猫は気まぐれな動物だとは知っていても、いざ一緒に暮らしてみるとそのあまりの気まぐれさに驚いている方も多いのでは?
遊んで、構ってと擦り寄ってきたと思ったら、数秒後にはプイッとどこかにいってしまったり、タイミングが悪い時に甘えてきたと思ったら、暇な時に限って素っ気ない態度を取られたりと、予想以上の気まぐれさに戸惑ってしまうことも。
動物全般で見ても、ここまで気まぐれに人間をもてあそぶ存在はなかなかいないのではないでしょうか。そんな猫が気まぐれな性格である理由、気になりませんか?今回は猫の気まぐれな性格の理由と、なぜ気まぐれな性格が魅力的に感じてしまうのかを考えてみましょう。
なぜなの?猫が気まぐれな理由
自由奔放で気まぐれな女性を「猫っぽい性格の女性」なんて言いますが、その例えの通り、猫は人間を振り回す天才なのかと思ってしまうほど、気まぐれな性格をしています。
中には、気まぐれどころかまるで犬のように飼い主に従順な猫ちゃんも存在していますが、多くの猫はその気まぐれさで飼い主を翻弄し小悪魔のような振る舞いをします。
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猫好きにとってはそこがたまらなく可愛いのですが、そもそも猫がここまで気まぐれな性格をしているのは何故なのでしょうか?
群れを作らない生き方
気まぐれということは言い換えれば自由ということ。周りに合わせることなく、自分の気分だけで行動をする、言うなれば自分の感情だけに焦点を置いて動いている動物だと言えます。そこで考えて欲しいのは、猫の習性です。
ご存知の通り、猫は群れで生活をする動物ではなく一匹だけで生活をする動物です。自分が好きなときにご飯を食べて、狩りをして、散歩をして、知り合いの猫が集まる猫会議に参加をするという生活を本来はしています。
そんな生活が当たり前なのですから、基本的に誰かとペースを合わせて生活をすることはないのです。つまり、猫が気まぐれなのは誰かと共同生活を送るということが頭にないので、協調性がなく結果的に気まぐれな性格になっているのだと言えます。
仲のいい猫がいたり、ある程度社会性がある動物ではありますが、基本的には自由気ままな一人暮らしを謳歌しているため、だれかに合わせて生活をするという考えがないのかもしれませんね。
自分の命を守るための本能
猫が気まぐれなのは、厳しい自然界を生き残るための名残であるとも言われています。例えば犬のように、基本的に群れで生活をしている動物であれば、その群れの中で自分の決められたポジションを守らなければ、自分の命どころか仲間の命を失ってしまう可能性もあります。
そのため、群れで活動をする動物は勝手な行動をすることはなく、周りに合わせた行動と取るようになります。
一方猫のような単独で生活をしている動物は、自分の命は自分で守るしかなく、他の者に合わせたり気遣ったりしていたら命取りとなってしまいます。自分のことは自分で守る、それが生き残るためのルールであるがゆえに、自分の感情や考えに従って動く本能が強いのだと言えます。
これだけを聞くと「自分さえ助かればいいと思っているのか?なんて薄情な動物だ!」と思うかもしれませんが、それが自然界を生き抜く厳しさの現れなのかもしれませんね。
ただ、ここ最近では飼い猫が増えた影響か、猫でも飼い主様に忠実で飼い主様がピンチに陥ると助けようとしてくれる猫もいるようです。自然界で孤独に生きる動物から、人間と共同生活を送る動物に変化してきている証拠なのかも。
猫は無表情だから
特に今まで犬を飼っていた方は、猫のあまりにもそっけない姿に驚いたのではないでしょうか?犬は飼い主様に対して最大限の愛情表現を体全体で行います。そのため、言葉が通じなくても「とても愛されているのだな!」と実感できていたことでしょう。
しかし、猫は表情筋が犬のように発達しておらず、表情があまり変わりません。
そのためか、猫のために何かをしてあげても喜んでいるのかがわからない、撫でてとおねだりをされたような気がしたけれど、実はそうではなく猫パンチをされてしまった、など感情のサインをうまく読み取ることができないことも。
それが原因となって「猫は気まぐれで感情がよくわからない」「撫でてと言われたのにいきなり攻撃をされた!」なんてことになるのかもしれませんね。
猫を飼い始めたばかりでは、愛猫の正しい感情を読み取るのは難しいかもしれませんが時間が経てば、猫の様々な感情サインを読み取れるようになるはずです。最初は猫と意思疎通ができなくても、一緒に生活をしていれば何となく気持ちが通じ合いますから、そのやり取りも楽しんで過ごしてみては?
