猫が朝に鳴く理由。タイプごとの正しい対処法を知って解決しよう!

猫を飼っていると、猫が朝しつこく鳴いて困ることがありますよね。特に早朝など、飼い主さんがもう少し寝ていたくてもお構いなし。

鳴くだけでなく、猫によっては飼い主さんの寝ている布団の上に飛びかかったり、ドアをすごい音を立てて引っ掻いて開けろと要求したり、なかなかにやりたい放題です。

いったい、このように猫が朝鳴いて活発になるのはどうしてなのでしょうか。また、どうして鳴いているのでしょうか。猫があえて朝鳴く理由を解説します。

実は夜行性じゃなかった!?猫は薄明薄暮性

実は猫は薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)といって、夜も明けきらないような早朝や薄暗い夕方に行動が活発になる生き物です。
 
薄明薄暮性の動物たちのイラスト

それというのも野生時代、猫が獲物としていたネズミなどは、まさに早朝と夕方に活動していました。そのため、獲物の活動時間に猫が合わせるようになったと考えられています。

猫の活動は夕方から始まり、夕方に獲物を取り、真夜中は眠り、そしてまた夜が明ける前に狩りをして再び眠りに着きます。そのため、大きく括れば夜行性ではあるのですが、厳密には薄明薄暮性です。

そのため、猫が朝鳴いて活発になるというのは、実は猫の本来の生活リズムに基づいた行動になります。獲物を狩るため、体にエネルギーがみなぎっているのです。

猫が朝鳴くのは、何か要求事項があるから

そんな薄明薄暮性の猫が特に飼い主さんに向かって鳴く場合、基本的には何か要求事項があると思って良いでしょう。例えば、以下のような要求です。

ご飯が欲しい

ご飯が欲しくて朝に鳴く猫のイラスト

早朝に獲物を取っていた猫にとって、朝はやはりお腹が空く時間です。また、普段から朝、飼い主さんにご飯をもらっていると、その時間にご飯がもらえると覚えて早めに催促することがあります。

特に、猫のご飯は普段1日2食が一般的なので、前の食事からの時間が長く空腹を感じやすくなります。

このような場合は夜遅くにおやつ程度にご飯をあげたり、自動給餌器を使って早朝にご飯をセットしておくと、猫の朝鳴きを防ぐことができるでしょう。

トイレを掃除してほしい

トイレを掃除してほしくて朝に鳴く猫のイラスト

猫は綺麗好きな生き物なので、トイレが汚れたらすぐに掃除してほしいと感じます。

トイレで用を足した後、飼い主さんにわざわざ「トイレを使ったよ、掃除して!」と教えに来ているのでしょう。生理現象なので、こればかりは仕方がありません。

また、猫によっては必ず朝1回排泄するというように、サイクルが決まっている場合もあります。

掃除してあげるのがベストですが、飼い主さんも朝はまだ寝ていたいという場合は、トイレをもう1箇所増やしてあげるのがおすすめです。

トイレが増えれば猫が使った後も清潔なトイレが存在するので、猫もそれほどストレスには感じなくなるでしょう。

もしくは、システムトイレを使うという手もあります。特におしっこの場合は、システムトイレを使うとほぼ掃除不要なので安心です。清潔を保てるので、使っていない飼い主さんは導入を検討してみてください。

遊んで欲しい

遊んで欲しくて朝に鳴く猫のイラスト

本能的に早朝に活発になる猫ですが、野生の猫が実際に獲物を狩って遊ぶのに対し、室内で飼われている猫はそういうわけにはいきません。

本来朝使うはずのエネルギーを発散できないために、気持ちが高ぶり飼い主さんに遊んでほしいと要求しているのです。こんな時の対策は3つあります。

1つは、猫の要求するがまま早朝に遊んであげることです。猫が一番遊びたい時なので、猫じゃらしに活発に食いついて飼い主さんとしても遊びがいがあるはずです。

しかしながら、毎日早朝に遊んであげるということは、多くの飼い主さんにとってあまり現実的な選択肢ではありません。

そこで2つ目の対策として、時間をずらし実際に飼い主さんが起きた時間(決まった時間)に、5分か10分遊んであげるというものがあります。

人間に飼われている猫は比較的飼い主さんの生活リズムに合わせてくれます。

そのため、例えば毎朝4時に鳴いていた猫でも、毎朝7時に飼い主さんが遊んでくれると分かっていれば、朝4時に鳴くことは少なくなります。7時まではぴたりと鳴くのを止めて我慢してくれるでしょう。

