猫は警戒心が強く、自分のテリトリーとても大切にする動物です。そのため自分の縄張りである自宅にしらない人が入ってくると人見知りをしてしまう猫はとても多く存在しています。
しかし、中には知らない人でも構わずにスリスリゴロゴロする人見知りをしない猫も存在していますよね。
人見知りをする猫、しない猫、そこにはいったいどんな違いがあるのでしょうか?また人見知りを治す方法はあるのでしょうか?本日のテーマは猫の人見知りについてです。
人見知りをする猫としない猫の違いはズバリ性格
人見知りをする猫は、知らない人を見たら逃げる、震える、隠れるといった三拍子がそろうだけではなく、猫によっては威嚇をしたり攻撃をしたりします。
そんな人見知りをする愛猫に「もっといつものように愛想よくしてくれたらいいのに・・・」と、寂しい気持ちになっている方はいるのではないでしょうか?
しかし、猫はもともと警戒心が強い動物であるため、人見知りしない猫の方が実はめずらしかったりするのです。そんな人見知りしない猫と、する猫の違いは何なのかというと、ズバリ性格の違いです。
もちろん、人見知りしない猫というのは元々人と接する機会が多い環境で育っていたり、人が出入りするお店などで飼われていたりすることも大きな要因となっています。
しかし、昔から人とたくさん接しているにもかかわらず人見知りをする猫はたくさん存在しています。たとえ同じ環境で育ったとしても、人見知りをする猫は人見知りをしますし、しない子は知らない人でもスリスリしに行きます。
そのため、人見知りをするかしないかは、その猫が生まれもった性格が大きく関係していると言えます。
ただ、人見知りをすると言っても知らない人が近くにいる間は一切姿を見せない筋金入りの人見知り猫もいれば、時間が経つとおそるおそる近づいてくる猫もいます。
また、人見知りによる行動も色々で、隠れて姿を見せない子もいれば、その場で震えて固まってしまう子もいますし、飼い主様には愛想が良いのに知らない人には見向きもしないという猫もいます。
どんな人見知りのしぐさをとるのかも、猫によってさまざまなのです。
猫の人見知りを克服する方法
猫ちゃんの人見知りはその猫の育ってきた環境や性格が大きいため、人見知りをいきなり克服させるのはとても難しいのです。
そのため、人見知りを治そうと無理矢理知らない人の前に連れていったり、追いかけ回したりすると恐怖心を与えてしまい余計に人見知りを加速させます。では、猫の人見知りを克服するためにはどうすればよいのでしょうか?
ケージの中から知らない人と接する
知らない人を怖がるのは、その人がどんな人かわからないということと、飼い主以外の人が自分にとって害がないということがわからないという理由が考えられます。
そのため、人見知りを克服してもらうには、猫に人というのはどういったものかというのをわかってもらう必要があり、人は怖いものではないということを理解してもらう必要があります。
そのためにぜひ試してほしいのが、知らない人とケージ越しに接する方法です。普段から使っているケージに猫を入れて、安全な場所を確保させてから知らない人と接すると猫も比較的落ち着いて接してくれる子が多いようです。
このときの注意点は、ケージ越しに無理矢理撫でようとしたり、引っ張り出そうとしないことです。
あくまでも猫に慣れてもらうことが目的ですから、初めはケージ越しに静かに見るだけにし、慣れてきたら少しずつコミュニケーションをとるようにしましょう。
知らない人に挨拶をしてもらう
人見知りをする猫にとって、いきなり近づいてきてなれなれしく抱っこをしようとしたり、撫でたり、話しかけてくる人は、警戒心を強める原因となります。
そのため、猫にとってあまり知らない人には必ず猫と接する前に挨拶をしてもらうようにしましょう。
猫の挨拶は人間の挨拶のように言葉で会話をしたり、外国人のようにハグをしたりキスをしたりするようなものではありません。猫同士の場合は、お互いに自分のニオイを嗅いでもらうために鼻と鼻をくっつけることで挨拶をします。
その習慣を利用して、知らない猫と挨拶をするときは猫の鼻の前に人差し指をそっと差し出してみましょう。すると猫は本能的に指先に鼻を近づけてきます。こうしてニオイを嗅いでもらうことで、自分に敵意がないということを知ってもらえるのです。
ただし、猫によっては姿を見ただけで逃げ出してしまう子やパニックになって震えるほど人見知りをする猫も存在していますので、挨拶をするのは近づいても逃げないときだけにしましょう。
無視をする
人見知りをする猫と何とか仲良くなろうとして無理矢理猫を追いかけたり、話しかけたりする方もいますが、それは逆効果になりますし、ひどい場合なら人間不信になる可能性もあります。
