「猫が元気ないなぁ…」ふとそんな風にみえたとき、あなたの飼い主力が試されます。
病気に強い動物だと言われている猫ですが、それでも生きている限り病気は付き物です。ですが、いくら愛猫が大切な存在だからといって、愛猫がかかる可能性のある病気をすべて覚えることは難しいですし、全てを予防して病気を防ぐことは不可能ですね。
しかし、病気のときに猫がみせるサインとを知ること、猫がかかりやすい病気を理解し考えられる予防をすることで愛猫が病気になるリスク減らすことができます。
猫の元気がないとき、チェックしたい病気の症状とかかりやすい病気をご紹介します。
この記事の目次
猫が元気ないとき、こんな症状があれば相談を!猫の病気でみられる症状
猫の病気は様々存在しますが、全ての病気を把握することは至難の業です。しかし病気を伴うであろう主な症状を理解しているだけで、異変を察知し動物病院を受診する目安とすることができます。
- 何日も続く下痢
- 血尿
- 激しい嘔吐
- 39.5度以上の発熱
- 食欲不振
- 足元がふらつく
- 部屋の隅でうずくまりジッとしている
- おもちゃに反応しなくなる
- ジャンプができない
- 多飲
- 多尿
- トイレ以外での粗相
- 激しく鳴く
- 脱毛
- 湿疹
- 不自然なしこり
これらの症状が複数個出ている場合はあきらかに異常です。最後は飼い主の判断とはなりますが、上記の症状が出ていて何かの異常を感じられた場合は電話でも結構ですので獣医師に相談しアドバイスをもらうようにしましょう。
愛猫の命を守れるのは飼い主だけです。愛猫の大切な命を守るためにも病気の早期発見を心がけるようにしましょう。
猫全般がかかりやすい病気一覧
猫の病気はその猫種や特徴、生活環境によりかかりやすい病気、遺伝疾患などが存在します。
今回は猫全般に気を付けたい病気をご紹介しますので、純血種の猫を飼っている飼い主様はご自身の愛猫がかかりやすい病気もご自身で調べてみることをおすすめします。
- 癌
- 腎不全
- 猫風邪
- 猫免疫不全ウイルス(猫エイズ/FIV)
- 猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
- 皮膚糸状菌症(白癬)
癌
猫の死因の一番多い病気、それは人間と同じく癌です。一口で癌と言っても癌の種類は様々です。
- 扁平上皮癌
- 軟部組織肉腫
- リンパ腫
- 肥満細胞腫
- 肺腺癌
- 肺扁平上皮癌
例をあげただけでもこれだけの癌が存在します。癌は皮膚で覆われている全ての部位にできます。主な症状として体調不良としこりがあげられます。しこりが見られる場合、その80%は悪性だと言われています。
癌の種類にもよりますが、ほかの部位に転移をしてしまったり、腫瘍の根が深く手術をしても全てを取り切れなかったりと、たとえ一度完治した場合でも再発する場合が多いです。
手術をせずに抗がん剤治療を行った場合も一度は回復し完治したように見えても、腫瘍がうまく散らすことが出来ずに再発してしまうことも多く、再発をした場合は抗がん剤が効きにくくなるというリスクもあります。
上記の理由により猫の癌による死亡率は高く、長年死因の一位となっています。
腎不全
癌に次いで死因第二位となっているのが腎不全です。猫はもともと腎臓があまり強い動物ではないのと同時に、明確な症状が現れにくく飼い主が異変に気付いた時にはすでに末期の状態だったということが多い病気でもあります。
初期症状としてあげられるのは、水の多飲多尿、食欲不振、トイレ以外での粗相などがあげられます。その他の症状は特になく猫本人も特に痛がったりすることも、鳴いて訴えたりすることもありません。
腎不全には急性腎不全と慢性腎不全があり、急性腎不全となった場合は発症から早くて数時間、慢性腎不全でも数ヶ月で命を落とす恐ろしい病気です。
腎不全の原因はバランスの悪い食事や生活習慣、他の病気が引き金となり発症することもありどれが原因かは特定するのは難しい病気です。さらに腎不全を治す薬は存在せず症状に合わせての対処療法となります。
しかし腎不全の初期症状を見極め早めに治療を開始することで延命も可能です。
いかに愛猫の異変を察知し獣医師に相談できるか、ほかの病気にならないためにワクチン接種をしているか、普段から健康に気をつけた生活を送らせてあげられているかが重要です。
猫風邪
咳や鼻水、発熱、下痢や食欲不振を伴う風邪は主に様々なウイルス感染により発症します。
代表的な原因ウイルスとして猫カリシウイルス、猫ヘルペスウイルス、クラミジアやマイコプラズマなどが存在し一つだけ感染している場合もあれば複数感染している場合もあります。
たかが風邪だと油断している方、猫風邪は一度感染するとウイルスが体内に留まり続け症状が治まったその後も免疫力が低下するたびに再発をするところです。また元々免疫力が低い子猫や高齢猫の場合は猫風邪により死に至る場合もあります。
猫免疫不全ウイルス(猫エイズ/FIV)
人間のエイズと似た症状が見られることから猫エイズと呼ばれています。免疫力の低下、肺炎、下痢、食欲不振、リンパの腫れが見られますが初期段階では無症状の事が多いです。
感染経路として母体感染やFIVにすでに感染している猫との接触があげられます。接触とは言っても猫同士の傷を作るほどの喧嘩などでみられるだけで、グルーミング程度の接触では感染は認められていません。
