日本の猫種と言われてどんな猫種を思い浮かべますか?
日本は空前の猫ブームですが、ペットショップでみる猫達は皆外国の猫種ばかりで、日本の猫種というのは見かけないですよね。
それもそのはず、日本の猫種というのはほとんど存在していないのです。今回はそんな数少ない日本の猫種を4選ご紹介します。
ジャパニーズボブテイル
ジャパニーズボブテイルは奈良時代から生息している、日本の猫から突然変異で誕生したボブテイルの猫種です。ボブテイルという名前の通り、短めの尻尾がとても愛らしい日本の猫種です。
尾の被毛がポンポンのようにボリュームがあるのも可愛いですね。江戸時代の浮世絵などに描かれている猫もジャパニーズボブテイルの特徴を有していたと言われています。
短尾種は、両親ともに短尾の遺伝子を持っていないとその特徴を受け継ぐことはできないと言われていますが、ジャパニーズボブテイルはそれでも着々とその個体数を増やしていきました。
ジャパニーズボブテイルは元々日本にありふれていた猫だったのですが、短い尻尾やそのなつきやすい性格にほれ込んだアメリカ人女性により作られたのです。
日本にいた短尾の猫を持ち帰りアメリカで繁殖をさせてジャパニーズボブテイルとして血統書団体に登録したのです。
つまり日本の猫種でありながらアメリカの猫種でもあるのです。ただ当時に日本人にとってはその辺を歩いているありふれた猫だったので、何がそんなにすごいのかあまりピンとこなかったのかもしれませんね。
現在ではアメリカを始め世界中で大変人気の高い猫種となっています。被毛カラーも「ホワイト、レッド、三毛」など多くの色を楽しめるのも人気の1つです。特に三毛柄は浮世絵でも多く描かれていることから人気が高いようです。
日本唯一の原産猫種、ジャパニーズボブテイルはまさに日本を代表する猫種ですね。
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ジャパニーズボブテイルの特徴と性格。意外な日本猫との違いに驚き!
日本猫
厳密にいえば猫種ではありません。さらにもっと言えば、ジャパニーズボブテイルとほとんど見た目も性格も変わりません。
では何が違うのかというと、血統書があるかないかの違いです。
もっと厳密にいえば、アメリカで品種改良をされたジャパニーズボブテイルは若干体形が大きいなどの違いはあるようです。ただ素人が見てもその違いはわかりません。
日本猫は奈良時代に中国から輸入される経典をネズミなどの害虫から守るために、船に乗せられて連れてこられたのが始まりだと言われています。
それからは人とよりよい関係を築き、いつの時代も日本人に寄り添って生きてきてくれているのが日本猫なのです。
そんな日本猫の特徴は海外の猫とは少し違う特徴を有しています。
- 鼻筋が通ったエキゾチックな顔
- 丸顔
- 被毛が長くない
- カラーバリエーションの豊富さ
特に最後のカラーバリエーションの多さは世界中の猫から見てもかなりのパターンが存在しています。そのためか日本猫はその被毛カラーによって性格が違うと言われているのです。
三毛柄
日本の猫種と言われてまず思い浮かべるは三毛猫ではないでしょうか?
江戸時代の浮世絵に登場していた猫も三毛猫でした。赤、黒、白の三色が入っている被毛がとっても大胆ですよね。
性格は独立心が強い勝気な性格の子が多いと言われています。世界では三毛柄のことを「キャリコ」と呼んでいます。西洋の猫では三毛柄の猫はとても稀少なので人気が高いです。
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キジトラ
日本猫の中でもっとも多いと言われている被毛カラーです。イエネコの祖先であるリビアヤマネコにもっとも近い被毛パターンで全ての猫の基本のカラーとも言えます。
性格は野性的な性格を残している子が多いので少々警戒心が強い傾向にあるようです。しかし、中にはとっても人懐っこいキジトラも存在していますので二極化している猫とも言えます。
しかしどちらにしてもキジトラは心を一度開くととっても甘えん坊になりますのでそれが魅力的だと感じる猫種でもあります。飼い主大好きのストーカー猫になりやすいのもキジトラ猫の特徴ですね。
▼キジトラ猫について詳しくはこちらの記事で紹介しています
キジトラ猫の性格は好奇心旺盛!一緒に暮らすとき注意したいこと
サバトラ
灰トラ、銀トラとも言われているサバトラも日本猫に多い被毛カラーを持つ猫です。地色がサバのようなグレーに虎のような黒い縞模様があるのが特徴です。
その性格は二極化していると言われており、陽気で人懐っこい性格のサバトラと警戒心が強く神経質なサバトラが存在しています。人気猫種、アメリカンショートヘアーにも似た毛色がとってもおしゃれですね。
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茶トラ
猫好きの中でもファンがとっても多い茶トラは、人懐っこくて甘えん坊な性格をしています。警戒心が少なく、温厚で人懐っこいその性格が日本人の心を掴んで離しません!
しかし気が弱い一面もありますので、猫同士の喧嘩などは戦わず逃げたり、威嚇をされたらすぐに退散したりとちょっと情けないかも。
その平和を愛する姿こそ平和な日本で生きる日本の猫種を代表するような性格をしているのかもしれませんね。
ちなみに野良猫なのに警戒心ゼロで人に懐く猫も茶トラが多い傾向にあるのだとか。そういえば野良猫なのにお腹を見せて喉を鳴らしている猫って茶トラが多いような気がしますよね。
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毛色が茶トラの猫の性格ってどんな感じ?人懐こいってほんと?
