この世には様々な特徴を持つ猫が、純血種、雑種共に存在していますがコーニッシュレックスのような天然パーマの猫を見たことある人は少ないと思います。
猫は直毛、サラサラの被毛という固定概念を覆す世にも奇妙な天パ猫、コーニッシュレックスを詳しくご紹介していきます。
この記事の目次
コーニッシュレックスの基本情報
コーニッシュレックスの特徴はなんといってもその天然パーマです。
まるできついパーマをかけたようなその被毛は果たしてどのように生まれたのでしょうか?コーニッシュレックスの基本情報を交えながらご紹介します。
コーニッシュレックスの被毛カラーと特徴
コーニッシュレックスの最大の特徴である被毛についてまずは解説していきます。
コーニッシュレックスの特徴である縮れ毛のことをよく「さざなみのよう」と形容されるようですが、この表現は日本的に言うと「パンチパーマのよう」だと思ってください。
天然パーマのようなこの被毛は、触ってみると手触りがよくビロードのような心地よさです。またこの被毛は、尻尾の先から頭までくせ毛でヒゲさえもカールしている徹底的な天然パーマです。
被毛カラーは多くホワイト、クリーム、ブラック、チョコレート、シナモン、レッド、ブルー、ライラック、フォーンがあり斑模様になっている子が多いです。
体重と身体の特徴
オリエンタル型と呼ばれる長く細い体型が特徴で、優れたジャンプ力と猫界ナンバーワンのスピードと、腰のくびれがあります。
このことから同じ特徴を持つ、犬のグレーハウンドとよく似ているから「猫のグレーハウンド」とも呼ばれています。体重は3Kg~4Kgなので少し小柄な印象ですが、素晴らしい筋肉と運動能力の持ち主です。
目の色と特徴
楕円形でわずかに吊り上がった目をしており、被毛に基づいたすべてのカラーを持っています。被毛カラーも多いのでご自身の好みの被毛カラーと目のカラーを持ったコーニッシュレックスを探すのも、とても楽しいですよね。
某人気アニメのキャラクターのモデルになった
某有名アニメファンからまことしやかに囁かれている噂、映画「ドラゴンボールZ 神と神」を始め、現在のアニメにも登場するキャラクター破壊の神「ビルス」のモデルがコーニッシュレックスなのではないかというのです。
実は私も初めてこのキャラクターを見た時に、「コーニッシュレックスに似てる?」と思っていましたが、そう思っていたのは私だけではなかったようです。
この「ビルス」というキャラクター、小さな顔に大きな耳と細い体からは考えられないほどのとんでもない戦闘力を持っています。細くて小さいのに驚異的な身体能力、コーニッシュレックスそのままじゃないですか?
実際にコーニッシュレックスと、このキャラクター「ビルス」について調べてみたところ原作者である鳥山明先生のインタビュー記事に「キャラクターを考えていた時に飼い猫が目に入ってきた」という一文を発見。
さらに調べると鳥山明先生の飼い猫がコーニッシュレックスだとわかりました。と、いうことで破壊の神「ビルス」のモデルはコーニッシュレックスで間違いないようです。
コーニッシュレックスの歴史
天然パーマのような特徴的な被毛を持つコーニッシュレックスの生まれたきっかけは、ある子猫の突然変異からでした。イギリスのある農家で飼われていた短毛の雌猫から5頭の子猫が生まれました。
そのうちの1頭の子猫が、全身の毛がパーマを当てたような毛で覆われていたのです。これがコーニッシュレックスの基礎となった猫です。
この不思議な猫を繁殖させるために、遺伝学者や獣医の指導のもと母子交配、母孫交配という近親交配を繰り返し巻き毛の猫が生まれる出現率を高めるようにしていきました。
その後、巻き毛同士、近親同士に関わらずブリーダーや専門家が慎重にバーミーズ・シャム・オリエンタルなどと交配を重ねていき現在のコーニッシュレックスとなっていきました。
ちなみにコーニッシュレックスのレックスとは、巻き毛のウサギ「アストレックス・ラビット」からきているそうです。種を超えて天然パーマの動物は案外多いのかもしれませんね。
甘えん坊で無邪気!かわいいコーニッシュレックスの性格
コーニッシュレックスは甘えん坊で無邪気で子供っぽい性格をしています。猫界のグレーハウンドと呼ばれるだけあり、性格も少し犬っぽいです。
例えば猫ではあまりしないボールやおもちゃを投げて取りに行かせる「とってこい」ですが、コーニッシュレックスではとってこいをする個体が多いと言われています。
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人見知りも少なく、甘えん坊で人間が大好き、喜怒哀楽が激しく、好奇心旺盛。まさに子供のような愛嬌たっぷりの猫ですよね。
しかし、人間にはなつきますが他の猫と同居するのが苦手なようなので多頭飼いはしないようにしましょう。
コーニッシュレックスの飼い方と注意点
コーニッシュレックスを飼う上で最も気を付けないといけないのが寒さです。猫は元々暑さには強く寒さに弱い動物ですが、コーニッシュレックスは猫の中でもひときわ寒さに弱い猫だということが知られています。
冬は電気カーペットや毛布などの暖房グッズを用意してあげるようにしましょう。
長時間出かける場合はエアコンを活用するのもありです。その際は温度設定をあげすぎないようにしてください。
寒いのが苦手だからと言っても、暑すぎたら熱中症や脱水症状を引き起こす場合もあります。
