猫にビタミンは必要?キャットフードに含まれるビタミンの基礎知識

近年、愛猫ちゃんの健康を深く考えている飼い主さんが日々増えています。

その証拠に、キャットケアスペシャリストや、愛猫健康講座、猫検定など、通信講座で勉強をして資格を取る方も増加しています。

キャットフードも、続々とより良いものが開発されている為、猫ちゃんの寿命も延びていて、平均15歳、ご長寿猫ちゃんでは20歳を超えると耳にしますが、そんな猫ちゃんの健康に飼い主さんが力添えできる事とは、どんな事でしょうか。

それは、愛猫の為に考えられた、日々の食生活への配慮が1番です。

猫に必要な食事に含まれる栄養素は、大きく5つに分類されます。まず、猫のエネルギーの要となるタンパク質や脂肪に炭水化物と、骨などの体づくりに大切なミネラル。

そして、これらの栄養素が潤滑に働くように、欠かせないのがビタミンです。

今回は、体の構成に不可欠なビタミンについて、掘り下げていきましょう!

脂溶性?水溶性?分類される13種類のビタミンとは

猫ちゃんに必要なビタミン類には、脂溶性ビタミンと水溶性大ビタミンと、大きく分けて2種類あります。

ビタミンが最初に発見されたのは、1912年の事です。バイタルと、アミンと言う言葉が合わさってこの名前が誕生しました。

ビタミンは、猫ちゃんの体内で生成することが出来ない栄養素の為、日々の食事から吸収する他ありません。

ビタミンが足りなくなると、ビタミン欠乏症によって、嘔吐や食欲不振に陥ってしまうので、外せない栄養素と言えます。

猫ちゃんに必要なビタミン13種類の内、脂溶性ビタミンは4種、水溶性ビタミンは9種あります。

この脂溶性ビタミンと、水溶性の違い、そしてそれぞれが持つ特徴とは、一体どんなものでしょうか。

まずはじめに、脂溶性ビタミンですが、これは脂肪に溶けるビタミンを指します。

脂肪と一緒に体内に溜まる為、脂溶性ビタミンの摂りすぎにはくれぐれも、要注意しましょう。

ビタミンA ※別名 チアミン※

鶏レバーや卵黄、人参などに多く含まれる栄養素です。

目や皮膚の健康維持と、免疫力に大きく働く為、ビタミンAが足りないと、視力や被毛の機能が低下してしまったり、口内細菌の増殖の恐れがあります。

また、脂溶性ビタミンの為、過剰摂取で関節や脊椎に異常が起きたり、繁殖機能にリスクを伴う場合が考えられます。

ビタミンK1・K2 ※別名 フィロキノン・メナキノン※

血液を固める機能を持ち、レバーや肉類、ほうれん草に含まれる栄養素です。

ただし、ほうれん草には結石を作りやすい「シュウ酸」が入っている事から、猫にとっては、リスクのある食材でもあります。

ビタミンKは、猫の体で作る事ができるものの、1日の消費量には及ばない為、食事から補う事は必須です。

骨を作るカルシウムの手助けをする役割もあり、不足してしまうと貧血の恐れもあります。

ビタミンD ※別名 カルシフェロール※

脂質の多い魚(イワシやサンマ・マグロ)の他、レバーに含まれる栄養素です。

カルシウムやリンの働きを調整してくれるものですが、ビタミンDを摂り過ぎてしまうと、高カルシウム血症や食欲低下、嘔吐などの疾患が起こり、不足してしまうと、低カルシウム血症やビタミンD欠乏症の危険があります。

ビタミンDは、肉や野菜類にはほぼ入っていない為、偏った食事になってしまっている時は、注意が必要です。

ビタミンE ※別名 トコフェロール※

ビタミンEは、卵黄や鮭・かぼちゃなどに含まれています。

抗酸化作用が働いてくれるので、体力回復の補助や動脈硬化の予防にも必要な栄養素です。不足してしまうと、免疫力が低下してしまったり、イエローファットに陥る可能性もあります。