サビ
サビは海外ではパーティーカラーと呼ばれています。黒と赤がまだらに入ったその模様がとっても特徴的です。サビという名前は鉄錆の色に似ているからつけられたそうです。
黒の割合が多いサビ猫を黒サビ、赤の割合が多いサビ猫を赤サビと呼んだりします。
頭のいい猫が多いとも言われていて、部屋の扉を自分で開けたりご飯を自分で出して食べちゃったりと少々頭のいいイタズラをされることもあるようです。
サビ猫はその被毛パターンを作る遺伝子から様々な毛柄のもとになっている猫種でもあります。現在猫に様々な柄があるのはこちらのサビ猫のおかげでもあるのですね。
ブチ
白の地色に黒や茶のブチが入ったブチ猫は、顔と頭に黒と白で八の字のように見える「ハチワレ」が幸せを呼ぶ縁起のいい猫として、猫好きの間で人気ですね。
そんなブチ猫の性格はおっとりとしてフレンドリーで誰とでも仲良くなれる許容の広さを持っています。
しかし一方で警戒心が強く内弁慶な性格の子も多いようです。どうやらブチ猫は白と黒(茶)の被毛カラーの割合が多い方に性格が依存するようですね。
黒
黒猫はとっても神秘的で海外では幸運をもたらす猫と言われています。黒猫の性格はとてもフレンドリーでおっとりしている癒し系猫がとっても多いです。
さらに甘えん坊で人懐っこい性格でありながら、頭が良くて場の空気を読める猫だとも言われています。
その頭の良さから「黒猫は人間の言葉を理解している」と言われている猫でもあります。
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白
純白の被毛を持つ白猫は、猫の中でも別格だと考える人も多いでしょう。神秘的な見た目から、白猫は神の使いだと言われている地域もあるのだとか。
そんな白猫の性格は警戒心が強く、独占欲も強いのが特徴です。白い見た目は自然界ではとても目立つので、自然と警戒心が強くなったとも言われています。
草や木の間に隠れても白は浮いてしまいますので、外敵から身を守るのは苦労したでしょうね。そのためか、最初は警戒心が強く飼いだしてもなかなか慣れてくれない猫が多いのも特徴です。
しかし、ひとたび心を開いてくれると絶対的な信頼を寄せてくれる猫でもあります。繊細でナイーブな一面もありますが、気の強い性格をしている子が多いのも特徴ですね。
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白猫の性格は女王様でツンデレ?秘密はその白色の生き辛さにあった
ご紹介した毛色に基づいた性格はあくまでもその傾向が強いというだけですから、全ての猫に当てはまるわけではありません。しかし、日本の猫種である日本猫を飼う時は被毛パターンによう性格の傾向を参考にしてみてはいかがでしょうか?
イリオモテヤマネコ
沖縄県の西表島に生息するイリオモテヤマネコは国の特別天然記念物として有名ですよね。20世紀の大発見と騒がれたこともあり、知らない人を探す方が難しいかもしれませんね。
イリオモテヤマネコは約20万年前に大陸から日本に渡ってきたベンガルヤマネコが祖先であると考えられています。大陸を渡ってきたベンガルヤマネコが独自の進化を遂げて、日本の猫種であるイリオモテヤマネコになっていたのです。
見た目はそこまで大きくなく、イエネコとあまり変わらない大きさです。そのため地元の住人曰く暗闇でパッと見ただけではイリオモテヤマネコなのかイエネコなのか見分けがつかないこともあるそうです。
ただイエネコよりもイリオモテヤマネコの方がややワイルドに見えますね。
イリオモテヤマネコの現在の生存数は100~109頭程と言われています。ここまで減少してしまったのは人間による西表島の土地開発だと言われています。
今では観光地となっている西表島は、車の交通量も増え交通事故にあうイリオモテヤマネコが数頭いるのだとか。
またイリオモテヤマネコの生息地に入る湿地林の探索ツアーなどで多くの人間が足を踏み入れてしまうことも、環境破壊につながっているのです。現在では貴重な日本の猫種を守るために人間による保護活動が積極的に行われています。
せっかくの日本に古来より生息している猫種です。絶滅しないことを祈るばかりですね。
▼イリオモテヤマネコの歴史についてはこちらもご覧ください
日本の猫の歴史。石器時代からイエネコ文化が根付いた平安時代まで
ツシマヤマネコ
日本の猫種で最後にご紹介するのが、ツシマヤマネコです。ツシマだけに存在しているヤマネコで約10万年前に大陸を渡ってきたベンガルヤマネコの亜種だと考えられています。
かつてはツシマヤマネコの肉や毛皮を捕るために狩りをするツシマヤマネコ専門の猟師が存在しているほど多くいたそうですが、生活環境の悪化、交通事故の増大によりその数は激減し現在では国の天然記念物として指定されています。
イリオモテヤマネコ同様その生存数はとても少なく、環境庁が行った調査では70~90頭ほどしか生息していないという結果になりました。現在では日本の動物園などで繁殖を試みており、地域の保護団体による保全活動も盛んに行われています。
▼ツシマヤマネコの特徴については、こちらもご覧ください
国の天然記念物ツシマヤマネコ。京都市動物園で会ってきました!
日本の猫種はとっても貴重で特徴的
日本の猫種をご紹介しましたが、日本原産の猫というのはとっても少ないのがわかっていただけたでしょうか?
その特徴的な性格と見た目で、アメリカ人を虜にしたジャパニーズボブテイル。日本人と共に古くから歴史を歩んできたカラーバリエーションが豊富な日本猫。絶滅の危機に瀕している天然記念物のツシマヤマネコとイリオモテヤマネコ。
日本を代表する猫種達がこれからも末永く私たちの生活の身近にい続けてほしいですね。