しかし傷口から感染をする危険はありますので、多頭飼いをする場合はFIVに感染をしていないか事前に検査を受けFIVの猫と感染していない猫は接触させないようにすることが望ましいです。
猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
FIVと共に動物病院で初期検査をすることが望ましい病気です。傷を伴う喧嘩、グルーミングでも感染が見られるほかに、母体感染も確認されています。
主な症状は免疫力低下による臓器障害、癌、腎臓病、口内炎なども引き起こされる恐ろしい病気です。
猫白血病ウイルスに感染した場合発症率は非常に高く、発症から2~5年以内に70%の猫が死に至る病気でもあります。FeLVはワクチン接種により予防することが可能です。愛猫の為にもぜひワクチン接種はしておきましょう。
皮膚糸状菌症(白癬)
皮膚の代表的な病気としてあげられるのが皮膚糸状菌症です。主な症状は顔や耳、四肢に円形に近い脱毛ができその箇所にカサブタやフケがたまります。
さらに激しいかゆみを伴うため、その箇所を猫自身がなめたり掻いたりすることにより症状が悪化します。
原因としては真菌というカビに感染することがほとんどです。真菌に感染している他の猫と接触することで感染するのですが、特にストレスを溜めている猫ちゃんや免疫力が低い猫、子猫や高齢猫への感染率が高いと言われています。
治療法として動物病院から処方される内服薬や軟膏を塗るなどの他に、薬剤の入ったシャンプーをするなどの治療が行われます。
猫からヒトへうつる、人間がかかる病気
猫のかかりやすい病気を紹介しましたが、実は猫から感染する人間の病気も存在します。種類は多くありませんが猫を飼ううえで猫からうつる病気を把握することも大切なことです。
代表的な病気を把握し予防に努めるようにしましょう。
トキソプラズマ症
トキソプラズマとは猫の1/3が持っていると言われるごくありきたりな原虫です。感染経路は猫の排泄物、飼い主なら皆様行っているトイレの処理の時に感染する場合が多いです。
しかしトキソプラズマに感染しても基本は無害で無症状なことが多いです。問題なのは妊婦さんがトキソプラズマ症に感染した場合です。
トキソプラズマは稀に胎児に影響を及ぼすことがあります。低出生体重や流産、水頭症や精神運動機能障害などです。
トキソプラズマが人間や胎児に感染することは極めて稀とは言われていますが感染しないように注意することに越したことはありません。
パスツレラ症
猫に引っかかれたり咬まれたりした傷口が腫れあがり激しい痛みが現れる病気です。悪化すると肺炎や気管支炎といった重篤な症状も引き起こします。
対策としては愛猫の爪切りを小まめにして引っかかれないようにする、あまりにも可愛いからとキスをしないなど菌を体内に入れないようにしましょう。
猫ひっかき病
猫に引っかかれた傷により感染する病気です。引っかかれてから数日後に虫刺されによく似た腫れが現れ、リンパ節が腫れてくるのが主な症状です。自然治癒することがほとんどですが、脳炎などの重篤な症状を引き起こす場合もあります。
予防法はやはり猫のつめを小まめに切り爪で引っかかれた傷を作らないようにするのが一番です。
猫が病気にならないために飼い主ができる予防法
猫が病気にならない一番の対策としては、完全室内飼いを徹底し野良猫やウイルスなどに感染している他の猫との接触を避けるといったことが有効です。
また定期的な検診とワクチン接種により防げる病気や早期発見できる病気も多く結果他の病気の予防にもつながります。
普段の生活で気を付けることはストレスのない生活環境を作る、バランスのいい食事を心がける、肥満や糖尿病にならないように適度な運動をさせる、スキンシップを普段から行い異変を素早く気づけるようにすることで病気の予防に繋がります。
猫を完全にすべての病気から守ることは不可能ですが飼い主が気を付けたり予防を心がけるだけで、防げる病気、早期発見できる病気は多いです。愛猫の為にもぜひ健康には気をつけましょう。
猫の健康を守ることが猫の幸せにつながる
今回は猫に多く見られる代表的な病気をご紹介しました。すでに知っていた病気もあれば初めて聞いたという病気もあると思います。
人間と同じく猫の病気は多岐にわたり悲しいことに発症すればほぼ100%死に至る病気も多く存在します。また遺伝疾患は生まれた時から持っていることも多く、いくら飼い主が気を付けていても発症してしまうことが少なくありません。
しかし猫の病気を知ることで、その初期症状を見逃さず早期発見、早期治療により一命をとりとめることも出来ます。
大切な愛猫が一分一秒でも元気に長生きできるように、できる限りの予防とできる限りの健康管理は行いましょう。
みんなのコメント
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家には3匹猫がいます。
最近入ってきたまだ0歳のオスのマンチカンが元気がありません。
前までは食欲もあり、よくじゃれていましたが、最近食欲もなく、動くこともなく、ずっと横になっています。
カリカリやカルカンだと食べず、チュールだとかろうじて食べます。
最近去勢手術をしたんですが、そういった症状が去勢前から出ていたので、手術をする前に血液検査を行ったんですが、異常なしでした。
それでも手術後も回復せず、最近また病院へ行ったのですが、やはり今回も異常なしでした。
最近では粗相をするようにもなりました。
原因が本当にわかりません。
助けてください。