「うちの猫ちゃん、ちょっとおデブなのよね……」そんなお悩みを持つ飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
ただ、そのぽっちゃり体型がまた可愛らしい、とも思ってしまいますよね。
ですが……猫も人間も等しく、肥満は健康の大敵!肥満のままでは深刻な病気も起こり得ます。
「でも、対策をどうすれば良いのかわからない!」という飼い主さんのために!今回は猫ちゃんの肥満の対策方法についてのお話です。
結論から先に言えば、対策方法は人間と全く同じ!大事なのは食事と運動なのです。
どういう風にフードをあげればいいの?
まずは、食事の話からしていくとしましょう。
今の食事のあげ方を見直すことで、減量の第一歩につながるかもしれませんよ。
キャットフードの量をちゃんと計ろう
目分量で計るのではなく、きちんと計量カップやはかりで計るようにしましょう。
こちらの画像をご覧ください。
これは、猫の年齢や生活スタイルに合わせた1日の適正カロリーの表です。このカロリー量を参考に猫ちゃんのフードの量を調整してみてください。
計算方法は、こちらの画像を参考に。
しかし、肥満猫ちゃんにはこの計算で出したそのままの量をあげるわけにはいきません。
【 例 】
例えば、今の体重が5kgで去勢をした室内飼いの猫ちゃんの場合。
5(kg)×60(kcal)×0.6(40%減の場合)~0.7(30%減の場合)=180~210(kcal)
となり、180kcal~210kcalがこの猫ちゃんに与える減量用の適正カロリーになります。
しかし猫ちゃんにこの減量用の適正カロリーをあげるべきなのか、それとも最初のほうの普通のカロリーで良いのか、そもそも自分の飼い猫が肥満かどうか判別がつかない!という方もおられると思います。
▼こちらの記事に、猫ちゃんが肥満かどうかのチェック方法が詳しく載っていますよ。「猫の肥満の目安とは?体重とBCSでチェックしてみよう!」確認してみてくださいね。
こちらでチェックが出来たところで、対策方法に戻りましょう。
低カロリーフードをあげよう
最近では市販食で、必要栄養素はきちんと含まれている多様な低カロリーフードが出ています。
また、かかりつけの病院の獣医さんに相談して、処方食をあげるのも良いでしょう。
おやつを控える
猫ちゃんとのコミュニケーションの一環としておやつをあげている、という飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
ですが、ダイエットにはおやつは禁物。
もしどうしても与える場合は、フードからその量分を減らすようにしてください。
例えば、たっぷり運動した後に与えるなど……ダイエットに結びつくことで貰えることによって、猫ちゃんの積極性も上がりますよ。
ゆっくりと食べさせる
猫ちゃんがフードを食べる時に、がっつかせないことは大事です。
人間でも、「よく噛んで食べなさい!」と怒られたりすると思いますが、それと同じで、猫も急いで食べることに良いことはないのです。
なので、なるべくゆっくりあげることを心がけましょう。
例えばこのように、飼い主さんの手から少しずつフードを与えることも良いですね。
猫ちゃんとの楽しいふれあいの時間にもなります。
キャットフードを与える時間を3~4回(もしくはそれ以上)に増やす
キャットフードを与える回数は一日朝夜2回です、なんていう飼い主さんはその回数を見直すことをオススメします。
3~4回、ないしそれ以上の回数にしてみてはどうでしょうか。
何故かというと、食事の間隔を狭め、空腹感をなるべく覚えないようにしてあげるためです。
また、エネルギーの消化もしやすくなります。
「そうしたいのは山々だけど日中はお仕事で家に居ない!」、という飼い主さんには、自動給餌器もオススメです。
普段だけではなく、ペットホテルに預けるほどではない遠出の時も重宝しますよ。
因みに先程写真で出てきた我が家一番の食いしん坊の猫、“ルーク”には、1日の食事を5回に分けて与えるようにしています。
