みなさんも一度は猫派?犬派?という話題で盛り上がったことがあるかと思います。リコイは猫派の人にも犬派の人にも愛される猫だといわれているんです。
ライコイやリュコイとよばれることもあるこの猫ちゃんは、一体どんな特徴があるのでしょうか。
話題沸騰中の新種猫、リコイについてまとめました。
リコイはギリシャ語でオオカミ!リコイ誕生のルーツ
リコイはLykoiと表記されます。これはギリシャ語でオオカミという意味です。
その猫らしくない見た目から、ウェアウルフキャット、つまり狼男のような猫とよばれることもあります。
まずはリコイのルーツをたどってみましょう。
2010年にアメリカの南東に位置するテネシー州に住んでいるブリトニー・ガブルさんという獣医が、被毛の薄い猫を里親募集で見つけ、引き取りました。
ブリトニー・ガブルさんはブリーダーとしての経験も豊富ですが、リコイは純血種同士の交配で誕生したわけではありません。
ブリーダーなどが交配に手を加えて誕生した新種とはちがい、自然変異(ナチュラル・ミューテーション)で生まれた猫なのです。
ブリトニー・ガブルさんの元へきた猫の父母はどちらもアメリカンショートヘアなので、リコイは突然生まれた新種の猫ということになります。この猫ちゃんが今のリコイの元になる一匹目です。
両親であるアメリカンショートヘアとはまったく似ていない姿にDNAの異常が疑われ、健康な身体かどうかさまざまな検査がされました。結果は問題なく健康体だと報告されています。
もう一匹はパッティ・トーマスという女性の元にいた猫です。普通の黒猫から産まれた子猫ですが、被毛が薄かったそうです。
その見た目から無毛の猫種の遺伝子が入っているように思えますが、カリフォルニア大学で実施されたDNA検査では、スフィンクスやデボンレックスのような無毛の猫の遺伝子を継いでいないことがわかりました。
▼両親のアメリカンショートヘアとは、確かに似ていないですよね
アメリカンショートヘアは元気で人懐っこい性格。飼う時の注意点は?
2012年はTICA(The International Cat Association)という国際的な猫の血統登録機関で、正式に猫種の新品種として認められました。
今はまだ認定のみですが、そのうちキャットショーでも大活躍する猫ちゃんになるかもしれません。
では、リコイはどのような特徴のある猫なのでしょうか
見た目と中身のギャップにきゅん?リコイの特徴と性格
リコイはその見た目からオオカミのように野生的な性格をしていると思われがちですが、実はとてもフレンドリーでなつきやすい猫種です。
リコイの特徴と性格についてご紹介します。
毛の生え方が面白い!リコイの身体の特徴とは?
小さなオオカミのようにも見えるリコイ。そこに両親であるアメリカンショートヘアの面影はありません。
やはり、目立つ特徴は毛の生え方です。
あごや首、前足に毛が無いこともあり、毛の生え方に個体差が見られます。スフィンクスのように全身無毛の猫もいるそうです。
顔の輪郭の部分だけ被毛がちがう部分もあり、全体的な毛並みもバラバラです。
この外見に、はじめは遺伝的な皮膚疾患も疑われましたが、検査の結果、皮膚の病気ではないことがわかりました。被毛の少なさは進化の過程によるものだと考えられています。
猫は一般的に
- オーバーコート
- アンダーコート
という2種類の被毛が生えています。
オーバーコートは身体の表面を覆う被毛で、水をはじいたり紫外線を避けるなど、外の刺激から身体を守る働きをしています。
部屋のあちこちにちらばる毛は主にこのオーバーコートで、しっかりとした毛なので洋服やカーペットにつくとなかなか取りにくいです。
アンダーコートは身体の内側に生えている細くて柔らかい毛です。
体温を保持する役割があり、季節にあわせて抜け替わるなど、体温調節にも役立っています。
リコイは毛の根元の細胞が変異しているので、このアンダーコートをつくることができません。
保温のためのアンダーコートがないリコイは、スフィンクスのように少し寒がりかもしれませんね。
室温を調節したり、必要なら猫用の服を着せてあげるなど、体温を保つことができるように工夫してあげてください。
▼毛が少ないリコイだからこそ、猫の冷え性には特に注意したいですね
猫も冷え性になる!飼い主さんができる冷え性チェックと対策
毛が生えている部分も、抜け替わりや成長の過程ですべての毛が抜けてしまうことがあるそうなので、寒さにはますます注意が必要ですね。
生えている部分の被毛は白と黒が混ざったようなグレーに見えますが、これはローンとよばれる毛色です。
ローンは白と黒の被毛が入り混じった状態の被毛を指します。
アメリカンショートヘアはカラーバリエーションの豊富な猫ですが リコイの被毛は今のところこのグレーっぽい毛色のみが確認されています。
産まれたときは全身に被毛のあるリコイですが、3週間ほどたつとだんだん毛がぬけていきます。10週になることは成猫と同じように目や鼻、耳のまわりの毛がなくなっていきます。
被毛のお手入れは2日1回程度のブラッシングで十分です。濡れタオルで拭くくらいでもかまいません。
ブラッシングのしすぎで皮膚を傷つけてしまわないよう注意してください。
被毛が最大の特徴ですが、するどい眼差しもまさにオオカミのようです。ピンっと立った耳もかわいらしいですね。
▼毛がない猫のお世話の仕方については、こちらもご覧ください
毛がない猫の種類と飼い方。実は健康で人懐こいやんちゃな無毛猫たち
見た目とちがう!リコイの意外な性格とは
見た目がオオカミのように野性味あふれるリコイですが、その性格は実はフレンドリー。リコイを一言であらわせば、猫らしくない猫ですね。
犬のようになつきやすく、忠誠心をもった従順な猫だといわれています。
その見た目からワイルドな性格を想像しますが、特別なしつけや飼い方は必要ありません。
狩猟の性質も強く、警戒心も強いですが、ほかの猫ちゃんと同じように遊ぶことが大好きです。この性格はアメリカンショートヘアの遺伝かもしれませんね。
キャットタワーなど、ひとりでも遊べる環境を整えてあげましょう。
人間だけでなく、動物にもすぐなれるので、多頭飼いにも向いています。
▼リコイは初めてでも飼いやすい猫種だと言えるでしょう
初めてでも飼いやすい猫の種類5つと、飼いやすい雑種猫の特徴
リコイはまだまだめずらしい猫
見た目もめずらしく性格もかわいらしいリコイはどこで手に入るのかと、ペットショップに問い合わせが多く寄せられているそうです。
リコイは新種で、とても希少な猫なので、日本ではもちろん、海外でもすぐお家へ迎えることはできません。
値段もまだ未確定で、毛色や年齢にもよりますが1500~2500ドル、日本円では18~30万円ほどの相場が予想されています。
輸入手配やブリーダーさんへの手数料を考えると、さらに上乗せされる可能性も。
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リコイは世界に数匹しか存在しない貴重な猫です。
もちろん、これから交配を重ねて増えていくことになりますが、まだまだめずらしい猫です。
ワイルドな見た目とワンちゃんのようにフレンドリーなリコイ。いつか日本でもメジャーな品種になり、家族としてお迎えできれば良いですね。