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飼い主様を対等な立場で見ているから
一説によると猫は飼い主様のことを「体の大きな猫」と思っているようです。そのためなのか、飼い主と対等の立場で接する傾向にあります。一方、同じペットの代表でもある犬は飼い主様を「群れのリーダー」と認識しているため、気まぐれな行動はあまりしないようです。
「体の大きな仲間」と思っているか「忠実に従うべきリーダー」と思っているか、そう考えると猫が気まぐれな理由もわかりますよね。
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飽き性だから
猫はとっても飽き性な動物で、お気に入りのおもちゃでもすぐに飽きてしまうこともありますし、大好きだったご飯もある日フト食べなくなることもあります。これは猫の本能がそうさせており、常に獲物を追いかけてあらゆる味のお肉を食べていた猫は、飼い猫になっても常に刺激を求めています。
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また、食べ物に関する飽き性に至っては、同じ味の肉ばかりを食べていると栄養が偏ってしまう恐れがあるため、あえて同じ味だと飽きるような習性を身につけているとも言われています。
現在販売されているキャットフードのほとんどは、そのフードだけで猫にとって必要な栄養素をバランスよく配合されているのですが、本来持っている本能によってキャットフードを食べなくなってしまうこともあるのです。
そんな飽き性な本能を持っている点も猫が気まぐれだと言われる要因だと言えます。
情緒不安定
何らかの原因で精神的に傷ついてしまったがために、情緒不安定になっている場合もあります。虐待をされていたり、飼い主様に捨てられてしまったり、裏切られてしまったりと、猫も感情を持っている動物ですから、心に深い傷を追うことはあります。
もともと気まぐれな動物である猫ですから、情緒不安定になっているのか、それともただの気まぐれな性格がそうさせているのかはわかりませんが、あまりにも感情の起伏が激しいならば注意をするべきかもしれませんね。
もし愛猫のことが心配ならば、ほかにストレスサインが見られないか確認をしてみましょう。
- グルーミングを過剰に行なっている
- グルーミングを全くしない
- 体調不良
- 自分で自分の体を傷つける
- おもちゃなどに全く反応をしない
- 動くこともなくボーッとしている
- 部屋の隅でジッとしている
- 異常なほどの大きな鳴き声を上げ続ける
▼猫のストレスサインについてさらに詳しく説明しています
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猫にとってストレスは病気の原因やきっかけとなることもあります。あまりにも他の心配な行動が見られるようであれば、念のために獣医師に相談をしてみましょう。
猫が気まぐれなのは4つのモードがあるから?
猫の気分は秋空のようにコロコロとよく変わります。
さっきまで甘えん坊だったのに、次の瞬間には部屋中を駆け回って目に見えない獲物を追いかけるような行動をみせたり、かと思えば急に静かになって穏やかに毛づくろいを始めてみたりと、はたから見ていると思わず「本当に同じ猫?」と言いたくなってしまうほど。
とても気まぐれの一言で片付けられそうにないこの行動、実は猫の特徴に関係があるのをご存知でしょうか?猫は全く異なる「4つのモード」があり、このモードを変えながら一日を過ごしているのです。その4つのモードとは以下になります。
- 子猫モード
- 親猫モード
- 飼い猫モード
- 野生猫モード
それぞれどのような特徴があるのか順番に見ていきましょう。
子猫モード
子猫モードの時とはいわゆる甘えん坊モードの時です、尻尾をピンと立てて飼い主様に近づき体をスリスリしたり、ふみふみしたりと、子猫の気分になって母猫代わりである飼い主様に甘えている状態です。
猫好きにとっても、そうではない人にとってもこのモードに入っている猫は大変可愛く思わず頬が緩んでしまいます。なお、子猫モードは家の中で飼われている猫に見られる特有の仕草だと言われています。
通常であれば、母猫と親離れをしていればこのような仕草をすることはないのですが、飼い猫の場合は飼い主様が母猫がわりとなっていますから、親離れをする必要はありません。そのため、成猫になっていても飼い主様に子猫気分で甘えてしまうようです。
成猫なのに子猫気分になっているって大丈夫なの?と心配になるかもしれませんが、愛猫の子供を作る予定がないのであれば特に問題はありませんので思う存分子猫気分で甘えさせてくださいね。
▼猫によって甘え方も違うので、そこも楽しめますね
写真でみる猫が甘える時のサイン。定番モノから意外なサインまで
親猫モード
子猫モードが甘えん坊であるならば、親猫モードはお節介焼きです。猫は人間のことを「大きな猫」と思っています。そのため猫の目からすれば人間は「体が大きいくせに高いところも登れなければ獲物も取ってこれない鈍臭い奴」と思っているようです。
そんな鈍臭い大きな猫と共に生活をしている猫は「あいつの面倒を見てやらないと」と、急に親猫のように甲斐甲斐しくお世話をしてくれることもあります。
急に虫やネズミなどを目の前に持ってきてくれたり、一生懸命毛づくろいをしてくれるのは面倒を見てやっているという気持ちから出る行動なのです。
飼い猫モード
飼い猫モードとはいわゆる「安心してくつろいでいる時」のことです。外敵のいない安全な室内で日向ぼっこをしながらのんびりと毛づくろいをしていたり、のんびりと昼寝をしているのはまさに飼い猫らしい行動です。
野良猫でもこのような行動をとる猫はいますが、それは人間の手の届かない場所で行うか、実は誰かの飼い猫であったり、地域猫であったりすることがほとんどです。外的に襲われる心配も、餌の心配も、寝床の心配もなく、のんびりゆったりとくつろいでいる気分だからこそできる行動なのですね。
野生猫モード
今まで静かに眠っていた愛猫が急に走り出したことに驚いてしまった経験のある方も多いのではないでしょうか?この急に走り出す行動は、野生のスイッチが入った証拠です。猫は野生の時の本能を色濃く残している動物ですから、狩猟本能は室内でのんびりと暮らす猫にもあります。
そんな狩猟本能のスイッチがなんらかのきっかけで入ってしまうと、我慢ができずに思わず走り出してしまうようです。人間でもストレスなどから急に体を動かしたくなることがありますよね?あの感覚にもしかしたら似ているのかもしれません。
ただ、猫の場合はこれらの4つのモードが数秒単位で切り替わることもあるため、人間からすれば「気まぐれにもほどがあるだろう!」と、思わず突っ込みたくなってしまうのです。
猫のかわいい気まぐれ行動あるある
こんな気まぐれでワガママなのは、うちの愛猫だけじゃないの?なんて思っている飼い主様、気まぐれな猫ちゃんのかわいい行動に振り回されているのはあなただけではありません。
猫は様々な気まぐれ行動で、猫好きをメロメロにしているのです!せっかくなので、そんな猫の気まぐれ行動のあるあるを一部ご紹介しましょう。
気持ちよく撫でられていたと思ったら噛まれた!
