猫の下痢の原因3パターン。重篤な症状を見逃さないために

猫が下痢をする原因として考えられる要因は様々あります。中には命に関わる危険な病気のサインということも。

たかが下痢だと慢性的な下痢、定期的に起こる下痢を見過ごしていませんか?猫が下痢をしている原因と考えられる可能性を見ていきましょう。

猫が下痢をしている原因でもっとも注意したい、病気

まず考えなくてはいけない猫の下痢をしている原因は病気です。下痢だけならまだしも、同時に嘔吐や血便が見られる場合は重篤な病気を患っている可能性もあります。

下痢を伴う病気とはどのような病気があるのかいくつかご紹介します。

猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)

下痢を伴う病気に多いのは感染症か寄生虫ですが、なかでも予防したいのは猫免疫不全ウイルス感染症です。親猫からの母体感染がもっとも多く、感染している猫との過度な接触でも感染するのが確認されています。

主な症状は慢性的な下痢、歯肉炎、発熱、結膜炎、鼻炎、皮膚炎です。残念ながら一度感染すると完治することは非常に難しい病気でもあります。

しかし、早期発見することで延命すること可能な病気です。また母体感染をしていない子猫ならワクチン接種により予防もできます。愛猫の健康のためにもワクチン接種は受けましょう。

猫汎白血球減少症(FPV)

体の中の白血球が極端に少なくなる病気です。感染力が非常に強く、一度感染すると重症になりやすい病気でもあります。

感染した時の症状は激しい嘔吐と下痢です。下痢は血便を伴うことがあり、トマトジュースのようなサラサラの便を出します。重篤化すると体の臓器が機能停止し死に至ることも十分にあり得る病気です。

こちらもワクチン接種をすることで予防できる病気なので、ワクチン接種は定期的にうけるようにしましょう。

寄生虫

代表的な寄生虫は3種類存在します。

  • 鉤虫
  • 鞭虫
  • 回虫

それぞれ消化器管、盲腸、結腸などに寄生します。主な感染経路は寄生虫に感染している他の犬、猫の糞便からと母体感染があげられます。寄生されると下痢、血便、脱水症状、食欲不振を伴います。

治療法は病院で処方される駆虫薬を飲ませることで完治しますので、寄生虫と思われる症状が出れば早めに獣医師に相談しましょう。

腫瘍

小腸のリンパ腫、大腸がんなどの消化器管に腫瘍ができた場合も下痢を伴います。大腸がんになる猫は少ないと言われていますが可能性は0ではありません。

腫瘍は早期発見が鍵です。下痢の他に何かの異変を感じたら迷わず獣医師に相談をするようにしましょう。その判断が愛猫の命を守ることに繋がるのです。

猫が下痢をする原因になってしまう食べ物、フードの特徴

人間も食べ物によって下痢を引き起こされることありますよね?猫も同じで食べたものが悪くなっていたり、アレルギーだったり、体調が悪かったりすると下痢をすることもあります。具体的例を見ていきましょう。

食あたり

ウェットフードを与えている場合、夏の暑い時期にお皿に開けて何時間も出しっぱなしのフードは腐ってしまう可能性があります。それを知らずに食べた猫ちゃんがお腹を下してしまい、下痢を引き起こしてしまう可能性は非常に高いです。

その他にも賞味期限が切れたフード、空気に長時間触れ酸化してしまったドライフード、開封して常温保管していたおやつも食あたりを引き起こす可能性があります。

夏のような暑い日、梅雨のような湿気が強い日はキャットフードの出しっぱなしは避け普段から新鮮なご飯を与えてあげるようにしましょう。

食物アレルギー

人間と同じように猫ちゃんにも食物アレルギーがあることをご存知ですか?

全ての猫が食物アレルギーを持っているわけではないのですが、嘔吐と下痢が続くので試しにアレルギー用のキャットフードに変えたら嘘のように治ったという話も聞きます。

  • とうもろこし
  • 小麦
  • 玄米
  • 魚類
  • 大豆
  • 牛肉
  • 豚肉
  • 鶏肉
  • 卵白
  • 卵黄
  • 牛乳

食物アレルギーのアレルゲンとしてあげられる食材だけでもこれだけあります。このほかにもまだまだアレルゲンとなりうる食材は存在しますので、アレルゲンを特定するのは困難を極めます。

もし食物アレルギーが気になるようであれば獣医師に相談をしてアレルゲンの特定を行うか、キャットフードをアレルギー用のものに変えて様子を見るようにしてみましょう。

消化不良

猫は元々肉食動物です。自然界で生きてきた時は小動物を主にとって食べていたので食物繊維をとる機会はほとんどなく、食物繊維や穀物類を消化することがとても苦手です。

そのため過度に食物繊維や穀物類を取ると消化不良を起こし下痢や嘔吐の原因となってしまうのです。もちろん、食物繊維は猫ちゃんの便通をよくする効果や猫にとって必要な栄養素が含まれているので、全く食べさせてはいけないということはありません。

しかし過度に摂りすぎるのはよくないので、愛猫の下痢や嘔吐に悩まされている飼い主様は一度愛猫の食事内容を見直してみてはいかがでしょう?

最近では穀物不使用(グルテンフリー)のキャットフードも販売されています。食物繊維が気になる方は肉類を多く配合したキャットフードも販売されていますので、愛猫に合ったキャットフードを是非探してみてください。

もしかしたら下痢の原因はストレスかも

猫はストレスに非常に弱い動物です。とても神経質な子の場合、飼い主も気づかないようなちょっとした変化でストレスを感じ体調不良、食欲不振、下痢などの症状を引き起こします。

いったい猫にとってどのようなことがストレスに感じるのか見ていきましょう。

引っ越し

猫は家になつくと言われるほど自分の縄張りを大切にする動物です。そのため自分のテリトリーを離れて新しい場所で生活を強いられることは非常にストレスがかかります。

中には引っ越しのため家を出るだけでパニックになってしまう子もいます。

できるなら引越しは避けるのが無難ですが、引っ越しをする場合は猫ちゃんのお気に入りの物、自分の匂いがついている物を部屋に置いてあげる。引っ越した当日はあまり刺激を与えないようにそっとしてあげることを心がけましょう。

また安心できる暗くて狭い隠れ場所を新しいお部屋に用意してあげるのもいいです。引っ越しのストレスをできる限り最小限に抑えられるように気をかけてあげましょう。

模様替え

大掛かりな模様替えはもちろんほんの小さな模様替えでも神経質な猫ちゃんなら嫌がってストレスを感じてしまいます。

模様替えをするにしてもせめて愛猫がお気に入りのお部屋は模様替えを極力避けてあげた方が猫ちゃんも心穏やかに過ごせます。

トイレや食器の変更

猫にとってトイレはとても大切なものです。そのトイレがある日突然違うものに変わっていたら驚いてしまい、トイレで排尿をしなくなり膀胱炎を発症してしまう可能性のほか下痢を引き起こす場合もあります。

またストレスの原因としては今まで使っていた食器から急に代わった、お気に入りの猫用ベッドやクッションがなくなった。なんていう些細なことでもストレスを感じてしまいます。

トイレや食器などの愛猫の身の回りのものを変えるときは急に変更するのではなく、新しいものと古いものを併用しながら少しずつ変えていくようにしましょう。

猫の下痢の原因は様々。たかが下痢と侮らないで

今回ご紹介した他にも下痢を引き起こす原因は多岐に渡りますが、たかが下痢だと侮ってはいけません。

重篤な病気や命に関わる病気、一刻を争う症状の場合もありますので愛猫の異変に気づいたらなるべく早く獣医師に相談するようにしましょう。

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