということで……野良猫には安心できる場所なんです。
それでも成猫なら「車は危ないものだ」ということも知っています。だから、このエンジンルームに入り込むのは野良猫の子猫である場合が多いんです。
あるタクシー会社では1年に数千件もの巻き込み事故が起こってしまうといいますから、どれだけ頻度が高いのかがお分かりいただけるでしょう。
だから、私たちにできることは「エンジンをかける前にボンネットをコンコンと叩く」ということです。これをするだけで、エンジンルームで熟睡してしまった猫も救うことができるんです。
特に野良猫が多い地域なら、エンジンを開けて確認したりするのももちろん良いですね。
できるだけ野良猫が悲しい結末になってしまうことがないように、私たち人間が日頃から気を付けるようにしましょう。
▼猫バンバンについて、詳しくはコチラの記事で紹介しています。
猫バンバンで猫を救う!正しい方法とプラスでみたいチェック項目
野良猫の寒さのために私たちがしてあげられることもある
とにかく、野良猫にとっては冬の時期は命に関わるほどのものです。子猫や老猫は寒さで死んでしまうことが多いというのも悲しい事実です。
ご飯をあげることはできませんが、少しでも暖かいスペースを提供してあげたいと思うなら、私たちにも野良猫のためにしてあげられることがあります。
それは、段ボールなどを用意して置いておいてあげること。中には必ず毛布や古布できるならば段ボールよりも発泡スチロールのほうが保温機能があります。
もしかしたら、冬の間にあなたが寝床を作ってくれたことで野良猫があなたになつくこともあるかもしれません。もしくは、その場所から離れなくなることもあり得ないことではないですよね。
そんな場合には、その野良猫を本格的に家族として迎えることも検討してもらえたら、その猫にとってこれ以上の幸せはないでしょう。
そして、これ以上に不幸な野良猫を増やさないために、「猫を人間の勝手で捨てないで!」と声を大にして言いたいです。
野良猫を救うために実際に行動に移した素晴らしい人もいます
これは日本の話ではありませんが、海外に住んでいるCraigさんは野良猫を冬の寒さや辛辣な人々から救うために、住んでいた場所から一緒に郊外に移り住んだというのです。
ここまでの行動力には、同じ人間としてただただ頭が下がりますよね。
敷地内の森の中に、カラフルでかわいらしい猫専用のおうちをいくつも作って、「猫村」を作成!その上野良猫たちをしっかりとお世話をしているんです。
野良猫たちはここまでしてもらって、本当に皆幸せそうですよね。こんなすごすぎる行動力を持っているCraigさんには、心からの尊敬の念とたくさんの拍手を送りたいですね。
野良猫は寒い冬を健気に、そして力強く生きています
野良猫にとって冬の寒い環境は、やはり夏に比べてみても過酷なものになります。
野良猫は自分で生き抜いていくために、少しでも暖かい場所を探しだして、そこで仲間と一緒に身を寄せて生きているんです。
でも、野良猫の子猫は車のエンジンの中に入り込んでしまうのが多いのも事実です。野良猫がエンジンに巻き込まれてしまわないために、私たちが日頃から注意することを忘れないようにしましょう。
日々頑張って生きている野良猫が少しでも危険から逃れることができて、また春を迎えられますように。
みんなのコメント
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3年半ぐらい野良のメスのハチワレ猫に餌をやっています。推定7歳位の猫です。子猫の時分何度か見かけているので、大体の年齢はわかっています。野良猫は増えるので餌をやっていけないと言われていますが、もう子供は産めない年齢だろうと思ってたくさん餌やら牛乳やらあげています。もうシニアの年齢なので冬の寒さが心配です。去年は家の庭の中や物置の中にダンボールなどに古着を敷いたりして寝場所を作ってあげましたが、長くても2週間しか同じ場所にいないので、とても大変でした。もっと慣れてくれれば寒さの厳しい間だけでも、家の中に入れてあげれれるのにと思います。去年は春先に風邪を引いて、鼻水を流したり咳をしたりしていました。今年の冬を乗り切れるか心配です。
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理科の観察に役立ちましたありがとうございます