猫のイタズラあるあるとその対策。飼い主が嫌われる叱り方とは

飼い主のみなさんも一度は目撃したことがある猫ちゃんのイタズラ。

「お留守番中にティッシュをぜんぶ噛みちぎってしまう」「目を離したすきにゴミ箱をひっくり返す」「台所で美味しいものをあさる」など、好奇心旺盛な猫は人間の生活に興味津々です。

無邪気な猫のイタズラは、それ自体がかわいらしく魅力的ではありますが、ほうっておくと思わぬ事故につながることも。

今回は猫ちゃんのイタズラと予防・対策方法についてまとめました。

愛猫も当てはまる!?猫ちゃんのいろんなイタズラ

猫ちゃんのイタズラはバリエーション豊か。あの手この手で飼い主さんを悩ませます。

しかし、猫ちゃんは「飼い主さんを困らせよう!」と悪意をもって行動しているわけではありません。さまざまなイタズラにはすべて理由があるのです。

猫ちゃんのイタズラのなかでもポピュラーなものをご紹介します。

気をつけて!机や棚から物を落とすイタズラ

これも猫あるあるですが、勉強や家計簿をつけていると、必ず目の前のノートに転がったり、ペンにじゃれついて飼い主さんを困らせます。

また、机や棚から猫ちゃんが手当たり次第に物を落としてしまうイタズラもよく見られる行動です。

この物を落とすイタズラは子猫に多く見られるといわれていますが、我が家の猫は、成猫になった今もひょいひょいと器用に手で物を落とすので、個体差があるようです。

落としたものを上から眺めて満足そうにしている様子はかわいらしいですが、割れるお皿や熱いコーヒーの入ったマグカップなどを落としてしまうと、猫ちゃんが怪我をしてしまうこともあります。

また、アクセサリーなどの小物類は落としてしまうだけでなく、遊んでいるうちに飲み込んでしまうことも。

細かい物を机や棚に置くときは、猫ちゃんが開けられないようなケースに片づけましょう。

このイタズラの対処法は、机や棚に物を置かないことですが、なかなか難しいですよね。

落とされても大丈夫なものや安全なものを飾り、危ない物を机に置くときは必ず飼い主さんが目に届くところで見張ってあげてください。

猫ちゃんがなぜ机や棚から物を落とすのかについて、まだ詳しく解明されていません。

高いところから物を落としたときに駆けつける飼い主さんを見て、何かを落とせば飼い主さんが来てくれると学んでいるのかも知れませんね。

いつも同じ場所から何かを落とすときは、そこが猫ちゃんのお気に入りの通り道である可能性もあります。

いつも通っているところに物を置かないように気をつけましょう。

どうして猫はティッシュがすきなの?

留守にしていた家に帰ると、床一面にティッシュが散らばっていたという大惨事を経験したことのある飼い主さんもいるかと思います。

飼い主さんがいない間も楽しく遊んでくれていたのは良いことですが、ティッシュが一箱すべて空になってしまうような豪快なイタズラが続くと、飼い主さんも困ってしまいますね。

