シャー!と威嚇する原因とそのときの猫の気持ち。しつけは出来る?

猫を飼っていればみんな1度は目にしたことがあるであろう「威嚇」する姿。

来客や他の猫ちゃん、病院に連れて行こうとする飼い主に対して「シャー!!」と牙を向けこわ~い顔で威嚇することがあります。怖い時、不安な時、敵と思った時、など威嚇する状況や気持ちは様々。

ここでは威嚇する猫ちゃんの気持ちと共に、威嚇を止めさせる方法はあるのかご説明していきたいと思います。

そもそも「シャー!」はどんな合図、仕草なのか?

私たちと同じように、何もない状況で突然1匹で「シャー!」と怒り出す猫はいません。威嚇するにはなんかしらの要因が絡んでいます。

まず威嚇するときは牙をむき出しにして、大きな「シャー!」という声を出します。この「シャー!」はヘビの威嚇する姿ととてもそっくりで、遠い昔にヘビの威嚇を猫が真似したものと言われています。

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そして漫画などでもよく見かける描写で、身体中の毛がブワッと逆立ちます。尻尾の毛もブラシ様に倍以上に膨れ上がります。頭を低くして、背中を丸め、威嚇している相手に自分の姿を大きく見せようとして防衛の姿勢を取ります。

とても神経質でビビりな猫ちゃんや、人見知りの猫ちゃんはちょっとしたことで、牙を剥き出しにしたりすることもあります。のんびりとしたマイペースな性格の猫ちゃんは、ビックリしても微動だにせずなんとも感じない子もいます。威嚇の仕方やタイミングは性格に寄って猫それぞれです。

威嚇する時の猫の気持ちや要因

猫が威嚇をする時は、いろいろな原因や気持ちが考えられます。猫に寄ってその感情は様々ですが、大まかな気持ちや要因をご紹介していきます。

恐怖を感じたとき

猫の威嚇に一番多いパターンと言える、恐怖心を抱いた時。

急に大きな音がしたり、人の大きな声で猫はビックリして突発的に威嚇します。不安や敵意を感じている時に、猫はいきなり攻撃しません。まずは、威嚇によって相手をひるませて遠ざけようとします。それでも相手が寄ってきたりすると、噛み付いてきたり猫パンチが繰り出します。

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自分の縄張りに入られたとき

猫は自分のテリトリーをとても大切にします。突然知らない人や他の動物が自分のテリトリーに入ってくると本能的に威嚇します。

例えば、新しい猫ちゃんを自宅に迎えたりすると先住猫が後から来た猫に威嚇をする事が多々あります。これは「知らないヤツがきたぞ!」という縄張り意識から知らない者を排除しようという気持ち。自分の大切なテリトリーを守ろうとしています。

ケガなどをしているとき

ケガや病気などで弱みを抱えている猫は、防衛のために威嚇することがあります。猫は病気やケガをしていると、その痛みやストレス、不安感から「シャー」と鳴く場合があります。これは、外敵から自分の身を安全に守るために威嚇しています。

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母猫の場合に見られる威嚇も同じような状況で、子猫を敵から守るために相手を威嚇します。

妊娠中や出産後の母猫は、子猫を守るためにとても神経質になっています。温厚で威嚇した事のない猫でもこの時ばかりは違います。必要以上に子猫を触ったりせず、母猫が安心できる生活環境をつくってあげる事がとても大切です。

飼い主に反感があるとき

飼い主が何の気無しに行った事も、猫にしてみたらとても不快な行動をしていることがあります。飼い主が猫の威嚇の原因自らを作ってしまってはとてもかわいそうです。例えば、嫌がっているのに執拗に構い続けたり、抱っこが嫌いな猫を無理矢理抱っこしようとしたりすると威嚇されることがあります。

子供の頃に猫に威嚇されたり、引っ掻かれた経験がある方もたくさん居るのでは?このような無理矢理の人間の行動が、これに当てはまります。筆者の私は小さな頃から猫が好きすぎて、懲りずに猫に立ち向かう傷だらけの子供でした(笑)

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まず威嚇の原因をしっかりと探ろう

猫の威嚇行動や攻撃がおさまらない場合は、まず猫が何に対して威嚇しているのか、原因を特定してあげなければ威嚇はなかなか収まりません。だんだん慣れてくる事もあるかもしれませんが、最初に威嚇の原因となるものを生活環境から省いてあげる事が大切です。

