愛猫を撫でているときほど幸福な時間はありませんよね。
猫ちゃんとはじめて暮らす飼い主さんは、身体のどこをさわるとよろこんでくれるかなど、撫で方について知らないことも多いと思います。
今回は、スキンシップにもなる猫ちゃんの撫で方のあれこれについてご紹介します。
撫で方にポイント!愛猫とコミュニケーションをとろう
私たちが猫を撫でているとき幸福を感じるように、猫も撫でられることがだいすきです。
科学的にも、飼い主に撫でられることによってよろこびや幸福感をもたらすエンドルフィンという物質が脳内に分泌されることが証明されています。
しかし、ただ撫でまわすだけでは、猫ちゃんの機嫌を損ねてしまうことも。
撫で方や撫でる部分、タイミングなどについてご紹介します。
猫ちゃんのよろこぶ撫で方とは
では、愛猫によろこんでもらえる撫で方とはどのようなやり方でしょうか。
まず基本は、毛に沿って撫でることです。
猫の毛は肌を守り、あたたかさを保つ役割があります。逆なでをするとその部分だけ肌が露出してしまい、不快感で撫でられるのがいやになってしまうことも。
撫でるときは毛の向きに注意してください。
また、撫でるときに上から手をのばすと、ビクッとこわがって逃げてしまうことがあります。
猫にとって人間は自分より何倍も大きな巨人のようなものです。さらに、猫は自分より高いところから近づいてくるものを敵とみなす習性があります。
猫に嫌われやすい人は、気づかないうちに上から手をのばしていませんか?必ず同じ高さや下の方からそっと手をのばし、優しく撫でてあげましょう。
手の平全体でごしごし撫でるのではなく、猫同士のグルーミングのように、指の腹で優しく撫でてください。
突然身体にさわるとびっくりしてしまう猫ちゃんもいます。まずは指をのばした状態で近づいてみましょう。猫ちゃんの方からにおいを嗅ぎにやってくるはずです。
猫はにおいからさまざまな情報をキャッチする生き物です。
指先を嗅ぐことは猫同士でいう鼻キス、あいさつのようなものなので、この人は自分に危害を与えないものだなと認識してくれます。
撫でる前も撫でているときも、猫ちゃんに安心感をもたせることが何よりも大切です。
気持ち良いところはどこ?優しく探してみよう
猫ちゃんが撫でられて気持ち良い部分は
- のど
- あご
- 後頭部
などが有名ですが、撫でられて気持ちの良いポイントは猫ごとによってちがいます。
しっぽの付け根を撫でられるとよろこぶ猫もいますが、敏感な部分なのでいやがって噛みついてしまう猫も。
自分の愛猫がどの部分を撫でるとリラックス状態になるのか様子を見て、気持ち良くなる部分を探してみましょう。
また、イギリスで発表された「猫が身体のどの部位を撫でられるとよろこぶのか」についての研究によると、
- あご
- 頬
- 目と耳の間
などが、特に猫の撫でられてよろこぶ部位との結果でした。
やはり自分でグルーミングしにくい背中や耳の後ろ、顔まわりなどが気持ち良いようですね。
猫は、身体を撫でたときに飼い主の手についた自分のフェロモンを嗅ぐことで安心します。
優しい撫で方と安心できるにおいで、愛猫をリラックス状態にしてあげましょう。
どんなタイミングで撫でればいいの?
猫を撫でようとして噛まれそうになったり、すぐ逃げられてしまったことはありませんか?