一枚ずつ引き抜いて遊んだり、ティッシュの箱からすべて出して部屋中に散らかしてみたり、ティッシュでのイタズラもさまざまです。

なぜこんなイタズラをするのかについてまだ詳しいことは解明されていませんが、ひらひらとゆれるティッシュが何かの獲物に見えているのかもしれませんね。

一説によると、ティッシュを噛みちぎるイタズラは、狩りで捕獲した鳥の羽をむしる行為からきているともいわれています。

猫ちゃんのなかに眠る狩りの本能が、ティッシュを見て目覚めてしまったのかもしれません。

ティッシュで遊んでいるうちに間違って誤飲してしまわないように、飼い主さん側の対策が必要です。

通りすがりにガブッ!突然噛む猫の心理とは

ゴロゴロとのどを鳴らしていたのに、突然ガブリと噛まれてしまうなんてこともありますよね。

猫の噛み方は大きくわけて

  • 甘噛み
  • 本気噛み

の2種類があります。

甘噛みは仲の良い猫同士のコミュニケーションなので、痛みはありません。飼い主さんへの信頼や愛情の証です。

本気噛みはその名の通り、躊躇せず飼い主さんをガブリと噛む行為です。

猫ちゃんはしっぽをふってご機嫌そうですが、あの尖った歯に本気で噛まれると、手が傷だらけになってしまいます。

単純に、猫は怒っているときに噛んだり引っかいたりする生き物です。

  • 爪を切られる
  • シャンプーをされる
  • 病院に連れて行かれる

など、猫が嫌がることをするときに噛みつかれることがありますが、それ以外の何もしていないときに噛みついてくるイタズラは、猫ちゃんにストレスがたまっているのかもしれません。

また、日常的に噛んでくる猫ちゃんは噛むことがクセになってしまっている可能性があります。

子猫のときにじゃれついて噛んでくるイタズラは、あごの力も弱く、噛まれても痛くないので、かわいらしく噛みつかれてもそのまま叱らずにスルーしてしまいがちです。

しかし、子猫のころのクセが大人になっても抜けず、いつまでも飼い主を本気で噛んでしまうようになると大変です。

人への欲求の伝え方を間違えて覚えてしまった猫は、大きくなってもなかなか噛みつくクセが治りません。

子猫のころかは生えかけの歯がむずがゆく、いろいろなものに噛みつくことがありますが、人に噛みついたときは痛くなくてもダメだよと目を見て伝えましょう。

また、いつもは噛みついたりしないのに、突然噛みつくようになった猫ちゃんは、体調が悪いのかもしれません。

普段は身体をなでさせてくれるのに、さわった瞬間に噛みつくのは、そのさわられた部分が痛むからかもしれません。

食欲が落ちていたり、体調が悪そうなときは、すぐにかかりつけのお医者さんに相談しましょう。

飼い主さんが困るイタズラナンバーワンは、壁で爪とぎ

爪とぎを置いている場所以外で爪をとがれると、壁や家具にひっかき傷がついてしまいます。

飼い主さんが愛猫にやめてほしいイタズラのナンバーワンにもなったこの爪とぎ。持ち家でない場合、ボロボロになった壁や床の敷金も心配ですよね。

しかし、爪とぎは猫にとって本能的な行動です。爪とぎをしているときに飼い主さんが怒って止めることが、猫ちゃんのストレスになってしまうことも。

ただ爪を整えているだけのように見える爪とぎですが、

  • 縄張りの主張
  • 爪のお手入れ
  • 身体のストレッチ

など、さまざまな役割があります。

どうしても猫ちゃんが壁で爪とぎしてしまうときは、爪とぎ防止用カバーなどで家具や壁をガードしましょう。

また、猫は同じ場所で爪をとぐ習性があるので、爪をといでいた壁に専用の爪とぎを置けば、壁も傷つきません。

猫ちゃんはキッチンが大好き!ゴミ箱をひっくり返すイタズラも

猫ちゃんはキッチンが大好きです。

嗅覚がとても優れている猫ちゃんは、おいしいものがそこにあると知っているので、何かないかなとついふらふらキッチンへ向かってしまいます。

しかし包丁やコンロなどの火元もあるキッチンは、猫にとってとても危ない場所です。

また、キッチンに置いてあるさまざまな食べ物が、猫ちゃんの身に危険を及ぼすこともあります。私たち人間が毎日口にする食べ物でも、猫ちゃんにとっては毒になるものがたくさんあるのです。