そんな激しく人見知りをする猫ちゃんにはあえて無視をするというのも1つの方法ではあります。無視をするというのは、猫ちゃんが何らかのアクションを起こしてきても知らない顔をするというものではありません。
例えば人見知りをする猫が知らない人の姿を見て、逃げ出したときや、恐怖で固まってしまったときは、あえて見ないようにして過ごします。
知らない顔をして過ごしていると、やがて猫も「この人は何もしてこないから、もしかしたら害のない人なのかな?」と、思ってくれます。
そうすると今度は、猫特有の好奇心が強くなり恐る恐るではありますがゆっくりと近づいてきてくれます。そのときに初めて、コミュニケーションをとるとスムーズに人なれをしてくれます。
猫好きの場合、猫の姿を見るとどうしても抱っこしたい、撫でたい、触りたいという気持ちが先行してしまうため人見知りの猫でもかまわず近づきたくなりますが、あえてそこは我慢をしてもらい、時間をかけてゆっくり仲良くなってもらいましょう。
また、猫によっては恐怖心から威嚇をしたり凶暴になる猫も存在しています。そのような猫にも、無理に近づいたり大げさな反応をしたりするのではなく、無視をすると意外にも早く心を開いてくれますのでぜひお試し下さい。
おやつを与えてもらう
とっても古典的で少々ずるい気もしますが、やはり餌付け作戦は仲良くなるのに効果的です。
そのため、どうしても人見知りを克服させたいと思うならば知らない人から餌やおやつを与えてもらうよにしましょう。
人見知りをする猫でも、知らない人がくるたびにおやつをもらえるとわかれば「知らない人=おやつをくれる人」と思うようになり、気が付いたら人見知りをするどころか、知らない人が来たら足元をスリスリするようになった!なんてこともあります。
特に猫は自分に有益なことについては覚えが早いので、知らない人がくるたびにおやつをもらうと、知らない人が来ただけで大喜びするようになるかもしれません。
ぜひ、来客が多い自宅にもかかわらず愛猫が人見知りで困っているという方は餌付け作戦を決行してください。
あきらめる
人見知りをする愛猫が心配だから人見知りを治してあげたい。そう思う飼い主様もいるでしょうが、あまり来客のない家だったり、隠れる場所がたくさんある家の場合なら、あえて人見知りを治そうとはせずそっとしておくという選択肢もあります。
猫はもともと人見知りをする動物ですから、逃げたり隠れたりするのは普通の行動とも言えます。
そのため、人見知りによって攻撃的になったり、ストレスを感じて体調を崩すなどの問題がないならば、あえて何もせずにそっとしておくというのも猫のためになります。
できれば、自分の愛猫をお客様に紹介したい、自慢したい、一緒にナデナデしてもらいたい、そんな気持ちがあるのは十分にわかります。
しかし、その行動が猫に大きなストレスを与える原因となる場合もありますので、その猫の性格を考えたうえで対策をしましょう。
人見知りになった原因から対策を考える
自宅に迎え入れたときから人見知りだったという猫もいるでしょうが中にはある日突然、人見知りになったという猫も存在しています。
例えば、知らない人が来た時に何か恐怖を感じるようなことがありトラウマとなってしまった、子猫から成猫になって警戒心の度合いが変わった、必要最低限でしか人と関わらなかったため人見知りになってしまった、など理由は様々です。
そのような猫に対しては、原因となっているものを解消してあげることで人見知りを克服できるかもしれません。
たとえば人見知りの原因が過去のトラウマである場合、知らない人から餌やおやつをもらい印象を良くしてもらう、人間と必要最低限しか関わらなかったことが原因の場合は飼い主様が普段から愛猫とたくさん触れ合う機会を多くするなど対策も臨機応変にしましょう。
ただ注意をしてほしいのが、人見知りを無理矢理克服させようとするのは猫にとってストレスを感じる原因となるほか、余計に人見知りを加速させる原因となりますので焦らずじっくりと付き合ってあげるようにしましょうね。
人見知りの猫でもそれが個性と受け止めてあげよう
人見知りの愛猫に「もっと愛想が良ければ」「本当はもっと可愛いのに」「皆に自慢したいのに」と、愛猫を愛するが故に悩むこともあるでしょう。
しかし、猫が知らない人にだけ人見知りをするということは、逆をいえばその猫にとって信頼できるのは飼い主様だけだと思っている証拠でもあります。
可愛い愛猫の愛情を独り占めできるなんて、ちょっと贅沢だと思いませんか?人見知りをする猫には人見知りをする猫の良さが、人見知りしない猫には人見知りしない猫の良さがあるということです。
それぞれの個性を受け入れて愛してあげる、それこそが愛猫家にできることなのかもしれませんね。