更に、前の項目で触れたとおり、がっつかないように手から与えるようにしたり、この写真では予め計った餌を少量ずつお皿に入れて与えていたりしています。
多少時間はかかってしまいますが、普段の食べ方を間近で見ることが出来る分、何か異常があったら直ぐに気付けることもいい部分だと思います。
置き餌にしない
決まった時間ではなく、餌の皿を出しっぱなしにして何時でもだらだらと食べられるようにしておくのも良くないことです。
どうしても飼い主が側で見てやれない、という場合には先程も出てきた自動給餌器もおすすめです。
最近では、グラム単位で測れるものも出ています。
同居猫と一緒の部屋で与えない
もし同居猫がいる場合、食欲旺盛な猫ちゃんは同居猫の分まで食べてしまうことが有ります。
そうなると、せっかく量を計算したのに食べ過ぎになってしまいます。それを防ぐためにも、出来る限り別々の部屋であげるようにしましょう。
部屋が分けられないということであれば、一時的にケージに入ってもらったり、仕切りなどで入ってこれないようにする、という方法もあります。
「運動は毎日する方が効果的!猫ちゃんと楽しく運動しよう」
外にも遊びに行く猫ちゃんは毎日運動もバッチリかもしれませんが、室内飼いの猫ちゃんではそうはいきません。
運動不足は肥満に直結!更に、免疫力も低下し、より病気になりやすい状態になる場合もあるんです。
それでは、どのように運動をしていけばいいかを見ていくことにしましょう。
運動量の多いおもちゃで遊んであげる
その場で遊べるおもちゃではなく、猫ちゃんが走ることの出来るおもちゃがおすすめです。
飼い主さんが動かして遊ぶような長いひもが付いているおもちゃだったり、猫じゃらしだったり、自走式のおもちゃを追いかけさせたり…。
カロリーの消費にも繋がりますし、筋肉が付くことで基礎代謝量も上がります。これも、人間と同じですね。
積極的に猫ちゃんを遊びに誘ってみましょう。
上下運動をする
平面的に走るよりも、上下運動を取り入れることをオススメします。
階段がないお家でも、椅子や出窓部分、飼い主さんの寝室のベッド、その他猫ちゃんの上がって良い段差の上り降りは全て良い上下運動になります。
こういうハンモックのようなものでも、乗る、降りるという動作が出来るので良いと思いますよ。
キャットタワーを設置する
上下運動を一番身近にできるのはやはりキャットタワーを設置すること。
小さなサイズであっても、猫ちゃんがぴょんぴょんとジャンプ出来る環境は大きな運動効果が期待できます。
肥満気味の猫ちゃんであれば、最初は段差がそこまでないものを選んだ方が動きやすくて良いかと思います。
うちのキャットタワーの一つはこんな感じです。ここを毎日ぴょんぴょんしているので、ちゃんと運動が出来ていると思います。
食事の時間に運動を取り入れる
床などにそのまま置いて何時もあげているフードに、一工夫してみましょう。
勿論、上ってほしくない場所にまで置く必要はありません。
飽くまで猫ちゃんの上って欲しい場所に少しずつ置いて、より猫ちゃんが自発的に運動したがる環境づくりをしましょう。
さて、ここまで紹介した運動ですが、シニア猫ちゃんにはやり過ぎないように注意して下さい。
飽くまでご自宅の猫ちゃんに合わせた運動、ということを心掛けていきましょう。
これも人間と同じ…急激なダイエットはやめましょう
最後になりますが、減量をする際は人間のダイエットと同じように計画をきちんと立てて、かかりつけの獣医師さんとの相談も交えながら、無理のない減量を心掛けるようにしてください。
肥満は勿論健康に影響しますが、急激な減量も同じく猫ちゃんにとっての負担になってしまうからです。
「1kgくらい一気に減らしても大丈夫だろう」という考えは間違いです。
目安としては、
体重が
- 1週間なら1~3%
- 5~7週間で15%~20%
- 7~9週間で20%~30%
- 10~13週間で30%~50%
の減量計画だと無理のない基準値になります。
それ以上の目標値は猫ちゃんのためにも避けるようにしてくださいね。
最後はぴょんぴょん上がったキャットタワーの上から。毎日の食事と運動、飼い主さんも猫ちゃんも、一緒に続けていきましょう!