冷蔵庫に閉まっているなら心配ありませんが、

  • 玉ねぎ
  • チョコレート
  • にんにく

など、常温で保存する食べ物のなかにも猫ちゃんが食べてしまうと大変なものがたくさんあります。

これらの食べ物は、身体の小さな猫ちゃんにとって、一口でも大きな影響をもたらすことがあるので注意が必要です。

大量に食べてしまったり、免疫力のない子猫やシニアの猫が口にした場合、

  • 嘔吐
  • 痙攣
  • 不整脈

など、命に関わる症状を引き起こすことも。

猫ちゃんが間違って食べてしまいそうな危険な食べ物は、手の届かない場所に収納しましょう。また、猫ちゃんがあさらないように、ゴミ箱も蓋つきのものに変更してください。

さらにダイニングで食べた物はできるだけ早く片付け、お皿洗いも素早く行いましょう。

食事のあとの食器にはごはんのにおいが残っているので、鼻の良い猫ちゃんが察知してキッチンをウロウロしてしまいます。

飼い主さんが意識して猫ちゃんがキッチンに行く理由をつくらないことが、イタズラを防ぐもっとも効果的な対策です。

食べ物以外をかじるイタズラは、大きな病気につながることも

猫ちゃんが布やビニールなど、食べ物以外のものを噛んだり、なめるイタズラもあります。じゃれて遊ぶくらいなら大丈夫ですが、誤飲してしまうと大変です。

このように食べることができない物をかじったり、ときには飲み込んでしまう行為を、ウールサッキングといいます。

  • 靴ひも
  • カーペット
  • 衣類
  • 飼い主の髪の毛
  • 段ボール

など、その対象はさまざまです。

子猫時代によく見られるウールサッキングですが、1歳までに自然と治まる例が多いようです。なかには成猫になってもこの症状が治らない猫ちゃんもいるので、注意してください。

切れ端程度の布なら便で排せつされたり、嘔吐で吐き出すこともできますが、異物が胃腸に溜まると大手術になることも。

なぜ猫が布やひもをなめたり噛んだりするのかについて、その原因はまだはっきりとわかっていません。

原因がわからないので、根本的な治療はむずかしく、対策も取りにくいのが現状です。

子猫時代のウールサッキングは、生後すぐに母猫から引き離されてしまった子猫によく見られます。

おっぱいが恋しくて、毛布などの柔らかいものをふみふみしている行動が行き過ぎて布やひもを噛んでしまうようになってしまうのではないかという説もあります。

また猫ちゃんはウール自体のにおいに反応して噛んだり飲み込んでしまうことがあるそうです。

ウールサッキングをしてしまう猫ちゃんは、手の届くところに飲み込んでしまいそうな布類を置かないよう注意してください。

ストレスによって引き起こされる行動だともいわれているので運動や遊びでストレスを発散してあげましょう。

飼い主さんこっちを向いて!猫ちゃんがイタズラしてしまう理由とは

バリエーション豊富な猫ちゃんのイタズラ。実は飼い主さんの関心を自分に向けたいという理由から行われることが多いようです。

特に1歳未満の子猫は、飼い主さんに自分を見てもらおうとさまざまなイタズラに精を出す傾向があります。

イタズラをした後、足元にスリついて離れなかったり、飼い主さんの目を見て鳴き続けるときは、甘えたいときやかまってほしいときです。

しかし、イタズラをしたあとすぐに遊んであげたり、ごはんを与えてしまうと、イタズラをすれば飼い主がかまってくれると覚えてしまいます。

イタズラしたときはまず強い声で短く叱り、イタズラをすれば要求に応じてくれると考えている猫ちゃんの認識を変えていきましょう。

猫ちゃんの困ったイタズラは、飼い主さんとのスキンシップ不足や、運動が足りないことが原因とも考えられています。

外に出ることがなく、完全に室内だけで飼われている猫ちゃんのほとんどが運動不足です。1日15分だけでも意識して遊んであげるようにしましょう。

また、一人暮らしの飼い主さんが猫と暮らすと、日中はひとりでお留守番をすることになります。

へとへとで家へ帰ったら部屋中が荒らされていたり、ベッドや布団におしっこされていたなんてことも。

このような飼い主さんが見ていないときのイタズラは、かまってほしいのサインです。

帰ってきてから短い時間でいいので、撫でたり、優しく声をかけるなど、猫ちゃんとコミュニケーションをとってあげてください。

猫ちゃんの種類や個体差によってちがいもありますが、猫は基本的に運動が大好きです。

室内だけで飼われている猫ちゃんは、思いっきり身体を動かすことができないマンションの部屋に窮屈な思いをしているのかもしれません。

家具を危なくないように配置し、思いっきり運動のできるスペースをつくったり、上下運動ができるキャットタワーをつくってあげることで、飼い主さんが留守をしていてもストレスを解消することができます。

