人から猫にうつる病気は意外と少ない?その危険性と予防法

猫と暮らしている方が最低限気を付けてほしいのが、猫から人にうつる病気です。何らかの理由で噛まれたり引っかかれたりするとうつる病気もありますし、トイレをお世話などをしていることでうつる病気もあります。

そのためいくら可愛い愛猫でも、ある程度の距離感を保ちながら生活をしないといけません。しかし、ここで一つ疑問が。猫から人にうつる病気の危険性はよく耳にしますが逆の場合、つまり「人から猫にうつる病気」は存在しているのでしょうか?

そこで今回は人から猫にうつる病気の危険性と対処法をご紹介します。大切な愛猫の命を守るためにも、愛猫家の皆様はぜひ知っておきましょう。

意外?人から猫にうつる病気はほとんどない

飼い主が風邪をひいていると、愛猫にもうつってしまうのではないだろうか?と心配になる飼い主様も多いでしょう。実際に筆者もインフルエンザにかかったとき、愛猫に感染したら大変だと思ってお部屋を隔離して生活をしていました。

しかし、結論からいうと人から猫にうつる病気は大変少ないのです。その理由は人の風邪の原因となるウイルスと、猫の風邪の原因となるウイルスは種類が違うのです。

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そのため人から猫にうつる病気ははほとんどなく、飼い主様が風邪やインフルエンザになったからといって愛猫も同じ病気になるということはほとんどないのです。

ただ、人が感染する病気の中でも数は少ないのですが、いくつかうつる可能性のある病気が存在します

飼い主様が風邪を引いたからと、神経質になって愛猫と隔離をした生活を送る必要はありませんが、ある程度は気を付けて生活をしたほうが良いでしょう。

人から猫にうつる病気の代表、結核

人から猫にうつる病気は全てが解明されているわけではありませんし、私たちが知らないだけでもしかしから人から猫にうつる病気は数多く存在しているのかもしれません。しかし、現在わかっている人から猫にうつる病気はとても少ないです。

その中で知られているのが「結核」です。人が感染する病気の多くは猫に感染しないとされていますが、結核については実際に飼い主から飼い猫に感染する恐れのある病気です。

実際に2014年にイギリスで猫から人への結核感染が確認をされました。

この結核を引き起こすウイルスはヒトのものと同じだったことから「人から猫にうつる病気」である可能性が高いと言われています。結核の感染経路は猫との接触はもちろん、空気感染でも確認がされています。

ただし、猫と人との間で結核が感染する確率はとても低く、神経質になる必要はないという話もあります。ただ、実際に猫と人の間で結核が感染した実例がありますので、注意をすることにこしたことはないですよね。

また、結核の他に気を付けてもらいたいのが「クラミジア」です。クラミジアはウイルスではないのですが、稀に猫と人間の間で感染をする場合があるようです。本当に症例は少ないのですが、可能性がゼロというわけではありません。

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また逆に猫から人にうつる可能性もありますので、人でも猫でも異常が見られたら念のため原因を究明することと、お互いに感染をする可能性はないのか調べるのが重要となります。

人から猫にうつる病気はインフルエンザが原因になることも

人が感染するインフルエンザと猫が感染するインフルエンザはウイルスの型が違います。そのためお互いにインフルエンザをうつしあうということは今のところありません。

ただし、人のインフルエンザが猫にうつらないという事実は2018年現在の話です。

インフルエンザウイルスは変異をしやすく、毎年違う形のインフルエンザウイルスが大流行します。そのため、今後の変異によっては猫にうつるインフルエンザウイルスが現れる可能性もゼロではないのです。

実際に近年話題になっている鳥インフルエンザが猫に感染したことがアメリカや韓国で報告をされています。そのため今後インフルエンザウイルスが人と猫に猛威を振るう可能性は非常に高いといえます。

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また、インフルエンザウイルス以外にも飼い主様がインフルエンザになっているときは注意が必要です。インフルエンザにかかった人間は抵抗力が落ちているので、インフルエンザ以外の細菌感染が引き起こされる可能性があります。

その細菌が猫にもうつる可能性は十分に考えられます。インフルエンザ以外にも、飼い主様の抵抗力が落ちているときはさまざまな細菌感染の危険性があります。

その中には猫に影響のあるウイルスも含まれているかもしれませんので、十分に気を付けましょう。また、飼い主様の調子が悪いときに愛猫も鼻水や咳などの症状が現れたときは、ウイルスの可能性を考えて動物病院へ相談をするようにしましょう。

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猫から人に感染する病気は人から猫にうつる病気

猫から人に感染する病気はたくさん存在していますよね。しかし、猫から人に感染する病気ということは人から猫にうつる病気の可能性もあるということです。

飼い猫や完全室内飼いの猫なら病気になることはほとんどないでしょう。

しかし、飼い主様が野良猫などと接触した手で愛猫と触れ合うことで感染をする可能性はあります。

  • サルモネラ症
  • 猫ひっかき病
  • Q熱
  • パスツレラ症
  • 皮膚糸状菌症
  • 回虫幼虫移行症
  • 疥癬

これらの病気は野良猫なら持っている可能性が非常に高い病気です。猫好きならば野良猫と思わず触れ合いたくなる気持ちは十分にわかります。しかし、最低限のことに気をつけないと自分が媒介となって愛猫が病気になる可能性もあります。

人から猫にうつる病気は少ないのですが、人が媒介となってうつる病気は多く存在していますので、野良猫や知らない猫に触ったならばしっかりと手洗いとうがいを行いましょう。

▼もし野良猫を保護するために触ったとしても、愛猫に病気が感染するのを防ぐため過剰な接触は避けるように気を付けてください
野良猫に多い病気まとめ。ヒトや飼い猫が感染に気をつけたい7つ

人から猫にうつる病気に気を付けて健康を守ってあげよう

人から猫にうつる病気の数は少なくても危険性は十分にあります。愛猫の健康を守るためにできる感染予防は、飼い主様自体が病気に感染しないことです。愛猫のためにも、自分の健康管理はしっかりと行うようにしましょうね。

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