コーニッシュレックスは短毛なので、抜け毛が少なくブラッシングは頻繁にする必要はありません。コーニッシュレックスは猫界でも上位に位置する運動神経の持ち主で活発な猫なので、十分な運動をできるスペースは確保しないといけません。
コーニッシュレックスが走れ回れるスペースと、キャットタワーやキャットウォークがあるとなおいいですね。
またお手入れの1つに定期的に濡れタオルで体を身体を拭くことと、お風呂に入れる必要があります。なぜかというと、抜け毛が少ない代わりに皮脂が少し多い傾向にあります。皮脂の分泌が多いため定期的にケアをしてあげるようにしましょう。
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ブラッシングの手間が少ないかわりに定期的に体を拭いてあげないといけないので結局お手入れの手間は同じだということは注意しておいてください。
コーニッシュレックスがかかりやすい病気
比較的病気に強く健康な猫とは言われていますが、やはり気を付けたい病気は存在します。コーニッシュレックスを飼う上で気を付けたい病気をご紹介します。
中耳炎・外耳炎
コーニッシュレックスは大きな耳を持っている為、耳の病気になりやすい猫種です。耳や頭を傾けたり振ったりしたら耳に何らかの異常が考えられます。耳の中をチェックし耳垢、耳だれ、耳の炎症がないか見てあげましょう。
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肥大型心筋症
遺伝的に起こりやすいと考えられている病気ですが、コーニッシュレックスはまだ生まれて比較的新しい猫種なので定かではありません。
ただコーニッシュレックスを交配する過程で近親交配を繰り返していることから、その影響により肥大型心筋症を遺伝疾患として持つコーニッシュレックスが多いと言われてはいます。
元気がない、ぐったりしているという場合は一度獣医さんに相談してみましょう。
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コーニッシュレックスの購入方法と平均価格
コーニッシュレックスは日本ではほとんど見ることが出来ず、ペットショップに並ぶこともごく稀です。購入する場合は、自分で近くのブリーダーやキャッテリーと直接コンタクトを取る必要があります。
購入価格は10~20万円と言われますが、最近はコーニッシュレックスの人気が高まってきているのもあるのか25万円ほどで販売されています。さらに母猫や父猫がチャンピオン猫の場合はさらに値段が上がります。
ブリーダーやキャッテリーを探すのはネット検索がお手軽で便利です。
しかし中には悪徳ブリーダーも存在しますので、直接コンタクトを取る際はその人物が信頼できるかしっかりと見極めるのと同時に、かならず猫舎の見学と子猫とのお見合いをして自分で納得してから購入を検討するようにしましょう。
コーニッシュレックス以外にも天パ猫は存在する
コーニッシュレックスの特徴的なクルクルの被毛、まさに唯一無二の猫種と言いたいところですが実は世界にはコーニッシュレックス以外にも天然パーマのような被毛を持つ猫が数種類存在しているのです。
ラパーマ
アメリカ合衆国で突然変異により発生したラパーマ。クルクルとした巻き毛と、コーニッシュレックスと違った可愛さを持つ見た目が魅力的ですがその個体数はまだまだ少なく分からないこともおおい猫種です。
ちなみにラパーマの祖先である猫は生まれた当時はまったくの無毛で生まれ、成長するにつれくせ毛のついた被毛が生えてきたそうです。
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世界が認める美しい猫、ラパーマ。甘えん坊な性格と巻き毛の秘密
デボンレックス
犬のプードルのような猫とよく言われます。実際にプードルキャットとも呼ばれており、とても可愛い猫です。
面白い特徴として猫は通常不機嫌な時に尻尾を振りますが、デボンレックスは嬉しい時に尻尾を振ります。こんなところまで犬のプードルみたいですよね。
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セルカークレックス
ペルシャとの交配により生まれたセルカークレックスはペルシャ猫が巻き毛になったような見た目をしています。
ほかにもブリティッシュショートヘアやエキゾチックショートヘアとも交配されているので、とても人懐っこく長毛の毛質が特徴です。
ちなみに上記であげた猫達に種の繋がりは一切なく、それぞれが違う時代違う場所で生まれた突然変異の天パ猫から繁殖されているのが面白いですね。
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コーニッシュレックスはこれから日本でも人気が高まると予想されている猫
今回は世にも奇妙な天パ猫、コーニッシュレックスをご紹介しました。コーニッシュレックスはその特徴的な見た目も魅力的ですが、愛らしい性格も人気の理由です。
まだまだ日本では見かけることが少ない猫ですが日本は現在空前の猫ブーム、これから先ペットショップでの取り扱いも増える可能性があります。
無邪気でかわいい本当に子供のような猫、コーニッシュレックスを貴方も家族に迎えてみてはいかがでしょうか?