猫には撫でてもらったり、かまってもらいたいときのサインがあります。このサインを知ることで、愛猫ともっと仲良くなりましょう。
カーペットなどでお腹をだしてごろんと寝転がっているとき、猫はあなたのことや、部屋の環境を信頼し、完全なリラックス状態にあります。
弱点でもあるお腹を見せるということは、野生の猫ではまずありえない行動です。飼い猫でも警戒心の強い猫はめったに見せません。
お腹を出してこちらを見ているときは、ゆっくり近づき、首まわりなど気持ち良い部分を撫でてあげましょう。
また、飼い主に身体をすりつけてくる仕草は、ごはんが欲しいなどの主張である場合もありますが、甘えたいときにも見られる行動です。さらにひざに乗ってくるときは、まさに撫でてほしい合図です。
このように、愛猫の行動や仕草から撫でてほしいタイミングを見極めて、コミュニケーションをとりましょう。
飼い主をじっと見つめているときも撫でるチャンスですが、私たちからじっと見つめると緊張してしまいます。猫は人に見られることが苦手なので、目を合わせても見つめすぎないように注意してください。
撫でられてよろこんでいるかどうか見極める方法とは
撫でているとき、愛猫が気持ち良いのかどうか知りたいですよね。
そんなときはまずのどの音に注目してください。
のどをゴロゴロ鳴らしたり、しっぽをピーンとたててすり寄ってきたら、よろこんでいる証拠です。これは猫が幸福を感じているときに見せる行動であるといわれています。
また撫でているときによだれがでているのは気持ち良いのサインです。
唾液はリラックスしたときに分泌量が増え、緊張すると減るもの。猫が撫でられているときによだれをたらすのは、ものすごくリラックス状態にある証拠なのです。
このように愛猫の様子を見ながら、よろこぶ撫で方を見つけていきましょう。
注意!撫でられたくない部分やタイミングを知ろう
猫はいつでもどこでも撫でさせてくれるわけではありません。
基本的な撫でられたくない部分や、タイミングについてご紹介します。
ここはやめて!撫でられたくない部分とは
まずは撫でる前にリラックス状態かどうか様子を見ましょう。
猫は敏感な生き物なので、大きな音や激しい動作が嫌いです。基本的に優しく、ゆっくり撫でてあげてください。
お腹を見せていても、大きな音や仕草でおどろかせると、リラックス状態から緊張モードになってしまいます。
猫が撫でられたくない部分は、
- お腹
- しっぽ
- 足
などであるといわれています。
すべての猫がこの部分をさわられたくない!と思っているかどうかはわかりませんが、この部分をさわるといやがって噛んだり手で払ってしまう猫ちゃんもいます。
猫にとってお腹は急所です。自分から見せてきたときも、あまり撫でないようにしましょう。
もちろん、いやがっている猫ちゃんを無理やりさわるのもNGです。猫ちゃんがリラックスしているときを見計らい、毛の流れに逆らわないように注意して、優しく撫でてあげましょう。
今はやだ!撫でられたくないタイミングとは
猫ちゃんを撫でるときはタイミングが大切です。
撫でてほしいときは向こうから寄ってくるので、自分から近づいていくよりも猫ちゃん側からのアプローチを待ちましょう。
基本的に、
- 遊んでいるとき
- 食事中
- グルーミング中
などは、撫でられるといやがります。
人間でも、食べることに集中しているときに邪魔をされたらいやな気持ちになりますよね。何かをしているときよりも、リラックスした状態のときに撫でてあげてください。
猫は撫でられているとき、もうこれ以上撫でてほしくないなと思ったら自分から離れていきます。
また、撫でているときにしっぽを左右に振るのは、もうさわらないでというサインです。犬ならよろこんでいるときにしっぽを振りますが、猫の場合はちがうので注意してください。
耳をうしろに倒しているときもさわらないでほしいサインです。そのまま撫で続けていると、イライラがたまって噛まれてしまうことも。
撫でるタイミングが悪いと猫の機嫌も悪くなってしまうので、様子を見ながら撫でてあげましょう。
急に撫でられるのをいやがったときは注意して
いつもは撫でられるのがだいすきなのに、突然撫でると噛んだり、いやがって逃げたりするときは、体調が悪いのかもしれません。
先ほどご紹介したように、撫でられているときだけよだれがたれているなら、それは気持ち良い証拠ですが、よだれをたらすときはそれ以外にも
- 歯周病
- 口内炎
- 胃腸炎
などの可能性があります。
いつもとちがう様子を感じたら、すぐにかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
愛猫のサインを見逃さず良好な関係を気づくために
猫を撫でることは、スキンシップだけでなく、身体の異常がないかどうかを知るためにも大切なことです。
撫でたときにいつもとちがう反応をした場合は、注意して様子を見てあげてください。
また、長い時間ずっと撫でられると、猫にとってストレスになることがあります。
ずっと触っていたいと思っても、猫の表情や仕草をみて、すこしでもいやがるようならやめてあげてください。
うれしいサインや苦手なサインなど、猫はその小さな身体でさまざまなサインを私たちに送ってくれています。
愛猫を撫でるときに大切なのは、まず信頼関係です。
まずはお互いの信頼関係を深め、ちょっとした撫で方のコツを知って、愛猫にもっとよろこんでもらいましょう。