猫の寝起きのかわいい行動。実はそのタイミングがお世話のチャンス!

愛猫の寝起きの姿といえば、すっかり無防備でむにゃむにゃとしているというケースも多いのではないでしょうか。

野良猫であれば外敵から身を守るため、あまり深い睡眠はとらず、起きた瞬間もシャッキリとしていることが多いものですが、室内飼いの猫となると話は別です。

寝込みを襲われることを知らない飼い猫は、寝起きに野生の本能など消え去ったといわんばかりの油断しきった姿を見せてくれることもしばしばです。

また、猫によっては寝起きだけ普段と性格や行動が違うと感じることもあります。「もしかして、うちだけ?」とか「どうしてこんな行動をするの?」と首をかしげている飼い主さんに向けて、猫の寝起きにまつわる行動をまとめました。


ムニャムニャ……猫が寝起きに見せるよくある行動

まずは、飼い猫が寝起きによく見せる行動を見てみましょう。寝起きの猫の行動はちょっと独特です。愛猫の様子をよく観察して、気持ちを探ってみましょう。

甘える

なんといっても寝起きといえば猫が甘ったれになる瞬間です。寝起きは思考力が低下して、すっかり警戒心が薄れています。

普段あまり懐いてくれないと感じている猫でも、寝起きばかりは撫で放題、かまい放題という場合も少なくありません。まるで子猫に戻ったかのように、手を差し出すとスリスリ、喉を撫でればゴロゴロ、しまいにはコロンとお腹を見せます。

普段はあまり触らせてもらえない柔らかなお腹も、寝起きなら触りやすくて飼い主さんも至福の時です。

猫にとって、起きるということは無防備な睡眠中も敵に襲われず、無事に目覚めることができたということ。もしかしたら、睡眠を見守ってくれていた飼い主さんの姿を、起きて一番に見て安心しているのかもしれません。

鳴く

寝起きに飼い主さんの顔を見た瞬間、鳴き始めるという猫も多くいます。いったいなぜ鳴いているのか、飼い主さんとしては気になるところですよね。考えられる理由としては、

  • たっぷり寝て、起きてお腹が空いたので、ごはんを要求している
  • 「起きたよ、おはよう!」という挨拶やアピール
  • 「起きて元気いっぱいだよ、遊んで!」という要求

などがあります。特に鳴き続ける場合はなにかを要求していることがほとんどなので、なにか必要なお世話がないか確認してみましょう。

あくび

人間のあくびは眠いときに出るもの、という認識が一般的ですが、猫の寝起きのあくびは違います。猫のあくびは「これから起きて、活動をはじめるぞ」という合図。

そのため、寝起きから本格的に覚醒した後に大きくあくびをして、いつもと同じように活発に動き始めるのです。

伸びをする

人間が朝起きた時両腕をぐぐっと上に向かって伸ばすシーンが、よく漫画やドラマなどでありますよね。猫も同じで、起きたら頭を下げ、お尻を上げて背中をぐぐっと伸ばします。

体が柔らかい猫ですが、やはり伸びをすることで寝ている間に固まった体の筋肉をほぐしているのでしょう。

爪とぎ

起きて活動を始める合図として、あくびの他に爪とぎを始める猫もいます。こちらも獲物を狩るべく気合を入れているのでしょうか、人間が顔を洗ってすっきりするように、爪とぎを終えた猫もすっきりとしています。

目の前で猫じゃらしを振ってあげれば、寝起きとは思えないほどに機敏に追いかけ始めるでしょう。

これって大丈夫?寝起きに見せる猫の要注意行動

猫の寝起きの行動や様子の中には、実は飼い主さんが心配になってしまうようなパターンもあります。実は心配がいらないパターンと、注意すべきパターンがありますので、よく観察しておきましょう。

目やに

寝起きに目やにが目立ち、拭いてあげることが多いという飼い主さんもいるようです。人間でも、寝起きには目やにがつきやすいですよね。猫も同じ理屈で目やにが目立つことがあります。

基本的に、少量でいつもどおりの色をしているのであれば問題ありません。しかし、

  • 急に目立ち始めた
  • 心配になるほど量が多い
  • 白や黄緑、血のような赤などの色をしている
  • 片目だけ目やにを出す

ということであれば、病気の可能性もあるので獣医さんに相談してみるとよいでしょう。

くしゃみ

寝起きになぜかくしゃみをする、という猫も意外とよくいます。猫の鼻は普段濡れていますが、長時間寝ていると乾いてしまうので、寝起きはほこりなどに反応しやすくくしゃみが出てしまうのです。

寝起きに1回くしゃみをして終わり、という場合はあまり心配しなくて平気ですが、花粉やほこりなどの対策はしっかりしておくのがおすすめです。猫の寝床を洗濯するのもよいでしょう。

もし、普段からくしゃみが多いのであれば、別の病気が隠れているかもしれないので、必ず動物病院へ行きましょう。

吐く

意外にも、寝起きに吐いてしまうことが多いという猫もいるようです。これは朝や、飼い主さんが仕事から帰って来た夜など、前回の食事から間が空いた時に特に起こりやすい症状です。

実は、猫はお腹が空きすぎると胃酸を吐いてしまいます。唾液のような、透明な胃液だけを吐いたという場合、お腹が空きすぎている可能性が高いでしょう。

食事の間隔を狭くしたり、いつもの食事におやつをプラスしたりして、あまり空腹の時間が長くならないように気をつけてあげて下さい。

猫の食事は基本的に1日2食ですが、猫によっては3食がベストであることもあります。愛猫をよく観察し、最適な食事間隔を見極めましょう。

今までしなかった行動を、急に始めた時は要注意!