タイトルだけを見たら何も可愛いとは思えないですが、今まで気持ち良さそうに撫でられていたのに突然豹変して噛まれると「痛い!何で!?」と思わず怒りが込み上げてしまいますが、そのあと大きな瞳で見つめられると「反省しているの?仕方がないな~」と、メロメロになってしまう人は多いようです。
まさにアメと鞭を上手に使っている猫ならではの戦法かもしれません。ちなみに、撫でられていた猫が突然噛むのは、最初は気持ちよかったけれど段々と触られるのが鬱陶しくなって噛んでしまうようです。なんて気まぐれで自分勝手!
噛まれるのは痛いですし、場合によっては怪我の恐れもありますので、撫でられている猫が鬱陶しそうに飼い主の手を見つめ出したら撫でるのをやめるようにするなどの対策を取ることをおすすめします。
作業をやり出したら邪魔をしてくる!
猫じゃらしを振っても声をかけても、まるで反応をしてくれなかったのに、パソコンなどの作業を始めた途端目の前を占拠したり、作業している手にちょっかいを出すなどをして邪魔をしてくることありますよね。
だからと言って「遊んで欲しいの~?仕方がないな~」とデレデレしながら猫じゃらしを振ってあげてもなぜか反応をせず興味なさそうに、再び飼い主様から離れて昼寝をしだしたという経験も同じくらいあるのでは?
この気まぐれで自己中にもほどがある謎の行動は、猫の「私だけを見て欲しい」という感情の表れなのかもしれません。特に構って欲しいわけでも、遊んで欲しいわけでもないけれど、飼い主様の意識が自分以外の物に向いているのが許せないのかもしれませんね。
▼猫のやきもちは困る事もあるけど、やっぱりかわいいものです
猫がやきもちをやいているサイン。対象はヒトや猫だけじゃない!?
何もしなくていいけれど、とにかく自分が一番じゃないと気が済まない、とにかく自分だけに注目をしておいて欲しい!そんな気持ちが気まぐれとしか言いようがない行動に現れているのでしょうね。
素直じゃない
飼い主様が大好きで甘えたいけれど、なかなか素直に甘えられない、そんなツンツンしている猫ちゃんも飼い主様をメロメロにする性格を持っていると言えます。特に自立をしている猫の場合、飼い主様が大好きなのにも関わらず子猫のように喉をゴロゴロ鳴らして甘えることがあまりできません。
プライドなのか?大人が子供のような真似をするのが恥ずかしいのか?真実はわかりませんが、あからさまに甘えるような行動をしない猫もたくさん存在しています。しかし、そんなツンツンしている猫でも気まぐれで自分の感情に従い飼い主様にスリスリゴロゴロとしてくれることもあります。
その姿に思わず興奮をしてしまったのも束の間、ハッと我に帰ったかと思うといつものようなつれない態度に戻ってしまうという一連の流れに「気まぐれだけど可愛い!」と、愛猫を余計に好きになってしまう飼い主様はたくさんいるようですね。
猫の気まぐれさは人間を夢中にさせるスパイス
こんなにも気まぐれで自分勝手な動物に、なぜ人間は夢中になるのか?その理由は「人間もまた刺激と変化を求め続ける動物」であるからなのかもしれません。いつも同じことを繰り返す単調なものは、最初は良くても次第に飽きてしまいます。
また、次の動きが予測できるものや、いつも同じ反応しか見せないものに対してもやがて興味を失ってしまいます。しかし、猫は常に予測不能の行動をとるだけではなく、一日のうちで様々な気まぐれな行動を見せてくれます。
そのコロコロと変わる変化こそが、猫に夢中となってしまう人が多い理由なのではないでしょうか?見た目が可愛いのはもちろん、性格まで可愛いなんてまさに小悪魔のような動物です。