また、猫はとてもきれい好きな生き物です。トイレや部屋が汚いと、ストレスがたまって、トイレ以外の場所でおしっこしてしまうことも。

排せつ物はすぐに処理し、きれいな環境で過ごせるように注意してあげましょう。

猫ちゃんのイタズラをやめさせるポイントとは

飼い主さんから見れば困ったイタズラですが、猫ちゃんのイタズラには一つひとつ理由があることがわかっていただけたかと思います。

しかし、いくら理由があるとはいえ、毎日続くイタズラの処理にイライラして、つい大きな声を出してしまうことも。

どうすればイタズラをやめてもらえるのでしょうか。

猫ちゃんのイタズラをやめさせるポイントについてご紹介します。

後で言われても覚えてない!?叱るときは現行犯で

猫ちゃんのイタズラは、必ずその場で叱ってください。

例えば、飼い主さんが留守から帰ってきたとき、ティッシュが床一面に散らかされ、猫ちゃんがその真ん中ですやすや眠っていたとします。

どう考えても猫ちゃんの仕業ですが、飼い主さんがダメよと叱っても、猫は何について叱られているのかわかりません。

人間の子どもとはちがい、猫ちゃんは自分のしたことを時間がたって叱られるとうまく理解することができないのです。

イタズラは現行犯で叱りましょう。

また、イタズラを目撃してすぐに叱るときに「どうしていつもティッシュを散らかすの?そういうことをしてはダメでしょう」と長い文章で話しかけても、猫ちゃんは何を言われているのかわかりません。

