動物病院を受診するときに必要なもの&事前に準備してきてほしいこと

私は認定動物看護師という資格を持ち、動物病院で働いた経験があります。猫に限らず、ペットを飼っている方が必ず行くであろう動物病院ですが、まだまだ日常の中に入り込んでいないような気がします。

少しでもスムーズに受診できるように、必要なものと事前に準備することをまとめてみました。

必要な持ち物3点セットとプラスアルファで必要なもの

動物病院に必要な持ち物3点セットとプラスアルファで持っていきたい物をあげてみました。

必要な持ち物3点セット

  • 1.診察券
  • 2.ワクチン証明書
  • 3.猫自身のにおいがついたタオル

1.診察券は必須です。馴染みの動物病院では顔パス!という方もいらっしゃるかもしれませんが、常識的に病院へ受診するときのルールですので守りましょう。

2.ワクチン証明書は、子猫で始めて接種する場合はまだ無いですが、最新の証明書を持っていくようにしましょう。できれば、診察券と一緒にカードケースなどに入れておくとよいでしょう。

万が一、他の動物病院やペットホテルに行く場合にも、情報源になります。

3.タオルは応用が効くので便利です。

  • 猫自身のにおいがついたタオルで安心感を得られる。
  • くるまったり、中に入ることで保温効果が得られる。
  • キャリーの上からかぶせることで目隠しになる。(他の動物の視線をさえぎることができる)
  • キャリーから出したり診察したときに暴れた場合などの保定に使える。

これらは必須です。緊急の場合でもすぐに持って出られるように、特に1と2はまとめて保管しておくなどしましょう。

プラスアルファで必要なものはライフステージで考える

猫の成長に合わせて、診察内容も変わってきます。基本的なことを3つのライフステージに分けて考えてみました。

【子猫の場合】
検便は必須です。新鮮な便をラップに包んで持って行きましょう。
【成猫の場合】
特に何もなければ、通院するのは年に1回のワクチン接種くらいでしょう。ワクチン証明書を忘れずに持っていきましょう。
【高齢猫の場合】
さまざまな病気が現れてくる時期です。症状に合わせた準備をしましょう。特に多いのが腎臓病です。

腎臓病の場合は尿検査が必須ですので採取してすぐの尿を持っていくようにしましょう。

事前にメモしておいてほしいこと。ライフステージ別と緊急の場合

こちらもライフステージ別にメモしたい内容は異なってきます。また、緊急の場合も考えてみましょう。

ライフステージ別、事前にメモしておいてほしいこと

【子猫の場合】
どんな経緯で飼うことになったか、子猫の入手方法やどんな環境だったかをメモに残しておくとよいでしょう。

離乳食を食べている場合は、何を食べていたかなども情報としてあるといいですね。

【成猫の場合】
成猫の場合は安定していますので、普段の生活で変わったことはないか、日頃の観察が重要になってきます。

ほとんどの猫は年に1度のワクチン接種くらいしか動物病院に行かないでしょう。年に1度しか受診しないのですから、この機会を逃さずに日頃の状況をメモに残して相談してみるとよいでしょう。

【高齢猫の場合】
症状に合わせた準備が必要です。些細なことでも日頃からメモをとる習慣をつけたいものです。

  • 食欲(特に水を飲む量が増えてないか)
  • 元気(高いところに上らなくなった、毛づくろいをしなくなったなど)
  • 尿量が増えた(減った)
  • 便の状態(便秘になってないか)
  • 投薬中の場合、薬をきちんと飲んでいるか など

緊急時、急にメモができない場合にそなえた準備を

夜中に急変した!かかりつけの病院が休診日だ!など緊急に別の病院に行かなければならなくなった場合、どうしたらいいでしょうか。とっさにメモをとっている余裕はないでしょう。こういう場合に備えた準備をしておくしかありません。

  • 夜間診察している動物病院を調べておく
  • 既往歴(これまでどんな病気をしてきたか)のメモを作成しておく
  • 3点セットの特にタオルを準備しておく

同行させる際の注意点。キャリー慣れと病院のルールを守って

動物病院に行くとき、猫をどのようにして連れて行きますか?おそらくほとんどの方がキャリーに入れて行くでしょう。ところが、猫はキャリーになかなか入ってくれません。

私も経験がありますが、猫が暴れて服を破かれてしまったことがありました。

キャリーで移動することに慣れておく

普段からキャリーに入ることに慣れておくと、いざという時スムーズに入ってくれるでしょう。

  • 生活環境の中にキャリーの扉を開けて置いておく
  • キャリーの中でおやつをあげたり、遊ばせる
  • 扉を閉めて部屋の中で移動してみる

このようなことをすることで、キャリーの存在が日常になり、特別な存在でないことを覚えさせましょう。できれば、子猫の頃から慣れておくことをお勧めします。

通院のためのキャリーに必要な3つの特徴

さまざまなタイプのキャリーが売られています。次のキャリーは、動物病院に通院するときには不向きだと思われます。

▼動物病院に通院するときは不向きかもしれない…
不向きなキャリーの種類画像

通院のためには、次の3つが備わっているキャリーがお勧めです。

  • 全部プラスチック製
  • 上半分と下半分に分けることができる
  • 扉を簡単に外すことができる

▼動物病院に通院するときにお勧めのキャリー
おすすめキャリーの種類画像

1.全部プラスチック製
丈夫で猫が爪で引っかいても破れたりしないからです。汚れても掃除が簡単にできます。

2.上半分と下半分に分けることができる
診察する際、猫はなかなかキャリーから出てきません。怖がって奥の方で縮こまっています。

奥の方に手を入れて強引に引き出すより、上をパカっと開けてしまえば、ストレスなく取り出すことができます。

3.扉を簡単に外すことができる
これも同じことで、扉を外せる分スペースができますので、猫を取り出しやすくなります。

洗濯ネットを有効活用しましょう

猫好きな方にはお馴染みかもしれませんね。洗濯ネットは猫を移動するのに役立ちます。洗濯ネットに入った姿はなんだか可愛そうな感じもしますが、体をすっぽり覆われますので、猫にとっても安心です。

少し目の粗いものだと、ネットに入ったままで注射をすることもできます。

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猫のお世話で使える洗濯ネット活用法。便利なシーンとネットの選び方

動物病院の診察時間と予約の確認は必ず事前にチェックを

診察時間外に行くのは論外です。また休診日は平日のことが多いので調べておきましょう。また、予約制をとっている病院もありますので、病院の診察方針を必ず守りましょう。

大きな動物病院ですと、担当獣医師のスケジュールが決まっているところもあります。猫の相性もあるかもしれませんので、なるべく同じ先生に診察してもらいたいですね。

動物病院に行くには、物の準備より心の準備が重要!?

先日受講した、東京猫医療センター院長の服部先生のセミナーによると、58%の飼い主が動物病院に対して嫌悪感を持っているそうです。つまり、飼い主の6割が動物病院に来たくないということになります。

そうなると、当の猫本人はもっと来たくないはずですよね。このような現状を反映してか、今はネットで検索して、SNSで相談して、ネット通販で薬や処方食が買える時代です。将来的には、AIが診断してくれる時代になるかもしれません。

私は古い考えの人かもしれませんが、その話を聞いたとき、大切な家族の一員である猫に対してそれでいいの?と感じてしまいました。やはり人と人とのつながりは、人と猫とのつながりに通じるものだと思います。具体的には、

  • 病院のスタッフを信頼する
  • 用事がなくてもキャリーに入れて病院前を散歩してみる
  • 子猫のときから慣らす

これらのことを参考にしながら、動物病院への通院が楽しくなるように心がけたいものですね。

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