猫が何かしらストレスや不安を感じている時など同じ場所から出てこず、威嚇が続くことがあります。

私たちができることは、猫の居心地のいい場所を作ってあげたり、必要以上に構わずそっと過ごせる環境を作ってあげる事。逆に甘えてきたときはしっかりスキンシップしてたくさん可愛がってあげる事で猫の心は満足するでしょう。

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また、去勢手術や避妊手術をすることでホルモンバランスが変わり突然威嚇するようになったり、全くしなくなったりすることあります。よく避妊去勢で猫の性格が変わった、というのはこのようなホルモンバランスが大きく関係しています。

それでも、原因が見当たらなく、威嚇行動がおさまらない場合に、しつけることを考えましょう。

とにかく威嚇しまくるウチの猫。しつけ方法を教えて!

最近は「お手」をする猫ちゃんの動画などもたくさんありますが、猫にしつけを行う事はとても根気が必要で非常に難しいこと。威嚇しないようにしつける事は可能なのでしょうか?

猫のしつけのポイントは「こういう時はこうなる」と根気よくパターンを覚えさせる事です。長く同じ猫ちゃんと生活する事で、猫の行動パターンや性格、どんな事に怖がるかなども掴めてきますので、猫ちゃんにあったパターンを覚えさせればやめさせる事が可能です。

大まかな方法は下記のような事をしてみると良いです。猫ちゃんの性格によって全く効き目の無いものもありますので、いくつか試してみて猫の反応を伺ってみてください。

驚かす

猫が威嚇をした時に大きな音などで驚かせます。

両手をパン!と叩いたり、ちょっとだけ霧吹きで水を顔に掛けるなど、驚かせて猫がビックリすることで、威嚇をやめてくれます。猫を驚かせる行動を何度か繰り返していくことで、「これをやると(威嚇)するとビックリする事が起こる…」と学び、威嚇や攻撃がこの人には通じないということを学びます。

無視をする

威嚇した時に飼い主である私たちは猫と目を合わさず、無視するという行動を取る方法があります。威嚇は飼い主に構って欲しくて行う猫も居ます。シャー!といえば振り向いてくれる、と猫が覚えてしまった為にクセの様になっているパターンです。

飼い主に威嚇しても構ってもらえないと猫がわかると、威嚇をやめてくれるケースが多いといわれています。

無視する事は、威嚇以外のしつけでも大いに役に立つ方法です。スリスリして鳴けばご飯がもらえる、早朝に耳元で鳴けば飼い主が起きてくる、と猫は飼い主の反応で様々な方法を覚えます。

「無視」と聞くとかわいそうな感じがしますが、困った猫には無視をし続け「これじゃダメなんだ…」と覚えてもらう事が一番のしつけ方法と言えます。

我が家の猫もとんでもない早朝に起こしてくるので、根気よく無視して寝ていたら、いつの間にか起こしてこなくなりました。その分、私の主人が毎日早朝に起こされてますが、これは猫に負けて主人が起きてしまうので「この人は起きるじゃん!」と猫が覚えてしまった事が原因と言えます。

上記の方法とは逆に、猫の威嚇に対して大きな声で怒ったり、飼い主さんが怖がったりするのはとても逆効果です。猫が自分の威嚇や攻撃が効いていると学んでしまいます。

叩いたり閉じ込めたりするなんて事は、猫との信頼関係にも傷が付き、最も御法度です。違う様な場面でも威嚇を繰り返すようになってしまう原因にも発展しますので注意してくださいね。

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しつけより先に不安を軽減できる環境を作ってあげよう

猫だってできればケンカなどは避けたい、怖いのは嫌、ときっと思っています。猫が威嚇や攻撃をしてしまう原因を飼い主さんがすぐ見つけてあげれることが1番の近道であり、解決策です。

しつけや原因を見つけていく中で、猫が何もしていないのに驚かせたりするのはやめてください。猫に警戒心や恐怖心が生まれ、さらに威嚇や攻撃をしてしまう可能性出てきます。飼い主であるわたしたちが、猫の性格や行動パターンをしっかり把握し、安心して過ごせる環境を作ってあげる事がしつけよりも何より早い解決策です。

ゆっくりまったりと、かわいい飼い猫に毎日を過ごしてもらいたいですね。

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