強い言葉で長時間拘束する飼い主さんに、不信感をもってしまうことも。

叱るときは、「ダメ!」などの短い言葉で言い切りましょう。

毎回ちがうと困っちゃう。同じパターンの叱り方を心がけて

叱り方にも工夫が必要です。

長い文章で叱っても、猫ちゃんは意味が分からず不快感をもってしまいます。

叱るときは、いつもより少しだけ強い口調と低い音程で「ダメ!」と言い切りましょう。

家族全員が叱り方を統一することで、より効果があります。みんなの言いやすい、短い叱り言葉を考えてそろえてください。

また、気分によって叱ったり叱らなかったりすると、猫ちゃん側も叱られる理由が理解しにくくなり、イタズラもやめられません。

例えば、机の物を落とすとお母さんは怒るのに、お父さんは許してくれるなど、猫ちゃんが混乱する叱り方はやめましょう。

我が家は特に夜遅く帰るお父さんが、あまり会えない分甘やかしてしまうことが多いので、注意しています。

猫のしつけには家族全員の協力が必要です。かわいい愛猫を叱ることに躊躇してしまう気持ちもわかりますが、ダメと言い切る勇気も必要です。

毅然とした態度でイタズラを阻止することが、イタズラによる猫ちゃんへの事故を防ぐことにもつながります。

猫ちゃんの気をそらしてイタズラを阻止しよう

今まさにイタズラしそう!という瞬間に音を出したり、おもちゃで遊んであげるなど、猫ちゃんの気をそらしてイタズラを阻止しましょう。

しかし、イタズラをした直後に遊んでしまうと、イタズラをすれば飼い主さんがかまってくれると認識してしまいます。

必ずイタズラの直前や、何かしそうな雰囲気を察知したときに、おもちゃで気をそらしましょう。

また、イタズラが大好きな猫ちゃんは、運動が足りないのかもしれません。

1日1度は意識して遊んであげるようにしましょう。

飼い主を嫌いになる!?イタズラの叱り方に注意して

猫ちゃんのイタズラを叱るとき大声を出す人がいますが、これは間違いです。

飼い主さんが大声を出すと、猫ちゃんは「これはいけないことだ」という気持ちよりも驚きが勝ってしまいます。ただびっくりするだけで効果はありません。

さらに、この人は大声を出す人だという認識をされてしまうと、信頼関係が崩れ、いつでも飼い主さんの前でびくびくするようになります。

また、猫ちゃんのしつけに暴力はNGです。

イタズラをしたとき叩いてしまうと、そこでイタズラをやめたとしても、しつけではなく暴力として認識されます。

イタズラをしてはいけないとわかるどころか、飼い主さんへの不信感につながります。

軽く叩くだけでも、猫ちゃんにとっては自分よりだいぶ大きな人間にビンタされるような衝撃です。絶対にやめましょう。

叱るときに猫ちゃんの名前を呼ぶと、その名前自体が嫌なものであると認識することがあります。

イタズラを目撃したときはつい猫ちゃんの名前を呼んで怒ってしまいそうになりますが、グッとこらえて「ダメ」とだけ伝えましょう。

イタズラの罰として、キャリーバックやケージに閉じ込めることもおすすめできません。

怒られながら入れられるとその場所にトラウマをもってしまい、病院に行くときや災害時など、いざというときに入ってくれなくなってしまいます。

また、叱ったあとに猫ちゃんが逃げ出しても、追いかけないでください。

猫はとても神経質でデリケートな性格です。叱られたあとに目をそらしたり、逃げる行為は、大好きな飼い主さんから怒られてしまった不安や恐怖から逃げ出そうとしているのです。

一度ダメと叱ったら、追いかけてまで怒るのはやめてください。

イタズラは子猫のころからのしつけが重要

子猫はみんなイタズラが大好きです。かわいいイタズラを飼い主さんもつい許してしまいますよね。

しかし、いざ成猫になってからイタズラをやめさせるためのしつけをはじめても、なかなかなおりません。

犬は団体行動のため、家族に順位をつけて上だと認識した人の命令に従う習性がありますが、単独で自由行動が基本の猫はしつけがむずかしいといわれています。

子猫のころにじゃれて噛みついてきたり、物を落とすイタズラをかわいいからと放置した結果、成猫になってもイタズラのなおらない猫はたくさんいます。

子猫のころから、ダメなものはダメと教えることが大切です。

また、母猫と一緒に育てられていない子猫は、飼い主さんに対しての愛情をイタズラという形であらわすことがあります。

このような猫は1才になるころには人間との生活にも慣れ、イタズラが落ち着く場合があります。

甘えからくるイタズラならたくさんスキンシップをとって気持ちを満たしてあげるなど、子猫のイタズラはただ叱るのではなくケースバイケースに対応しましょう。

ひどいイタズラが頻繁に続くときは分離不安症の場合も

分離不安症という病気についてご存知でしょうか。

さまざまな症状が見られますが、簡単にいえば飼い主さんが自分から見えない場所へ移動すると不安になり、パニックを起こしてしまう病気です。

分離不安とは、親しい仲間や家族と離れ離れになってしまった動物が不安になってしまうことを指します。動物も人間と同じように、別れを悲しく思う気持ちがあるのです。

その不安が病的な症状にまであらわれてしまう疾患が、分離不安症です。

飼い主さんの姿が見えないと不安になって、部屋中で爪をといでイタズラをしたり、トイレ以外の場所での粗相がなおらないことも。

トイレやお風呂にまでついてきたり、帰ってきたとき熱狂的に出迎えるなどの、飼い主さんにとってうれしい行動も分離不安症の症状として見られることがあるので注意が必要です。

猫はこの症状の根本にある不安をなくそうと、絶えず飼い主さんの関心を自分に向けるためにさまざまな行動をとります。

悪化してしまうと、飼い主さんが部屋から出ただけでパニックを起こしたり、

  • 性格が攻撃的になる
  • 過剰なグルーミング
  • 抑うつ症状

など、さまざまな症状を引き起こします。

原因としては先天的な要因もありますが、引っ越しなどによる環境の変化でも分離不安症になってしまうことがあるので、ストレスのない猫ちゃんにとって暮らしやすい生活を心がけてあげてください。