この場合、「今日は早く起きたから、6時半だけど遊んであげよう」というような例外を作ると意味がないので注意して下さい。7時なら、断固として7時を貫きましょう。

最後の1つは、夜遅くに遊んであげるという方法です。寝る前にやはり10分~30分程度、猫をできるだけ激しく遊ばせて疲れさせておきましょう。

すると、持久力のない猫はパタリと寝てしまいます。飼い主さんが起きだす朝までぐっすりと眠ってくれることでしょう。この方法は朝鳴きだけでなく、夜鳴きをする猫にも効果的です。

それぞれ試してみたり、一部を組み合わせたりして、飼い主さんと愛猫に一番いいパターンを見つけてみて下さい。

部屋から出してほしい

部屋やケージから出してほしくて朝に鳴く猫のイラスト

夜は特定の部屋やケージの中などで寝かせているという場合、朝になるとそこから出して欲しいというように鳴くことがあります。朝になれば出してもらえるとわかっているので、催促するのです。

この場合、最初から猫を家の中で放し飼いにするか、猫をケージなどから出す時間を厳密に決めておき、その時間までは出さないようにすると、鳴くのが止むことがあります。

何かいつもと違うことがあった

何かいつもと違うことがあったので朝に鳴く猫のイラスト

猫は異変には敏感な動物ですので、何かいつもと違うことがあった時も鳴きます。場合によっては、飼い主さんに「変なことが起こっているよ」と報告するために鳴いているのかもしれません。

家の中に異変があった場合の他、例えば最近家の近くを縄張りにした外猫が、家の前を通るようになったというような時なども、窓越しに猫を見て鳴くことがあります。

突然ある時を境に猫が鳴くようになったとか、毎日ではないけれど、たまに猫が朝鳴くという場合は何かあったのかもしれません。猫が入る可能性のある部屋の中に異変がないか、注意深く観察してみましょう。

発情期

発情期のため朝に鳴く猫のイラスト

去勢・避妊手術をしていない猫の場合、発情期という可能性もあります。特に近所迷惑になるほど鳴くという場合は発情期が疑われるでしょう。

交配の予定がないなら、去勢・避妊手術を早々に受けさせるのが一番の対策です。飼い主さんによっては可哀想と思うかもしれませんが、手術をすることで様々な病気のリスクを防ぐことができます。まだしていないなら、検討しておきましょう。

ストレス

ストレスで朝に鳴く猫のイラスト

ストレスによっても、猫が鳴く機会が増えることがあります。

  • 遊びたいのに遊んでもらえない
  • 近所で騒音がしている
  • 多頭飼いで他の猫との関係が悪い

などストレスの理由は猫によって様々ですが、心当たりがあるのなら改善することでピタリと朝鳴きが止むことがあります。

病気

病気で朝に鳴く猫のイラスト

今まで鳴かなかったのに突然鳴くようになったとか、特に鳴いている理由に思い至らないという場合、病気の可能性もあります。猫が朝鳴く場合は、猫の体が活発になってしまう病気である「甲状腺機能亢進症」などが疑われます。

また高齢の猫の場合は、認知症などで鳴いている可能性もあります。「年だから仕方がない」と思っていると、思わぬ大きな病気を抱えている場合もありますので、一度病院で検査してもらうのがおすすめです。

猫が朝鳴くのには理由がある。よく見極めよう

多くの場合、猫が朝、飼い主さんに対して鳴くのは何らかの要求です。また、過去に一度でも朝、猫が鳴いたことでそれに応えた経験があると、猫はそのことをずっと覚えていて、再び朝に鳴くようになります。

どうしても猫が朝に鳴いて困っているという場合は、鳴く理由を見極めて、猫が鳴かなくても済むような環境を作ってあげましょう。

また、飼い主さんの生活リズムをはっきりとさせることで、猫は早朝に鳴くことを諦め、飼い主さんが起きてくるまで待つようになることもあります。

言葉が話せない猫は、お世話を飼い主さんに頼るしかありません。猫の要求をよく見極め、猫の要求に合わせて上手に対処していきましょう。

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