このイエローファットは、マグロやカツオ・アジ・サバなど、青魚の過剰摂取からビタミンEが破壊されて起こるので、食事に出す時は少量を心掛けて下さい。

また、猫缶にはビタミンEが補われていますが、無添加商品には入っていない事が多い為、材料表記を確認してみると良いでしょう。

続いては、水溶性ビタミンについてです。

これは脂溶性ビタミンと違い、脂肪と共に体内に留まる事がなく、必要な分以外は尿と一緒に流れてしまいます。

摂り溜めができないビタミンなので、栄養素として不足してしまわない様に覚えておくと安心です。

ビタミンB1 ※別名 チアミン※

酵母や小麦、鶏モモやラムに含まれる栄養素です。

心臓・肝臓・腎臓に作用するほか、炭水化物を働かせる為に消費する栄養素。不足してしまうと、食欲が低下するだけではなく、ふらつきや嘔吐、視力障害などが起こり、重症になると命の危険もあり得ます。

ビタミンB2 ※別名 リボフラビン※

白内障などの目の疾患に有効とされる他、健康維持には欠かせない栄養素です。

卵黄やレバーにハツ、酵母に多く含まれています。皮膚も健康に保つとされている為、ビタミンB2が不足すると、皮膚炎・皮膚疾患による脱毛や、食欲低下から口内炎に陥発展してしまう場合があります。

ビタミンB3 ※別名 ナイアシン※

多くの食品に含まれる栄養素ですが、中でも肉・魚・雑穀類に多く入っていて、ビタミンB1同様に炭水化物に働きかけ、皮膚を守る作用があります。

ビタミンB5 ※別名 パントテン酸※

多くの食品に含まれる栄養素で、糖や脂質に働きがあります。

細胞がエネルギーを作るのにも必要とされ、皮膚を乾燥から守ってくれているので、不足すると皮膚炎などの疾患に繋がってしまいます。

ビタミンB6 ※別名 ピリドキシン※

ささみやマグロ、酵母、ゴマに含まれる栄養素です。

成長期の子猫に重要な栄養素の為、不足すると成長が遅れてしまう恐れがあります。
その他、赤血球やアミノ酸、炭水化物、脂質に働きかけている事から、外す事の出来ない栄養素です。

ビタミンB7 ※別名 ビオチン又はビタミンH※

酵母と、レバーや卵黄に多く含まれる栄養素です。

ただし、猫にとって、生の卵白はビタミンBを壊してしまう作用がある為、しっかりと卵白を取り除くか、加熱して与えて下さい。

ビタミンB7が壊され、不足してしまうとビオチン欠乏症を引き起こす可能性があります。

ビタミンB7には、皮膚を健康に保ち、毛艶を良くする機能があるので、しっかりと補ってあげましょう。

ビタミンB9 ※別名 葉酸※

酵母やレバー・緑黄色野菜に多く含まれています。

神経組織に働く他、貧血予防に効果があり、人と同じく妊娠中には特に必要となります。欠乏してしまうと、生まれてくる赤ちゃんに奇形が出てしまう事がある為、欠かせない栄養素です。

ビタミンB12 ※別名 コバラミン※

魚や肉に含まれる栄養素です。タンパク質の合成や、赤血球に働きかける事で貧血や老化防止を補佐してくれます。

魚介やレバーに多く含まれていますが、魚介類は猫にとって悪影響となる食材の場合もある為、注意が必要です。

ビタミンC ※別名 アスコルビン酸※

猫の体内で作れる数少ないビタミンとなります。市販のキャットフードの多くにビタミンCは含まれていますが、肝臓疾患や、脂肪の吸収がうまくできない場合には、補ってあげる事が必要です。

主に野菜や果物に多い栄養素です。

猫にとってのビタミンとは?

猫に必要とされる脂溶性ビタミンと、水溶性のビタミン。ビタミン自体の摂取量は、さほど多く無くて良いものですが、栄養をバランスよく体内に取り入れてあげる事。
これが何より先決です。

ビタミンと一言で言っても、その数は思いのほか多いです。

ビタミンが不足してしまうと、やはり健康とは離れてしまう症状が出てしまうので、市販のキャットフードを与えている方も、手作りでごはんを与えている方も、何が入ったご飯を愛猫が食べているか、把握する事はとても大事なのです。

「私はビタミンが足りてません!」と話せる猫は、残念ながらいないと思います。

飼い主さんが健康管理をしてあげる事で、愛猫の元気な姿を見守ってあげられれば、愛猫もその想いに応えてくれる事でしょう。

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