寝起きの猫の行動をご紹介してきましたが、もう1つ、猫の寝起きで注意しなければならないパターンがあります。それは、「今まで全くしていなかった行動を、寝起きに急にするようになった」というケース。

例えば、今まであまり印象に残るような行動をしていなかった猫が、急にある時から寝起きに甘えるようになったり、鳴きだしたり、くしゃみをしはじめたりというパターンです。

このような場合は、実はなんらかの病気の前兆であることがあります。中には癌など重篤な病気の症状の1つとして出る場合もあるので、十分に気をつけましょう。

もちろん、気持ちの変化で甘えるのを躊躇しなくなったというようなケースもありますが、楽観視は禁物です。特に、高齢の猫だと、行動パターンが変わっても「もう歳だから、しかたない」と見逃してしまうことがあります。

気になることがあったら一度病院で検査してもらうのがおすすめです。

お世話のチャンス!?寝起きに警戒心のない猫、急増中

寝起きに関してもう1つ知っておくと便利なことがあります。それは、「猫の寝起きは普段できないお世話をする絶好のチャンスである」ということです。

寝起きの猫は油断しきっているので、普段は敏感に「なにか嫌なことが起きる」と察知して逃げるようなことでも逃げません。

トラウマになるのもよくないのでやりすぎは禁物ですが、例えば以下のような定期的なお世話に関しては、猫の寝起きを利用することで簡単にこなすことができます。

爪切り

爪切りがなかなかできなくて困っている、という飼い主さんは意外に多いものです。

特に、家に来てまもない、人間の存在に慣れていない猫がいる場合はなおさらでしょう。子猫であっても爪は容赦なく伸びますから、定期的な爪切りを欠かすことはできません。

そんな時寝起きを狙えば、あんなに猫と攻防を繰り広げていた爪切りもアッサリ。足を触れば普通は起きてしまいますが、数時間熟睡した後などは、たとえ起きてもむにゃむにゃしていてすっかり警戒が薄れています。

この隙にさっさと爪切りを済ませてしまいましょう。

ブラッシング

飼い主さんが苦手なお世話のひとつといえばブラッシングです。猫によってはブラシを見ると寄ってくるほどブラッシングが好き、という場合もありますが、逃げてしまう猫も多いもの。

特に長毛種の猫でなかなかお腹周りがブラッシングできずに困っているという場合、寝起きを狙うのが効果的です。眠気を誘うような優しい手つきで、撫でるようにブラッシングしてあげましょう。

寝起きでむにゃむにゃしている瞬間なら、猫もブラッシングされていることに気がつかずなんとなくやらせてくれることがほとんどです。起きて嫌がり始めるまでに、ささっと最低限必要な分を終わらせてしまいましょう。

動物病院へ連れて行く

ちょっとかわいそうですが、動物病院に連れて行かなければいけない時も寝起きに捕まえるのが有効です。特に、病気などで通院が長引くと、着替えた飼い主を見るだけでも警戒してしまう猫もいます。

そんな時、たっぷり寝た後の寝起きを狙えば、なにがなんだかわからないうちに洗濯ネットやキャリーバッグに入ってもらうことができます。もう動物病院の予約時間を気にしながら追いかけっこする必要はありません。

歯磨き

飼い主さんがなかなかできないお世話といえばこれ、歯磨きです。ほとんどの猫が嫌がるので、必要とわかってはいても諦めてしまう飼い主さんも多いはず。しかし、この歯磨きも寝起きなら比較的簡単です。

奥歯が一番汚れやすいので、喉をくすぐるふりをしながらそっと唇をめくり、奥歯をこそこそと磨きましょう。「なんだ?」と思いつつも、起きている時よりも明らかに簡単に歯磨きさせてくれます。

食いしん坊な猫であれば、猫好みの味がする歯磨きペーストをつけてあげるのも有効です。冷たすぎると起きてしまいますから、歯ブラシはあらかじめぬるま湯にくぐらせ温めておくのがおすすめです。

猫の寝起きはとてもかわいい!でも、いつもと違う行動には注意しよう

無警戒でこちらに身をゆだねてくれて、されるがままの寝起きの姿はとてもかわいいものです。猫が嫌がらない程度に撫でてあげて、スキンシップにおおいに利用するとよいでしょう。また、寝起きを利用してお世話をするのもおすすめです。

しかしながら、猫の寝起きの様子がいつもと違う、今までしなかったような行動を急にしはじめたという場合だけは注意が必要です。無防備になっているところをついでによく観察して、愛猫の不調を見逃さないようにしましょう。

あなたの一言もどうぞ

ページトップへ