もう一匹猫を飼ったり、飼い主さんが出かけることを気づかれないようにテレビをつけっぱなしにするなど、猫ちゃんによって対策もさまざまです。

成猫になってもひどいイタズラがいつまでも続いたり、飼い主さんの姿が見えなくなるたびに何かを破壊するような行動をとるようなら、一度専門のお医者さんに相談してみてください。

飼い主さんのイタズラ対策を徹底しよう

猫はとても好奇心旺盛な生き物です。気になる物はすぐににおいをかいで、さわりたくなります。

猫ちゃんが暮らす部屋では、イタズラされそうなものをしまっておきましょう。

猫ちゃんが大好きなティッシュも、箱をひっくり返して置いたり、ティッシュホルダーを壁に取り付けて手の届かない場所に置けばイタズラされることもありません。

ティッシュを噛んで遊んでいるうちに飲み込んでしまうと大変です。

少量ならすぐに吐き出したり、便で排せつされれば問題ありませんが、大量に誤飲すると体内でヒモ状になって腸に絡み、大きな手術をしなければならないことも。

イタズラの防止は飼い主さんのためだけでなく、猫ちゃんにとっても必要なことです。  

ティッシュ以外にも、

  • 輪ゴム
  • 安全ピン
  • ピアス

など、遊んでいるうちに飲み込む心配があるものは猫ちゃんの手が届く場所に置かないように注意しましょう。

また、飼い主さんのごはんを盗み食いしてしまう猫ちゃんもいます。

人の食べ物に興味をもたせないようにこっそり食べても、嗅覚のすぐれている猫ちゃんは 「何か美味しいにおいがするぞ」と集まってねだられてしまうでしょう。

一度人間の食べ物を与えるとクセになってしまいます。

人間の食べ物は塩分も多く、猫ちゃんの健康にも悪影響です。手をのばしてねだる猫ちゃんの前での食事は心苦しいですが、あげないように徹底してください。

キッチンに入ってイタズラする猫ちゃんは、キッチンに入れないようにガードをつくるという方法もあります。

家庭のキッチンにドアがあるようなら、猫が自分で開けて入れないようにドアをロックしましょう。

ペット侵入を防止するためのフェンスも売られていますが、猫はジャンプ力に優れているのでかなり高めのフェンスが必要です。

また、キッチンに猫を入れないのではなく、キッチンを猫が入っても安全な空間に変えることも今すぐにできる対策のひとつです。

さわってほしくない物は引き出しのある場所に収納し、ゴミ箱にふたをつけるなど、危険なものを排除していきましょう。

棚や机は猫ちゃんの通り道になることもあるので、落とされて困るものは置かないように気をつけてください。

テレビなど、倒されると壊れてしまう物には転倒防止器具などつけましょう。

家のなかを安全な空間に整備し、猫ちゃんがイタズラできない、飼い主さんが叱らなくてもすむ環境をつくることが、一番のイタズラ対策です。

猫にイタズラはつきもの。危なくないことは大目にみてあげて

はじめて猫を飼う方や、今まで犬を飼っていた方は、猫ってこんなにイタズラするの?と驚かれるかもしれません。

もちろん、猫ちゃんによってさまざまですが、猫との暮らしにイタズラはつきものです。

どうして言うことを聞いてくれないのだろうと悩んでいる飼い主さんも多いかと思いますが、子猫のイタズラは段々落ち着いてきますし、成猫になっても根気強く正しいしつけを続ければなおることもあります。

あまり気に病まずに、猫ちゃんが怪我をしない程度のイタズラは、コミュニケーションと考えて目をつぶってあげてください。

もちろん、笑い話になるようなイタズラならよいのですが、猫ちゃんが危険な目にあうと大変です。

私たちの生活には猫ちゃんにとって危険なものがあふれていることを意識しながら、イタズラ対策をすすめましょう。

猫ちゃんのイタズラを頭ごなしに怒るのではなく、イタズラをする理由について考えることが、正しいしつけや次のイタズラ阻止につながります。

みんなのコメント

あなたの一言もどうぞ

ページトップへ